75 / 185
冬馬君は友達のために
冬馬君は親友を信じる
しおりを挟む
そして、翌日の月曜日を迎えた。
午前中の授業を受け、お昼の時間になる。
いつものように空き教室にいると、真司さんが入ってきた。
「よう、冬馬」
「あっ、真司さん」
「先生、こんにちは!」
「おう、清水。相変わらず仲が良いことだ」
「今日は遅かったですね?」
「……まあな……さて、俺に言うことはないか?」
……怒った表情をしているな……。
これは、どっかから漏れたな……。
「……誰から聞きました?淳さんですか?それとも蓮二さん?」
「なんだと?お前、アイツらに会ったのか?」
「はい?……しまったな……ミスったか」
てっきり、その話だと思ってしまった……。
できれば、真司さんには知られたくなかったんだが……。
「いや、その話で合っている」
「はい?……じゃあ、誰から聞きました?」
「しまった……俺としたことが……少し焦ったか」
「えっと……2人してどうしたの?」
「あー……冬馬、そんなことはどうでも良い。で、森川がタチの悪い男につかまったそうだな?」
「え、ええ、そうです……まあ、いいか。知られちゃってるなら」
「どうして俺に言わない?あそこは俺の元庭だぞ?淳に蓮二も、俺に言ってこなかったし……」
「当たり前のことじゃないですか。真司さんは、今は学校の先生なんですよ?無茶したら大変じゃないですか。クビになったり……だから、俺も言わなかったし……真兄は、聞いたら飛び出していきそうだし。俺、真兄に迷惑かけたくないから……」
「冬馬君……そうだったんだ……」
「バカヤロー!いらん気を使うな!たくっ、アイツらもだ……だが、感謝する。俺のことを考えてくれたんだな。で、これからどうするんだ?」
「とりあえず、アジトはわかりました。あとは……潰しに行くだけです。ただ、いつかはまだ決まっていませんね」
「そうか……よし、俺も付いて行こう」
「ハァ!?教師が暴力沙汰とかマズイだろ!?どっかのグレー○ティーチャーじゃないんだから!」
「もちろん、手は出さん。だが、抑止力にはなるだろう。これでも有名人だからな。俺がいれば、タイマンに持っていけるかもしれないしな」
「……確かに、助かるけど……」
「それに、彼女の顔を見てみろ?」
俺が綾を見ると……。
とても心配そうな瞳で、俺を見つめていた……。
「と、冬馬君……わかってたことなんだけど、喧嘩するんだよね?怪我とか心配……もちろん、私が頼んだことなんだけど……でも、怪我とかして欲しくないの……ワガママだね、私……」
「ほらな?」
「綾……わかった。では、真司さん……その時は頼みます」
「先生!お願いします!」
「おう、任せておけ。それに学校でも問題になってきている。ガラの悪い連中が帰り道にいたりするとな……明日のホームルームの時間に伝える予定だ」
……これはこれで良かったのかもしれない。
しかし……一体誰から聞いたんだろうか?
そして、先生の間でも問題になってるのか……アキみたいな被害者がいるのかもな。
そして放課後を迎える。
「綾、今日は森川と帰るんだよな?」
「うん!ねっ?」
「そうだよ~、吉野も来んの?」
「いや、俺は野暮用があってな。ただ、綾が心配なのでボディーガードを用意した。最近、帰り道に物騒な奴らが多いようなのでな」
「ガハハ!冬馬!来たぞ!」
「あれ~、あれって柔道部の……?」
「あっ、冬馬君の友達の……」
「浜中剛真だ!よろしく頼む!」
「だからうるせえよ。女子2人がビビるだろうが」
「す、すまん……」
「ううん!平気だよ!ねっ?」
「うん、アタシも平気~。男らしくて良いんじゃない?」
「そ、そうか」
……おや?剛真の様子が変だな……まさかな。
「綾~?愛されてるねー?」
「もちろん、愛している」
「ひゃい!?あ、あい、あぅぅ……!」
……まあ、お前の護衛でもあるんだがな。
その後剛真に任せて、俺はアキと合流する。
「おう、待たせたか?」
「いや、平気だ」
「女子達が中々離してくれなくてなー、参ったぜ」
「相変わらずだな……よし、行くか」
「良いけどよ……どこに行くんだ?」
「まあ、たまには俺が決めても良いだろ?ついてきな」
アキを連れて、地元の駅に到着する。
「おい、冬馬……」
「ん?どうした?」
「いや……なんでもない」
……おそらく、この辺はマズイと思っているんだな。
そしてアキを連れて歩いていると……ドンピシャだ……!
