219 / 257
最終章
個別対応
しおりを挟む
作戦通りに——敵が動き出す前に!
「光の雨よ、敵を滅せよ——シャイニングレイン!」
「風の嵐よ、敵を切りきざめ——トルネイド!」
敵に向かって、後方から二人の魔法が放たれる!
その威力は凄まじく、だだっ広い玉座の間の天井をも破壊する!
「くっ!? もう一人いただと!?」
「そういうことだ。これで実質的に四対六だな」
エルバは今の魔法を避けきれず、瓦礫の中に埋もれた。
あいつの強さは大したことはない。
そして、もう一人は片腕が使えない。
「オルガ! 今度こそハロルドを仕留めろ!」
「御意! 場所を変えて仕留めます!」
目の前の敵から視線を逸らさずに指示をする。
片腕が使えないなら、オルガが負けることはないはず。
今度こそ、あいつを仕留めてもらう。
「アスナ! サスケ殿に勝てなくて良い! 時間を稼げ!」
「はいはーい!」
時間を稼ぐだけなら問題ないはず。
本来、アスナの戦い方はそういうものだからだ。
「カグラ! 勇者は任せた!」
「わかったのだ!」
カグラの力なら、そうそう押し負けることはない。
タイマンはきついだろうが……。
「ロレンソ! カグラの補佐を頼む! 当てようとしなくて良い! 牽制で充分だ!」
「わ、わかりました!」
最初のあの一撃を放てるなら問題ない。
元々、魔法の才能はあるやつだ。
「結衣! セレナ! 全体のフォローを!」
「わかったわ!」
「任せてください!」
間違ってもセレナや結衣を前線に出すわけにはいかない。
これなら、どうにか戦える。
「さて……お前の相手は俺がする」
「ふふ、良いのですか? 我が主人の相手がいませんが?」
「はっ、奴が動くか? 楽しむことが目的なのだろう?」
「よくお判りで」
「それに……別に二人同時でも構わない」
「……舐められたものですね!」
すると……ターレスが拍手をする。
「下がれ、レイス。少し話がしたい」
「はっ、ターレス様」
なるほど、レイスと言うのか。
「いやいや、実に愉快だ。何かするだろうと思っていたが……まさか、あんなゴミクズを使っての先制攻撃とはな。生きているのは知っていたが……敵を倒すためでなく、片腕をもぎ取ることに専念させたのは良い作戦だ」
「それはどうも」
「全員で姿を消していたなら、もっと警戒をしていただろう。あえて自分一人だけが闇をまとい、消えているのが一人だと思い込ませた……ふふ、良い作戦だ」
「随分とお喋りになったな。今まで散々黙ってきたのに」
「そう言うな。約束を守ろうと思ってな」
そう言い、奴が静かに語り出す……。
「光の雨よ、敵を滅せよ——シャイニングレイン!」
「風の嵐よ、敵を切りきざめ——トルネイド!」
敵に向かって、後方から二人の魔法が放たれる!
その威力は凄まじく、だだっ広い玉座の間の天井をも破壊する!
「くっ!? もう一人いただと!?」
「そういうことだ。これで実質的に四対六だな」
エルバは今の魔法を避けきれず、瓦礫の中に埋もれた。
あいつの強さは大したことはない。
そして、もう一人は片腕が使えない。
「オルガ! 今度こそハロルドを仕留めろ!」
「御意! 場所を変えて仕留めます!」
目の前の敵から視線を逸らさずに指示をする。
片腕が使えないなら、オルガが負けることはないはず。
今度こそ、あいつを仕留めてもらう。
「アスナ! サスケ殿に勝てなくて良い! 時間を稼げ!」
「はいはーい!」
時間を稼ぐだけなら問題ないはず。
本来、アスナの戦い方はそういうものだからだ。
「カグラ! 勇者は任せた!」
「わかったのだ!」
カグラの力なら、そうそう押し負けることはない。
タイマンはきついだろうが……。
「ロレンソ! カグラの補佐を頼む! 当てようとしなくて良い! 牽制で充分だ!」
「わ、わかりました!」
最初のあの一撃を放てるなら問題ない。
元々、魔法の才能はあるやつだ。
「結衣! セレナ! 全体のフォローを!」
「わかったわ!」
「任せてください!」
間違ってもセレナや結衣を前線に出すわけにはいかない。
これなら、どうにか戦える。
「さて……お前の相手は俺がする」
「ふふ、良いのですか? 我が主人の相手がいませんが?」
「はっ、奴が動くか? 楽しむことが目的なのだろう?」
「よくお判りで」
「それに……別に二人同時でも構わない」
「……舐められたものですね!」
すると……ターレスが拍手をする。
「下がれ、レイス。少し話がしたい」
「はっ、ターレス様」
なるほど、レイスと言うのか。
「いやいや、実に愉快だ。何かするだろうと思っていたが……まさか、あんなゴミクズを使っての先制攻撃とはな。生きているのは知っていたが……敵を倒すためでなく、片腕をもぎ取ることに専念させたのは良い作戦だ」
「それはどうも」
「全員で姿を消していたなら、もっと警戒をしていただろう。あえて自分一人だけが闇をまとい、消えているのが一人だと思い込ませた……ふふ、良い作戦だ」
「随分とお喋りになったな。今まで散々黙ってきたのに」
「そう言うな。約束を守ろうと思ってな」
そう言い、奴が静かに語り出す……。
14
お気に入りに追加
2,747
あなたにおすすめの小説
貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと宣言されたけどレベル1の状態でも実は最強な村娘!!
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
この世界の勇者達に道案内をして欲しいと言われ素直に従う村娘のケロナ。
その道中で【戦闘レベル】なる物の存在を知った彼女は教会でレベルアップに必要な経験値量を言われて唖然とする。
ケロナがたった1レベル上昇する為に必要な経験値は...なんと億越えだったのだ!!。
それを勇者パーティの面々に鼻で笑われてしまうケロナだったが彼女はめげない!!。
そもそも今の彼女は村娘で戦う必要がないから安心だよね?。
※1話1話が物凄く短く500文字から1000文字程度で書かせていただくつもりです。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる