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最終章
闘いの後
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クロス……! 返事をしろ!
ダメか……クロスの反応がない。
俺が無事でいられるのは……おそらくクロスのおかげだ。
本来なら身体が崩壊していてもおかしくはない。
なのに、こうして意識がある状態で生きている。
それは……クロスが俺の分の負担を請け負ったからだろう。
皇都へと戻っていくと……。
「アレス~!」
「アレス!」
「これは兄上に姉上。無事で何よりです」
「ええ! そっちこそ!」
「ふん、そっちこそな」
「「それでお爺様は……」」
二人が同じことを言い、顔を見合わせる。
その顔はよく似ていて、やはり姉弟なのだなと思う。
そして……あんなのでも祖父だ。
気にならない方がおかしい。
「すみません……俺が消滅させました」
「……そうか。いや、良いんだ。むしろ、すまん……お前に嫌な役目を押し付けてしまった」
「私もごめんなさい……本当なら私が殺したかったんだけど」
「俺以外では無理でしたからね……さあ、行きましょう」
「……ああ、そうだな。では、裏から入るとしよう。今は街中は大騒ぎだからな」
あれだけ城で暴れていたらそうだろうな。
「説明はどうするのですか?」
「お前はそんなことは気にしなくて良い」
「こら! アレスは疲れてるからゆっくり休めって何でいえないの!?」
「うっ……」
「ははっ! ヒルダ姉さんには敵いませんね!」
「……全くだ」
「なによ、二人して……本当ならヘイゼルもいたら良かったんだけどね」
ヘイゼル兄上は女神に乗っ取られた。
そして、その存在ごとターレスに消された。
「そうですね……何処かで道が違っていたら……」
「いや、お前が気に病むことではない。父上はきちんと奴にも話しはしてきた。無論、俺もな。しかし、それを聞かなかったのはあいつの責任だ」
「そうね……さあ! 帰りましょう!」
俺たちは後ろに控えていたゼトさんに案内され……。
人々に見つかることなく、皇城の中へと入っていく。
すると……入り口にてカイゼルが騎士然とした姿勢で待っていた。
「アレス様……よくぞここまで……ご立派になられて」
「カイゼル! 無茶をするな! 寝ていなくては!」
「い、いえ……主人がことを成し遂げたのに、おいおいと寝ていられるものですか……」
「ほんと、大変よ。全然言うこと聞かないんだから」
「コルン先生……全く、仕方ないな。わかった、俺も休むから休もう……良いな?」
「御意」
俺たちは広い一室に案内されたが……。
皆疲れ果てて……すぐにベットに倒れこむ。
「カグラ、オルガ、セレナ、アスナ、結衣……ありがとう。みんなのお陰でどうにかなったよ。ああ、返事は良い……俺も限界だ」
そして、俺も意識を手放す……。
ダメか……クロスの反応がない。
俺が無事でいられるのは……おそらくクロスのおかげだ。
本来なら身体が崩壊していてもおかしくはない。
なのに、こうして意識がある状態で生きている。
それは……クロスが俺の分の負担を請け負ったからだろう。
皇都へと戻っていくと……。
「アレス~!」
「アレス!」
「これは兄上に姉上。無事で何よりです」
「ええ! そっちこそ!」
「ふん、そっちこそな」
「「それでお爺様は……」」
二人が同じことを言い、顔を見合わせる。
その顔はよく似ていて、やはり姉弟なのだなと思う。
そして……あんなのでも祖父だ。
気にならない方がおかしい。
「すみません……俺が消滅させました」
「……そうか。いや、良いんだ。むしろ、すまん……お前に嫌な役目を押し付けてしまった」
「私もごめんなさい……本当なら私が殺したかったんだけど」
「俺以外では無理でしたからね……さあ、行きましょう」
「……ああ、そうだな。では、裏から入るとしよう。今は街中は大騒ぎだからな」
あれだけ城で暴れていたらそうだろうな。
「説明はどうするのですか?」
「お前はそんなことは気にしなくて良い」
「こら! アレスは疲れてるからゆっくり休めって何でいえないの!?」
「うっ……」
「ははっ! ヒルダ姉さんには敵いませんね!」
「……全くだ」
「なによ、二人して……本当ならヘイゼルもいたら良かったんだけどね」
ヘイゼル兄上は女神に乗っ取られた。
そして、その存在ごとターレスに消された。
「そうですね……何処かで道が違っていたら……」
「いや、お前が気に病むことではない。父上はきちんと奴にも話しはしてきた。無論、俺もな。しかし、それを聞かなかったのはあいつの責任だ」
「そうね……さあ! 帰りましょう!」
俺たちは後ろに控えていたゼトさんに案内され……。
人々に見つかることなく、皇城の中へと入っていく。
すると……入り口にてカイゼルが騎士然とした姿勢で待っていた。
「アレス様……よくぞここまで……ご立派になられて」
「カイゼル! 無茶をするな! 寝ていなくては!」
「い、いえ……主人がことを成し遂げたのに、おいおいと寝ていられるものですか……」
「ほんと、大変よ。全然言うこと聞かないんだから」
「コルン先生……全く、仕方ないな。わかった、俺も休むから休もう……良いな?」
「御意」
俺たちは広い一室に案内されたが……。
皆疲れ果てて……すぐにベットに倒れこむ。
「カグラ、オルガ、セレナ、アスナ、結衣……ありがとう。みんなのお陰でどうにかなったよ。ああ、返事は良い……俺も限界だ」
そして、俺も意識を手放す……。
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