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冬馬君は自重……

冬馬君はラッキースケベ

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 その後、なんでもない顔をして、自分のクラスの場所に戻る。

 森川や黒野辺りはニヤニヤしていたが、あえて無視をする……俺は。

「綾~何してたの?」

「な、なにも!」

「顔真っ赤よ?触らせたの?」

「触らせてないよ!」

「あれれ~……となると……」

「ああ、アレかしら?」

「あぅぅ……!」

 ……恥ずかしがる綾、可愛いなぁ。
 しばらくの間、俺はその様子を眺めるのであった。


 その後、順調に種目は進んでいく。

 そして、いよいよ最後の種目となる。

 男女混合リレーである。

 4人の選手は、俺、綾、バスケ部の中野、黒野となる。

「練習してないが……行けるのか?というか、黒野って速いのか?」

「大丈夫よ。ねっ、中野」

「そうだね。同じ中学で陸上部だったからね」

「ん?ああ、中野はそういうパターンか。陸上部は、どこの部活行っても活躍できるポテンシャルがあるからな」

「身長が、高校に入る前に急に伸びたからね。というわけで、俺と黒野の連携は問題ないよ。どっちかというと、吉野と清水さん……心配ないか」

「中野、黒野、綾、俺の順番か。フッ、舐めるなよ?愛のパワーの前には、連携など関係ない。たとえ綾が失敗しようとも、俺がカバーする。それが、恋人というものだ」

「あ、あ、愛……!」

「あらら……使い物になるかしら?」

 それぞれ配置につき、準備をする。

 すると……。

「冬馬ーー!!頑張れよーー!!」

「お兄ーー!!頑張ってねーー!!」

 ビデオカメラをまわしながら、親父が手を振っている。

 さらに……。

「綾ーー!!こけるんじゃないよーー!!」

「お姉ちゃんーー!!怪我しないでねーー!!」

 ……あらら、結構恥ずいな、これ……。

 そして始まりのピストルが鳴り響く!

 中野が先頭に出て、トップで黒野にバトンを渡す。
 その黒野だが速い!
 1位を継続して、綾にバトンを渡す。

「綾ー!!頑張れー!!」

 ……綾が走ってきたのだが……。
 バインバインではなく、ユッサユッサとあるものが揺れている……。
 大きすぎず小さくないアレが、俺の目を釘付けにする。
 ……ということは……!
 他の奴らも見ているということではないか!
 様子を見ると拝んでいる奴までいる始末。

「綾ーー!!ゆっくりでいい!!」

「えぇーー!?なんでーー!?」

 綾はそのまま走ってきたのだが……。
 あっ!と思った瞬間、俺は駆け寄る!

「きゃあ!?」

「あぶねー!」

 転びそうになった綾を、なんとかバトン受け渡しゾーンで抱きとめたのたが……。
 柔らかなものが手の中に……こ、これは……!

「キャーー!!」

「す、すまん!」

 驚いて離す際に、再び微かに触れてしまう……。

「ひゃん!?あ、え、は、はい!バトン!!」

「お、おう!」

 1位できたが、すでに2人が前に出ていた。

「だが……ウオオオオオオ!!!!!!」

 今の俺は!蒸気機関車だーー!!
 燃料は!たった今投下された!
 それは……オッパイだーーー!!!
 なんだ!?あの素晴らしい感触は!!

 最後のアンカーは200メートル走る。
 ならば、まだ追いつける!!
 俺は全力疾走し、1人抜き、もう1人に猛追する!

「嘘だろ!?俺は全国大会に出場したんだぞ!?」

「知るかーー!!そんなものは!今の俺には関係ない!」


「おーっと!冬馬選手!速い速い!ラッキースケベにより、今の彼を止められる者はいないでしょう!アレの感触を知る者なら理解できるはず!」

「あのマシュマロに触ったのなら、それは仕方のないことですね。良いわね、私も触りたい……ちょっと?なんでマイクをきろうとするの?」

 ……あいつら、うるせーー!!
 あとで覚えてろ!

  そいつも抜き去り、トップでゴールテープをきる!

「ゼェ、ゼェ、ゼェ……死ぬ……」

 さすがに心臓がバクバクして、一歩も動けない……。
 横にずれて、大の字になる。

「冬馬君!だ、大丈夫!?」

「綾、すまなかった……決してわざとではなくて……ゼェ……」

「わ、わかってるよ!冬馬君はそんな狡い手は使わないこと!そ、それに私を助けてくれたんだし……お、驚いてごめんね?イヤだから叫んだんじゃないよ?その……好きだから」

「わかってる……いや、しかし……疲れた……」

 その後なんとか立ち上がり、クラスの席に座る。
 皆から、肩や背中をバシバシと叩かれる。
 おい?強くね?恨みこもってない?という奴も、何人か居たが許す。
 それほどに素晴らしい感触であった。
 いかんな……感触を知ってしまった……。
 そうなると、なおさら触りたいと思ってしまう……。

 そして、うちのクラスは優勝したらしいのだが、あまり俺の耳には入ってこない。
 俺の頭の中は、アレの感触で一杯になってしまっていた……。






 そして体育祭も終わり、俺は綾の家の前にいた。

「冬馬君?大丈夫?やっぱり疲れたよね?」

「いや、大丈夫だ。じゃあ、バイト行くわな」

 今日はバイトがあるので、ついでに綾を家まで送ったのだ。

「ま、待って!こ、こっちきて!」

 綾に引っ張られて、玄関前の死角の部分に連れてかれる。

「ど、どうした?」

「が、頑張ったら……ご、ご褒美……はぅ……」

「ああ、あれか。いや、無理しなくて良い。さっき、偶然とはいえ貰ったしな」

「だ、だ、だから……さ、触ってもいいです……」

 ……ホワッツ?
 今、なんと申した?
 ……触ってもいい?どこを?
 まあ、落ち着け。
 勘違いしたら、ただのイタイ奴だ。
 よしよし、俺は冷静な男。

「ど、ど、どこを……?」

 全然冷静じゃなかった……。

「む、胸……さ、触ってもいいです……はう」

 な・ん・だ・と・?







「と、冬馬君……?」

 おっといけない、意識が飛んだ。

「そ、その……良いのか?」

「と、冬馬君なら……良いです……」

 さ、触る?どうやって?揉む?いや、それは……。
 いや!綾が勇気を出して言ったんだ!
 俺がヘタレでどうする!?
 俺は震えそうな手を押さえつけ、正面から手を胸に伸ばす。

 ……そして、意識して初めて……ソレを揉む。

「はぅん……」








 ……俺は気がつくと家にいた。

 あまりの衝撃に、あの後の記憶が曖昧である。

 店長にメールすると、バイトに来たというので一安心ではある。

 ただ、物凄い働きぶりだったそうだ。

 ……スゲェー感触だった。

 あんなに気持ちの良い感触が、この世に存在したのか……。

 しかも……綾の声がエロかった……。

 オッパイでこんなのなら、本番とかどうなってしまうのだ?

 ……というか、本番で暴走しない自信がない。

 ハァ……また、アキに相談しなくてはな……。
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