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最終章

出会う

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 その姿を知識に例えるなら、まさしく天使そのものだろう。

 整っているが能面のような顔、背中には四枚の翼があり宙に浮いている。

「ヒャハハ! 腐っても聖騎士ですねぇ! きちんと女神の使徒になれましたか!」

「マオウ……コロス」

「貴様……自分の部下を……」

「ひひっ! 役立たずなのですから、これくらいは役に立ってもらわないと……おっと、いけません。それでは、ひとまず下がるとしましょう」

「待て!」

「アレス様!」

 奴を追おうとした俺を、オルガが引っ張る——その次の瞬間、俺の目の前を光が通り過ぎる!

「なっ!?」

「コロス!」

 どうやら、こいつが光のレーザーを放ったようだ。

「では——また会いましょう!」

「……逃げられたか」

「アレス様、どうしますか?」

「こいつの相手は俺がする」

「では、僕は護衛に専念いたします」

 目だけ合わせ、それぞれ行動を開始する。

「シネ!」

「闇よ!」

 光のレーザーを、闇の衣で相殺する!

「ガァァ!」

「シィッ!」

 光の剣と、魔刀が打ち合う!

「……これの相手をするのは、他の奴にはきついな」

 そのスピード、パワー、光魔法に、光の剣……。
 カグラやオルガでも、手こずるだろう。

「マオウゥゥ!!」

「その腕が邪魔だ!」

 俺の刀が、奴の腕を斬りとるが……。

「何!? ……再生するのか」

「コロスコロス……コロスゥゥ——!!」

「厄介だな……いや、その為に鍛えたんだ」

 こいつは、俺が相手をするのが一番良い。
 もう——誰も失いたくないから。
 その為には——俺自身が強くなるしかない!

「こい——もう、誰にも俺の大事な人を傷つけさせはしない」

「ガァァ!!」

 刀を下段に構え、敵を待ち……。

「シネェェ!」

「お前がな——黒炎刃」

「ヒヒッ!? はへぇ? ……ァァァァァ!」

 俺の居合によって胴体を真っ二つにされた奴は……再生することはない。
 何故なら、再生より早く……黒炎が、その身体を侵食しているからだ。
 そして、そのまま——消滅する。

「ふぅ……流石に、闇魔法と炎魔法の両方を使うのはしんどいか」

 だがこの刀と、この力があれば……。

「アレス様!」

「アレス!」

「主人殿!」

 敵を倒したのか、三人が駆け寄ってくる。

 そうだ、この力があれば……この大事な人たちを守れる。

 今世で出会った、俺の掛け替えのない存在の人達。

 その時、崖の上から……何者かの声が聞こえてくる。

 ……まさか、その声は……。

「魔王! いたわね!」

「お、おい!? まだ戦うなって言われたろ!?」

「うるさい! 私は——あいつを許さない!」

「……結衣?」

 視線を見上げた先には……前世の大事な人がいた。
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