はぐれ猟師の異世界自炊生活~フェンリル育てながら、気ままに放浪させてもらいます~

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2巻

2-2

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「ヒュウガ殿、お久しぶりですね。私まで呼んでいただき、ありがとうございます」
「何を言うのですか、アイザック達との一件ではお世話になりましたし、当然です」

 セツをきちんと従魔登録じゅうまとうろくしていなかったら、俺は罪に問われていた可能性もあるのだ。それに、彼は事情聴取の際に、セツの弁護までしてくれたそうだ。

「いえいえ、協会としては当然です。彼らの暴挙を許すわけにはいきません。それに、セツ君が良い子だと、私達はみんな知っていますから。もちろん、貴方あなたのことも」
「ありがとうございます……そう言っていただけると、嬉しいですね。では、どうぞ」

 信頼してもらえるというのは、実に嬉しいものだ。
 続いてやって来たのは、クラリスだ。
 ギルドでの仕事帰りなので、パリッとした格好をしている。

「まったく、呼ぶのが遅いわよ。いつ食事に誘ってくれるのか待ってたのに」
「え? そうだったのか? でも……そんなこと言ってたか?」
「ヒュウガ、そういうのは殿方が気づくべきなのよ。まだまだ勉強不足ね」

 そう言って、クラリスは悪戯いたずらっぽく笑った。本当に、女心って難しい。
 次に来たのは、ドワーフの鍛冶師かじし、ノイス殿だ。

「ふむ、来てやったぞ……今回は災難だったな」
「いえ、貴方のおかげでなんとかなりました。本当に、ありがとうございました」
「ワシが改造した武器が役に立ったなら良い。ところで……酒と肉はあるんだろうな?」

 ノイス殿はただよってくる料理の匂いに、鼻をヒクヒクさせている。

「ええ、もちろんです。好きなだけ食べて、飲んでください」
「そうか! ならば遠慮はせん! 等価交換だ!」

 そして、今日二度目のエギルも顔を見せた。

「友よ! 我はこの日を待ちわびたぞ! さあ、我にあのソースを!!」
「いらっしゃい、エギル。はいはい、赤ワインソースもちゃんと用意してあるから。肉はエギルが用意してくれたしね」
「うむ、かなりの大物だったのでな。いやはや、心躍る戦いであった。今度は、共に狩るとしよう」
「そういうのも良いな」

 最後に到着したのは、女神――間違えた、ユリアだ。
 今日は仕事帰りなので、騎士団の制服を着ている。よろいこそないが、相変わらず格好良い。

「すまない。どうやら、私が最後のようだな」
「いえ、みんなも今来たところですよ。セツも、お出迎えありがとうな」
「キャウン!」
「まったく、セツが宿の前にいるから、町のみんなが見に来て大変だったぞ?」

 ユリアは足元のセツを見て肩をすくめる。

「あっ……失念していました。そういえば、セツはみんなのアイドルだったな」
「ふ、ふふふ……そうか! アイドルか!」
「クゥン?」
「いや、ヒュウガといるときないな。仕事の疲れも飛んだよ」
「それは、良かったです。では、どうぞ」

 ノエルに席まで案内してもらって……これで全員揃ったな。
 宿の主人のロバートさんは仕事で参加できないから、後で提供する予定だ。
 俺は厨房の前に立って、みんなに挨拶する。

「えー、皆さん。本日はおいそがしい中集まっていただき、ありがとうございます。皆さんのおかげで、俺はこの町で楽しく過ごせています。今日はそのお礼をしたいと思い、この場を設けました。美味しい料理を提供するので、ぜひ楽しんでください」

