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星屑のオブシディアン 前編
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そしてこの後わずか5分で
キラキラと輝く龍崎サファイアホテルに到着したタクシーを
フラフラしながらトットと降りた無職の恵は華麗な放心状態で
「それじゃあ早速レストランに行きましょうか恵さん」
と声をかけてくれた優しい美女と一緒にテクテク歩いて、
そのままホテルの中へと入り、
そしてエスカレーターで二階へ上がって美女としっかり手を繋ぎながら
超~高そうなレストランに連れてきてもらったが……
*****
とにかくキンキラキンのレストランへと案内されたその直後、
「お疲れ様でございます副社長、いつものお席で宜しいでしょうか」
「あぁ 今夜もいつもと同じ席でいいよ。それと食事が終わったら、
今夜はこの子を連れて『上』に行くから、そっちの方も頼むよ支配人」
「かしこまりました副社長」
こうして明らかに遊び慣れている美女と二人で広い個室に入ったが
まるで宝石みたいにキラキラしている
美しい部屋のテーブル席に案内された恵は次第にジワジワと
「ほら恵さん、早くココにお座り?」
「あぃ…わーりました」
「きっとお腹が空いているんでしょう?
メニューは私が選んであげますから、遠慮しないで沢山食べて下さいね」
「はぃ…ありぁとうです」
こんな感じで少しずつ日本語が復活してきて、
そして自分が空腹だった事もバッチリと思い出したので
このあと綺麗なお姉さんと一緒に豪華なテーブルを囲みながら
今まで一度も口にした事がない位に美味しい晩ごはんを食べ終わった頃にはもうすっかりと
いつもの元気な明るい自分に戻っていたから、
だから この後いきなり美女から真顔でスラスラと、
「さてと~、じゃあそろそろ上の部屋で
おいしいシャンパンを飲みましょうか恵さん、
最上階のスイートはね?綺麗な星が見えるんですよ?フフフッ…」
て感じのメッチャわかりやすい直球ストレートを投げられても
もう恵はこのお姉さんを疑う事なんて出来ないから
「えっ?上のお店は星が見えるの?
じゃあえっと、お姉さんが連れて行ってくれるなら、
私も最上階のスイートってお店に行ってみようかな~」
こうして何も知らないままでレストランを出てすぐに
とにかく全てがヤバい彼女とエレベーターに乗り込んで
そしてそのまま最上階のスイートルームに向かったが……
*****
こんな状況になっても恵は性懲りもなく
「ねぇねぇお姉さん、このお店ってメッチャ窓が大きくて
凄~く星が綺麗だから、あそこのテラスに行ってもいいですか?」
「ん?テラス?もちろん行ってもいいですよ?フフフッ……」
て感じで微笑んでいる美しい男の事を
いまだに綺麗なお姉さんだと勝手に思い込んでいたから
呑気にホイホイこんな所に来たせいで、
「なるほど貴女は星を見るのが好きなんですね?
じゃあテラスの露天風呂で、ゆっくりと湯に浸かってみては如何ですか?」
「えっ?ここって露天風呂があるんですか?」
「えぇ、ほらココに素敵なお風呂があるでしょう?
今夜はココでゆっくりと寛いで…しっかりと体を綺麗にしておいで?」
「はい、わかりましたー。えっ?何これ!
めっちゃ広いお風呂じゃないですかー!しかもバラの花びらが浮いてるしー、
…て言うかこんなに凄いお風呂に入るのは初めての経験ですよ~お姉さん。
じゃあ早速お言葉に甘えて~、綺麗なお風呂を頂きますね?行ってきまーす!」
こうしてアホの恵は今まさに
今世紀最大級の危険が迫っている事も
人生初のスイートルームが何なのかもサッパリわからないままの状態で
(やっぱ都会って凄いよね?だってキンキラキンのホテルの中に
めっちゃ美味しいレストランがあって、しかも最上階のお店には
貸し切り用の露天風呂があるんだからさ?マジでビックリだよね~?お婆ちゃん)
と感動しながら粗末な下着をサッサと脱いで、広いお風呂にトットと入り……
綺麗に身体を洗った後で、人生初のバラの湯船に浸かながらり
(なる程なる程。丁度いい湯加減じゃーん。
…て言うかココのお風呂は地上の楽園だよね~。
だってここから見える満天の星空は、言葉に出来ない位に綺麗なんだもん……。
あーーっ!あそこに見える無名の星は、きっとお婆ちゃんの星だよね?
