180 / 185
それぞれの未来へ
最後の日~後編~
しおりを挟む
~綾視点~
……今日が最後だね。
鏡の前で、私は今日の準備をする。
「髪型は……出会った頃のように下ろしておこうかな?」
(あっという間だったなぁ……この約一年)
五月に知り合って……そこから徐々に変化して……。
どうにかして近づけないかって……日々悩んで……。
ようやく付き合えて幸せだなって思ったら……違う悩みが出てきたり。
「メイクは、冬馬君は濃いのが好かないと思うから……これでよし」
軽めに済ませて、制服に着替える。
(これを着るのも、実質もう最後かぁ……この格好でも色々なことがあったね)
初めての制服デートをしたり、学校帰りにゲームセンター行ったり、カラオケだって……あ、あんなこともしたり……。
「結局、冬馬君はあれから何もしてこないけど……あぅぅ」
(したいわけじゃないけど、興味はあるといいますか……複雑な乙女心です)
「か、帰ってきたら覚悟しとけって言ってた……」
(な、何されちゃうんだろう? いや、わかってるんだけど……他にもすごいことされちゃうのかな? 加奈や愛子には、きっと獣みたいになるよって言われたけど……はぅぅ)
「冬馬君と付き合ってから少し太っちゃったし……見られても恥ずかしくないようにしとかないとだね……な、何言ってんるだろう?」
「お姉ちゃん、ぶつぶつ何言ってるの?」
「せ、誠也!? ノックしてよ!」
「したよ? あと、遅刻しちゃうよ?」
「へっ? ……あっ——何で!?」
いつの間にか、待ち合わせ時間が迫っていました!
「誠也! 行ってくるね!」
「はいはい、待ってるね」
ま、間に合ったぁ……逆に急ぎすぎて、少し早くきちゃった。
「か、髪を直さないと……最後のデートなんだから、可愛いって思われたいもん」
手鏡で髪を直して、少しすると……冬馬君が歩いてきます。
(かっこいいなぁ……背筋がピンと伸びてて……精悍な顔つきなんだけど……私を見つけるとクシャって感じで笑うの……ほら)
「待ったか?」
「ううん!」
(本人には言わないけど、私だけに見せる顔なんだよね……この顔が好き……身体がふわふわして……胸がぎゅーってなるから)
楽しい時間は、あっという間に過ぎていく……。
お世話になったみんなに、挨拶回りをしたり……。
思い出の場所や、楽しかった遊びなんかしたり……。
そして……出会った路地裏で、2人とも黙って歩く。
(ここで、会ったよね。怖くて、どうしようもなくて……そんな時、いつも冬馬君が助けてくれた……私はいつからか、それに甘えきってしまった)
だから、強くなろうと思った。
大好きな彼の横に立てるように。
ずっと、一緒にいたいから。
だから、今日だって……泣かないって決めてたのに。
◇◇◇◇
……ん? 返事がないな。
勇気を出して、俺が顔を上げると……。
「ひ……ひくっ……あぐ……」
綾の目からは——大粒の涙が溢れていた。
「あ、綾……」
「あぅあぅ……ご、ごめんなざいぃ……泣かないって決めてたのにぃ……」
「そうか」
「で、でも……嬉しすぎて……止まらなくて……」
俺は予定変更して、立ち上がり……優しく抱きしめる。
「泣いて良いんだよ。そうか、ずっと気を張っていたのか……俺に心配かけないために」
(俺は馬鹿か……ここに残る俺より、綾のが寂しいに決まっているじゃないか)
「う、ううん……そうだけど、違うの。私が、これからも冬馬君といたいから……」
「馬鹿だなぁ……良いんだよ、強くなくたって。そりゃ、負んぶに抱っこじゃいけないと思うけど……夫婦って助け合うものだろ? 弱みを見せたっていいんだ」
