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初めてのスーパーマーケット

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そしてこの後、人生で初めての高級スーパーに向かう為

やたらと上機嫌な態度で20分ほど車を運転してくれた璃音と一緒に

普段はあまり ご縁がない、オシャレなスーパーの駐車場に到着した玲は、

いつもの様に無言で車を降りてすぐ

今日も元気に 虎の威を借る狐みたいに璃音の後ろをテクテクと歩きながら


(さてと、今日は今から何を作ろうかな?
もう2時を過ぎているから簡単な物がいいと思うけど
初めてのお料理はどんなメニューにしようかなぁ…えっと簡単でお手軽で
美味しいご飯を作るんだから、やっぱオムライスとかサラダとかでいいよね~?)

なんてメッチャ庶民的な昼ごはんのメニューを考えていたけれど

そんな事よりも この後なぜか突然に、いきなり お店の入り口で


「じゃあそろそろ…す、す、スーパーに行くぞ玲」

と可愛いビギナーズラックの璃音に店の中へと誘われたので

はい わかりましたーと明るく返事をした玲は この勢いで、この後すぐに

とにかく まぁ高そうなスーパーの中に璃音と二人でサッサと入ってみたのだが……

*****

なぜかクラッシックの名曲が流れる優雅なお店の中で

早速オムライスを作る為に、卵やケチャップなどの食材をカゴに入れた庶民の玲は

あまりにもこのスーパーの商品が高すぎるので、思わず、密かに、あきれ気味に、

(やっぱこの店、メッチャ高いよ~、
だって見た事もないメーカーのスライスハムが1200円で、
聞いた事もない職人のケチャップが980円もするんだよ~?)

こんなの有り得ないよね~と心の中で自分自身と話しながら

やっぱり先程カートに入れた980円のケチャップをやめて、少しでも安い物を探す為に

急いでカートの買い物カゴからボッタクリ的なケチャップを取り出していたら……


(えっ?何これ……私こんなの入れてないんだけどー!)

なんと、いきなりカゴの中に、いつのにか璃音が放り込んだと思われる

黒いトリュフとフォアグラと、8500円の高級ヒレステーキが入っていたから


(えっと、こんなの…いったい何に使うつもりなのかなぁ)

とは言えないコミュ障の~なんて事をやっている場合じゃない玲は

恐る恐る璃音の顔を見上げながらも、ここはひとつ勇気を出して!


「えっと璃音さん、もしかして、このトリュフとかは
えっと、今日のオムライスに~、使う予定なんでしょうか?」

んな訳ないですよね~と思う気持ちを胸に隠して、ソフトな口調くちょうで尋ねてみたのに


「ん?オムライスとカニカマサラダとやらを食った事がないから
今回の買い物に必要なのかどうかはイマイチよくわからないが……
だがトッピングと言えば常識的に考えても、きっとこのあたりが定番なんじゃないのか?」

な~んて全く定番ではないカオスな答えが返ってきたから


「と、とりあえずトリュフとフォアグラはやめた方がいいと思うので……
これはまた次の機会にしましょうか~…って言うか次の機会に決定です!
じゃあ今から私は2万円のフォアグラと~8500円のカオスなお肉を元の売り場に戻してきますね~」


こうして強引に高級食材をもとの売り場に戻してきた玲は

これでなんとかフォアグラ的なトリュフのオムライスを回避できたと思ったのに

一難去ってまた一難

「じゃあ、これはどうだ玲、これなら食後のおやつにピッタリだろう?」

なんて事を笑顔で話す璃音に このままの勢いで、

高級キャビアとメロンと生ハムを買い物カゴに入れられたから、

思わず玲は心の中でマジですか~とビックリしたけれど

なんだか楽しそうな璃音を見ていると、だんだん自分も嬉しい気持ちになってきたので


(まぁキャビアはクラッカーとクリームチーズを買えば簡単なオードブルになるし、
生ハムメロンもイタリアとかの有名なオードブルだから、とりあえずこれなら大丈夫だよね~)

…って感じのオシャレなメニューを心の中で思い浮かべながら


「えっと はい、わかりました。じゃあ璃音さんが選んでくれたキャビアとメロンと生ハムで
美味しいオードブルを作りますから、ジンジャーエールとクリームチーズも一緒に買っていいですか?」


こうして人生初のオードブルを作る事になった玲はこの後

クラッカーとかチーズなどの、オシャレな食材も何個か買って店を出て、

そして大好きな璃音と手を繋ぎながら駐車場へと歩いて行った。
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