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1巻
1-3
しおりを挟む「さて、見るといい」
俺はユリアさんの後ろから水晶を覗き込む。
どうでも良いけど、髪の毛から良い匂いがする。
ユリア・カサンドラ 二十四歳 人族
体力:C 魔力:C
筋力:C 知力:C+ 速力:C+ 技力:C+
称号:姫騎士
「なるほど。ユリアさんはどれくらいの強さなんですか?」
「これでも、そこそこ強い部類だ。順を追って説明しよう。それぞれの項目は上から順に、S+、S、A+、A、B+、B,C+、C、D+、D、E+、Eの十二段階で表わされる。町に住む一般人がE~E+。D+の能力があれば戦いを生業にできると言われている。B+~Aで一流、Sまで行くと人外と言われる。ちなみに、S+は前人未到だ。英雄と呼ばれる者でもB+からA+くらいの能力だな。ほとんどの者は、どんなに頑張ってもB以上にはならない。戦える人の中ではC~D+が一番多いだろう」
「では、俺はA+~B+が半分以上あるから、相当高い方みたいですね」
「本当にな。さて、次にステータスの項目の説明だ」
『体力』はスタミナや体の強健さを表している。『魔力』は魔法を使う際の強さや持久力、魔法に対しての抵抗力に関係する。そして、『筋力』は単純な力の強さ。『知力』は賢さと知識量。『速力』は素早さ。『技力』は手先や身のこなしの器用さについてのパラメーターなのだそうだ。
「次は称号についてだ。称号がつく条件は二つだ。何かを成し遂げた時と、周りからそういう存在だと認識された時だな」
「たとえば、どんなことですか?」
「ヒュウガ殿の『森の主を倒せし者』というのは、森の主であるレッドベアーを倒したから、前者だろう。私の『姫騎士』は、周りからそういう風に言われるうちについたんだと思う」
ユリアさんは何故かはにかんでいる。
姫騎士……お似合いだと思うけど。
「なるほど、大体わかりました」
「ちなみに、この水晶はステータス確認アイテムだ。主に、ダンジョンなどで発見される」
「ダンジョンというのは?」
「ダンジョンは神の試練、または贈り物と言われる。突然現れることから、そう呼ばれているのだ。中は特殊な地形になっていて魔物がいるが、良いお宝も見つかる」
「なるほど……だから試練で、贈り物なんですね」
俺は一度、今聞いた情報を頭の中で整理する。ステータス、称号、ダンジョン。どれもゲームの中に出てくる単語だ。そこで、気になったことが一つある。
「たとえば、死んだら生き返りますか? ダンジョン内とか、この世界で……」
「何を言っている? どこであろうと、死んだら生き返らない。蘇生魔法という夢を追い求める者もいるが、成功した例はない」
なるほど、ゲームの世界に入ったわけじゃなくて、あくまでもこの世界は現実ってことだ。
「さて、こんなものでいいかな?」
「ええ、大丈夫です。ありがとうございます」
「ふむ……力を手にしたのが、ヒュウガ殿で良かった」
「いえ! こちらこそ、色々とありがとうございます」
「長くなったが、話はこの辺にして、次はハンターギルドに案内しよう。ヒュウガ殿みたいな流れ者は、一度寄っておいた方がいいだろう。その後町を出て辺境都市ナイゼルに向かうぞ。さっきのゴールデンラビットは、ナイゼルに着いてから換金した方がいいだろう」
少しは信用してくれたのか、ユリアさんは笑顔で俺を促した。
寝ているセツを抱いて外に出ると、多くの兵士が待ち構えていた。おそらく、俺がユリアさんに何かした時や、彼女が危険だと判断した場合に備えていたのだろうな。
「すまない。一応、保険でな」
そう言って、ユリアさんは俺に謝ると、緊張の面持ちで身構える兵士達に、手を挙げて合図する。
「兵士の皆、大丈夫だ。この通り、私は何もされていない。彼を信用していいと思う」
それを聞いた兵士達は、安心した様子で去っていった。
ハンターギルドに向かう途中、人の身体に動物の尻尾とか耳が生えている獣人を見かけた。
昨日は余裕がなかったので、彼らの存在に気がつかなかったが、ぐるっと辺りを見渡すと、他にもちらほらとそういう特徴を持った人がいるのがわかる。
「ユリアさん、あれが獣人という種族ですか?」
「ああ、そうだ。あれは狼の獣人だな。あまりじろじろ見てはダメだぞ?」
「あっ、そうですよね。気分良くないですよね」
「ふふ、良い心がけだ。それを忘れなければ、大丈夫だ」
今更だが、俺は歩きながら街並を観察してみた。
ほとんどの建物は石造りで西洋風。道路の幅は広いが、両サイドには似たような家々が密集している。祖母さんが持っていた写真で見た、イタリアのどこかの町に似ているかもしれない。
