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少年期~前編~
セレナと魔法の訓練
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セレナと合流した俺は、ついでに火属性も調べることにする。
二人で並んで椅子に座り、お互いの話をする。
ここは談話スペースとなっているので、ある程度の声で話しても平気だ。
「セレナはどうだ?」
「えっと……ウォーターボールと、シャワーヒールってやつを覚えようかと」
「そうだね……確か、先生も言っていたよね。あんまり数だけ覚えてもダメだって。二、三個を覚えて、それをモノにしてから次に行きなさいって……」
だから俺も、闇魔法は少しずつ覚えたんだし……。
「はい、そうですよね。アレス様は?」
「火属性は威力が高くて扱いが難しいからね……ゴブリンくらいなら、ファイアーボールで倒せるから……これかな?」
「ファイアーアローですか……弓?」
「そのイメージで合ってるよ。炎の弓ってところかな。これなら、乱戦や森の中でも使えることもあるし。一点に集中するから、威力も高いしね」
「……私、水魔法で良かったです」
「え?」
「アレス様、遠慮なく炎を使ってください。いざとなったら——私が消します」
「……言ったね?それは、つまり……僕より威力がなくちゃいけないよ?」
「が、頑張ります……!」
良い目をしてる……何かを決めた……。
やれやれ……成長が早いな……。
俺も、ますます負けてられないな……!
ならばということで、早速稽古をしてみる。
俺の家に移動して、庭にて対峙する。
「カイゼル、もしもの時は頼むよ?」
「御意。受けきれないと判断したら、私が弾きます」
「お願いね。嫁入り前の女の子に、火傷を負わせるわけにはいかないから」
「あら?どこで覚えたのかしら?」
「アレス様は、たまにじじ臭いというか……大人みたいですよねー」
おっといけない。
僕は子供、僕は子供……よし。
「さて……いくよ?ファイアーボール!」
「ウォーターボール!」
火の玉と水の玉がぶつかり、双方が弾ける。
「やっぱり、かなりの才能があるんだな。一発で出来るなんて」
風も使えるし、これは一流の魔法使い……賢者になれるかもな。
どちらも応用力に優れている魔法だし……。
「えへへ~ありがとうございます!うーん……見たら大体わかるんです!」
……やべぇ。
こりゃ……天才の類だ。
Sクラスに入れるわけだ……。
「それは凄いな。じゃあ、威力を上げるからね」
その後もファイアーボールを放つが……全てが相殺される。
少し、自信がなくなるほどに……。
ま、まあ、俺は魔法剣士だし?闇魔法もあるし?
やれやれ……俺も、やっぱり子供だな。
少し、やり返したくなってきた……!
「カイゼル!準備を!」
「御意」
「セレナ!強いのいくから気をつけてね?」
「は、はい!嬉しいです!わたしにも——本気で来てください!!」
……参ったな。
どこかで、セレナを下に見てた自分がいる……。
カグラと同じく、この子も強い子だ……。
ならば……手加減はしない……!
「貫け!ファイアーアロー!」
矢を射るように構えて——火の矢を放つ!
「ウォーターボール!」
火と水がぶつかるが——俺の矢は水を貫く!
「わわっ!?」
「カイゼル!」
「承知!」
カイゼルが素手で掴んで消した……おいっ!?
「か、カイゼル!大丈夫!?」
いくらカイゼルだからって、素手で火の矢を掴むなんて……。
「ええ、問題ありません。少し、火傷をしましたが。これが確実でしたから」
「ご、ごめんなさい!えっと……この者を癒したまえ——ヒール!」
「むっ……温かい……お嬢ちゃん、ありがとう」
あれ?なんか目が優しい……?
