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それぞれの未来へ
結婚式~後編~
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綾と博が戻ってきた後……。
俺の元に、善二さんがやってくる。
「冬馬、よく来てくれた」
「善二さん、この度はおめでとうございます」
「おめでとうございます!」
「ああ、ありがとう……弥生が結婚か……あいつには悪いことをした。俺みたいな無愛想な親で苦労したろうに……それでも、妻を亡くした俺を今日まで支えてくれた……幸せになってもらわないとな」
「真兄なら大丈夫ですよ。人の痛みを知ってる男ですから」
「ああ……本人には言わないが、なかなか良い男だ——少なくとも俺よりはな」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。俺みたいなガキが言うのもあれですけど、弥生さんは素敵な方ですから。それは、善二さんがきちんと育てたからだと思います」
(良く良く考えてみると……なんだか、不思議な気分だよな……自分の知り合い同士が結婚して……家族になっていくって)
「クク……相変わらず生意気な小僧だ。まあ、血は繋がってないとはいえ……これからもよろしく頼む」
「はい、もちろんです」
「うむ……ところで、嬢ちゃん」
「は、はい?」
「バイトに入ってくれて感謝してる。あいつも、相談相手がいて助かったと。やはり、男ではわからないことはある」
「い、いえ……私なんて、大したこともできなくて……バイトも中途半端で辞めてしまい……ようやく、仕事がまともに出来るようになったのに……」
(……このことを、綾はずっと気にしているな。俺が紹介した手前、どうにか払拭させたいが……ん?)
俺が動き出そうとすると、善二さんが首を振る。
どうやら、任せろと言うことらしい。
「嬢ちゃん、顔を上げてくれ」
「は、はい」
「あぁ……まあ、その、あれだ……来年には帰ってくるんだろう?」
「え、ええ、そうです」
「じゃあ……もし良かったら、またバイトしてくれると助かる」
「……へっ?」
「まあ、うちみたいな時給の安いところじゃ」
「や、やります! やらせてください!」
「そうか……じゃあ、待っている」
「あ、ありがとうございます!」
綾は深々と頭を下げる。
すると善二さんは、俺に目線を送った後……照れ臭そうにして去っていく。
その姿に、俺も深々と頭を下げるのだった。
(最近の大人はろくでもないのが増えたと聞くが……俺の周りは、カッコいい大人ばかりだな……きっと、幸せなことなんだと思う)
その後、準備が整い……結婚式が行われる。
「わぁ……綺麗」
「ああ、そうだな」
真っ白いドレスをきた弥生さんと、白いタキシードを着た善二さんが歩いてくる。
そして、真兄に変わり……前にて、誓いの言葉と口づけをかわす。
その後、外に出て……みんなで祝福の言葉をかける。
「新兄! おめでとう!」
「真司! 綺麗な嫁さんもらったな!」
「先輩! 良かったですね!」
「おう! お前ら! あんがとよ!」
俺たち男子陣は、真兄の脇を小突いたり、肩を組んだりする。
「弥生さん! 綺麗です!」
「あら~綾ちゃん、ありがとなぁ」
「うぅ……真司に、こんなに素敵なお嬢さんが……」
「お義母さん、これからよろしく頼みます。仲ようやっていきましょう」
「あ、ありがとうございます……!」
「もう! お母さんったら……お、お義姉さん、兄をよろしくお願いします」
「ふふ、任せといて。しっかり、尻に敷きますから」
女子陣の方も、楽しくやっているようだ。
そして……恒例の行事があったが……。
それを投げることなく、弥生さんは綾に手渡す。
「はい、綾ちゃん」
「わ、私ですか?」
「ふふ、次は綾ちゃんかもしれないから」
「ふえっ!?」
綾はブーケを前にして、オロエロしている。
「ほら、隣にいる彼に聞いてみたら?」
「は、はぃ……」
そして、チラチラと俺を見てくる。
(なんだ、この可愛い生き物は……ずっと見ていたいが、それでは可哀想だな)
「ああ、貰うといい。いつかとは言えないが、俺はそのつもりだしな」
「と、冬馬君……うんっ!」
綾は満面の笑みを浮かべ、ブーケを受け取る。
これにて、結婚式は終わりを迎えた。
その後時間を置き……細やかな食事会の時間となる。
場所は小さなレストランを貸し切って行われる。
「えー本日はお集まりいただき……あぁー」
「こらー! 真司!」
「先輩! 泣くの早いですよ!」
「真兄! しっかり!」
「だァァァ! うるせえ! ったく……コホン! ええ……本日は……」
緊張がほぐれたのか、その後しっかりと挨拶をして……それぞれ自由に談笑する。
バイキング式なので、みんなが自由に動けるってわけだ。
そんな中、俺が外の風を浴びていると……。
「おう、冬馬」
「真兄、改めておめでとう」
「サンキュー……お前のおかげだよ。ありがとな、冬馬。弥生さんのことも、加奈のことも、お袋のことも……全部、お前が導いてくれたな」
「俺は……真兄に救われたから。これで、少しは返せたかな?」
「ばかやろーが、お釣りがくるぜ」
そう言って、肩を組んでくる。
「そう……なら良かった。俺、アンタに会えて良かったよ」
「へっ……お互い様だっての」
俺と真兄は顔を見合わせて……笑いあうのだった。
すると、後ろから二人がのしかかってくる。
「おいおい! 俺らも混ぜろよ!」
「そうですよ! 先輩!」
その後懐かしい四人で集まり、バカ話をするのだった……。
俺の元に、善二さんがやってくる。
「冬馬、よく来てくれた」
「善二さん、この度はおめでとうございます」
「おめでとうございます!」
「ああ、ありがとう……弥生が結婚か……あいつには悪いことをした。俺みたいな無愛想な親で苦労したろうに……それでも、妻を亡くした俺を今日まで支えてくれた……幸せになってもらわないとな」
「真兄なら大丈夫ですよ。人の痛みを知ってる男ですから」
「ああ……本人には言わないが、なかなか良い男だ——少なくとも俺よりはな」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。俺みたいなガキが言うのもあれですけど、弥生さんは素敵な方ですから。それは、善二さんがきちんと育てたからだと思います」
(良く良く考えてみると……なんだか、不思議な気分だよな……自分の知り合い同士が結婚して……家族になっていくって)
「クク……相変わらず生意気な小僧だ。まあ、血は繋がってないとはいえ……これからもよろしく頼む」
「はい、もちろんです」
「うむ……ところで、嬢ちゃん」
「は、はい?」
「バイトに入ってくれて感謝してる。あいつも、相談相手がいて助かったと。やはり、男ではわからないことはある」
「い、いえ……私なんて、大したこともできなくて……バイトも中途半端で辞めてしまい……ようやく、仕事がまともに出来るようになったのに……」
(……このことを、綾はずっと気にしているな。俺が紹介した手前、どうにか払拭させたいが……ん?)