 みんなが拍手してくれるが、やはりこういうのは照れる。

「じゃあ、ノエル。まずは、飲み物の希望を聞いてきてくれるか?」
「はい!」

 ノエルがメモを片手にテーブルへ向かう。
 俺はその間に、具材たっぷりのトマトスープをよそい、カートの上に載せていく。

「ヒュウガさん! 聞いてきました!」

 早速ノエルが戻ってきた。ちなみに、お客さんの前なので、お父さん呼びではない。

「ありがとう、ノエル。ふむふむ、わかった」

 メモを見て、コップにそれぞれ飲み物を注ぐ。
 それをノエルがお盆に載せて持っていく。

「よし、今のうちに……」

 フライパンに油を入れ、キノコ類と葉物野菜を入れて炒める。
 それからパンを切り、トースターに入れておく。
 飲み物を配り終えて戻ってきたノエルは、すぐにスープの配膳はいぜんに取り掛かった。
 うむ、手際が良い。もし店を開いたら雇いたいくらいだ。
 キノコ類と葉物野菜がしんなりしてきたら、バターと醤油を投入する。
 ジュワッと音が鳴り、バターと醤油の香ばしい香りが部屋中に漂う。

「おお! 良い匂いだ!」
「だな! ロダン! このワインも実に美味うまい!!」
「うむ! 龍人の旦那だんな! おぬし、わかっておるわい!」

 ロダンさんとノイス殿、それにエギルの声が厨房にも聞こえてくる。
 この三人は気が合いそうだから、席を近くにしたのは正解だった。龍人族ということで、エギルは少し距離を置かれがちだが、心配なさそうだ。

「……よし、こんなものか」

 キノコ類と葉物野菜のソテーの出来上がりだ。
 盛り付けた皿をカートに載せて、ノエルが持っていく。
 エギル達だけでなく、クラリスとユリアも、大分打ち解けてきたようだ。

「何これ!? トマトってこんなに美味しいの!?」
「だろう? クラリス。私も、最初は驚いたものだ」
「はー……長生きしても、わからないことはあるわね。やっぱり、ヒュウガといると飽きないわ」
「ふふ、それには同感だ」

 やはり、料理は良い。人と人を繋げることができる。
 料理を媒介ばいかいにして、色々な種族が交流する……うん、素敵だな。
 もし自分の店を持てるなら、そんな場所にしたいと思う。
 一方、セツは何やらトマスさんと会話(?)しているようだ。セツが「キャン!」て言うたびに、トマスさんがしきりに頷いている。
 テイマー協会代表だけあって、セツの言葉がわかるのかも。

「おっ、パンが焼けたか」

 取り出して皿に盛ったら、次はいよいよメインディッシュである。
 包みから取り出した肉を、まな板の上で切っていく。
 表面は香ばしい焼き目が付き、中はピンク色に染まっている。
 しっかり、低温で火が通った証拠だ。会心の出来栄できばえに、ノエルも歓声を上げる。

「わー! 綺麗きれいな色!」

 薄切りにしたローストビーフを、皿の中央に花が咲くように盛っていく。
 そして、皿の右側にオレンジソース、皿の左側に赤ワインソースをそれぞれ載せる。
 そのまま食べてもいいし、お好みで二種類のソースをつけてもいい。

「よし……完成だ!」

 俺は厨房から出て、みんなに話しかける。

「皆さん、お食事はいかがですか? 本日のメインディッシュは、牛鬼の肉を使ったローストビーフです。皆さんへの感謝を込めて作りました。この肉はエギルが提供してくれたものです。彼がいなければ、この料理は作れませんでした。ありがとう、エギル」
「いやはや……そう言われると、がらにもなく照れてしまうな」

 エギルは照れくさそうに頭をいた。
 みんなが微笑みを浮かべる中、ノエルと俺で料理を提供していく。
 せっかくだから、ノエルとセツにも食べてもらおう。

「それでは、お召し上がりください」

 その言葉を合図に、みんな一斉に口に入れ……

『美味い!』

 集まったみんなの声が重なる。

「な、なんだ!? これは!? 生肉? 燻製肉くんせいにく?」
「柔らかいぞ!? 口の中で溶けるようだ!」
「我は、これを食べるために生まれたのかもしれん!」

 ロダンさんとノイス殿が顔を見合わせ、エギルは感動に打ち震えている。
 トマスさんは静かに味わっているが、フォークが止まらない様子だ。

「これは、未知の味ですね……素晴らしい」

 うん、男性陣には好評だ。女性陣にも気に入ってもらえたようで、クラリスとユリアがしきりに頷いている。

「何これ!? 長く生きてるけど、こんな料理知らないわ!」
「これは私も初めてだ。だが……美味しい!」
「ふわぁ!! おいひい!! とろけるよー!」
「キャウン…………」