そこら辺にいるおじいちゃんみたいに……。
もしや……女の子には甘いのかも……。
「いえ!こちらこそ、ありがとうございます!」
「うむ……良い子だ。それに……末恐ろしい才能……アレス様、わかっておりますか?」
「もちろんだ、カイゼル。セレナは、最早僕の大切な人。誰が来ようと守ってみせる」
「え?えぇぇ——!?」
おそらく——貴族や軍から誘われるだろう。
本人が、望む望まないに関わらず……。
その場合……平民であるセレナの家では逆らえまい……。
俺が後ろ盾になり、セレナの好きにさせてあげよう。
ただ、軽く説明はしておかないとね。
言質を取られたりしないように。
素直で良い子だから、その辺は危ないかもしれないし……。
「あっ——そ、そういう意味なんですね……」
「うん、覚えておいて。その力は規格外だ。きっと色々なところから勧誘を受けるだろう……勧誘ならまだ良い……最悪の場合、強硬手段に出るかもしれない」
「そ、それって……?」
「言い辛いけど……両親を脅したりとか」
「こ、困ります!わ、私の両親は普通の人なんです!ただでさえ、私みたいな子で大変なはずなのに……!」
そうか……やはり、苦労してきていたか。
貴族である俺らに、相当警戒してたし……。
学校にも、無理矢理入らされた可能性も……。
「安心して良い。僕が必ず守る」
「アレス様……」
「ただし……それだけではいけない。守りたいなら強くなることだ。どんな不条理なことからも、大切な人を守れるように……だから、それまでは僕が手配をしておくよ」
「……はい!!強くなって両親やアレス様達を守りたいです!」
「うん、その意気だ。僕と一緒に強くなろう。大切な人を守れるようにね?」
「はい!頑張ります!」
その後も訓練を続け、一緒に夕飯を食べて、きちんと家まで送り届けた。
……母上は『これでセレナちゃんが一歩リードかしら?でも、カグラちゃんも良い子だし……』とか言ってたけど……。
……うーん……俺の意識としては、子供に見えるから恋愛対象ではないんだよな。
当たり前の話だけど……。
ただ……身体は子供だからなのかわからないけど、ドキドキすることはある。
……そのうち、アレスと和馬が完全に一体となる日も近いのかもしれない……。
二人で並んで椅子に座り、お互いの話をする。
ここは談話スペースとなっているので、ある程度の声で話しても平気だ。
「セレナはどうだ?」
「えっと……ウォーターボールと、シャワーヒールってやつを覚えようかと」
「そうだね……確か、先生も言っていたよね。あんまり数だけ覚えてもダメだって。二、三個を覚えて、それをモノにしてから次に行きなさいって……」
だから俺も、闇魔法は少しずつ覚えたんだし……。
「はい、そうですよね。アレス様は?」
「火属性は威力が高くて扱いが難しいからね……ゴブリンくらいなら、ファイアーボールで倒せるから……これかな?」
「ファイアーアローですか……弓?」
「そのイメージで合ってるよ。炎の弓ってところかな。これなら、乱戦や森の中でも使えることもあるし。一点に集中するから、威力も高いしね」
「……私、水魔法で良かったです」
「え?」
「アレス様、遠慮なく炎を使ってください。いざとなったら——私が消します」
「……言ったね?それは、つまり……僕より威力がなくちゃいけないよ?」
「が、頑張ります……!」
良い目をしてる……何かを決めた……。
やれやれ……成長が早いな……。
俺も、ますます負けてられないな……!
ならばということで、早速稽古をしてみる。
俺の家に移動して、庭にて対峙する。
「カイゼル、もしもの時は頼むよ?」
「御意。受けきれないと判断したら、私が弾きます」
「お願いね。嫁入り前の女の子に、火傷を負わせるわけにはいかないから」
「あら?どこで覚えたのかしら?」
「アレス様は、たまにじじ臭いというか……大人みたいですよねー」
おっといけない。
僕は子供、僕は子供……よし。
「さて……いくよ?ファイアーボール!」
「ウォーターボール!」
火の玉と水の玉がぶつかり、双方が弾ける。
「やっぱり、かなりの才能があるんだな。一発で出来るなんて」
風も使えるし、これは一流の魔法使い……賢者になれるかもな。
どちらも応用力に優れている魔法だし……。
「えへへ~ありがとうございます!うーん……見たら大体わかるんです!」
……やべぇ。
こりゃ……天才の類だ。
Sクラスに入れるわけだ……。
「それは凄いな。じゃあ、威力を上げるからね」
その後もファイアーボールを放つが……全てが相殺される。
少し、自信がなくなるほどに……。
ま、まあ、俺は魔法剣士だし?闇魔法もあるし?
