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最終章

事態は動き出す

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それから数週間後、事態は動き出す。

姉さんの部屋で過ごしていたところ、呼び出しがかかり……。

俺とオルガ、カグラにセレナとアスナで、エラルド殿の部屋に入る。

「たった今、報告が入った。教会と皇国の合併軍が、我が領地に迫っていると」

「いよいよですか。最近魔物の数が減ったことにより、信者が増えてきましたからね」

女神が現れて以降、魔物の数が減っているらしい。
それを教皇やターレス達が、女神のおかげだと触れ回っていると。
そのせいで、今までは訝しんでいた人達も、それに同調し始めていると。

「うむ。それに、女神の加護を受けぬ者達のところには魔物が多数出現するそうだ」

「特にブリューナグ家やグロリア王国ですね……」

「お父様から手紙が届いたのだ。すまないが、助けに行ける余裕がないと……」

「カグラ、気にすることはない。魔物がこっちに来ないように抑えてくれるだけ助かるさ」

そのおかげで、こちらは敵の軍だけに専念できる。
戦いの最中に魔物まで出てきたら、たまったものではない。

「そもそも、おかしくないですかー?」

「うん? アスナ、何が気になった?」

「魔物は邪神が生み出すんですよね? どうして……

「……たしかに」

「確かにおかしいです。邪神の味方をすると見なされてる土地を襲うのも変ですし」

「むぅ……拙者は難しい話はわからないのだ」

「はは……君は相変わらずだね。まあ、僕もだけど」

「もう、二人ったら」

「仕方ないですねー。セレナさん、向こうで少し話しません?」

「うん、良いよ。じゃあ、アレス様……」

「ああ、すまないが考察を頼む。後で、俺に聞かせてくれ」

「はい、わかりました」

「ではでは~」

そう言い、二人は端っこの方に向かう。
我がパーティーのブレーンはセレナとアスナだ。
柔軟な思考と、それに対応する力を持っている。
戦いのメインはオルガとカグラ……我ながら、良い仲間に出会えたな。

「それで、来るまでの時間はどのくらいですか?」

「大体、二日後には我が領地に到着する予定だ」

「なるほど。では、明日にでもこちらから出向いた方が良さそうですね」

「うむ、我が領地からも用意していた軍を派遣する。裏切ることのない、古くからいる家臣たちだ」

「ありがとうございます。指揮官はどなたに?」

「もちろん、私だ。かの者たちは、私以外……当主以外には従わないからな」

「ですが、危険では?」

「問題ない。我が息子は立派になった。孫もできた……孫とは不思議なものだ。あの子に、辛い役目を負わせたくない自分がいる。我が家は厳しい家だ。兄弟間で争い、使えない者は処分される運命だ」

「エラルド殿……」

「この機会に——私の代で終わらせる。アレス殿、お力を貸して頂きたい」

「もちろんです。共に、この歪んだ世界を変えてみせましょう」

そうだ、俺も最初から想いは変わっていない。

大切な人たちのために——この世界を変えてみせる!
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