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最終章
情報交換
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その後、姉上の護衛達と合流して……。
人数が多いので、ひとまず俺だけ、ヒルダ姉さんの馬車に乗り込む。
もちろん、そこには旦那さんであるロンドさんもいた。
「それで、何があったの?」
「えっと……」
「ここにいるのは私達の仲間です。安心してくださいね」
「そうよっ!」
「ロンド義兄さん、ヒルダ姉さん、ありがとうございます……実は……」
俺は知る限りの出来事を二人に説明する。
ヘイゼルが神器を持って豹変し、俺を襲ったこと。
同時に、教会の騎士達が襲ってきたこと。
父上が怪我を負ったこと、ライル長兄の生死が不明なこと。
カイゼルや、その他のことなどを……。
「そう……お父様が……それは心配だわ」
「ですが、必ず生き残るとお約束してくださいました」
「じゃあ、それを信じるしかないわね」
「ただ、しばらくは身動きが取れないと思います。ライル兄上が皇帝になるのか、ヘイゼル兄さんの立場がどうなるのか……わかりませんが」
「今のライルならそこまで心配しなくていいけど……ヘイゼルかぁ……女神に意識を乗っ取られたってこと?」
「おそらくですが……そして、申し訳ないのですが……」
「もちろん! 私が力になるわ! アレスは邪悪な存在じゃないもの!」
「ええ、私も同意見です」
まだ、何も言ってないのに……ほんと、姉さんには頭が上がらないなぁ。
昔から、俺が困っているといつも助けてくれた。
「すみません、二人とも……」
「アレス! 違うわ! そういう時はなんて言うの?」
「……そうでしたね。ありがとうございます」
「そうよっ!」
「ええ、ヒルダの言う通りですよ。あなたは、私達の弟なのですから」
「……ロンド義兄さん、ありがとうございます」
姉さんは、良い人と巡り会えたな。
頼ってしまった俺が言うのはアレだが、静かに幸せになってもらいたかった。
しかし、俺はどうしても……ここにくる必要があった。
「えへへ、約束通りに頼ってもらえて嬉しいわ!」
「姉さん……もちろん、姉さんが力になってくれることを期待していました。しかし、それだけじゃないのです」
「そうなの?」
「ふむ……もしかして、アレス殿の中では答えが出ているのでは? ——この一連の流れについて」
「えっ? そうなの!?」
「いや、あくまでも推測に過ぎないので……ただ、ここにきた理由と一つに……今回の出来事に、例のフランベルク家が真の後継者という話に関係があるのではないかと」
「……なるほど、そういうことですか」
「じゃあ、お義父様に会わせないとね!」
「あ、会えるのですか?」
「ええ、平気ですよ。何故なら、今の私は——次期当主ですからね」
「では、他の二人に?」
「ええ、他の二人の弟には勝ちましたね。というか、ヒルダのおかげですけど」
「はい? 姉さん、今度は何をしたんですか?」
この人は、いつも突拍子もないことをするからなぁ。
ロンド義兄さんが、温和な方で良かったよ……本当に。
「失礼ねっ! 私はただ……躾をしただけだわ」
「えっと……ロンド義兄さん?」
「はは……そのままだよ。私が居ない時に、二人を呼び出して説教というか……母親の言いなりでいいのかとか、暗殺なんてしてないで正面から来なさいとか……最後には鉄拳制裁をしたらしいのです」
……型破りすぎる!?
しかも、妊婦なのに!!
