静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中

文字の大きさ
上 下
85 / 185
冬馬君は平和な日々を取り戻し……

冬馬君は……

しおりを挟む
……あれ?これは……?

空の上に飛んでいるような感覚……。

上から自分の家を覗いている……?

なんだ……夢か。

だって、母さんがいるわけがない。

それに、なんだ?この状況は……?

「母さん、彼女の清水綾さん。可愛いでしょ?」

「は、初めまして!冬馬君のお母さん!清水綾と申します!」

「あらあら、可愛い女の子。冬馬には勿体ないくらいね」

「俺もそう思う」

「そんなことないです!私は冬馬君が良いんです!冬馬君大好きです!」

「お、おう……あー…まいったな」

「ふふふ、息子の照れ顔なんて初めてね。嬉しいわ、息子の彼女を見れるとは思ってなかったから……」

「母さん……そんなこと……」

「あ、あの……また、来ても良いですか……?」

「ええ、 いつでも来てくださいね。それと、冬馬のことよろしくお願いします。この子、今時の子とは少し違うから……私は好きなんだけど、少し昭和というか……」

「はい!……確かに、最近の男の子っぽくないですけど……冬馬君は素敵な人です!優しいしカッコいいし、頼りになります!私は好きです!」

「綾、ストップ!頼む……」

「ふえっ?あ、わ、私……はぅ……」

「あらあら~、ラブラブなのね」

……ああ、とてもいい夢だ。
夢の中とはいえ、綾を紹介できるとは………。

……場面が変わった?
俺と母さんの2人か……。

「冬馬、良い子ね。大事にするのよ?」

「ああ、もちろんだ」

「女の子はデリケートなんだから。冬馬……男なら、好きな女の子を泣かせてはいけないわ。嬉し涙以外にはね……わかったわね?」

「は、はい……出たよ、たまに出る怖い顔……」

「冬馬?」

「いえ!はい!大事にします!嫌がることをしません!」

「なら、良しとします……ふふふ、ありがとね。冬馬……私、貴方の大事な子に会えて良かった……」






………涙が……そりゃ、そうだな。

でも、良い夢だった……。

「お兄ーー!?まだーー!?」

「起きたよ!今、下りる!」

さて……いよいよ、今日は綾が来る日だ。



「綾、おはよう」

「お、おはょ……」

「綾……普通にしてくれると助かる……」

「ご、ごめんなさい……」

…… 意識しまくってるな。
何か話題を……あっ。

「そういえばな、母さんが夢に出てきたんだ」

「え?……そうなんだ……良かったね」

「まあな、しかもな……綾を紹介してたんだ。俺の可愛い彼女だって」

「ふえっ?な、なんて言ってたの……?」

「ん?ああ、褒めてたよ。可愛い女の子だって。俺には勿体ないってさ」

「そんなことないよ!」

「ククク……」

「アレ?なんで笑うの!?」

「いや、なんでもないよ」

……まさか、夢と同じ答えが返ってくるとはな。
だが、お陰で変な空気がなくなった。
まだまだ放課後までは時間あるし、今から緊張してるんじゃな。
母さんに感謝だな。




そして、放課後を迎える……。

「さて……帰るとするか」

「う、うん……」

視線を感じ、そちらを見ると……。
森川と黒野が、ニヤニヤしていた……ニャロメ。
そりゃ、相談してるわな。



2人で手を繋ぎ、俺の家へ向かう……。
その間は沈黙が続いている……。
ごくたまに……。

「あのっ」

「あのさ」

「な、なに?」

「いや、綾こそ……」

「「…………」」

……っていうのはあったけど。



そうしてる間に、我が家に到着する……。

「お、お邪魔します……」

「お、おう……いらっしゃい」

母さんに挨拶をしてから、俺の部屋に入った。

「えっと……」

……どうすればいいんだ?
いきなり押し倒す?
いや、それは良くない。
ムード作りが大切だって言ってたな……。

隣に座る綾の肩を抱き寄せる……。

「あっ……んっ……」

なんでこんなに甘いのだろうか?
このまましてると、アレが出てしまうな。

「……触ってもいいか?」

「は、はぃ……」

セーラー服の中に手を入れ、ホックを外す。

「あっ……むぅ……手慣れてる……」

「手慣れてないから!いや、イメトレは……って言わせないでくれ……」

「ふふ、そうなんだ……可愛い」

そして……直に触れる。

「やぁ……」

……なんだ、これは?
え?柔らか……!
気持ちいい……!
ダメだ、これはダメだ。
魔性のおっぱいだ……!

