218 / 257
最終章
先手
しおりを挟む
城内を進んでいると……。
「待て! ……そこにいるのは誰だ?」
物陰から一人の男が現れた。
「お前は……」
「ど、どうも……」
「全員下がってろ。俺が話をする」
皆を待機させ、そいつに近づいていく。
「勝手に出てきたのか?」
「い、いえ、ライル様が味方の兵士達を解放する際に、一緒に解放させて頂きました。でも、どうしていいか分からず、ずっと隠れてて……でも、アレス様が来たって話を聞いて……し、信用できないですよね?」
さて、どうする?
今は一人でも戦力が欲しいところだ。
信用は出来ないが……変わりたいと言ったことを信じるとしよう。
「完全には無理だ。だが、出てきた以上……戦う気はあるってことか?」
「……はいっ! 俺にできることがあるなら!」
「わかった、ではついてこい」
そいつを連れ、再び玉座の間に向かう。
それにしても……場内には敵しかいないのか?
先ほど、兄上が味方の兵士達を解放したと言った。
しかし、味方らしき人たちが見当たらない。
まさか、全員やられてしまったのか?
そして、玉座の間に近づくと……。
「主人殿! 敵が退いていくのだ!」
「なに? いや……なるほど、逃がさないようにか」
玉座の間の通路の両端には兵士達が溢れている。
俺たちが中に入ったら、出ることは難しいだろう。
「どうします~?」
「問題ない——このまま突入する!」
俺は闇のマントを展開して、姿を消しておく。
カグラが先頭に立ち……その扉を開ける!
その中では、六人が待ち構えていた。
その中の一人にターゲットを絞り——駆け出す!
「来たか……ん? アレスがいない? なるほど、消えているのか」
「闇のマントですか……ふっ、今更ですね——私には通用しませんよっ!」
ターレスの側近が、接近してきた俺に剣を向ける!
その剣は、俺の刀と交わり……闇が解け始める。
「ふふ、闇に乗じての先制攻撃とは考えましたが……」
「やれ」
「なっ!?」
闇が解け——もう一人の男が姿を現す。
「敵を貫け——アースランス!!」
「ガァァ!?」
土の槍は、右に避けようとしたハロルドの左腕を貫いた。
「く、くそっ! 仕留められなかった!」
「上等だ——ロレンソ。これで、あいつの戦力は半減する。あとは、オルガに任せよう」
そう、先ほどあった人物こそがロレンソ-ハデスだ。
以前の騒動の時に死刑を免れて、牢屋に入れられていた。
そして、俺に恩義を感じている彼は、勇気を出して戦いに参加すると言った。
あの時、助けるか迷ったが——これにて先手はもらった。
「待て! ……そこにいるのは誰だ?」
物陰から一人の男が現れた。
「お前は……」
「ど、どうも……」
「全員下がってろ。俺が話をする」
皆を待機させ、そいつに近づいていく。
「勝手に出てきたのか?」
「い、いえ、ライル様が味方の兵士達を解放する際に、一緒に解放させて頂きました。でも、どうしていいか分からず、ずっと隠れてて……でも、アレス様が来たって話を聞いて……し、信用できないですよね?」
さて、どうする?
今は一人でも戦力が欲しいところだ。
信用は出来ないが……変わりたいと言ったことを信じるとしよう。
「完全には無理だ。だが、出てきた以上……戦う気はあるってことか?」
「……はいっ! 俺にできることがあるなら!」
「わかった、ではついてこい」
そいつを連れ、再び玉座の間に向かう。
それにしても……場内には敵しかいないのか?
先ほど、兄上が味方の兵士達を解放したと言った。
しかし、味方らしき人たちが見当たらない。
まさか、全員やられてしまったのか?
そして、玉座の間に近づくと……。
「主人殿! 敵が退いていくのだ!」
「なに? いや……なるほど、逃がさないようにか」
玉座の間の通路の両端には兵士達が溢れている。
俺たちが中に入ったら、出ることは難しいだろう。
「どうします~?」
「問題ない——このまま突入する!」
俺は闇のマントを展開して、姿を消しておく。
カグラが先頭に立ち……その扉を開ける!
その中では、六人が待ち構えていた。
その中の一人にターゲットを絞り——駆け出す!
「来たか……ん? アレスがいない? なるほど、消えているのか」
「闇のマントですか……ふっ、今更ですね——私には通用しませんよっ!」
ターレスの側近が、接近してきた俺に剣を向ける!
その剣は、俺の刀と交わり……闇が解け始める。
「ふふ、闇に乗じての先制攻撃とは考えましたが……」
「やれ」
「なっ!?」
闇が解け——もう一人の男が姿を現す。
「敵を貫け——アースランス!!」
「ガァァ!?」
土の槍は、右に避けようとしたハロルドの左腕を貫いた。
「く、くそっ! 仕留められなかった!」
「上等だ——ロレンソ。これで、あいつの戦力は半減する。あとは、オルガに任せよう」
そう、先ほどあった人物こそがロレンソ-ハデスだ。
以前の騒動の時に死刑を免れて、牢屋に入れられていた。
そして、俺に恩義を感じている彼は、勇気を出して戦いに参加すると言った。
あの時、助けるか迷ったが——これにて先手はもらった。
13
お気に入りに追加
2,747
あなたにおすすめの小説
貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと宣言されたけどレベル1の状態でも実は最強な村娘!!
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
この世界の勇者達に道案内をして欲しいと言われ素直に従う村娘のケロナ。
その道中で【戦闘レベル】なる物の存在を知った彼女は教会でレベルアップに必要な経験値量を言われて唖然とする。
ケロナがたった1レベル上昇する為に必要な経験値は...なんと億越えだったのだ!!。
それを勇者パーティの面々に鼻で笑われてしまうケロナだったが彼女はめげない!!。
そもそも今の彼女は村娘で戦う必要がないから安心だよね?。
※1話1話が物凄く短く500文字から1000文字程度で書かせていただくつもりです。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる