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3話 嘆きのホルマリン ーその1ー
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「おい蜜月、なんで起こしてくんなかったんだよー、遅刻したじゃねえか」
なんかまだ体がダル重い。
蜜月にイチャモンでもつけて喋ってないと、さっき登校したばかりだというのにまた眠ってしまいそうだ。
グッタリした体勢のまま昼メシを頬張って文句を言う俺に、蜜月は困ったような顔で返事をする。
「僕はちゃんと起こしたよ。眠いから先に学校行けって言ったのキバだろ。
…まあでも昼休みにようやく登校だなんて驚いたよ。
もしかして体調、良くないの?」
「いや、別に? 元気だけど?」
まさか精通やら淫夢やら、そんな説明できるわけがない。
てか精通がまだだったことからして恥ずかしすぎる。
そんな調子で昼メシを食ってる最中に、蜜月は思い出したように立ち上がった。
「あっ今日、化学の当番だった!忘れてた」
ああ、実験道具を化学の授業前に準備する、めんどいアレか。
「キバって、このプリン好きだったよね。
僕すぐ行かなきゃだから、良かったらあげる」
そう言ってハニープリンを俺に渡すと、蜜月は化学準備室へと向かっていった。
「それにしてもさぁ、キバと蜜月って本当仲良いよなー。
もはや実の兄弟より仲良しなんじゃね?
俺なんて今朝もクソ兄貴とケンカしてよぉ」
一緒に昼メシを食ってる近藤と桜井が兄弟ケンカ談議で盛り上がりはじめた。
ちなみにだいたい昼は、こいつらと俺と蜜月の4人で食うことが多い。
「そういえばそのクソ兄貴に前聞いたんだけどさ、おまえら「化学準備室の怪」って知ってる?」
近藤がニヤつきながらホラーな声色で勝手に語り始める。
ハニープリンを美味しく食ってる時に怪談話かよ…
グロ展開だけはやめろよな、プリンが不味くなるから。
――――――
そうこうしてる間に昼休みが終わり5時限目がはじまった。
が、今日は化学の講師が欠勤で、教室で自習することになった。
それなら化学準備も必要ないはずなのに蜜月は戻ってこなかった。
今も見当たらない。
…おかしい。
急いで教室を抜けだす。
廊下の窓の外が異様に暗い。
雨が激しく降り、時々稲光りがみえる。
化学室へと続く道は陰鬱な翳りに包まれていた。
なんかまだ体がダル重い。
蜜月にイチャモンでもつけて喋ってないと、さっき登校したばかりだというのにまた眠ってしまいそうだ。
グッタリした体勢のまま昼メシを頬張って文句を言う俺に、蜜月は困ったような顔で返事をする。
「僕はちゃんと起こしたよ。眠いから先に学校行けって言ったのキバだろ。
…まあでも昼休みにようやく登校だなんて驚いたよ。
もしかして体調、良くないの?」
「いや、別に? 元気だけど?」
まさか精通やら淫夢やら、そんな説明できるわけがない。
てか精通がまだだったことからして恥ずかしすぎる。
そんな調子で昼メシを食ってる最中に、蜜月は思い出したように立ち上がった。
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ああ、実験道具を化学の授業前に準備する、めんどいアレか。
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僕すぐ行かなきゃだから、良かったらあげる」
そう言ってハニープリンを俺に渡すと、蜜月は化学準備室へと向かっていった。
「それにしてもさぁ、キバと蜜月って本当仲良いよなー。
もはや実の兄弟より仲良しなんじゃね?
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一緒に昼メシを食ってる近藤と桜井が兄弟ケンカ談議で盛り上がりはじめた。
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「そういえばそのクソ兄貴に前聞いたんだけどさ、おまえら「化学準備室の怪」って知ってる?」
近藤がニヤつきながらホラーな声色で勝手に語り始める。
ハニープリンを美味しく食ってる時に怪談話かよ…
グロ展開だけはやめろよな、プリンが不味くなるから。
――――――
そうこうしてる間に昼休みが終わり5時限目がはじまった。
が、今日は化学の講師が欠勤で、教室で自習することになった。
それなら化学準備も必要ないはずなのに蜜月は戻ってこなかった。
今も見当たらない。
…おかしい。
急いで教室を抜けだす。
廊下の窓の外が異様に暗い。
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