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義妹との生活
慌ただしい年頃
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……ん? なんだ?
……お兄ちゃん!
春香の声がする……。
なんだ、昔の夢か……。
そういや、よく俺の布団に潜り込んできたっけ……。
仕方のないやつだ……しようがない、入れてやるとするか。
「ほら、こいよ」
昔のように腕を引いて、腕の中におさめる。
あれ? なんか、大きい気がする。
まあ、気のせいか。
「へっ……きゃっ!?」
「全く、いくつになっても甘えん坊だな」
「お、お、お兄ちゃん!?」
……ん? 何かおかしい。
夢の中なのに、香りまで……それも、花のような……。
なんか、色々柔らかいし……。
「ひゃあ!? お、お、お兄ちゃんのエッチ——!」
「イテッ!?」
「あぅぅ……! お兄ちゃんのばかぁぁ——! もうお嫁にいけないよぉ~!」
ドタドタと音がして、ベットから春香が出て行く。
なんか、やたらリアルな夢だな……夢?
「……なんてこった」
ここは俺の家。
春香と詩織と同居中。
春香はもう小学生ではなく、女子高生の女の子だ。
つまりは……現実ということだ。
「やっちまった……いつもと起きる時間が違うからな」
ていうか、抱き心地が全然違ったのだが?
……変態か、俺は。
「とりあえず……土下座から始めるのしようか」
……はい、変態です。
いえ、おじたんでお兄ちゃんです。
「おじたん?」
「わ、わかったから!」
「どうぞ、蹴るなり殴るなりしてくれ。俺の気がすまん」
というか、こんなことが兄貴に知られたら……ブルブル。
「そ、そんなことできないよぉ~!」
「ふむ……では、何か一つだけ願いを聞こう。それで許してくれるか?」
「ふえっ? ……何でもいいの?」
オロオロした姿が一変して、急に真面目な表情になる。
……もしや、何か恐ろしいことを要求されるのでは?
「お、おう、俺にできることならな」
「じゃあ……」
「おねえたん! 遅れちゃうお!」
「はっ! いけない! お兄ちゃん! とりあえずご飯!」
「お、おう!」
二人で朝飯を用意して、その間に詩織に着替えてもらう。
何とかすぐに用意でき、朝食をとる。
「よし、いただきます」
「いただきます」
「いたーきます!」
特に喋る事もなく、黙々と食事を進める。
……ふぅ、これなら間に合うか。
急いだからか、少しだけ余裕が出来た。
「詩織、偉かったな。今日も一人で出来たな?」
「あいっ!」
「じゃあ、お兄ちゃん! わたし行ってくるねっ!」
「おう、気をつけろよ。友達作りがんばんな」
「うっ……はぃ……」
いつもの強気は何処へやら、弱気のまま玄関を出て行った。
「おねえたん?」
「はは……詩織は友達いるか?」
「あいっ!」
「そっか、ならよかった。お姉ちゃんは新しい友達ができるが不安なんだよ」
「平気だおっ! お姉ちゃん優しいもん!」
「おっ、そうだな。お姉ちゃんの良さをわかってくれる人もいるよな……さて、俺たちも行くとするか」
「あいっ!」
元気いっぱいの詩織を連れて、家を出て商店街を歩く。
「どこにいくお?」
「車に乗って行くからなー」
「おくるまっ!?」
「おっ、知ってるか」
「ブーンてやつ!」
「はは! 正解だな」
すると、声をかけられる。
「あら、おはようございます」
「おはようございます」
「おはようごじゃいます!」
「あらあら、元気いっぱいね~」
次々と挨拶をされては、詩織は元気よく返していく。
俺一人では、こんなに挨拶されないが……やっぱり、素直な子供は可愛いだろうな。
車に乗り込み、まずはアレをしなくてはいけない。
「詩織、自分で乗れるか?」
「あいっ!」
「よし、偉いぞ」
「きゃはー」
きちんと座れたので、優しく頭を撫でてあげる。
しかし……俺の車にチャイルドシートか。
まだ独身のアラサーで、彼女もいないのに。
……悲しくなってきたな。
安全運転で車を走らせ、幼稚園に向かう。
もう少し手がかかるかと思ったが、意外と大人しくしている。
「どうした? 静かにして」
「ほえっ? おはなししていいの?」
「うん?」