「それは……申し訳ない」
「なんで謝るのよ!?」
「姉さん、心配かけちゃダメだよ」
「だって、ロイドがいたら足手まといだわ!」
「はは……面目無い」
「いえ、俺が悪かったです。というか、我が家が……」
「結果的に上手くいったんだからいいじゃない!」
「「……はぁ……」」
俺と義兄さんは顔を見合わせ、ため息をつく。
ヒルダ姉さんは、相変わらずというか……。
ほんと、この人が旦那さんで良かったよ。
人数が多いので、ひとまず俺だけ、ヒルダ姉さんの馬車に乗り込む。
もちろん、そこには旦那さんであるロンドさんもいた。
「それで、何があったの?」
「えっと……」
「ここにいるのは私達の仲間です。安心してくださいね」
「そうよっ!」
「ロンド義兄さん、ヒルダ姉さん、ありがとうございます……実は……」
俺は知る限りの出来事を二人に説明する。
ヘイゼルが神器を持って豹変し、俺を襲ったこと。
同時に、教会の騎士達が襲ってきたこと。
父上が怪我を負ったこと、ライル長兄の生死が不明なこと。
カイゼルや、その他のことなどを……。
「そう……お父様が……それは心配だわ」
「ですが、必ず生き残るとお約束してくださいました」
「じゃあ、それを信じるしかないわね」
「ただ、しばらくは身動きが取れないと思います。ライル兄上が皇帝になるのか、ヘイゼル兄さんの立場がどうなるのか……わかりませんが」
「今のライルならそこまで心配しなくていいけど……ヘイゼルかぁ……女神に意識を乗っ取られたってこと?」
「おそらくですが……そして、申し訳ないのですが……」
「もちろん! 私が力になるわ! アレスは邪悪な存在じゃないもの!」
「ええ、私も同意見です」
まだ、何も言ってないのに……ほんと、姉さんには頭が上がらないなぁ。
昔から、俺が困っているといつも助けてくれた。
「すみません、二人とも……」
「アレス! 違うわ! そういう時はなんて言うの?」
「……そうでしたね。ありがとうございます」
「そうよっ!」
「ええ、ヒルダの言う通りですよ。あなたは、私達の弟なのですから」
「……ロンド義兄さん、ありがとうございます」
姉さんは、良い人と巡り会えたな。
頼ってしまった俺が言うのはアレだが、静かに幸せになってもらいたかった。
しかし、俺はどうしても……ここにくる必要があった。
「えへへ、約束通りに頼ってもらえて嬉しいわ!」
「姉さん……もちろん、姉さんが力になってくれることを期待していました。しかし、それだけじゃないのです」
「そうなの?」
「ふむ……もしかして、アレス殿の中では答えが出ているのでは? ——この一連の流れについて」
「えっ? そうなの!?」
「いや、あくまでも推測に過ぎないので……ただ、ここにきた理由と一つに……今回の出来事に、例のフランベルク家が真の後継者という話に関係があるのではないかと」
「……なるほど、そういうことですか」
「じゃあ、お義父様に会わせないとね!」
「あ、会えるのですか?」
「ええ、平気ですよ。何故なら、今の私は——次期当主ですからね」
「では、他の二人に?」
「ええ、他の二人の弟には勝ちましたね。というか、ヒルダのおかげですけど」
「はい? 姉さん、今度は何をしたんですか?」
この人は、いつも突拍子もないことをするからなぁ。
ロンド義兄さんが、温和な方で良かったよ……本当に。
「失礼ねっ! 私はただ……躾をしただけだわ」
「えっと……ロンド義兄さん?」
「はは……そのままだよ。私が居ない時に、二人を呼び出して説教というか……母親の言いなりでいいのかとか、暗殺なんてしてないで正面から来なさいとか……最後には鉄拳制裁をしたらしいのです」
……型破りすぎる!?
しかも、妊婦なのに!!
「それは……申し訳ない」
「なんで謝るのよ!?」
「姉さん、心配かけちゃダメだよ」
「だって、ロイドがいたら足手まといだわ!」
「はは……面目無い」
「いえ、俺が悪かったです。というか、我が家が……」
「結果的に上手くいったんだからいいじゃない!」
「「……はぁ……」」
俺と義兄さんは顔を見合わせ、ため息をつく。
ヒルダ姉さんは、相変わらずというか……。
ほんと、この人が旦那さんで良かったよ。
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