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どうやら異世界転生したようだ
プロローグ
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夏が終わる八月下旬、俺は従兄弟の結衣と、お出掛けの約束をした。
結衣の両親が、結婚25周年を迎えたからだ。
なので、一緒にプレゼントを選んでほしいと頼まれたのだ。
俺は、待ち合わせ場所の近くの喫煙所で一服しながら、昔を思い出していた。
美濃和馬という名の俺は、6歳の時に両親を亡くした。
そして、親父の弟である清水正人に引き取られた。
叔父夫婦には子供がいなく、小さい頃からとても可愛がってもらっていた。
そして、引き取られてからも、叔父である正人さんは可愛がってくれた。
さらに、血の繋がりのない綾さんも本当の息子のように可愛がってくれた。
おかげで、俺は両親の死は悲しかったが、乗り越えることができた。
その一年後に、綾さんの妊娠がわかった。
そして、結衣が生まれた。
2人はそれはそれは喜んだ。
今だから知っているが、綾さんは妊娠しにくい体質の人だったからだ。
結婚して9年がたっていて、叔父は33歳、綾さんは34歳だった。
そして皆が喜ぶ中、俺は不安になった。
これで、俺は要らなくなるのかなと。
すると、叔父と綾さんが言った。
ほら和馬!お前の妹だ!可愛いだろ!
和馬君、結衣のこと可愛がってあげてね!
俺は聞いた、ここに居ていいのかと。
すると、2人は俺を抱きしめて言った。
当たり前じゃない!家族じゃないか!と。
当時、その言葉にどれだけ救われたか……。
2人には感謝してもしきれない。
結衣も俺に懐いてくれ、よく遊んであげた。
ちなみに迷ったが、俺は養子に入ることはなかった。
別に養子に入らなくても、家族だとわかっていたからだ。
そして結衣が分別がつく頃に……どっかから聞いたのか、俺に聞いてきた。
お兄ちゃんは、本当のお兄ちゃんじゃないの?と。
俺は2人を、お父さんお母さんと呼ばずにきた。
いつも正人さん、綾さんと呼んでいたから隠すつもりはなかった。
なので、幼い結衣にもわかるように一生懸命説明した。
そしたら、私がお兄ちゃんを大好きなのには変わりはない!って言ってくれた。
俺が、どれだけ嬉しかったか。
まあ、そんな結衣も16歳か……早いもんだ。
そして俺は一服を終え、待ち合わせ場所に向かった。
「ごめんなさい!待ちましたか……?」
「いや、今きたところだから大丈夫だよ」
「ふふ、なんだがデートみたいですね」
「まあ、もう兄弟には見えないかもな。じゃあ行くか」
「はい!行きましょう!」
満面の笑顔だな。
そして、街を歩いていると気づく。
通りすがりの男性達が、結衣ちゃんを見て振り向くことの多さたるや。
まあ、無理もないなと思う。
165と女性にしては、高い身長とそのスタイルの良さ。
清楚な雰囲気で、そこらのアイドルより整った容姿。
一度も染めたことのない、綺麗な黒髪ロング。
所謂、美少女というやつだ。
ちなみに、俺の容姿は普通だ。
強いて挙げるなら、身長が180あること。
剣道と剣術で鍛えた、ガタイのいい身体くらいだ。
「さて、どこに行くかな?」
「アウトレットモールに行きたいんですけど、まずはお茶にしませんか?走ったので、喉かわいちゃいました」
「はは、まだ暑いからな。ゆっくりで良かったのに」
「いいえ。社会人である、和馬さんの貴重なお休みの日を頂いているんですから、そういうわけには行きません。まあ、ちょっと遅れちゃいましたけど」
「しょうがない。女の子は、男と違って時間がかかるものだし。今日のワンピースも、よく似合っている」
結衣は、顔をパァと輝かせた。
