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おっさん、異世界に慣れる
おっさん、試験内容を聞く
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翌日の朝、いつものように起きると……。
「むにゃ……」
「うむ、今日も可愛いな」
そのサラサラになった髪を撫でる。
一ヶ月の生活で肉付きも良くなってきて、すっかり美少女といった感じだ。
これなら、すぐにでもモテモテになってしまうな。
「……いや、まだ早い……って何を言ってるんだ?」
娘を嫁にやりたくない父親か!
……まあ、合ってはいるか。
「まあ、結果的に良かったのかもな」
昨日受けた提案は、少し迷いはした。
だが、この子のためにも早く稼げるようにならないとな。
その後、目を覚ましたソラと共に朝食を食べる。
「ソラ、午前中はギルドに行ってくるからな」
「うんっ! わたしは、何をしようかなぁ」
「では、私とお勉強をしましょうね」
「えぇ~」
「ダメだぞ、ソラ。きちんと勉強はしないと。それが、ソーマ殿のためになる」
「うぅ……わかりました」
ミレーユさんは頭も良く、ソラに色々と教えてくれている。
お金を払おうとしたら、断られてしまった。
なので、今はお礼になりそうなものを考えている。
「ソラ、しっかり勉強しなさい。それが必要なくても良い。ただ、いざという時に必要になってからでは遅いからな」
「……はいっ」
「よし、良い子だ」
「えへへ」
頭を撫でると、顔をくしゃっとして笑う。
先程の『えぇ~』といい、もうすっかり子供らしさを出すようになってきた。
個人的には、子供はそれくらいの方がいい。
ソラをミレーユさんに預けたら、クレアさんとギルドに向かう。
何やら、クレアさんもついていく必要があるとか。
「どうしてですか?」
「い、嫌か?」
「いえいえ、助かります。ただ、お二人には依頼もあるでしょうし」
ソラの世話も任せてしまってる部分もあるので、それはずっと気がかりである。
二人は大丈夫と言っているが……。
「それは気にしないで良い。我々も、少し焦りすぎていたからな。無論、そろそろ行動を開始するから心配しないで良い」
「それなら良かったです」
「今日も、午後から依頼を受けようかと思ってな」
「あっ、そうなんですね」
それを聞いて安心した。
じゃあ、今日の午後は仕事を休んでソラと出かけるかな。
そんな話をしながらギルドに到着すると、すぐにアリスさんに呼ばれる。
「では、私は依頼を受けてくる」
「わかりました、あとで合流しましょう」
クレアさんと別れ、アリスさんの元に向かう。
「ソーマさん、おはようございます」
「おはようございます」
「さて、昨日ギルドマスターから聞かされだと思いますが、昇級試験を受けるということでよろしいでしょうか?」
「はい、問題ありません」
「了解です。それでは、早速説明をしてまいりますね。といっても、難しいことはありません。D級への昇級試験は、迷宮探索です」
「迷宮探索……」
そういえば、ここは迷宮都市だったっけ。
普通の依頼ばかりこなしていたから、すっかり忘れていた。
「はい、そうです。D級から入れるので、そのための試験でもあります」
「あっ、なるほど。合格すれば、そのまま迷宮に入る資格も得ると」
ふむふむ、中々合理的になっている。
迷宮か……飲食店をやるためにも、魔法の鞄は欲しいところだ。
「そういうことですね。しかし、まだ実際にはE級のソーマさんです。なので、見届け人兼護衛として先導者の方が付きます……まあ、護衛がいるとは思えませんけど」
「いえいえ、何事も油断が命取りですから。教えて頂けるなら助かります」
「ふふ、本当に謙虚な方ですねー。というわけで、明日からでも大丈夫ですか?」
「ええ、俺の方は構いません」
「それでは決まりですねー。では、明日の午前中から試験を開始するので、ひとまずギルドに来てください」
「わかりました、よろしくお願いします」
迷宮……確か、一度入ると中々出られないとか。
そうなると、少し装備を整えておかないと。
「むにゃ……」
「うむ、今日も可愛いな」
そのサラサラになった髪を撫でる。
一ヶ月の生活で肉付きも良くなってきて、すっかり美少女といった感じだ。
これなら、すぐにでもモテモテになってしまうな。
「……いや、まだ早い……って何を言ってるんだ?」
娘を嫁にやりたくない父親か!
