上 下
64 / 185
冬馬君は自重……

冬馬君は、遊園地デートをする

しおりを挟む
 その後は、お昼ご飯を食べることにした。

 なのだが……。

「は、はい!冬馬君、アーン……」

「あ、あーん……このオムライス、いつもより美味い気がする」

「エヘヘ、ホント?これも、夢だったんだ~。また、叶えてもらっちゃったね!」

 ……羞恥心が半端ないが、頑張るんだ!俺!

「お、おう、いつでもどんとこい」

「うん!わ、私も頑張るからね!」

「はい?何をだ?」

「う、ううん!気にしないで!」





 食事を終えた後は、アトラクションではなく、ショッピングを楽しむことにする。

 お土産のお菓子を買ったり、キーホルダーを買ったり。

 そして今は、帽子コーナーを見ている。う

「あっ!これ、可愛い!」

「おっ、うさ耳の帽子か」

「ど、どうかな?似合うかな?」

「ああ、超絶的にな。可愛いと思う」

「はわわっ……!超絶的って……!」

「アワアワしている綾も可愛いな」

「あ、あぅぅ……!」




 
 ショッピングや散策をし、消化したので、アトラクションに乗る。

「わぁー!?と、冬馬君!?」

「フハハ!回れ!もっと早く!」

 ……少し、調子に乗ってしまった。
 なんか、コーヒカップってテンション上がるよな。

「す、すまん!」

「う、ううん!大丈夫!私、こういうのには強いから!」

 綾が目を回したので、ベンチに座っている。
 俺としたことが……!つい楽しくなってしまった……!

「いかんな……反省だ」

「ふふ……冬馬君でも、あんな感じになるんだね」

「いや、俺もまだまだだな」

「私は、ああいう冬馬君も好きだよ?子供っぽいというか……いつも、余裕ある感じに見えるのも好きだけどね」

「そ、そうか」

「えへへ、そういう照れた顔も好き。可愛いし……私だけに見せる顔な気がして」

「おいおい……綾の誕生日だというのに、俺を喜ばせてどうする?」

「えへへー」




 そして、再びアトラクションに乗る。

 水がかかるやつや、洞窟を船で探検するやつなどだ。

 3時を過ぎ人が増え始めたので、そろそろ帰ることにする。

 その前に、最後に綾のリクエストに応えることにする。

 ……まあ、定番中の定番だな。

「わぁ……また、叶ちゃった……観覧車」

 そう、恋人の定番中の定番の観覧車である。
 隣に座り、しばらくの間、静かに外を眺める。

「さて……」

「と、冬馬君……?」

 そっと肩を抱き寄せる。
 そして、そのままキスをする……。

「んっ……」

「……これでいいのか?」

「は、はい……もう!あの2人ったら!そんなことまで……」

「まあ、そういうな。俺が聞き出しただけだ。綾の理想のデートとやらをな」

「うぅー……私、ほかになに言ってたかな……?」

「あー……まあ、色々とな……」

「はぅ……!は、恥ずかしいよぉ~……」

「いや、いいんじゃないか。女の子なんてそんなものだ。麻里奈なんか、あれだぞ?いつか、王子様が現れるのを待っているんだぞ?頭も良くて優しくてかっこよくて、私にぞっこんで一途で、家族や友達を大事にしてくれる人……そんな奴いるかいな」

「えぇーー!?え?あれ?もしかして……」

「ん?どうした?」

「ううん!……冬馬君って自覚ないんだ……」

「はい?」

「ううん!私の彼氏は素敵な王子様だよ!」

「いや、王子ってガラじゃないだろうよ……」

 その後何故か、綾はご機嫌の様子だった。

 そして観覧車を降りてみると……。

「やっぱり、混んできたね」

「だな。じゃあ、帰るとするか」

「そうだね。名残惜しいけど……」

「なに、また来れば良いさ。これから……長い付き合いになるんだから」

「え……?そ、それって……」

「俺は、そうホイホイ好きになるタイプじゃないからな。おそらく、綾を好きなままだろう。となると、長くはなると思う……綾にフラレなければな」

「あ、そういう……でも、嬉しい。わ、私だって好きだもん!ずっと一緒にいたいです……」

「なら、俺はそう思ってもらえるように、これからも精進しなくてはいけないな」

「わ、私も……!」

 何やら両拳を握りしめ、フンスフンスしている……可愛い。
 何か、気合いでも入れている感じだな。

 俺達は人混みに逆らいつつ、なんとか遊園地を出る。

「フゥ……ギリギリだったな」

「そうだね……あのね!これからのプランはあるのかな!?」

「ん?いや、ここからは綾のリクエストに応えようかと思っていた。もちろん、何もなければ一応用意はしてある」

「じゃ、じゃあ、う、うちに来ませんか?ゲームとかしたいです!」

「何故、挙動不審なんだ?……ああ、昨日のメールはそれか。携帯ゲーム機を持ってきてって書いてあったな」

「うん!そういうこと!じゃあ、行こう!」

 俺は綾をバイクに乗せ、綾の家に向かうのであった。









 ……なのだが、どうしてこうなった?

「と、冬馬君……これ……さ、触っても良い?」

「待て待て!それはマズイ!今はマズイ!」

「で、でも……こんなになって……苦しそう……」

「いや、だが、しかし、あのな……」

「わ、私だって、冬馬君に色々してあげたいもん!」

「綾……」

 ……何故、こうなったのだ?

 落ち着け!俺!

 俺はこの家に着いた時から、今までの出来事を思い出してみる……。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について

塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。 好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。 それはもうモテなかった。 何をどうやってもモテなかった。 呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。 そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて―― モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!? 最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。 これはラブコメじゃない!――と <追記> 本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件

ながしょー
青春
高校入学を前に両親は長期海外出張。 一人暮らしになるかと思いきや、出発当日の朝、父からとんでもないことを言われた。 それは…… 同い年の子と同居?!しかも女の子! ただえさえ、俺は中学の頃はぼっちで人と話す事も苦手なのだが。 とにかく、同居することになった子はとてつもなく美少女だった。 これから俺はどうなる?この先の生活は?ラブコメ的な展開とかあるのか?!   「俺の家には学校一の美少女がいる!」の改稿版です。 主人公の名前やもしかしたら今後いろんなところが変わってくるかもしれません。 話もだいぶ変わると思います。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

処理中です...