「え?本当ですか?嬉しいです!」
「あの小さかった結衣がねぇ。お兄さんも年をとるわけだな」
「んー!いつまでも子供扱いしないてください!私だって、今年には結婚できる年なんですからね」
「はは、すまんすまん」
すっかり口調も大人びてきて、立派になったもんだ。
もう、お兄ちゃんとは呼んでくれなくなったしな。
ちょっとさみしいと思う、今日この頃。
そうして会話をしながら歩き、2人で喫茶店に入店し、席に着いた。
そして飲み物だけ注文し、品物はすぐにきた。
2人で飲みものを飲んで、ホッと息をつく。
「はぁ~、涼しいですね。生き返ります」
「ああ、俺が子供のころは、この時期はもう涼しかったんだけどな」
「ここ20年くらいで、平均気温の上昇すごいらしいですもんね」
「ああ、俺が子供のころは、扇風機1台あれば夏を過ごせたんだがなぁ」
「今は、エアコンないと最悪死んじゃいますからね。ただ、この店ちょっと冷房効きすぎですね」
俺は黙って席を立ち、羽織っていたものを、結衣の肩にかけてあげた。
「あ、ありがとうございます。えへへ。ワンピースって肩が出ちゃうんで」
「まあお洒落も大変だよな。その服大丈夫かな?さっき煙草吸ってたから、匂うかもだけどごめんね」
「ええ、大丈夫ですよ。わたしが、小さいころから好きな和馬さんの臭いがします」
「はは。よく叔父さんには、うちに来る前は煙草を吸ってくるんじゃない!って怒られたなぁ」
「はは、お父さんはわたしを溺愛してますからねー。わたしも高校生になったので、夏休みの間だけ髪を一度くらいは染めてみたいなって思ったのですが」
「ああ、聞いたよ。2人で呑んでる時に泣かれたよ。和馬~結衣が不良になってしまったよ~って」
「もう!お父さんたら!今時髪染めるくらい普通なのに」
「まあ、俺は結衣の綺麗な黒髪好きだけど?」
結衣は顔を伏せて、照れているようだ。
「ずるいです。そんなこと言われたら……染められないじゃないですか」
「はは、正人さんにもお前からも言ってくれ!と頼まれてしまったしな。あれには逆らえん」
「んー!もう!わかりましたよ。もう言いません」
「まあ、大事な一人娘なんだ。許してやんな」
そして俺は、トイレに行った帰りに会計を済ませていた。
「じゃあ、そろそろ行こうか?」
「そうですね、まだ買い物してないですし。また、連れてってくれますか?」
「ああ、こんな俺で良ければいつでも」
そして外に出ようとする俺に、結衣が戸惑いながら言った。
「え?あの和馬さん、私お金払ってないですよ?」
「大丈夫。さっき払ったから。ほら、行くぞ」
俺は、戸惑っている結衣の手を引いて店を出た。
「むー!スマートすぎて文句が言えない」
結衣はそう言い、不満げな表情。
「いや、単純に押し問答が面倒くさいだけだ。あと大した値段じゃないし」
「そうですけど……毎回当たり前のように出してもらうのってよくないかなって」
「じゃあ、結衣が社会人なったら俺に美味いものでも奢ってくれ。な?」
「んーわかりました。それでいきましょう」
そして、2人で目的地のアウトレットモールを目指して、歩き出した。
「んープレゼントなにがいいですかね?」
「まあ、無難なのはお揃いの何かだな。あとあまり高価じゃないものだな」
俺達はそんな会話をしながら、交差点で信号待ちで立ち止まっていた。
すると、悲鳴が聞こえた。
俺は、結衣から顔を逸らし振り返る。
その瞬間、中型車が物凄いスピードで歩道に乗り上げ、目の前まで迫ってきていた!
結衣は俺の身体が邪魔で、おそらく状況を完全には把握できていない!
俺1人なら避けられるかもしれないがその場合、結衣が間違いなく轢かれる!
正面から受け止める!?いや結衣と纏めて轢かれるだけだ!
俺は、一瞬でそのことを考え決心する!