あの2人がいた……!
「あれ~?暁人君じゃないですか~?」
「おっ、連れもいるじゃん!ちょっと来いよ」
「ちょっ!?こいつは関係ない!」
「はい、静かに~……バラまいちゃうよ?」
「アキ、行くぞ」
「しかし、お前はもう……」
「いいから」
「おっ、友情ですか~。お前にいたんだね~でも、これが原因でいなくなるね~」
「だな!おら、早くしろ。警察が来る前にな」
大人しくついていき、ひと気のない場所に出る。
「ほら?お金は~?」
……癇に障る喋り方をする奴だな……!
人の神経を逆なでするように話しやがる……!
「……ない」
「おい、次会う時までに持っておけと言ったよな?」
「ねえ、君~……知ってる?こいつ、人の女を寝取ってたんだよ~。それも無理矢理にね!」
「ち、ちが」
「馬鹿か?お前ら。俺の親友がそんなことをするわけがないだろうが……!」
「冬馬……また、お前はそう言ってくれるのか……」
「……雰囲気が変わったね」
「あん?どういうことだ?」
「おい、屑共。場所を変える、ついてこい」
「あぁ!?てめー!なんつった!?」
「君……死にたいのかな~?」
「なんだ?怖いのか?なら、ついてこなくていい。俺らは帰るだけだ」
「き、貴様……!」
「哲也、落ち着け。良いよ~、ついて行こうじゃないか」
「と、冬馬……お前……」
「アキ、安心しろ。誰も信じなくても、俺だけはお前を信じる」
「ッーー!!ウゥ……」
「おら!行くんじゃねえのか!?」
「あれ~?泣いてるのー?まだ、早くない?」
「ほら、行くぞ」
「あ、ああ……ありがとな……」
……よし、ひとまず挑発には成功した。
あとは、あそこに連れて行けば……。
覚悟しろよ……俺の親友を恐喝したことを後悔させてやる……!
午前中の授業を受け、お昼の時間になる。
いつものように空き教室にいると、真司さんが入ってきた。
「よう、冬馬」
「あっ、真司さん」
「先生、こんにちは!」
「おう、清水。相変わらず仲が良いことだ」
「今日は遅かったですね?」
「……まあな……さて、俺に言うことはないか?」
……怒った表情をしているな……。
これは、どっかから漏れたな……。
「……誰から聞きました?淳さんですか?それとも蓮二さん?」
「なんだと?お前、アイツらに会ったのか?」
「はい?……しまったな……ミスったか」
てっきり、その話だと思ってしまった……。
できれば、真司さんには知られたくなかったんだが……。
「いや、その話で合っている」
「はい?……じゃあ、誰から聞きました?」
「しまった……俺としたことが……少し焦ったか」
「えっと……2人してどうしたの?」
「あー……冬馬、そんなことはどうでも良い。で、森川がタチの悪い男につかまったそうだな?」
「え、ええ、そうです……まあ、いいか。知られちゃってるなら」
「どうして俺に言わない?あそこは俺の元庭だぞ?淳に蓮二も、俺に言ってこなかったし……」
「当たり前のことじゃないですか。真司さんは、今は学校の先生なんですよ?無茶したら大変じゃないですか。クビになったり……だから、俺も言わなかったし……真兄は、聞いたら飛び出していきそうだし。俺、真兄に迷惑かけたくないから……」
「冬馬君……そうだったんだ……」
「バカヤロー!いらん気を使うな!たくっ、アイツらもだ……だが、感謝する。俺のことを考えてくれたんだな。で、これからどうするんだ?」