「パパとママが、二人きりのときは、危ないからやめなさいって……」
なるほど……眼に浮かぶようだ。
そして、俺にはその理由が痛いほどわかる。
俺と兄貴の両親は、交通事故で亡くなっているからだ。
「偉いな、約束を守れて。すぐ着くからな、良い子にしてくれると助かる」
「あいっ!」
やれやれ、少し甘えん坊なところはあるが……。
それ以上に良い子に育って……兄貴と桜さんの育て方が良かったんだな。
信号待ちなどで、少しだけお話をしつつ……無事に幼稚園に到着した。
「あら、詩織ちゃん、おはようございます」
還暦くらいに見える保母さんが、優しく挨拶をしてくる。
「おはようごじゃいます!」
「よ、よろしくお願いします」
い、いかん、よくわからないが緊張する。
未知の世界というか、久々の感覚というか……場違い感が。
「貴方は……」
「おじたんだお!」
「芹沢宗馬と申します」
「お話は伺っております。桜さんが、頼りになる弟がいるって」
「そんなことを……はい、そうなれたら良いと思ってます」
本当に、あの人には頭が上がらないなぁ。
「ふふ、良い答えですね。あっ——私、この園の園長を務めております、中村友恵と申します」
「中村友恵さんですね、わかりました」
「では、どれくらいになるかわかりませんが、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ、よろしくお願いします。色々と至らない点もあると思いますが、ご指導して頂けると嬉しいです」
「あらあら、しっかりした男性なこと。詩織ちゃん、カッコいいおじたんね?」
「あいっ!」
「では、きちんとお預かりしますね」
「ええ。詩織、後で迎えに来るからな。いい子にしてろよ?」
「あいっ! おじたんもにんむがんばって!」
「おう!」
「任務……?」
「へっ……はは、仕事のことですね」
「なるほど、いい言葉ですね。じゃあ、私も任務をしましょう。詩織ちゃん、行きましょうか?」
中村園長に手を引かれ、詩織は幼稚園の中に入って行った。
「なんか、少し思い出してきたな」
春香をよく送り迎えしてたんだよな……。
「今では、あんなに大きくなって……」
……そういや、朝の俺はどこを触ったんだ?
めちゃくちゃ柔らかかったが……。
「ヤベッ! そんなこと言ってる場合じゃねえ!」
俺が店を開けないと誰も入れない。
俺は安全運転を心がけつつ、急いで家へと戻る。
こうして……慌ただしい日々が始まりを告げたのだった。
……お兄ちゃん!
春香の声がする……。
なんだ、昔の夢か……。
そういや、よく俺の布団に潜り込んできたっけ……。
仕方のないやつだ……しようがない、入れてやるとするか。
「ほら、こいよ」
昔のように腕を引いて、腕の中におさめる。
あれ? なんか、大きい気がする。
まあ、気のせいか。
「へっ……きゃっ!?」
「全く、いくつになっても甘えん坊だな」
「お、お、お兄ちゃん!?」
……ん? 何かおかしい。
夢の中なのに、香りまで……それも、花のような……。
なんか、色々柔らかいし……。
「ひゃあ!? お、お、お兄ちゃんのエッチ——!」
「イテッ!?」
「あぅぅ……! お兄ちゃんのばかぁぁ——! もうお嫁にいけないよぉ~!」
ドタドタと音がして、ベットから春香が出て行く。
なんか、やたらリアルな夢だな……夢?
「……なんてこった」
ここは俺の家。
春香と詩織と同居中。
春香はもう小学生ではなく、女子高生の女の子だ。
つまりは……現実ということだ。
「やっちまった……いつもと起きる時間が違うからな」
ていうか、抱き心地が全然違ったのだが?
……変態か、俺は。
「とりあえず……土下座から始めるのしようか」
……はい、変態です。
いえ、おじたんでお兄ちゃんです。
「おじたん?」
「わ、わかったから!」
「どうぞ、蹴るなり殴るなりしてくれ。俺の気がすまん」
というか、こんなことが兄貴に知られたら……ブルブル。
「そ、そんなことできないよぉ~!」
「ふむ……では、何か一つだけ願いを聞こう。それで許してくれるか?」
「ふえっ? ……何でもいいの?」
オロオロした姿が一変して、急に真面目な表情になる。
……もしや、何か恐ろしいことを要求されるのでは?