あまりキョロキョロしないように注意しながらついていくと、ユリアさんが足を止めた。
「ここがハンターギルドだ。さて、入ろう」
「へぇ……ここがそうなんですか」
随分綺麗で、大きな建物だ。二階建てで、百坪くらいありそうだ。
中に入ると、そこは広いホールになっていた。奥には受付カウンターらしきものが見える。
人は多かったものの、部屋は綺麗で、意外にも落ち着いた雰囲気だ。
なんか、イメージと違う。失礼ながら、ハンターギルドというと、もっと汚いというか、雑然としていると思っていたが、市役所に近い感じだ。
「さて、まずはハンター登録をしようと思う。ヒュウガ殿は身分証がないからな」
「だから、まずここに来たんですね。確かに、身分証がないと、今後困りそうです」
「そういうことだ。受付にハンター登録をしたいと言えば、詳しく説明してくれる。私はここで待っているから、行ってくるといい。何事も経験だ。ただ、登録したら一度戻ってきてくれ」
ユリアさんの言う通り、いつまでも甘えるわけにはいかないな。
「はい、わかりました。では、行ってきます。セツ……はまだ寝ているか。ユリアさん、抱っこできますか?」
「わ、私か? う、うむ……やってみよう」
セツを預けると、ユリアさんは恐る恐る抱きかかえた。
「柔らかい……小さいし、可愛いなぁ」
微笑む姿は、まさしく女神のようだ……いかん、いかん! まずは登録だ。
気を取り直して、俺は受付カウンターに向かい、職員の女性に話しかける。
「すみません。ハンター登録をしたいのですが、よろしいですか?」
「承ります。まずはこちらを書いてください。字は書けますか?」
「はい、多分大丈夫です」
渡された紙の項目を見ていくと、とりあえず名前と年齢と種族だけでよさそうだ。
ステータスなどは大っぴらにはしないものなのかもしれない。
試しに、日本語で書いてみる。
「これで、いいですか?」
「ええ、大丈夫ですね」
おお、通じた! これが自動変換ってやつか!
「では、ハンターギルドについて説明いたします」
女性曰く、ハンターギルドは国家に属さない組織で、この大陸の全土に広がっているらしい。よほどのことがない限りは、国には干渉しないし、干渉されない。だが、国によって、ギルドとの関係は多少異なるとのこと。ちなみに、マルクス王国とは、持ちつ持たれつの良好な関係を築いている。
次にハンターランクだ。
上から順に、SS、S、A、B、C、D、E、F、G、Hの十段階。C級になれば一人前と言われるらしい。
なお、最上位のSSは形式上存在するだけで、今までそのランクを得たのは、ハンターギルドを作ったとされる、勇者ナオトのみだそうだ。
「――以上ですが、質問はございますか?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました」
「では、ハンターカードの発行手続きをするので、血を貰ってもよろしいですか?」
「えっと、血が必要なのですか?」
「はい。他人がカードを使用できないように、自分の血の情報を入れるのです。他の人が貴方のカードを持っても、何も映りません。そうすることで、身分証にもなります。さらに、倒した魔物の履歴などもカードに記録されます」
なるほど、凄く便利なカードだ。それなら不正もできないし。
「では、手を出してもらっていいですか? すぐに終わります」
大人しく手を出すと、女性はその下に無地のカードを置いた。サイズはクレジットカードより少し大きいくらいか。
そして針で指先を一突き。血の雫が触れると、一瞬カードが光を放った。
「はい、これで完成です。これから、よろしくお願いします」
「え? もう終わり……? こ、こちらこそ、よろしくお願いします」
カードを眺めると……そこには、名前、年齢、種族とHという文字が刻まれていた。
「へぇ……凄いな、これ。ん?」
いつの間にか背後が何やら騒がしくなっていた。
振り返ると、ユリアさんが山賊みたいな風貌の男に話しかけられているではないか。
「どうしよう? ユリアさんは困ってるように見えるが……」
俺は、ここでまた祖父の言葉を思い出した。
『いいか、ヒュウガ。困っている人をただ助ければいいってわけではない。もしかしたら、お前の勘違いかもしれない。余計なお世話かもしれない。そして、助けることによって、もっと状況が悪くなるかもしれない。常に考えてから行動しろ。だが、それでもお前が誰かを助けたいと思ったなら、最後まで責任をとれ』
その言葉を噛み締めながら、俺はユリアさんに近づいていく。
「ユリアさん、お待たせしました。行きましょうか?」
「あ、ヒュウガ殿! いや、そうしたいのだが……」
ユリアさんがちらりと視線を向けた先で、男が顔をしかめる。
「なんだ!? テメーは!?」
俺はユリアさんを守るように、男の前に立った。