「と、冬馬君……」
俺は綾の涙を拭い……正面から見つめる。
「もう一度言う——帰ってきたら、俺と結婚してくれますか?」
「……はいっ!」
そう言って、ようやく笑ってくれる。
(そうだ……俺はこの顔が見たいから頑張れるんだ……とろけるように笑う顔は、俺だけが知っているから)
「あ、開けてもいい?」
「ああ、もちろん」
「……ふぁ……綺麗」
綾は指輪を見て感動している様子だ……良かった。
「はぁ~! 良かったぁ!」
「ふえっ!?」
「あっ——すまん、驚かせたな」
「う、うん……どうしたの?」
「いや、振られたらどうしようとか、受け取ってもらえるかとか……」
「……私、冬馬君のこと好きだよ?」
「お、おう……」
(改めて言われると照れるよなぁ……)
「ふふ、その感じも好き!」
「御勘弁を……いや、緊張するんだよ」
「冬馬君でも?」
「そりゃ、もちろん。俺なんか、ただの高校生だよ」
「ふふ、そうだったね……つけてもらってもいい?」
「あ、ああ……」
綾の柔らかく小さい手をとり……左手の薬指に指輪をはめる。
「うわぁ……もしかして、このためにバイトを?」
「あ、ああ……そんなに高いものじゃないが……」
「そんなことないよ——すっごく嬉しい!」
「そ、そうか……」
「でも、帰ってきてからじゃダメだったの?」
「いや、それも考えたんだが……」
(ど、どうする? ……いや、さっき言ったじゃないか。夫婦っていうのは、時に弱みを見せていいんだって……)
「お」
「お?」
「お、男避けになるかと思って……可愛い彼女を持つと……彼氏は大変なんだよ」
「ふえっ~!? そ、そ、そうなんだ……えへへ、嬉しいね」
(……なんだ、この可愛い生き物は?)
「綾」
「ん?」
俺は綾の両手を握り——思いきり口づけをする。
「んっ……ぁっ……」
「……続きは、来年だな。いいか、覚悟しとけよ?」
「ふぁ……は、はぃ……」
この俺だけが知ってる顔を、目に焼き付けておく。
綾、元気でな……俺も、お前に相応しい男になれるように頑張るよ。
……今日が最後だね。
鏡の前で、私は今日の準備をする。
「髪型は……出会った頃のように下ろしておこうかな?」
(あっという間だったなぁ……この約一年)
五月に知り合って……そこから徐々に変化して……。
どうにかして近づけないかって……日々悩んで……。
ようやく付き合えて幸せだなって思ったら……違う悩みが出てきたり。
「メイクは、冬馬君は濃いのが好かないと思うから……これでよし」
軽めに済ませて、制服に着替える。
(これを着るのも、実質もう最後かぁ……この格好でも色々なことがあったね)
初めての制服デートをしたり、学校帰りにゲームセンター行ったり、カラオケだって……あ、あんなこともしたり……。
「結局、冬馬君はあれから何もしてこないけど……あぅぅ」
(したいわけじゃないけど、興味はあるといいますか……複雑な乙女心です)
「か、帰ってきたら覚悟しとけって言ってた……」
(な、何されちゃうんだろう? いや、わかってるんだけど……他にもすごいことされちゃうのかな? 加奈や愛子には、きっと獣みたいになるよって言われたけど……はぅぅ)
「冬馬君と付き合ってから少し太っちゃったし……見られても恥ずかしくないようにしとかないとだね……な、何言ってんるだろう?」
「お姉ちゃん、ぶつぶつ何言ってるの?」
「せ、誠也!? ノックしてよ!」
「したよ? あと、遅刻しちゃうよ?」
「へっ? ……あっ——何で!?」
いつの間にか、待ち合わせ時間が迫っていました!
「誠也! 行ってくるね!」
「はいはい、待ってるね」
ま、間に合ったぁ……逆に急ぎすぎて、少し早くきちゃった。
「か、髪を直さないと……最後のデートなんだから、可愛いって思われたいもん」
手鏡で髪を直して、少しすると……冬馬君が歩いてきます。
(かっこいいなぁ……背筋がピンと伸びてて……精悍な顔つきなんだけど……私を見つけるとクシャって感じで笑うの……ほら)
「待ったか?」
「ううん!」
(本人には言わないけど、私だけに見せる顔なんだよね……この顔が好き……身体がふわふわして……胸がぎゅーってなるから)
楽しい時間は、あっという間に過ぎていく……。
お世話になったみんなに、挨拶回りをしたり……。
思い出の場所や、楽しかった遊びなんかしたり……。
そして……出会った路地裏で、2人とも黙って歩く。
(ここで、会ったよね。怖くて、どうしようもなくて……そんな時、いつも冬馬君が助けてくれた……私はいつからか、それに甘えきってしまった)
だから、強くなろうと思った。
大好きな彼の横に立てるように。
ずっと、一緒にいたいから。
だから、今日だって……泣かないって決めてたのに。
◇◇◇◇
……ん? 返事がないな。
勇気を出して、俺が顔を上げると……。
「ひ……ひくっ……あぐ……」
綾の目からは——大粒の涙が溢れていた。
「あ、綾……」
「あぅあぅ……ご、ごめんなざいぃ……泣かないって決めてたのにぃ……」
「そうか」
「で、でも……嬉しすぎて……止まらなくて……」
俺は予定変更して、立ち上がり……優しく抱きしめる。
「泣いて良いんだよ。そうか、ずっと気を張っていたのか……俺に心配かけないために」
(俺は馬鹿か……ここに残る俺より、綾のが寂しいに決まっているじゃないか)
「う、ううん……そうだけど、違うの。私が、これからも冬馬君といたいから……」
「馬鹿だなぁ……良いんだよ、強くなくたって。そりゃ、負んぶに抱っこじゃいけないと思うけど……夫婦って助け合うものだろ? 弱みを見せたっていいんだ」
「と、冬馬君……」
俺は綾の涙を拭い……正面から見つめる。
「もう一度言う——帰ってきたら、俺と結婚してくれますか?」
「……はいっ!」
そう言って、ようやく笑ってくれる。
(そうだ……俺はこの顔が見たいから頑張れるんだ……とろけるように笑う顔は、俺だけが知っているから)
「あ、開けてもいい?」
「ああ、もちろん」
「……ふぁ……綺麗」
綾は指輪を見て感動している様子だ……良かった。
「はぁ~! 良かったぁ!」
「ふえっ!?」
「あっ——すまん、驚かせたな」
「う、うん……どうしたの?」
「いや、振られたらどうしようとか、受け取ってもらえるかとか……」
「……私、冬馬君のこと好きだよ?」
「お、おう……」
(改めて言われると照れるよなぁ……)
「ふふ、その感じも好き!」
「御勘弁を……いや、緊張するんだよ」
「冬馬君でも?」
「そりゃ、もちろん。俺なんか、ただの高校生だよ」
「ふふ、そうだったね……つけてもらってもいい?」
「あ、ああ……」
綾の柔らかく小さい手をとり……左手の薬指に指輪をはめる。
「うわぁ……もしかして、このためにバイトを?」
「あ、ああ……そんなに高いものじゃないが……」
「そんなことないよ——すっごく嬉しい!」
「そ、そうか……」
「でも、帰ってきてからじゃダメだったの?」
「いや、それも考えたんだが……」
(ど、どうする? ……いや、さっき言ったじゃないか。夫婦っていうのは、時に弱みを見せていいんだって……)
「お」
「お?」
「お、男避けになるかと思って……可愛い彼女を持つと……彼氏は大変なんだよ」
「ふえっ~!? そ、そ、そうなんだ……えへへ、嬉しいね」
(……なんだ、この可愛い生き物は?)
「綾」
「ん?」
俺は綾の両手を握り——思いきり口づけをする。
「んっ……ぁっ……」
「……続きは、来年だな。いいか、覚悟しとけよ?」
「ふぁ……は、はぃ……」
この俺だけが知ってる顔を、目に焼き付けておく。
綾、元気でな……俺も、お前に相応しい男になれるように頑張るよ。
1
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる