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彰編 マジで恋する一日前 前編

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そして一旦場面は変わり

ここは円行寺彰が週に3度の割合わりあいで訪れている、

少し卑猥な目的の為に作られた『女用マンション』のリビングなのだが

*****

今夜も『この』マンションに女を連れてきた彰はいつもの様に

エロ目的で作られたソファーに座ってアームに肘を付きながら、

Clubベルサイユでナンバー2の人気を誇る若いホステスの唇で

男ならば誰でも喜ぶ『事』をされていたのだが……

何度されても夢見心地の天国みたいな行為の最中に……


…Prrrrr!…Prrrrr!

と空気を読まない彰のスマホが突然小さく鳴り始めたので

一瞬彰はイラッとしたけれど、

そうは言っても常に彰はエロティックな詩人なので

大きなドレッサーの鏡に映った今の自分を見ているうちに

これはこれで結構『いい』と感じたから


「大丈夫ですよ?電話の事は気にしないで…ほら、そのまま続けて?」

こうしてトンデモナイ状況で女に奉仕をさせながら、


「どうした翔、明日の件か?」

「はい、マリアの件なんですけど……
面接の時間帯を夕方の4時に変更してもらえませんか?」

「そうか、わかった…わざわざ連絡をくれてありがとうね翔」

て感じの平然とした声で、

早瀬翔との電話をサッサと終わらせて、

そしてこの直後


「ごめんね愛ちゃん…今日も貴女の可愛い口は最高だけど、
あいにく今夜は、さっきの電話で予定外の仕事が入ってね?
もうすぐ俺はこの部屋を出なきゃいけないから……そろそろベッドに行きましょうか?」

と適当な嘘をついて女をベッドに誘い込み、

ありとあらゆる欲を満たしたその後で、

半分意識を飛ばした女を無視してサッサとバスルームに向かい、

今夜も一人で優雅にシャワーを浴びながら

そりゃあもう『声』が大きかった愛ちゃんとの情事を思い出していたけれど

色々と思い出せば思い出す程に、いつもの悪い癖が出てきて

まだ2回しか寝ていない女の事がウザくなったから

(あのさぁ愛ちゃん、正直な気持ちを言ってもいいかな?
実は俺ね?きみのサービス精神旺盛な口のテクが好きだったけど、
肝心の顔と身体と あそこの具合が全然俺のタイプじゃないから、
悪いけどきみの事は今夜で完全に飽きちゃったよ~フフフッ…)

こうして薄情な彰はこの瞬間に短い恋を終わらせて

ついでにサッサとシャワータイムも終わらせて、

そして今夜も清々しい態度で女を玄関まで送りながら

*****

「じゃあ俺は今から仕事だから、また今度ね~愛ちゃん」

と心にもない嘘をついて女を帰らせた後すぐに

今夜も無人の静かなリビングで

ゆったりとソファーに座って冷えたビールを飲みながら

毎度毎度の虚しい気持ちをごまかす為に、

なんとなくテレビのボタンを押してみたのだが

この後テレビに映った映像は、2年程前に公開されて少し話題になっていた、

実写版シンデレラのハリウッド映画だったから

なんとなくこの映画の内容が気になった彰は思わずリモコンを握ったままの状態で


(しかし最近の映画は地上波になるのが早いよね~)

なんて事を考えながらも割と真剣な表情で

やたらと大きなテレビの画面をジーッと見つめていたけれど

この時の彰は自他じたともに認める独身貴族の遊び人だから

まさかこの後一夜いちやが開けて、いつもと変わらぬ明日の午後に、

真っ赤な夕陽の歓楽街で、

突然いきなり運命の女とマンガみたいな出逢いを果たした挙げ句の果てに

ちょっとおチビの可愛いリアルなシンデレラを追いかけ回していたなんて

そりゃあもちろん1ミクロンも、そして夢にも思っていなかった。
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