結衣を庇うように抱きしめ車に背を向ける。
そしてその瞬間「和馬さん!?」と言う声と同時に物凄い衝撃が俺を襲い、俺は意識を失った。
結衣の両親が、結婚25周年を迎えたからだ。
なので、一緒にプレゼントを選んでほしいと頼まれたのだ。
俺は、待ち合わせ場所の近くの喫煙所で一服しながら、昔を思い出していた。
美濃和馬という名の俺は、6歳の時に両親を亡くした。
そして、親父の弟である清水正人に引き取られた。
叔父夫婦には子供がいなく、小さい頃からとても可愛がってもらっていた。
そして、引き取られてからも、叔父である正人さんは可愛がってくれた。
さらに、血の繋がりのない綾さんも本当の息子のように可愛がってくれた。
おかげで、俺は両親の死は悲しかったが、乗り越えることができた。
その一年後に、綾さんの妊娠がわかった。
そして、結衣が生まれた。
2人はそれはそれは喜んだ。
今だから知っているが、綾さんは妊娠しにくい体質の人だったからだ。
結婚して9年がたっていて、叔父は33歳、綾さんは34歳だった。
そして皆が喜ぶ中、俺は不安になった。
これで、俺は要らなくなるのかなと。
すると、叔父と綾さんが言った。
ほら和馬!お前の妹だ!可愛いだろ!
和馬君、結衣のこと可愛がってあげてね!
俺は聞いた、ここに居ていいのかと。
すると、2人は俺を抱きしめて言った。
当たり前じゃない!家族じゃないか!と。
当時、その言葉にどれだけ救われたか……。
2人には感謝してもしきれない。
結衣も俺に懐いてくれ、よく遊んであげた。
ちなみに迷ったが、俺は養子に入ることはなかった。
別に養子に入らなくても、家族だとわかっていたからだ。
そして結衣が分別がつく頃に……どっかから聞いたのか、俺に聞いてきた。
お兄ちゃんは、本当のお兄ちゃんじゃないの?と。
俺は2人を、お父さんお母さんと呼ばずにきた。
いつも正人さん、綾さんと呼んでいたから隠すつもりはなかった。
なので、幼い結衣にもわかるように一生懸命説明した。
そしたら、私がお兄ちゃんを大好きなのには変わりはない!って言ってくれた。
俺が、どれだけ嬉しかったか。
まあ、そんな結衣も16歳か……早いもんだ。
そして俺は一服を終え、待ち合わせ場所に向かった。
「ごめんなさい!待ちましたか……?」
「いや、今きたところだから大丈夫だよ」
「ふふ、なんだがデートみたいですね」
「まあ、もう兄弟には見えないかもな。じゃあ行くか」
「はい!行きましょう!」
満面の笑顔だな。
そして、街を歩いていると気づく。
通りすがりの男性達が、結衣ちゃんを見て振り向くことの多さたるや。
まあ、無理もないなと思う。
165と女性にしては、高い身長とそのスタイルの良さ。
清楚な雰囲気で、そこらのアイドルより整った容姿。
一度も染めたことのない、綺麗な黒髪ロング。
所謂、美少女というやつだ。
ちなみに、俺の容姿は普通だ。
強いて挙げるなら、身長が180あること。
剣道と剣術で鍛えた、ガタイのいい身体くらいだ。
「さて、どこに行くかな?」
「アウトレットモールに行きたいんですけど、まずはお茶にしませんか?走ったので、喉かわいちゃいました」
「はは、まだ暑いからな。ゆっくりで良かったのに」
「いいえ。社会人である、和馬さんの貴重なお休みの日を頂いているんですから、そういうわけには行きません。まあ、ちょっと遅れちゃいましたけど」
「しょうがない。女の子は、男と違って時間がかかるものだし。今日のワンピースも、よく似合っている」
結衣は、顔をパァと輝かせた。
「え?本当ですか?嬉しいです!」
「あの小さかった結衣がねぇ。お兄さんも年をとるわけだな」
「んー!いつまでも子供扱いしないてください!私だって、今年には結婚できる年なんですからね」
「はは、すまんすまん」