「ちょっ……あの、冬馬君……!」

「す、すまん!」

いかん、夢中になってしまった。
これでは独りよがりになってしまう……!
俺!理性を保つんだ!総動員させろ!

「い、いやじゃないの……や、優しくしてください……」

……あっぶねー!!
今のセリフで、理性が飛ぶところだった……!

その後なんとか理性を保ちつつ、行為を進めていく……。



……そして……いよいよである。
アレをつけてっと……自然に着けれたかな?
アキが言ってたからな。
なんかアレをつける時に手間取ると、相手が冷めるとか。

ベットの上で、綾を見下ろす……。

「だ、大丈夫か……?」

「う、うん……」

「い、いくぞ……」

「あっ……イタッ……」

「あれ?こっちか……?」

「こ、怖い……あっ……」

……まだ、早かったか。
だが、このままでは俺が暴走してしまいそうだ……!

「綾、失礼する」

「ふえっ?」

「フン!!」

壁に向かって頭を打ち付ける!

「ひゃあ!?」

「すまん、びっくりさせた。だが、これで平気だ。今日は、ここまでにしておこう」

「ご、ごめんなさい!冬馬君が怖いとかじゃなくて……えっと違うの……でも、あの……」

「綾、わかってるから。泣きそうな顔しなくていい。なっ?俺は怒ってないから」

「……嫌いにならない……?めんどくさくない……?」

「そんなことで嫌いになるかよ。めんどくさくもない。そりゃ、したいが……そのためだけに付き合ってるわけじゃないしな。綾が好きだから付き合ってるんだし」

「と、冬馬君……わ、私も冬馬君好きなの……」

「ああ、それもわかってるさ。さて、とりあえず洋服を着てくれるか?ずっと見ていたいが、そういうわけにもいかんし」

……主に俺の下半身的に。

「冬馬君……でも、ソレ……」

「ああ、すまんな。こればかりは、俺の意思ではどうにもならないんだ。しばらくほっとけば治まるさ」

「で、ても……辛いんだよね……?」

「え?まあ……そうだな」

「あ、あのね……!そのままでいてね……!」

「綾……?いや、それは……!」

俺のアレが、綾の胸に挟まれる……!




……なんだ?アレは?
気持ち良すぎるだろ……。
我慢するのに必死だった……。

「ど、どうだったかな……?上手にできたかな……?」

「あぁ……ヤバかった。とてつもなく気持ちが良かった……」

「えへへ、良かったぁ。冬馬君ばっかりに負担かけちゃイヤだもん。私だって、冬馬君喜ばせたいもん」

……いかん、早く服を着させなくては。
そんな可愛いこと言われたら、俺のアレが復活してしまう……!



その後お互いに服を着て、何故か正座の状態になる。

「ご、ごめんな。ベタベタするよな……」

「う、ううん!大丈夫!直接はかかってないから……何言ってんだろ……私」

「俺こそ……動転してるな……うん、今日は帰るとしようか。もうそろそろ、真里奈が帰ってくるだろうし」

「か、帰るね!顔合わせるの、なんか恥ずかしいし……」

「俺もだよ。どんな顔してりゃいいんだろう?」

「ふふ、そうだよね。私は帰るだけだけど、冬馬君はそうはいかないもんね」

「……良かった、笑ってくれた」

「え……?」

「いや、なんでもない」
 
失敗したことを自分のせいだと思って、気にしてたら悪いからな。
俺がきちんとリードできなかったからだろうし。

「あ、あのね……冬馬君が彼氏で、私幸せです……あの……最後にキスしてくれますか……?」

「ああ、お安い御用さ」

綾に優しくキスをする。
愛情を込めて、気にしなくて良いんだよと伝わるように……。

「えへへ、冬馬君の……優しい気持ちが伝わってきたよ?」

……うん、俺よく耐えた。

この笑顔が崩れることの方が……俺には耐えられないから。






しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話

水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。 そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。 凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。 「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」 「気にしない気にしない」 「いや、気にするに決まってるだろ」 ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様) 表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。 小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...