 ノエルはうっとりとほおを押さえ、セツに至っては、美味すぎたのか放心している。
 みんなの反応を見る限り、ローストビーフのような調理法は知られていないようだ。
 さて、俺も頂くとするか。
 ……ッ!? 口に入れた瞬間になくなったぞ!?
 美味い! A5ランク並みだっ!
 もう一度、今度は意識して食べてみる。
 むと、旨味があふれ出し、ほどよい脂が口の中でとろけていく。
 今度はソースをつけてみる。
 濃い赤ワインソースに負けていない! オレンジソースの方は、肉の味が引き立つ!
 うむむ……牛鬼か、いずれ俺も出会いたいものだ。
 その後、しばらく談笑し……お開きになった。
 笑顔で帰るみんなを見送りながら思う。
 自分が好きなことで、好きな人達がこんなにも喜んでくれる。
 こんなに幸せなことがあるだろうか。
 本来、異なる種族間の交流はあまりないらしいこの世界において――鳥族はいないけれど――みんなが同じ食卓につき、同じ物を食べ、同じく幸せな表情をしている。
 俺の目指すべきものが、見えてきたかもしれない。


 ◆


 とある辺境の地の領主が、屋敷の自室で部下から報告を受けていた。

「さて、聞こう。転移者ヒュウガとは、どのような人物なのだ?」
「はっ! まずは、奴の戦闘力です。その強さは龍人であり、A級ハンターでもあるエギル殿をしのぐほどです」
「なるほど、にわかには信じ難いが、それが事実なら、A級上位の者より強いことになる。ならば、A級でも下位のハンターであるカズラを倒すのは容易たやすいか」
「同感です。さすがは異世界人、ということなのでしょうか?」
「いや、そうとも限らん。戦闘力皆無かいむの者もいたし、強くても魔王になるような邪悪な者、あるいは勇者になるような善の者……様々なタイプがいる」
「私はお伽話とぎばなしだとばかり思っていたので……」

 恐縮する部下に、領主はニヤリと笑う。

「皆、そうだろう。彼らが現れるのは五十年に一度で、しかも場所は決まっていない。中には、気づかれずに死んだ者もいるだろう。それで、肝心の人柄はどうだ?」
「はっ! 今のところ問題ないかと。住民からも好かれており、ギルドマスターであるクラリス様の覚えも良く、テイマー協会からも信用されています。何より……」
「王女であるユリア様が、人柄を保証するか……最初に聞いた時は、さすがの私も驚いたものだ。あの男を寄せ付けないお転婆てんばがな……一体どんな手を使ったのか」

 ヒュウガはかなりの人誑ひとたらしなのかもしれない。領主は「英雄いろを好む」という言葉を思い出さずにはいられなかった。

「そうですね、我々も驚きました。相当にんでいる様子です」
「それはそれで良くないのだがな。まあ、我々にはあまり関係ない。他に何かあるか?」
「はっ! 前にも報告しましたが、ヒュウガはフェンリルという最強の魔物を従魔にしております。それから、鳥族と敵対した際に、兎の獣人を助けています」
「孤高の狼フェンリルを手懐てなずけ、気難しいクラリス殿や、好き嫌いがはっきりしているエギル殿にも気に入られ、しまいにはユリア様に惚れ込まれるとはな……一体どんな男なのか、想像もつかん。まあ、いざとなれば呼び出せばよいか」

