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最終章
聖女と女神
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……なんて言ったの?
この女神マリアと名乗る女性は……。
急に、私だけに話があると呼び出したと思えば……。
「和馬さんが死んだのが……誰のせいだと?」
「もう一度言います。貴方の最愛の人を殺したのは——邪神です」
「ど、どういうことですか!?」
「邪神は長い間、聖女によって封印を繰り返されてきました。それこそ、何千年も前から。そして今回こそ、それを防ごうと思ったのでしょう。自分を封印する聖女——つまり生まれつき聖女の力を持つ貴方を殺そうとしたのです。力を振り絞り、現世に関与してまで。ごめんなさいね、わたしが油断したばっかりに……あの方には感謝しなくてはいけません」
「そ、そんな……のせいってこと?」
私が聖女っていう存在だったから、和馬さんが……。
私を庇ったせいで、和馬さんは死んでしまった。
私と出会わなければ、死なずに済んだの?
やっぱり、私があの時……一緒に出掛けたいなんて言わなければ!
「でも、そうしないと双方の世界は滅びていたでしょう。かの邪神はこの世界では飽き足らず、私の世界をも支配しようと企んでいましたから。私はそれを阻止しようと、数千年前から戦っているのです。そして封印して、この世界の管理もしているのです」
あのまま私が死んだら、世界が滅んでいた……?
じゃあ、どっちしろ和馬さんはもちろん、両親も死んでしまってたの?
それでも……あの時の後悔が消えるわけじゃない。
「そうなんですね」
「あと、ここからが肝心なのですが……和馬という男性の魂は生きているのです」
「……へっ?」
「肉体は死んでいますが、死ぬ際に……邪神に魂を奪われてしまったのです」
「そ、そんな! じゃあ……どうなったのですか?」
「邪神には、魔王という名の使徒が存在します。その魔王の器として、かの魂は取り込まれてしまいました。その人物の名前は、魔王アレス。かの者の魂を取り込んだ別人格の持ち主です」
「な、なんのために!?」
「おそらく、貴女を惑わせるためでしょう。和馬を装い、貴女を油断させるために。そして、貴女が魔王を殺せないように」
「……許せない」
自分の心が黒いモノに染まっていくのがわかる。
和馬さんを殺し、その魂までも汚すなんて……。
「私は——何をすれば良いですか?」
「貴方には戦闘訓練に励んで頂きたいのです。無理矢理連れてきた私が言えた義理ではないのですが、邪神と戦って頂きたいのです」
「わかりました。是非、やらせてください」
あの日から、私は後悔し続けてきた。
沢山の愛情や思い出をくれた和馬さんに、何も返せなかったことを。
ならば……せめて、その魂だけは救ってみせる。
魔王アレス……貴方を殺すことで。
この女神マリアと名乗る女性は……。
急に、私だけに話があると呼び出したと思えば……。
「和馬さんが死んだのが……誰のせいだと?」
「もう一度言います。貴方の最愛の人を殺したのは——邪神です」
「ど、どういうことですか!?」
「邪神は長い間、聖女によって封印を繰り返されてきました。それこそ、何千年も前から。そして今回こそ、それを防ごうと思ったのでしょう。自分を封印する聖女——つまり生まれつき聖女の力を持つ貴方を殺そうとしたのです。力を振り絞り、現世に関与してまで。ごめんなさいね、わたしが油断したばっかりに……あの方には感謝しなくてはいけません」
「そ、そんな……のせいってこと?」
私が聖女っていう存在だったから、和馬さんが……。
私を庇ったせいで、和馬さんは死んでしまった。
私と出会わなければ、死なずに済んだの?
やっぱり、私があの時……一緒に出掛けたいなんて言わなければ!
「でも、そうしないと双方の世界は滅びていたでしょう。かの邪神はこの世界では飽き足らず、私の世界をも支配しようと企んでいましたから。私はそれを阻止しようと、数千年前から戦っているのです。そして封印して、この世界の管理もしているのです」
あのまま私が死んだら、世界が滅んでいた……?
じゃあ、どっちしろ和馬さんはもちろん、両親も死んでしまってたの?
それでも……あの時の後悔が消えるわけじゃない。
「そうなんですね」
「あと、ここからが肝心なのですが……和馬という男性の魂は生きているのです」
「……へっ?」
「肉体は死んでいますが、死ぬ際に……邪神に魂を奪われてしまったのです」
「そ、そんな! じゃあ……どうなったのですか?」
「邪神には、魔王という名の使徒が存在します。その魔王の器として、かの魂は取り込まれてしまいました。その人物の名前は、魔王アレス。かの者の魂を取り込んだ別人格の持ち主です」
「な、なんのために!?」
「おそらく、貴女を惑わせるためでしょう。和馬を装い、貴女を油断させるために。そして、貴女が魔王を殺せないように」
「……許せない」
自分の心が黒いモノに染まっていくのがわかる。
和馬さんを殺し、その魂までも汚すなんて……。
「私は——何をすれば良いですか?」
「貴方には戦闘訓練に励んで頂きたいのです。無理矢理連れてきた私が言えた義理ではないのですが、邪神と戦って頂きたいのです」
「わかりました。是非、やらせてください」
あの日から、私は後悔し続けてきた。
沢山の愛情や思い出をくれた和馬さんに、何も返せなかったことを。
ならば……せめて、その魂だけは救ってみせる。
魔王アレス……貴方を殺すことで。
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