「とりあえず、アジトはわかりました。あとは……潰しに行くだけです。ただ、いつかはまだ決まっていませんね」
「そうか……よし、俺も付いて行こう」
「ハァ!?教師が暴力沙汰とかマズイだろ!?どっかのグレー○ティーチャーじゃないんだから!」
「もちろん、手は出さん。だが、抑止力にはなるだろう。これでも有名人だからな。俺がいれば、タイマンに持っていけるかもしれないしな」
「……確かに、助かるけど……」
「それに、彼女の顔を見てみろ?」
俺が綾を見ると……。
とても心配そうな瞳で、俺を見つめていた……。
「と、冬馬君……わかってたことなんだけど、喧嘩するんだよね?怪我とか心配……もちろん、私が頼んだことなんだけど……でも、怪我とかして欲しくないの……ワガママだね、私……」
「ほらな?」
「綾……わかった。では、真司さん……その時は頼みます」
「先生!お願いします!」
「おう、任せておけ。それに学校でも問題になってきている。ガラの悪い連中が帰り道にいたりするとな……明日のホームルームの時間に伝える予定だ」
……これはこれで良かったのかもしれない。
しかし……一体誰から聞いたんだろうか?
そして、先生の間でも問題になってるのか……アキみたいな被害者がいるのかもな。
そして放課後を迎える。
「綾、今日は森川と帰るんだよな?」
「うん!ねっ?」
「そうだよ~、吉野も来んの?」
「いや、俺は野暮用があってな。ただ、綾が心配なのでボディーガードを用意した。最近、帰り道に物騒な奴らが多いようなのでな」
「ガハハ!冬馬!来たぞ!」
「あれ~、あれって柔道部の……?」
「あっ、冬馬君の友達の……」
「浜中剛真だ!よろしく頼む!」
「だからうるせえよ。女子2人がビビるだろうが」
「す、すまん……」
「ううん!平気だよ!ねっ?」
「うん、アタシも平気~。男らしくて良いんじゃない?」
「そ、そうか」
……おや?剛真の様子が変だな……まさかな。
「綾~?愛されてるねー?」
「もちろん、愛している」
「ひゃい!?あ、あい、あぅぅ……!」
……まあ、お前の護衛でもあるんだがな。
その後剛真に任せて、俺はアキと合流する。
「おう、待たせたか?」
「いや、平気だ」
「女子達が中々離してくれなくてなー、参ったぜ」
「相変わらずだな……よし、行くか」
「良いけどよ……どこに行くんだ?」
「まあ、たまには俺が決めても良いだろ?ついてきな」
アキを連れて、地元の駅に到着する。
「おい、冬馬……」
「ん?どうした?」
「いや……なんでもない」
……おそらく、この辺はマズイと思っているんだな。
そしてアキを連れて歩いていると……ドンピシャだ……!
あの2人がいた……!
「あれ~?暁人君じゃないですか~?」
「おっ、連れもいるじゃん!ちょっと来いよ」
「ちょっ!?こいつは関係ない!」
「はい、静かに~……バラまいちゃうよ?」
「アキ、行くぞ」
「しかし、お前はもう……」
「いいから」
「おっ、友情ですか~。お前にいたんだね~でも、これが原因でいなくなるね~」
「だな!おら、早くしろ。警察が来る前にな」
大人しくついていき、ひと気のない場所に出る。
「ほら?お金は~?」
……癇に障る喋り方をする奴だな……!
人の神経を逆なでするように話しやがる……!