俺が動き出そうとすると、善二さんが首を振る。
どうやら、任せろと言うことらしい。
「嬢ちゃん、顔を上げてくれ」
「は、はい」
「あぁ……まあ、その、あれだ……来年には帰ってくるんだろう?」
「え、ええ、そうです」
「じゃあ……もし良かったら、またバイトしてくれると助かる」
「……へっ?」
「まあ、うちみたいな時給の安いところじゃ」
「や、やります! やらせてください!」
「そうか……じゃあ、待っている」
「あ、ありがとうございます!」
綾は深々と頭を下げる。
すると善二さんは、俺に目線を送った後……照れ臭そうにして去っていく。
その姿に、俺も深々と頭を下げるのだった。
(最近の大人はろくでもないのが増えたと聞くが……俺の周りは、カッコいい大人ばかりだな……きっと、幸せなことなんだと思う)
その後、準備が整い……結婚式が行われる。
「わぁ……綺麗」
「ああ、そうだな」
真っ白いドレスをきた弥生さんと、白いタキシードを着た善二さんが歩いてくる。
そして、真兄に変わり……前にて、誓いの言葉と口づけをかわす。
その後、外に出て……みんなで祝福の言葉をかける。
「新兄! おめでとう!」
「真司! 綺麗な嫁さんもらったな!」
「先輩! 良かったですね!」
「おう! お前ら! あんがとよ!」
俺たち男子陣は、真兄の脇を小突いたり、肩を組んだりする。
「弥生さん! 綺麗です!」
「あら~綾ちゃん、ありがとなぁ」
「うぅ……真司に、こんなに素敵なお嬢さんが……」
「お義母さん、これからよろしく頼みます。仲ようやっていきましょう」
「あ、ありがとうございます……!」
「もう! お母さんったら……お、お義姉さん、兄をよろしくお願いします」
「ふふ、任せといて。しっかり、尻に敷きますから」
女子陣の方も、楽しくやっているようだ。
そして……恒例の行事があったが……。
それを投げることなく、弥生さんは綾に手渡す。
「はい、綾ちゃん」
「わ、私ですか?」
「ふふ、次は綾ちゃんかもしれないから」
「ふえっ!?」
綾はブーケを前にして、オロエロしている。
「ほら、隣にいる彼に聞いてみたら?」
「は、はぃ……」
そして、チラチラと俺を見てくる。
(なんだ、この可愛い生き物は……ずっと見ていたいが、それでは可哀想だな)
「ああ、貰うといい。いつかとは言えないが、俺はそのつもりだしな」
「と、冬馬君……うんっ!」
綾は満面の笑みを浮かべ、ブーケを受け取る。
これにて、結婚式は終わりを迎えた。
その後時間を置き……細やかな食事会の時間となる。
場所は小さなレストランを貸し切って行われる。
「えー本日はお集まりいただき……あぁー」
「こらー! 真司!」
「先輩! 泣くの早いですよ!」
「真兄! しっかり!」
「だァァァ! うるせえ! ったく……コホン! ええ……本日は……」
緊張がほぐれたのか、その後しっかりと挨拶をして……それぞれ自由に談笑する。
バイキング式なので、みんなが自由に動けるってわけだ。
そんな中、俺が外の風を浴びていると……。
「おう、冬馬」
「真兄、改めておめでとう」
「サンキュー……お前のおかげだよ。ありがとな、冬馬。弥生さんのことも、加奈のことも、お袋のことも……全部、お前が導いてくれたな」
「俺は……真兄に救われたから。これで、少しは返せたかな?」
「ばかやろーが、お釣りがくるぜ」
そう言って、肩を組んでくる。
「そう……なら良かった。俺、アンタに会えて良かったよ」
「へっ……お互い様だっての」
俺と真兄は顔を見合わせて……笑いあうのだった。
すると、後ろから二人がのしかかってくる。
「おいおい! 俺らも混ぜろよ!」
「そうですよ! 先輩!」
その後懐かしい四人で集まり、バカ話をするのだった……。
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