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最終章

状況整理

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翌日の朝……。

「むにゃ……えへへ」

「あらまあ……妊婦さんとは思えない顔つきな事」

隣で眠るヒルダ姉さんの顔は、だらしなくなっていた。
まるで、少女のような。

「ヒルダ姉さん、起きてください」

「ううん……あれ? アレス? もう、仕方ないわね、いつまでも甘えん坊なんだから……」

「ちょっ!? くっつかないでください!」

妊婦さんだから、力づくで振り払うわけにもいかない!

「主人殿~楽しそうですね?」

いつの間か、ベットの横にアスナが立っていた。

「いつの間に……いや、なんとかしてくれ!」

「ハイハイ、わかりましたよー。ほんと、この方には弱いんですね?」

そう言い、姉さんを俺から引き剥がす。

「むにやぁ……」

「……否定はできない。俺の恩人だからな」

「少し嫉妬しちゃいますよねー?」

その視線の先には……カグラとセレナがいた。

「いや、拙者はなんとも。というか……なぁ?」

「そうだよね、私達は慣れてるし」

「なるほど、そうでしたね~」





その後、姉上が起きて……。

食事をした後、全員集まって今後について話し合うことになる。

「私とアレス様で、話を進めさせてもらおう」

「はい、それでお願いします」

先程説得して、何とか敬語を使わないようにしてもらった。
今の俺は反逆者扱いだし、何より使用人達がいちいち驚くから面倒だ。
多分、敬語を使うような人ではないのだろうな。

「ふむ。先程、アスカロン帝国と教会より連盟で通達があった。邪神の使徒、魔王アレスを引き渡せと」

「そうですか……それは皇帝からですか?」

「いや、正確には……女神と名乗るヘイゼル皇子からだ。私の手の者の情報によれば、ラグナ殿は生きているが……身動きが取れない状態らしい。護衛についているのはゼトとコルンという者だそうだ」

「よ、良かったぁ……!」

「お母様!」

その言葉に、母上とエリカが抱き合う。
そうか……生きててくれたか。
あの二人が付いているなら一安心だ。

「ライル兄上はどうしていますか?」

「どうやら、暫定的に皇帝になったらしい。しかし、ターレスや大臣達には勝てまい」

ゼトさんやコルンさんは、父上の護衛で動けないか。
そうなると、兄上には味方が少ない。
本来なら、こんな時のために俺がいたのだが……。

「何より、女神を名乗るモノがいるのが大きいですね」

「うむ、大義名分がある。もちろん、偽りのな」

「では、どうすれば良いか……味方を増やすしかないですね」

「うむ、そうなる。我が家だけでは抑えることは不可能だ。故に、今日まで耐え忍んできた」

オルガの実家は動けない。
位置的にアスカロンを通らないといけないし、領地を守るのに精一杯だろう。

ブリューナグ家は、どうだろうか?

当主はともかく、民が味方してくれるかどうか……。
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