随分体格がいいが、あいにく俺の方がでかい。こういう時は、この身体に感謝する。
「初めまして、ヒュウガと申します」
「ああ!? 名前は聞いてねえ! 俺はユリアを口説いてるんだ。邪魔すんじゃねえよ!」
「それに関しては、俺が先約なので。ね、ユリアさん?」
「あ、ああ。今日は町を案内する約束なのだ。ゴラン、すまんが……」
さて、大人しく引いてくれるならいいが……
「ああ!? ふざけんなよ!? そんなもん知るか! いいか、この俺様は、この町で一番のB級ハンターだぞ! お前みたいなど素人が、口を挟むんじゃねえ!」
ゴランと呼ばれた男は、乱暴に机を叩いて俺を威嚇してくる。
ユリアさんが強く出られないのは、これが原因か。下手に刺激して、他の人の迷惑になったら困るもんな。
「ユリアさん、正直に答えてください。お困りですか?」
「う、うむ……」
おそらく、葛藤しているのだろう。俺に迷惑じゃないかとか、この後のこととか。
「俺のことは気にしないでください。祖父からも言われています。恩を受けたなら返せと」
「す、すまない……少し困っている。だが、殺してはダメだぞ?」
「それだけ聞ければ、十分です。あとは、お任せください」
俺は一歩前に出て、男と対面する。
「何をごちゃごちゃ言ってんだ!?」
「いえ、気になさらずに。では、引く気はないと?」
「当たり前だ! こんな良い女はそうそういねえ。俺はレアな魔物を倒してユリアより強くなった! 強いってことは、何をしてもいいってことだ。文句があるなら力ずくで止めてみろ!」
これはダメなやつだ。完全に、自分の力に溺れている。
俺は意識的にモードを切り替える。
「ふざけるなよ? 強ければ何をしてもいいだと? 貴様は馬鹿か? そんなわけないだろう。何故、その力を他のことに使わない?」
「な、なんだ!? 急に態度が変わりやがった!?」
「で、どうだ? 引く気がないなら、望み通りにしてやる……ただし、死ぬなよ?」
「ハハハ! テメーは何言ってんだ!? B級のハンターの俺に――ぐはっ!?」
奴が言い終わる前に、拳を腹に打ち込む。五割程度に加減したから、死にはしないだろう。
しかし、パンチの威力は想像以上で、ゴランは三メートルほど吹っ飛んだ。
「おーい、生きてるか?」
「ぐはっ……何が起きた!? 俺様を一撃だと? テ、テメーはなにもんだ?」
「ただの料理人ですよ。少しは頭、冷えましたか?」
「ああ……上には上がいるってことだな。悪かった。ユリアも、すまなかった」
ゴランは呆然とした様子で謝罪の言葉を口にした。
「いや、ゴラン。気にしなくていい。わかってくれたなら、それで良い」
「へっ、相変わらず良い女だ……」
ユリアさんがゴランを起こそうと手を貸すが、彼はそのままぶっ倒れてしまった。
どうやら気を失ったようだ。
直後、周囲から歓声が上がり、野次馬に囲まれてしまう。
「うおー! すげー!」
「なんだ!? あいつは!?」
「B級を一撃で!?」
そんな中、突然ユリアさんが手を握ってきた。
や、柔らかい! えっ、女性の手ってこんなに柔らかいの!?
「ヒュ、ヒュウガ殿! とりあえず、出よう!」
「え? いいんですかね? あのままで」
「大丈夫、ゴランは外にいる兵士に運ばせる。あの様子なら、もう平気だろう」
慌ててギルドを飛び出した俺達は、町の入り口付近で立ち止まる。
「ヒュウガ殿、ありがとう。正直言って、とても助かった」
ユリアさんは、そう言って頭を下げた。
「いえいえ、頭を上げてください。お節介でなかったなら、良かったです」
「ゴランも、本来はそこまで悪い奴ではないんだ。調子に乗りやすかったり、酒癖が悪かったりはするが、面倒見は良くて、男連中には人気だしな。ただ、急に強くなったことで、増長してしまったのだ」
「確かに、最後は謝っていましたね」
「ああ。ヒュウガ殿に殴られて、目が覚めただろう。これで、あいつが以前のようになればいいな……」
「俺も気をつけなくては」
俺は今一度、自分を戒める。この力に呑まれてはいけないと。
「ヒュウガ殿はあんな風になる心配はないと思うぞ」
「まあ、そうですね。精神を鍛える武道を、長いことやってきましたから」
「ふふ、立派だな。そういえば、さっきは口調が変わったが、あちらが素なのか?」
あれはなぁ……尖っていた頃の名残って感じだ。
「うーん……両方とも素なんですけど、切り替えみたいなものですね。こんな見た目なんで、普段はなるべく人を怖がらせないようにしていたら、こうなっていました」
「なるほど。確かに、普段からあの感じでは避けられるかもな。ただ、私は素敵だと思ったぞ?」
「え!? あ、ありがとうございます」
そんなこと言われたの初めてだぞ!? どう反応していいかわからん!