…て言うか私達人間はさ?皆きっと地球の一部なんだから、つまりプー太郎の私も金持ちも、
みんな最後は星になるんだよきっと……だからアホの洞窟が潰れた位の事でさ?
人生の終わりみたいにヘコんでいたらダメだよね?だって私の人生は、まだまだ全然これからなんだもん!)
こうして壮大な宇宙の理論で元気を取り戻した迄は良かったけれど
そんな事よりも長湯が苦手な恵はそろそろ、のぼせそうになったから
このまますぐにお風呂を上がって冷たいウーロン茶を飲みながら
(さてとー、今日はアホの洞窟で貧血が起きそうになったから
結構大変な一日だったけど、でも優しいお姉さんと心の友になれたから、
終わり良ければ全て良しって事にして、今から彼女にお別れの挨拶をした後で
お婆ちゃんが契約してくれたアパートに行こうかな?…て言うかもう夜だから早く帰らなきゃね?)
と早くも一期一会の計画を立てた後すぐに、
今日は本当に何から何までお世話なったお姉さんに別れの挨拶をしようと思って
レッドレトリバーの鞄を肩に掛けた恵は意気揚々とテラスの窓から部屋の中へと入ったのに
次の瞬間、アホの恵が見た物は……
なぜか明かりが薄暗い間接照明に変わっていた、めっちゃ妖しいリビングのソファーで堂々と
オールバックのイケメン男が白いバスローブ姿で優雅に足を組みながら
苺を片手にシャンパンを飲んでいた衝撃の光景だったから!
思わず恵は開口一番……
「はあぁあ!?あんたは誰?綺麗なお姉さんはドコに居るの?」
と正直な気持ちを言ったのに、そんな恵を見つめる超絶イケメンは
なんと この後、またまた肩を震わせながら
「確かにきみは~、今まで出逢った誰よりも可愛い女だけどね?
でもそろそろこの辺で…楽しいお姉さんごっこは終わりだよ?
まるでシンデレラの様に愚かで可愛い、俺の恵さん?クックックックックックック……」
て感じの美しいラスボスに変身したので
あまりにも突然すぎるこの展開がイマイチよくわからない恵は為す術もないままで
笑い上戸の綺麗な超絶イケメンを、このまま黙って見つめる事しか出来なかった。
キラキラと輝く龍崎サファイアホテルに到着したタクシーを
フラフラしながらトットと降りた無職の恵は華麗な放心状態で
「それじゃあ早速レストランに行きましょうか恵さん」
と声をかけてくれた優しい美女と一緒にテクテク歩いて、
そのままホテルの中へと入り、
そしてエスカレーターで二階へ上がって美女としっかり手を繋ぎながら
超~高そうなレストランに連れてきてもらったが……
*****
とにかくキンキラキンのレストランへと案内されたその直後、
「お疲れ様でございます副社長、いつものお席で宜しいでしょうか」
「あぁ 今夜もいつもと同じ席でいいよ。それと食事が終わったら、
今夜はこの子を連れて『上』に行くから、そっちの方も頼むよ支配人」
「かしこまりました副社長」
こうして明らかに遊び慣れている美女と二人で広い個室に入ったが
まるで宝石みたいにキラキラしている
美しい部屋のテーブル席に案内された恵は次第にジワジワと
「ほら恵さん、早くココにお座り?」
「あぃ…わーりました」
「きっとお腹が空いているんでしょう?
メニューは私が選んであげますから、遠慮しないで沢山食べて下さいね」
「はぃ…ありぁとうです」
こんな感じで少しずつ日本語が復活してきて、
そして自分が空腹だった事もバッチリと思い出したので
このあと綺麗なお姉さんと一緒に豪華なテーブルを囲みながら
今まで一度も口にした事がない位に美味しい晩ごはんを食べ終わった頃にはもうすっかりと
いつもの元気な明るい自分に戻っていたから、
だから この後いきなり美女から真顔でスラスラと、
「さてと~、じゃあそろそろ上の部屋で
おいしいシャンパンを飲みましょうか恵さん、
最上階のスイートはね?綺麗な星が見えるんですよ?フフフッ…」
て感じのメッチャわかりやすい直球ストレートを投げられても
もう恵はこのお姉さんを疑う事なんて出来ないから
「えっ?上のお店は星が見えるの?