すっかり口調も大人びてきて、立派になったもんだ。
もう、お兄ちゃんとは呼んでくれなくなったしな。
ちょっとさみしいと思う、今日この頃。
そうして会話をしながら歩き、2人で喫茶店に入店し、席に着いた。
そして飲み物だけ注文し、品物はすぐにきた。
2人で飲みものを飲んで、ホッと息をつく。
「はぁ~、涼しいですね。生き返ります」
「ああ、俺が子供のころは、この時期はもう涼しかったんだけどな」
「ここ20年くらいで、平均気温の上昇すごいらしいですもんね」
「ああ、俺が子供のころは、扇風機1台あれば夏を過ごせたんだがなぁ」
「今は、エアコンないと最悪死んじゃいますからね。ただ、この店ちょっと冷房効きすぎですね」
俺は黙って席を立ち、羽織っていたものを、結衣の肩にかけてあげた。
「あ、ありがとうございます。えへへ。ワンピースって肩が出ちゃうんで」
「まあお洒落も大変だよな。その服大丈夫かな?さっき煙草吸ってたから、匂うかもだけどごめんね」
「ええ、大丈夫ですよ。わたしが、小さいころから好きな和馬さんの臭いがします」
「はは。よく叔父さんには、うちに来る前は煙草を吸ってくるんじゃない!って怒られたなぁ」
「はは、お父さんはわたしを溺愛してますからねー。わたしも高校生になったので、夏休みの間だけ髪を一度くらいは染めてみたいなって思ったのですが」
「ああ、聞いたよ。2人で呑んでる時に泣かれたよ。和馬~結衣が不良になってしまったよ~って」
「もう!お父さんたら!今時髪染めるくらい普通なのに」
「まあ、俺は結衣の綺麗な黒髪好きだけど?」
結衣は顔を伏せて、照れているようだ。
「ずるいです。そんなこと言われたら……染められないじゃないですか」
「はは、正人さんにもお前からも言ってくれ!と頼まれてしまったしな。あれには逆らえん」
「んー!もう!わかりましたよ。もう言いません」
「まあ、大事な一人娘なんだ。許してやんな」
そして俺は、トイレに行った帰りに会計を済ませていた。
「じゃあ、そろそろ行こうか?」
「そうですね、まだ買い物してないですし。また、連れてってくれますか?」
「ああ、こんな俺で良ければいつでも」
そして外に出ようとする俺に、結衣が戸惑いながら言った。
「え?あの和馬さん、私お金払ってないですよ?」
「大丈夫。さっき払ったから。ほら、行くぞ」
俺は、戸惑っている結衣の手を引いて店を出た。
「むー!スマートすぎて文句が言えない」
結衣はそう言い、不満げな表情。
「いや、単純に押し問答が面倒くさいだけだ。あと大した値段じゃないし」
「そうですけど……毎回当たり前のように出してもらうのってよくないかなって」
「じゃあ、結衣が社会人なったら俺に美味いものでも奢ってくれ。な?」
「んーわかりました。それでいきましょう」
そして、2人で目的地のアウトレットモールを目指して、歩き出した。
「んープレゼントなにがいいですかね?」
「まあ、無難なのはお揃いの何かだな。あとあまり高価じゃないものだな」
俺達はそんな会話をしながら、交差点で信号待ちで立ち止まっていた。
すると、悲鳴が聞こえた。
俺は、結衣から顔を逸らし振り返る。
その瞬間、中型車が物凄いスピードで歩道に乗り上げ、目の前まで迫ってきていた!
結衣は俺の身体が邪魔で、おそらく状況を完全には把握できていない!
俺1人なら避けられるかもしれないがその場合、結衣が間違いなく轢かれる!
正面から受け止める!?いや結衣と纏めて轢かれるだけだ!
俺は、一瞬でそのことを考え決心する!
結衣を庇うように抱きしめ車に背を向ける。
そしてその瞬間「和馬さん!?」と言う声と同時に物凄い衝撃が俺を襲い、俺は意識を失った。
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