「お、おう、俺にできることならな」
「じゃあ……」
「おねえたん! 遅れちゃうお!」
「はっ! いけない! お兄ちゃん! とりあえずご飯!」
「お、おう!」
二人で朝飯を用意して、その間に詩織に着替えてもらう。
何とかすぐに用意でき、朝食をとる。
「よし、いただきます」
「いただきます」
「いたーきます!」
特に喋る事もなく、黙々と食事を進める。
……ふぅ、これなら間に合うか。
急いだからか、少しだけ余裕が出来た。
「詩織、偉かったな。今日も一人で出来たな?」
「あいっ!」
「じゃあ、お兄ちゃん! わたし行ってくるねっ!」
「おう、気をつけろよ。友達作りがんばんな」
「うっ……はぃ……」
いつもの強気は何処へやら、弱気のまま玄関を出て行った。
「おねえたん?」
「はは……詩織は友達いるか?」
「あいっ!」
「そっか、ならよかった。お姉ちゃんは新しい友達ができるが不安なんだよ」
「平気だおっ! お姉ちゃん優しいもん!」
「おっ、そうだな。お姉ちゃんの良さをわかってくれる人もいるよな……さて、俺たちも行くとするか」
「あいっ!」
元気いっぱいの詩織を連れて、家を出て商店街を歩く。
「どこにいくお?」
「車に乗って行くからなー」
「おくるまっ!?」
「おっ、知ってるか」
「ブーンてやつ!」
「はは! 正解だな」
すると、声をかけられる。
「あら、おはようございます」
「おはようございます」
「おはようごじゃいます!」
「あらあら、元気いっぱいね~」
次々と挨拶をされては、詩織は元気よく返していく。
俺一人では、こんなに挨拶されないが……やっぱり、素直な子供は可愛いだろうな。
車に乗り込み、まずはアレをしなくてはいけない。
「詩織、自分で乗れるか?」
「あいっ!」
「よし、偉いぞ」
「きゃはー」
きちんと座れたので、優しく頭を撫でてあげる。
しかし……俺の車にチャイルドシートか。
まだ独身のアラサーで、彼女もいないのに。
……悲しくなってきたな。
安全運転で車を走らせ、幼稚園に向かう。
もう少し手がかかるかと思ったが、意外と大人しくしている。
「どうした? 静かにして」
「ほえっ? おはなししていいの?」
「うん?」
「パパとママが、二人きりのときは、危ないからやめなさいって……」
なるほど……眼に浮かぶようだ。
そして、俺にはその理由が痛いほどわかる。
俺と兄貴の両親は、交通事故で亡くなっているからだ。
「偉いな、約束を守れて。すぐ着くからな、良い子にしてくれると助かる」
「あいっ!」
やれやれ、少し甘えん坊なところはあるが……。
それ以上に良い子に育って……兄貴と桜さんの育て方が良かったんだな。
信号待ちなどで、少しだけお話をしつつ……無事に幼稚園に到着した。
「あら、詩織ちゃん、おはようございます」
還暦くらいに見える保母さんが、優しく挨拶をしてくる。
「おはようごじゃいます!」
「よ、よろしくお願いします」
い、いかん、よくわからないが緊張する。
未知の世界というか、久々の感覚というか……場違い感が。
「貴方は……」
「おじたんだお!」
「芹沢宗馬と申します」
「お話は伺っております。桜さんが、頼りになる弟がいるって」
「そんなことを……はい、そうなれたら良いと思ってます」
本当に、あの人には頭が上がらないなぁ。
「ふふ、良い答えですね。あっ——私、この園の園長を務めております、中村友恵と申します」
「中村友恵さんですね、わかりました」
「では、どれくらいになるかわかりませんが、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ、よろしくお願いします。色々と至らない点もあると思いますが、ご指導して頂けると嬉しいです」
「あらあら、しっかりした男性なこと。詩織ちゃん、カッコいいおじたんね?」
「あいっ!」
「では、きちんとお預かりしますね」
「ええ。詩織、後で迎えに来るからな。いい子にしてろよ?」
「あいっ! おじたんもにんむがんばって!」
「おう!」
「任務……?」
「へっ……はは、仕事のことですね」
「なるほど、いい言葉ですね。じゃあ、私も任務をしましょう。詩織ちゃん、行きましょうか?」
中村園長に手を引かれ、詩織は幼稚園の中に入って行った。
「なんか、少し思い出してきたな」
春香をよく送り迎えしてたんだよな……。
「今では、あんなに大きくなって……」
……そういや、朝の俺はどこを触ったんだ?
めちゃくちゃ柔らかかったが……。
「ヤベッ! そんなこと言ってる場合じゃねえ!」
俺が店を開けないと誰も入れない。
俺は安全運転を心がけつつ、急いで家へと戻る。
こうして……慌ただしい日々が始まりを告げたのだった。
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