じゃあえっと、お姉さんが連れて行ってくれるなら、
私も最上階のスイートってお店に行ってみようかな~」
こうして何も知らないままでレストランを出てすぐに
とにかく全てがヤバい彼女とエレベーターに乗り込んで
そしてそのまま最上階のスイートルームに向かったが……
*****
こんな状況になっても恵は性懲りもなく
「ねぇねぇお姉さん、このお店ってメッチャ窓が大きくて
凄~く星が綺麗だから、あそこのテラスに行ってもいいですか?」
「ん?テラス?もちろん行ってもいいですよ?フフフッ……」
て感じで微笑んでいる美しい男の事を
いまだに綺麗なお姉さんだと勝手に思い込んでいたから
呑気にホイホイこんな所に来たせいで、
「なるほど貴女は星を見るのが好きなんですね?
じゃあテラスの露天風呂で、ゆっくりと湯に浸かってみては如何ですか?」
「えっ?ここって露天風呂があるんですか?」
「えぇ、ほらココに素敵なお風呂があるでしょう?
今夜はココでゆっくりと寛いで…しっかりと体を綺麗にしておいで?」
「はい、わかりましたー。えっ?何これ!
めっちゃ広いお風呂じゃないですかー!しかもバラの花びらが浮いてるしー、
…て言うかこんなに凄いお風呂に入るのは初めての経験ですよ~お姉さん。
じゃあ早速お言葉に甘えて~、綺麗なお風呂を頂きますね?行ってきまーす!」
こうしてアホの恵は今まさに
今世紀最大級の危険が迫っている事も
人生初のスイートルームが何なのかもサッパリわからないままの状態で
(やっぱ都会って凄いよね?だってキンキラキンのホテルの中に
めっちゃ美味しいレストランがあって、しかも最上階のお店には
貸し切り用の露天風呂があるんだからさ?マジでビックリだよね~?お婆ちゃん)
と感動しながら粗末な下着をサッサと脱いで、広いお風呂にトットと入り……
綺麗に身体を洗った後で、人生初のバラの湯船に浸かながらり
(なる程なる程。丁度いい湯加減じゃーん。
…て言うかココのお風呂は地上の楽園だよね~。
だってここから見える満天の星空は、言葉に出来ない位に綺麗なんだもん……。
あーーっ!あそこに見える無名の星は、きっとお婆ちゃんの星だよね?
…て言うか私達人間はさ?皆きっと地球の一部なんだから、つまりプー太郎の私も金持ちも、
みんな最後は星になるんだよきっと……だからアホの洞窟が潰れた位の事でさ?
人生の終わりみたいにヘコんでいたらダメだよね?だって私の人生は、まだまだ全然これからなんだもん!)
こうして壮大な宇宙の理論で元気を取り戻した迄は良かったけれど
そんな事よりも長湯が苦手な恵はそろそろ、のぼせそうになったから
このまますぐにお風呂を上がって冷たいウーロン茶を飲みながら
(さてとー、今日はアホの洞窟で貧血が起きそうになったから
結構大変な一日だったけど、でも優しいお姉さんと心の友になれたから、
終わり良ければ全て良しって事にして、今から彼女にお別れの挨拶をした後で
お婆ちゃんが契約してくれたアパートに行こうかな?…て言うかもう夜だから早く帰らなきゃね?)
と早くも一期一会の計画を立てた後すぐに、
今日は本当に何から何までお世話なったお姉さんに別れの挨拶をしようと思って
レッドレトリバーの鞄を肩に掛けた恵は意気揚々とテラスの窓から部屋の中へと入ったのに
次の瞬間、アホの恵が見た物は……
なぜか明かりが薄暗い間接照明に変わっていた、めっちゃ妖しいリビングのソファーで堂々と
オールバックのイケメン男が白いバスローブ姿で優雅に足を組みながら
苺を片手にシャンパンを飲んでいた衝撃の光景だったから!
思わず恵は開口一番……
「はあぁあ!?あんたは誰?綺麗なお姉さんはドコに居るの?」
と正直な気持ちを言ったのに、そんな恵を見つめる超絶イケメンは
なんと この後、またまた肩を震わせながら
「確かにきみは~、今まで出逢った誰よりも可愛い女だけどね?
でもそろそろこの辺で…楽しいお姉さんごっこは終わりだよ?
まるでシンデレラの様に愚かで可愛い、俺の恵さん?クックックックックックック……」
て感じの美しいラスボスに変身したので
あまりにも突然すぎるこの展開がイマイチよくわからない恵は為す術もないままで
笑い上戸の綺麗な超絶イケメンを、このまま黙って見つめる事しか出来なかった。
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