「……ない」
「おい、次会う時までに持っておけと言ったよな?」
「ねえ、君~……知ってる?こいつ、人の女を寝取ってたんだよ~。それも無理矢理にね!」
「ち、ちが」
「馬鹿か?お前ら。俺の親友がそんなことをするわけがないだろうが……!」
「冬馬……また、お前はそう言ってくれるのか……」
「……雰囲気が変わったね」
「あん?どういうことだ?」
「おい、屑共。場所を変える、ついてこい」
「あぁ!?てめー!なんつった!?」
「君……死にたいのかな~?」
「なんだ?怖いのか?なら、ついてこなくていい。俺らは帰るだけだ」
「き、貴様……!」
「哲也、落ち着け。良いよ~、ついて行こうじゃないか」
「と、冬馬……お前……」
「アキ、安心しろ。誰も信じなくても、俺だけはお前を信じる」
「ッーー!!ウゥ……」
「おら!行くんじゃねえのか!?」
「あれ~?泣いてるのー?まだ、早くない?」
「ほら、行くぞ」
「あ、ああ……ありがとな……」
……よし、ひとまず挑発には成功した。
あとは、あそこに連れて行けば……。
覚悟しろよ……俺の親友を恐喝したことを後悔させてやる……!
1
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件
木村 サイダー
青春
中学時代のいじめをきっかけに非モテ・ボッチを決め込むようになった高校2年生・御堂雅樹。素人ながら地域や雑誌などを賑わすほどの美しさとスタイルを持ち、成績も優秀で運動神経も発達し、中でもケンカは負け知らずでめっぽう強く学内で男女問わずのモテモテの高校1年生の妹、御堂樹里。親元から離れ二人で学園の近くで同居・・・・というか樹里が雅樹をナチュラル召使的に扱っていたのだが、雅樹に好きな人が現れてから、樹里の心境に変化が起きて行く。雅樹の恋模様は?樹里とは本当に兄妹なのか?美しく解き放たれて、自由になれるというのは本当に良いことだけなのだろうか?
■場所 関西のとある地方都市
■登場人物
●御堂雅樹
本作の主人公。身長約百七十六センチと高めの細マッチョ。ボサボサ頭の目隠れ男子。趣味は釣りとエロゲー。スポーツは特にしないが妹と筋トレには励んでいる。
●御堂樹里
本作のヒロイン。身長百七十センチにIカップのバストを持ち、腹筋はエイトパックに分かれる絶世の美少女。芸能界からのスカウト多数。天性の格闘センスと身体能力でケンカ最強。強烈な人間不信&兄妹コンプレックス。素直ではなく、兄の前で自分はモテまくりアピールをしまくったり、わざと夜に出かけてヤキモチを焼かせている。今回新たな癖に目覚める。
●田中真理
雅樹の同級生で同じ特進科のクラス。肌質や髪の毛の性質のせいで不細工扱い。『オッペケペーズ』と呼ばれてスクールカースト最下層の女子三人組の一人。持っている素質は美人であると雅樹が見抜く。あまり思慮深くなく、先の先を読まないで行動してしまうところがある。
プレッシャァー 〜農高校球児の成り上がり〜
三日月コウヤ
青春
父親の異常な教育によって一人野球同然でマウンドに登り続けた主人公赤坂輝明(あかさかてるあき)。
父の他界後母親と暮らすようになり一年。母親の母校である農業高校で個性の強いチームメイトと生活を共にしながらありきたりでありながらかけがえのないモノを取り戻しながら一緒に苦難を乗り越えて甲子園目指す。そんなお話です
*進行速度遅めですがご了承ください
*この作品はカクヨムでも投稿しております
俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
【完結】俺を振った元カノがしつこく絡んでくる。
エース皇命
青春
〈未練たらたらな元カノ×エロ教師×超絶ブラコン姉さん〉
高校1年生の山吹秋空(やまぶき あきら)は、日曜日のデート後に彼女である長谷部千冬(はせべ ちふゆ)に別れを切り出される。
同棲してくれるなら別れないであげる、という強烈な条件に愛想を尽かし別れることを了承した秋空だったが、それからというもの、千冬のしつこい絡みが始まることになる……。
頭のおかしい美人教師と、秋空を溺愛する姉、秋空が千冬と別れたことで秋空を狙うクラスメイトの美少女たち。
クセの強い友達に囲まれる、秋空の苦悩に満ちた学校生活!
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる