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冬馬君は友達のために
ダブルデートにて
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正直言って、イチャイチャしている場合ではなかったので、その日は解散となった。
色々な意味で……アイツら許さんぞ……!
綾には、森川に連絡するように言っておいた。
そして、ダブルデートの提案も喜んでいたと。
すぐに彼氏に連絡して、許可を得たようだ。
明日にでもしよー!と言われたと。
どうやら、ずっとしたかったらしい。
黒野は彼氏できても、絶対に会わせないから、そういうのに憧れていたようだ。
……少し悪い気がするな……俺たちの目的を考えると……。
だが、きちんと見極めなくてはいけないな。
というわけで、翌日の日曜日……。
ダブルデートという運びになったわけだ。
とりあえずは、バーガー屋に入ってお喋りタイムである。
これで、少しはわかるかと思ったのだが……。
「なあ、この男のどこに惚れたの?」
「ふえっ!?え、えと……や、優しくて、カッコいいところです……あと、信念を持っているところかな?」
「ふ~ん、お前いいな。こんな可愛い彼女いて」
「そうですね、可愛い彼女です。俺は釣り合いが取れるように、毎日頑張っていますよ」
「と、冬馬君……えへへ」
「ちょっと!?ここに可愛い彼女いるんですけど~?」
「ハハ!悪い悪い!愛子は可愛いさ」
「もう~!調子良いんだから~!」
……接してみた感じでは、そこまで悪そうな奴には見えない。
多少ナンパというか、軽い気はするが……。
わかったのは、年齢は19歳とのこと。
見た目は男前系で、身長は俺と同じくらい。
肌の色が黒く、茶髪にしている。
さらに、ピアスをしている。
その後、ゲーセンに行ったり。
ダーツをやったり。
このまま平和に終わるかと思ったが……。
そうはならないようだ。
トイレに行ったタイミングで、永倉慎吾が話しかけてきた。
そして、ひと気のないところに連れ出される。
「なあ、交換しろよ?」
「……どういう意味だ?」
「あんな良い女、お前にはもったいねえよ。俺がもらってやる。代わりに愛子をやるからよ。安心しろ、まだ手は出してない。大事な……まあ、いい。で、どうだ?」
「ふさげんなよ……?大切な彼女を貴様みたいなゲスに渡すわけがないだろうが……!」
「ん?雰囲気変わった……?なんだよ、お前もこっち側の人間かよ。チッ!脅せば言うこと聞くかと思ったのによー」
「貴様こそ、そっちが本性だな?」
「だからどうした?愛子に言うか?だが、信じないと思うぜ?あいつ、俺にベタ惚れみたいだからな。ワイルドで良いってよ!アハハ!笑っちまうぜ!」
「……言わんさ。ただ、覚えておけ……俺に本性を現したことを後悔させてやる……!」
「ハハ!ガキが何言ってんだか!……まあ、いい。脅しても女を寄越さなそうだ。チッ、せっかくの上玉を見つけたのによー」
そいつはそう言い残し、去って行った……。
……チッ!最悪の予想が当たったな……!
これは一筋縄ではいかないぞ……!
「……とりあえず、なんでもないふりをしよう」
その後、何事もない体《てい》を装いながら、ダブルデートを続ける……。
もちろん、お互いにだ。
そして夕方になり、解散の流れとなった。
「じやあな、愛子。それに友達も」
「またね~!」
……さて、こっからどうするかだ。
森川に話す?信じるか?恋は盲目と言うからな……。
逆上して意固地になる可能性もある……。
それに、信じたとして……自分で確かめに行くだろう。
それでは、自ら獣の巣に行くようなものだ。
俺に出来るのは……そもそもの原因である奴らを潰すことか……。
「ま君……冬馬君!」
「ん?どうした?」
「ぼーっとしてたから……大丈夫?」
「なんだよ~、吉野。でさ!カッコ良くない!?ワイルドでさ!大人っぽくて!」
「そ、そうだね……」
「まあ、綾にはわかんないか~。吉野に夢中だしね~。でも、私も夢中なんだ!」
その後ノロケ話を聞かされ、森川も帰って行った。
……あの様子では、言っても信じないな。
「綾……大事な話がある」
「……やっぱり、そうなの?わ、私……敏感だからわかるの……視線が嫌な感じが何度があって……」
「あのやろう……!タダじゃおかん……!俺の可愛い彼女を……!」
「そ、それで、何かわかったの?」
「……まあ、詳しくは言えないが……とりあえず、黒だな。クズであることは間違いない」
「そっか……愛子喜んでたのになぁ……相当好きみたいだし……」
「綾……早急に対応する必要がある。あいつが動き出す前に」
俺は急いで、とある人に連絡を入れる。
……よし、これで入れるはすだ。
「う、うん!どうしたらいいの?」
「……まだ、時間はあるか?俺は、とある場所に行く。そこなら、森川の彼氏についても情報が手に入るはずだ。綾はどうする?危ない場所だから、帰っても良いぞ?その場合は、しっかり送って行くから」
「そ、そんな場所があるの……?こ、怖いところ……?」
「ああ、多少な……安心してくれ。綾が行きたいなら連れて行く。そして、何があっても俺が守る」
「冬馬君……うん!私、冬馬君いれば怖くないよ!それに、愛子のこと気になるもん!お願いします!私を連れてってください!」
「よし、任せろ。さて……うおっ!?」
「冬馬君、嫌な顔一つしないね?こんなに面倒かけてるのに……」
「急にしがみつくなよ、危ないから。そりゃ、そうだろう。面倒などと思ったことはない」
「……エヘヘ、冬馬君大好き!私は幸せだね……だからこそ、許せない……!この大切な気持ちを弄ぶなんて……!」
「綾……そうだな。なるべく、森川が傷つかないようにしよう」
「うん!」
……さて、久々の夜の街か……。
まさか、また行くことになるとは……。
人生とは何が起こるかわからないものだな……。
色々な意味で……アイツら許さんぞ……!
綾には、森川に連絡するように言っておいた。
そして、ダブルデートの提案も喜んでいたと。
すぐに彼氏に連絡して、許可を得たようだ。
明日にでもしよー!と言われたと。
どうやら、ずっとしたかったらしい。
黒野は彼氏できても、絶対に会わせないから、そういうのに憧れていたようだ。
……少し悪い気がするな……俺たちの目的を考えると……。
だが、きちんと見極めなくてはいけないな。
というわけで、翌日の日曜日……。
ダブルデートという運びになったわけだ。
とりあえずは、バーガー屋に入ってお喋りタイムである。
これで、少しはわかるかと思ったのだが……。
「なあ、この男のどこに惚れたの?」
「ふえっ!?え、えと……や、優しくて、カッコいいところです……あと、信念を持っているところかな?」
「ふ~ん、お前いいな。こんな可愛い彼女いて」
「そうですね、可愛い彼女です。俺は釣り合いが取れるように、毎日頑張っていますよ」
「と、冬馬君……えへへ」
「ちょっと!?ここに可愛い彼女いるんですけど~?」
「ハハ!悪い悪い!愛子は可愛いさ」
「もう~!調子良いんだから~!」
……接してみた感じでは、そこまで悪そうな奴には見えない。
多少ナンパというか、軽い気はするが……。
わかったのは、年齢は19歳とのこと。
見た目は男前系で、身長は俺と同じくらい。
肌の色が黒く、茶髪にしている。
さらに、ピアスをしている。
その後、ゲーセンに行ったり。
ダーツをやったり。
このまま平和に終わるかと思ったが……。
そうはならないようだ。
トイレに行ったタイミングで、永倉慎吾が話しかけてきた。
そして、ひと気のないところに連れ出される。
「なあ、交換しろよ?」
「……どういう意味だ?」
「あんな良い女、お前にはもったいねえよ。俺がもらってやる。代わりに愛子をやるからよ。安心しろ、まだ手は出してない。大事な……まあ、いい。で、どうだ?」
「ふさげんなよ……?大切な彼女を貴様みたいなゲスに渡すわけがないだろうが……!」
「ん?雰囲気変わった……?なんだよ、お前もこっち側の人間かよ。チッ!脅せば言うこと聞くかと思ったのによー」
「貴様こそ、そっちが本性だな?」
「だからどうした?愛子に言うか?だが、信じないと思うぜ?あいつ、俺にベタ惚れみたいだからな。ワイルドで良いってよ!アハハ!笑っちまうぜ!」
「……言わんさ。ただ、覚えておけ……俺に本性を現したことを後悔させてやる……!」
「ハハ!ガキが何言ってんだか!……まあ、いい。脅しても女を寄越さなそうだ。チッ、せっかくの上玉を見つけたのによー」
そいつはそう言い残し、去って行った……。
……チッ!最悪の予想が当たったな……!
これは一筋縄ではいかないぞ……!
「……とりあえず、なんでもないふりをしよう」
その後、何事もない体《てい》を装いながら、ダブルデートを続ける……。
もちろん、お互いにだ。
そして夕方になり、解散の流れとなった。
「じやあな、愛子。それに友達も」
「またね~!」
……さて、こっからどうするかだ。
森川に話す?信じるか?恋は盲目と言うからな……。
逆上して意固地になる可能性もある……。
それに、信じたとして……自分で確かめに行くだろう。
それでは、自ら獣の巣に行くようなものだ。
俺に出来るのは……そもそもの原因である奴らを潰すことか……。
「ま君……冬馬君!」
「ん?どうした?」
「ぼーっとしてたから……大丈夫?」
「なんだよ~、吉野。でさ!カッコ良くない!?ワイルドでさ!大人っぽくて!」
「そ、そうだね……」
「まあ、綾にはわかんないか~。吉野に夢中だしね~。でも、私も夢中なんだ!」
その後ノロケ話を聞かされ、森川も帰って行った。
……あの様子では、言っても信じないな。
「綾……大事な話がある」
「……やっぱり、そうなの?わ、私……敏感だからわかるの……視線が嫌な感じが何度があって……」
「あのやろう……!タダじゃおかん……!俺の可愛い彼女を……!」
「そ、それで、何かわかったの?」
「……まあ、詳しくは言えないが……とりあえず、黒だな。クズであることは間違いない」
「そっか……愛子喜んでたのになぁ……相当好きみたいだし……」
「綾……早急に対応する必要がある。あいつが動き出す前に」
俺は急いで、とある人に連絡を入れる。
……よし、これで入れるはすだ。
「う、うん!どうしたらいいの?」
「……まだ、時間はあるか?俺は、とある場所に行く。そこなら、森川の彼氏についても情報が手に入るはずだ。綾はどうする?危ない場所だから、帰っても良いぞ?その場合は、しっかり送って行くから」
「そ、そんな場所があるの……?こ、怖いところ……?」
「ああ、多少な……安心してくれ。綾が行きたいなら連れて行く。そして、何があっても俺が守る」
「冬馬君……うん!私、冬馬君いれば怖くないよ!それに、愛子のこと気になるもん!お願いします!私を連れてってください!」
「よし、任せろ。さて……うおっ!?」
「冬馬君、嫌な顔一つしないね?こんなに面倒かけてるのに……」
「急にしがみつくなよ、危ないから。そりゃ、そうだろう。面倒などと思ったことはない」
「……エヘヘ、冬馬君大好き!私は幸せだね……だからこそ、許せない……!この大切な気持ちを弄ぶなんて……!」
「綾……そうだな。なるべく、森川が傷つかないようにしよう」
「うん!」
……さて、久々の夜の街か……。
まさか、また行くことになるとは……。
人生とは何が起こるかわからないものだな……。
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