やれやれ……俺も、やっぱり子供だな。
少し、やり返したくなってきた……!
「カイゼル!準備を!」
「御意」
「セレナ!強いのいくから気をつけてね?」
「は、はい!嬉しいです!わたしにも——本気で来てください!!」
……参ったな。
どこかで、セレナを下に見てた自分がいる……。
カグラと同じく、この子も強い子だ……。
ならば……手加減はしない……!
「貫け!ファイアーアロー!」
矢を射るように構えて——火の矢を放つ!
「ウォーターボール!」
火と水がぶつかるが——俺の矢は水を貫く!
「わわっ!?」
「カイゼル!」
「承知!」
カイゼルが素手で掴んで消した……おいっ!?
「か、カイゼル!大丈夫!?」
いくらカイゼルだからって、素手で火の矢を掴むなんて……。
「ええ、問題ありません。少し、火傷をしましたが。これが確実でしたから」
「ご、ごめんなさい!えっと……この者を癒したまえ——ヒール!」
「むっ……温かい……お嬢ちゃん、ありがとう」
あれ?なんか目が優しい……?
そこら辺にいるおじいちゃんみたいに……。
もしや……女の子には甘いのかも……。
「いえ!こちらこそ、ありがとうございます!」
「うむ……良い子だ。それに……末恐ろしい才能……アレス様、わかっておりますか?」
「もちろんだ、カイゼル。セレナは、最早僕の大切な人。誰が来ようと守ってみせる」
「え?えぇぇ——!?」
おそらく——貴族や軍から誘われるだろう。
本人が、望む望まないに関わらず……。
その場合……平民であるセレナの家では逆らえまい……。
俺が後ろ盾になり、セレナの好きにさせてあげよう。
ただ、軽く説明はしておかないとね。
言質を取られたりしないように。
素直で良い子だから、その辺は危ないかもしれないし……。
「あっ——そ、そういう意味なんですね……」
「うん、覚えておいて。その力は規格外だ。きっと色々なところから勧誘を受けるだろう……勧誘ならまだ良い……最悪の場合、強硬手段に出るかもしれない」
「そ、それって……?」
「言い辛いけど……両親を脅したりとか」
「こ、困ります!わ、私の両親は普通の人なんです!ただでさえ、私みたいな子で大変なはずなのに……!」
そうか……やはり、苦労してきていたか。
貴族である俺らに、相当警戒してたし……。
学校にも、無理矢理入らされた可能性も……。
「安心して良い。僕が必ず守る」
「アレス様……」
「ただし……それだけではいけない。守りたいなら強くなることだ。どんな不条理なことからも、大切な人を守れるように……だから、それまでは僕が手配をしておくよ」
「……はい!!強くなって両親やアレス様達を守りたいです!」
「うん、その意気だ。僕と一緒に強くなろう。大切な人を守れるようにね?」
「はい!頑張ります!」
その後も訓練を続け、一緒に夕飯を食べて、きちんと家まで送り届けた。
……母上は『これでセレナちゃんが一歩リードかしら?でも、カグラちゃんも良い子だし……』とか言ってたけど……。
……うーん……俺の意識としては、子供に見えるから恋愛対象ではないんだよな。
当たり前の話だけど……。
ただ……身体は子供だからなのかわからないけど、ドキドキすることはある。
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