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最終章

結衣視点

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 ……あれが魔王アレス。

 私の大事な人を汚した奴。

「さて、聖女様」

「教皇様……すみません、感情的になって」

「いえ、良いのですよ。無理もございません」

「それより、ナンバーズって方々はどうしたのですか?」

 こっちの国にくるまでは一緒だったのに、いつの間にかいなくなっていた。
 彼らがいれば、そのままあいつを仕留められたかもしれないのに。

「彼らは……女神様の力になっておりますので」

「あっ、そうですよね。まだ完全じゃないので護衛が必要ですもんね」

「ええ、そういうことです」

 正直言って、あの女神様って人の言うことを、全部信じてたわけじゃない。
 でも、今は信じることにする。
 だって……アレは和馬さんじゃない……ううん、和馬さんに似てるけど。
 あんな女の子ばかりといる人じゃないもん。
 和馬さんは、もっと一途で……逞しくて素敵な人だもん。

「なあ、負けちまったけどいいのか?」

「ええ、問題ありませんよ。敵戦力の把握と、お二人に戦場の空気に慣れてもらうためでしたから」

「でも、そのために人が……」

 女神の加護?かわからないけど、そのおかげで吐くようなことはない。
 でも、気分が悪いことに変わりはないし。

「ほほ、聖女様は優しい方ですな。しかし、彼らは信徒ですから。栄誉こそあれ、可哀想などと言ってはいけない。それこそ、彼らが可哀想ですから」

「そ、そうですか……」

「まあ、何処の世界も一緒ってことか。まあ、別にいいじゃん。あれが魔王ね……女を侍らせて気にくわないし、さっさと戦いてえな」

「……ムカつくけど同意するわ」

 なんか、あいつ見てると……イライラするから。
 偽物のくせに、私を心配するような目をして……。

「それは僥倖ですな。では、次は戦場にて合間見えるように手配致します」

「はい、よろしくお願いします」

「うしっ! レベル上げの次は中ボスだな!」

「どういうことよ?」

「あん? だって、ラスボスは邪神だろ? その使徒ってことは、中ボスだろ? さっさと片付けようぜ」

「ゲームの世界じゃないんだから……」

「わかってるさ」

「はぁ……ほんと、脳天気な奴」

「だって、死なないって説明されたじゃん。女神の加護だっけ?」

「即死じゃない限り、死ぬことはないって説明されただけよ」

「俺たちの身体丈夫だし、即死はありえないだろ」

「ほほ。ええ、勇者様の仰る通りです。そのために、女神様に代わり、ここに私がいるのですから」

 ……それでも、死なないわけじゃない。

 怖い……でも、和馬さんを解放してあげないと……。




~あとがき~

みなさま、本作品を読んでくださり、誠にありがとうございます。

書きだめが出来ましたので、このま最終話まで毎日投稿致します。


そして、お知らせがあります。

アルファポリス様より『はぐれ猟師の異世界自炊生活』という作品で、6月22日に出版デビューいたしました。

 興味のある方は買ってくださると嬉しいです。

それでは、最後までよろしくお願い致します。
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