……まあ、合ってはいるか。
「まあ、結果的に良かったのかもな」
昨日受けた提案は、少し迷いはした。
だが、この子のためにも早く稼げるようにならないとな。
その後、目を覚ましたソラと共に朝食を食べる。
「ソラ、午前中はギルドに行ってくるからな」
「うんっ! わたしは、何をしようかなぁ」
「では、私とお勉強をしましょうね」
「えぇ~」
「ダメだぞ、ソラ。きちんと勉強はしないと。それが、ソーマ殿のためになる」
「うぅ……わかりました」
ミレーユさんは頭も良く、ソラに色々と教えてくれている。
お金を払おうとしたら、断られてしまった。
なので、今はお礼になりそうなものを考えている。
「ソラ、しっかり勉強しなさい。それが必要なくても良い。ただ、いざという時に必要になってからでは遅いからな」
「……はいっ」
「よし、良い子だ」
「えへへ」
頭を撫でると、顔をくしゃっとして笑う。
先程の『えぇ~』といい、もうすっかり子供らしさを出すようになってきた。
個人的には、子供はそれくらいの方がいい。
ソラをミレーユさんに預けたら、クレアさんとギルドに向かう。
何やら、クレアさんもついていく必要があるとか。
「どうしてですか?」
「い、嫌か?」
「いえいえ、助かります。ただ、お二人には依頼もあるでしょうし」
ソラの世話も任せてしまってる部分もあるので、それはずっと気がかりである。
二人は大丈夫と言っているが……。
「それは気にしないで良い。我々も、少し焦りすぎていたからな。無論、そろそろ行動を開始するから心配しないで良い」
「それなら良かったです」
「今日も、午後から依頼を受けようかと思ってな」
「あっ、そうなんですね」
それを聞いて安心した。
じゃあ、今日の午後は仕事を休んでソラと出かけるかな。
そんな話をしながらギルドに到着すると、すぐにアリスさんに呼ばれる。
「では、私は依頼を受けてくる」
「わかりました、あとで合流しましょう」
クレアさんと別れ、アリスさんの元に向かう。
「ソーマさん、おはようございます」
「おはようございます」
「さて、昨日ギルドマスターから聞かされだと思いますが、昇級試験を受けるということでよろしいでしょうか?」
「はい、問題ありません」
「了解です。それでは、早速説明をしてまいりますね。といっても、難しいことはありません。D級への昇級試験は、迷宮探索です」
「迷宮探索……」
そういえば、ここは迷宮都市だったっけ。
普通の依頼ばかりこなしていたから、すっかり忘れていた。
「はい、そうです。D級から入れるので、そのための試験でもあります」
「あっ、なるほど。合格すれば、そのまま迷宮に入る資格も得ると」
ふむふむ、中々合理的になっている。
迷宮か……飲食店をやるためにも、魔法の鞄は欲しいところだ。
「そういうことですね。しかし、まだ実際にはE級のソーマさんです。なので、見届け人兼護衛として先導者の方が付きます……まあ、護衛がいるとは思えませんけど」
「いえいえ、何事も油断が命取りですから。教えて頂けるなら助かります」
「ふふ、本当に謙虚な方ですねー。というわけで、明日からでも大丈夫ですか?」
「ええ、俺の方は構いません」
「それでは決まりですねー。では、明日の午前中から試験を開始するので、ひとまずギルドに来てください」
「わかりました、よろしくお願いします」
迷宮……確か、一度入ると中々出られないとか。
そうなると、少し装備を整えておかないと。
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