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最終章
対面
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それからも小競り合いが続き、あっという間に十日が過ぎた。
戦闘が途切れたタイミングで、俺とエラルド殿で話し合いをする。
「状況はどうなってますか?」
「うむ、何やら時間稼ぎをしてるようだ」
「時間稼ぎですか……何のためにでしょう? やはり、聖女や勇者を慣れさせるためですか?」
意識的に、結衣とは言わないようにしている。
結衣を殺すことはあり得ないが、今の俺は魔王で……結衣は聖女なのだから。
「それもあるだろう。しかし、戦力が戦力が乏しいが気になる。帝国の強者たちは、ほとんど味方になっているからともかく、ナンバーズと呼ばれる聖騎士達が少ないのが気になる」
「あのハロルドと同格の聖騎士ですか……確かに、それだけで厄介ですよね」
しかも、サスケ殿の手紙によると……ハロルドはナンバーズの中では、末席に近いという。
必ずしも強さで決まるものではないらしいが、新人であることには違いないと。
「帝国に入ったところまでは確認出来ているのだが……さて、いつ頃やってくるか」
「その時が、勝負になりそうですね」
「ああ、そうかもしれない」
それから、幾日か経ち……戦況が動くことになる。
「アレス殿!」
交代で休憩していた俺とアスナの元に、義兄さんが駆け込んできた。
「どうしたのです?」
「て、天使が現れました!」
「俺が戦った奴ですか……わかりました、すぐに向かいます」
アレを倒せる者は限られている。
兵士に多大な犠牲が出る前に、俺たちで対処しないと。
テントを出て、戦場に向かうと……。
俺の視線には、様々なモノが入ってきた。
「アハはっ! たまんねえぜ!」
「ひひひ! これぁが女神様の力だぁぁぁ」
斧を持ち、体長三メートルを超える巨体の天使と……。
槍を構えた細身の天使がいて、兵士達を蹂躙していた。
「くっ! やらせないのだ!」
「これ以上、好きにはさせません!」
でかい天使をカグラが、細い方をオルガが対応する。
俺が言わなくても、相性の良い方を選んだようだ。
「だとしても、一対一ではきついな。アスナ、お前はカグラを補佐してくれ」
「はいはい、仕方ありませんね~」
次に、隣に来たセレナに視線を向け……。
「セレナは、オルガを補佐してくれ」
「わかりました!」
皆が、何も言わずに応えてくれる。
……俺の視線の先に、誰がいるかわかっているからだ。
「結衣……来たか」
「気安く話しかけないで。私をそう呼んで良い男性は一人だけなんだから」
そう……魔王と呼ばれる俺の目の前には、聖女と勇者が立ち塞がった。
戦闘が途切れたタイミングで、俺とエラルド殿で話し合いをする。
「状況はどうなってますか?」
「うむ、何やら時間稼ぎをしてるようだ」
「時間稼ぎですか……何のためにでしょう? やはり、聖女や勇者を慣れさせるためですか?」
意識的に、結衣とは言わないようにしている。
結衣を殺すことはあり得ないが、今の俺は魔王で……結衣は聖女なのだから。
「それもあるだろう。しかし、戦力が戦力が乏しいが気になる。帝国の強者たちは、ほとんど味方になっているからともかく、ナンバーズと呼ばれる聖騎士達が少ないのが気になる」
「あのハロルドと同格の聖騎士ですか……確かに、それだけで厄介ですよね」
しかも、サスケ殿の手紙によると……ハロルドはナンバーズの中では、末席に近いという。
必ずしも強さで決まるものではないらしいが、新人であることには違いないと。
「帝国に入ったところまでは確認出来ているのだが……さて、いつ頃やってくるか」
「その時が、勝負になりそうですね」
「ああ、そうかもしれない」
それから、幾日か経ち……戦況が動くことになる。
「アレス殿!」
交代で休憩していた俺とアスナの元に、義兄さんが駆け込んできた。
「どうしたのです?」
「て、天使が現れました!」
「俺が戦った奴ですか……わかりました、すぐに向かいます」
アレを倒せる者は限られている。
兵士に多大な犠牲が出る前に、俺たちで対処しないと。
テントを出て、戦場に向かうと……。
俺の視線には、様々なモノが入ってきた。
「アハはっ! たまんねえぜ!」
「ひひひ! これぁが女神様の力だぁぁぁ」
斧を持ち、体長三メートルを超える巨体の天使と……。
槍を構えた細身の天使がいて、兵士達を蹂躙していた。
「くっ! やらせないのだ!」
「これ以上、好きにはさせません!」
でかい天使をカグラが、細い方をオルガが対応する。
俺が言わなくても、相性の良い方を選んだようだ。
「だとしても、一対一ではきついな。アスナ、お前はカグラを補佐してくれ」
「はいはい、仕方ありませんね~」
次に、隣に来たセレナに視線を向け……。
「セレナは、オルガを補佐してくれ」
「わかりました!」
皆が、何も言わずに応えてくれる。
……俺の視線の先に、誰がいるかわかっているからだ。
「結衣……来たか」
「気安く話しかけないで。私をそう呼んで良い男性は一人だけなんだから」
そう……魔王と呼ばれる俺の目の前には、聖女と勇者が立ち塞がった。
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