今までは怖いとか、泣かれることしかなかったし……などと取り乱している俺をよそに、ユリアさんはさっさと歩いていく。
「では、町を出るとしようか」
「は、はい、わかりました」
どうやら、フォローしてくれただけのようだ。
そのまま町の門を出ると、馬に乗った兵士風の一隊が待ち構えていた。
「ヒュウガ殿。警戒しなくても良い。万が一に備えて、私が応援を頼んでいたのだ。昨日はヒュウガ殿がどういう人物かわからなかったのでな」
「いえ、お気になさらずに。当然のことです」
ユリアさんと話していると、一番豪華な鎧を着た男性が声をかけてきた。
金髪碧眼で細身のイケメンで、年齢は俺と同じくらいに見える。
どうも俺を睨んでいる気がするが、やはり怪しいのだろうか?
「ユリア殿、彼が例の? しかし、他に兵士も連れずに、どういうことですか?」
「ああ、すまない。ライ殿、この人は信用して大丈夫だ。もちろん、貴方自身でも確かめてほしい」
「なるほど……ユリア殿がそう言うのであれば、平気そうですね。ただ、こちらでも確認させていただきます。構いませんね?」
そう問われた俺は、相手の目を見てきっちりと頭を下げた。
「はい、大丈夫です。安心していただくために、むしろお願いしたいです」
「確かに……見た目とは違って物腰が柔らかい。いいでしょう……とりあえず、辺境都市ナイゼルへ向かいましょう」
こうして、俺達はナイゼルという都市に向かうことになった。
ちなみに、セツはユリアさんの腕の中でスヤスヤ寝ている。
その後、セツが目を覚まして、俺の周りをチョロチョロしはじめた。
「おい、セツ。踏んづけたら危ないから、少し離れなさい」
「ククーン?」
まるで、「なんでー?」とでも言いたそうに、首を傾げている。
おい、可愛いんだが? なんだか、父親にでもなった気分だ。
童貞三十歳、父親になる……なんのこっちゃ。
俺は歩きながらユリアさんとライに目を向ける。
ライは馬から降りて、ずっとユリアさんの隣で話しかけている。
二人が並んでいると、絵になるな。悔しいが、美男美女でお似合いだ。
やっぱり、俺みたいな男にはユリアさんは高嶺の花なのか。いかんいかん、良いこともあったし、暗くなってはいけない。
おそらくユリアさんは、みんなに相当信頼されているんだろう。彼女のおかげで、兵士達も俺を怖がらなくなったし、信用してくれた。感謝しかないな。
そんなことを考えながら歩き続けていると、やがて日が暮れてきた。
そして、周囲が夕日で赤く染まる中、前方に高い城壁を備えた大きな都市が見えてくる。
ここまで結構歩いたけど、全然疲れていない。
他の人がどうだか知らないが、これもステータスのおかげか?
手続きを済ませて門に入ったところで、ライ達と別れることになった。
「ではユリア殿、我々はこれで」
「ああ、すまないな、ライ。わざわざ来てもらったのに」
「いえ、お気になさらず」
去り際に、ライが近づいてきた。そしてユリアさんに聞こえないように……
「おい、貴様」
「はい? 俺のことですか?」
「他に誰がいる? ユリア殿が優しいからといって、調子に乗るんじゃないぞ?」
「はい、それはもちろんです」
「……ちっ、ならいい。お前ら、行くぞ!」
そうして、彼は兵士達を連れて去っていった。
なんだったんだ? まさかあいつ、ユリアさんのことが好きなのか?
「すまない。ライの奴がしつこくてな。移動中はなかなか話せなかった」
「いえ、気にしないでください。ところで、俺はこれからどうしたら?」
「しばらくこのナイゼルで生活してほしい。素行に問題なしとなったら、あとは自由だ」
「なるほど……そのままここに住んでもいいのですか?」
「気に入ったのなら問題ない。むしろ、大歓迎だ。ここは辺境なので、強い者はいくらいても良いのだ」
「はは、まだよくわかってないんですけどね」
「そうか……よし、では宿に行こう」
ユリアさんに先導されて通りを歩く。
この町にも、多くの種族が暮らしているようだ。角が二本生えた人、立派な髭を生やした背が低い人、耳が尖っていて人形みたいに綺麗な人もいる。
人族については、俺の見た感じだと西洋系が多い気がする。俺と似た東洋人っぽい容姿の人は、今のところ見当たらない。
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