 領主はそう独白しながら苦笑する。

「……よし、下がっていいぞ」
「はっ、失礼いたします!」

 部下が部屋から退出すると、領主は席を立ち、窓辺から外を眺めた。

(さて、この国にどのような影響を与えるか。いや、国などどうでもいい、この辺境に害さえ与えなければな。奴は勇者になるか魔王になるか、またはそれらとは違う何かになるか……しばらく様子を見て、見極めるか。もし、私の邪魔になるようなら、その時は覚悟してもらおう)

 領主はけわしい顔で一つ頷くと、カーテンを閉めて部屋を後にした。


 ◆


 宿で開催した食事会から数日後。俺はエギルの休みに合わせて出かける準備をしていた。
 ジャケットや武器類など、普段と違ってフル装備だ。

「ノエル、お留守番よろしくな」
「はいっ! お父さんもセツちゃんも、気をつけて!」
「よし、良い子だ」

 ノエルの頭を撫でつつ、エギルに視線を向ける。

「エギル、すまん。何かあれば頼む」
「なに、気にするな。ノエルは我が責任を持って面倒を見よう。ヒュウガ、お主なら心配ないだろうが、油断だけはするなよ?」
「ああ、わかっている。なっ、セツ?」
「ワフッ!」

 そう、今日は初めてのダンジョンボス戦に挑戦するつもりだ。
 そんな危険な場に、ノエルを連れて行くわけにはいかない。
 かといって、一人にしておくのも不安だったので、エギルが休みの日に合わせたのだ。

「セツ、行くとするか」
「キャン!」

 体力温存のために、今日は俺が抱っこして移動する。
 俺が抱え上げると、セツが元気よくえた。気合い十分というよりは、抱っこが嬉しいだけかもしれない。


 しばらくして、ダンジョンに到着した俺は、ワープゾーンに入った。
 以前のダンジョン攻略の際に、ワープを解放しているので、十階のボス階層までショートカットできるのだ。
 若干緊張しながら、扉の前に立つ。
 そして、クラリスに説明されたことを確認する。
 確か、ボス部屋に入れるのは二十名まで。人数が増えるほどにボスの体力や強さが上がる。なので、必ずしも人数が多ければいいというわけではない。そして、こちらが部屋に入らない限り、敵は動かない。つまり、危険ならその時点で退けば良いのだ。

「……よし、行くか」

 気合いを入れて扉を開けると……そこは東京ドームくらいはありそうな、真っ白な空間だった。
 中にはゴブリンが数十匹いて、その集団の中央には、一際ひときわ目立つ大柄おおがらな個体がいる。

「あれがゴブリンジェネラルか。強さは確か、平均値がD+だったか?」

 普通のゴブリンの身長や体格は小学生程度だが、ジェネラルは成人男性くらいある。
 顔つきも多少人間らしくなっていて知性が感じられるし、鎧や武器を纏っている。

「D+なら、セツと互角程度か……さて、セツ」
「ワフッ?」
「俺がゴブリン共を一掃いっそうしよう。真ん中の奴はお前に任せる。強くなりたいなら……俺に見せてみろ」
「ワフッ!」

 少し危険ではあるが、一段上に行くためには、そういう戦いも必要だ。
 本人が強くなりたいと望んでいるのに、それを邪魔するのは親のエゴにすぎない。

「だがな、セツ。俺はお前が大事だ。もし危ないと思ったら、迷わずに助けるからな。そこだけはゆずれない。それが嫌なら頭を使え。敵の動きをよく観察して、法則性を見つけるんだ。奴とお前のステータスはほぼ互角だろう。それでも、圧倒的有利な戦いをするならば、俺は手を出さない」
「……キャン!!」
「わかってくれたか。よし、行くぞ」

 部屋の中に足を踏み入れると、自動的に扉が閉まった。
 セツの体力を温存させるために、俺が道を切り開こう。
 俺は大剣を構え、押し寄せるゴブリン共に突っ込んでいく。
 俺が一振りするたびに、肉がつぶれる嫌な音と共に、ゴブリンの四肢が千切ちぎれ飛ぶ。
 良いか悪いかは別として、最早ゴブリン相手なら忌避感きひかんはない。俺は縦横無尽じゅうおうむじんに動き回ってゴブリン共を蹂躙じゅうりんし、あっという間に雑魚ざこゴブリン共を片付けた。

「では、セツ」
「ワフッ!」

 そのやり取りを合図に、ゴブリンジェネラルが動きだした。
 奴は身体のほとんどが鎧に覆われ、剣と盾を持っている。
 セツが俺の前に出て、ゴブリンジェネラルと対峙たいじする。
 大きさは四倍以上、強さは互角……さて、お手並み拝見といこうか。


 ◆セツ


 僕の目の前にいるのはでかいゴブリンジェネラル。少し離れた所で、パパが見守っている。
 どうすれば、パパが安心して見ていられるように戦えるかな?
 とりあえず、今の僕にできることをやってみよう!
 僕は前に出て、でかいゴブリンと向かい合う。
 僕が攻撃しないと思ったのか、そいつは「グギャ!!」とうなりながら剣を振り下ろしてきた。
 僕は左にかわし、そのまま接近。すれ違いざまに、鎧に爪を立てる。
 そうか……やっぱり鎧は、今の僕では切れないのか。
 氷のブレスは? 隙間から入れば効くかな? ……やってみよう。

「グルァ!」

 命中したのに、威力が弱いからか、あまり効果がないみたい。
 その後、何回か攻防を続けたけど……なかなかダメージを与えられない。
 えっと、パパは敵の動きをよく見て、法則性はないか探せとか言ってたっけ……
 そういえば、あいつは盾を全然動かさない……?
 それに、どちらかといえば、僕が攻めるのを待っているみたいだ。
 僕が近づくと、剣を振り下ろしてくる。その時も盾はほとんど動かさない。
 ……もしかして、盾で覆ったところをかばっているのかな?

「ガウ!」

 僕は攻撃を慎重に避けながら、あいつの周りの地面にブレスを吐きかけ、氷を張っていく。
 よし、準備はできた……作戦開始だ!
 僕は氷の上を滑るように走り、あいつの周りをぐるぐる回る。
 僕のスピードはグングン上がり、あいつは目で追えていない。
 今だ!! 僕は盾を持つ方の肩に向かって、加速した勢いのまま突撃する!

「クゲェ!?」

 ズドン! という音と共に、あいつは尻餅しりもちをつく。
 よし! 盾も落とした! そうか、理由がわかった!
 盾で隠していた部分には鎧の切れ目があり、肌をさらしている。

「グルァ!」

 僕はその部分に向かって、氷の槍を放つ。
 それは見事素肌の部分に当たり、血が噴き出る。
 奴は立ち上がろうとするけど、すかさず傷口に爪を立てて追撃を加えると、バランスを崩して地面に倒れ込んだ。
 もうあいつは弱っているはずだけど、ここで僕は一度下がった。
 戦いとは最後まで油断してはならない。どんなに不利な状況でも、一発逆転はあり得る。だから、自分が不利な状況でも決してあきらめてはいけないし、相手より有利でも気を抜いてはいけない。パパがそう言っていたから。
 ゴブリンジェネラルとかいう奴は、血を流しながらも地面に手をつき、体を起こそうとする。奴は今、両手で身体を支えていて、首を守れない。
 僕は、この瞬間を待っていたんだ!


 すかさず跳躍ちょうやくし――喉笛のどぶえに噛み付く。

「ガァァァ!?」

 敵は起き上がることなく、そのまま仰向あおむけに倒れ込み……透明になって消えた。
 ということは……わーい、僕の勝ちだ! パパ、見てた!?
 僕が喜びのあまり飛びつくと、パパは強く抱きしめてくれた。
 えへへ、嬉しいな!


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