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冬馬君は彼女のために……
冬馬君は男と男の勝負をする
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さて、二学期が始まり1週間が過ぎた。
ひとまず、綾と付き合うことは認知されてきたようだ。
認める認めないは別としてな……まあ、仕方あるまい。
あんなに魅力的な女の子は、そうはいないからな。
「エヘヘ、ここで食べるのにも慣れてきたね!」
「そうだな、違和感なくなってきたな」
今は昼休みの時間で、いつもの空き教室で一緒にお昼ご飯を食べている。
「おい?俺いるからな?おっぱじめるなよ?」
「しねーよ!バカなの!?」
「あう、え、あの、おっぱじめる……」
頬を赤らめ、モジモジしている。
「ほら!こんな感じになるじゃん!あぁ?殺るぞ?コラ?」
「ほう?この俺を?一度も勝ったことないぜ?彼女の前だからってカッコつけてんのか?やめろやめろ、恥をかくだけだぞ?」
「ハッ!アラサーのオッサンなんかに負けるかよ!こちとら、ピチピチの現役高校生だぜ?恥をかくのは、そっちだろ?」
「あぁ!?冬馬……テメーは今、言ってはならないことを言った……!覚悟しろよ?もう、謝っても許さんからな?」
「そっちこそな!負けても歳のせいにするなよ?」
俺と真司さんは、徐々に近づいていく。
「先生!?冬馬君!?ここ、学校だよ!?喧嘩しちゃダメだよ!?」
「すまんな、綾。だが、引くわけにはいかない……!」
「すまんな、清水。負けられない戦いが、ここにはある……!」
「えっと……どういうことかな!?」
「さあ!綾!頼む!」
「清水!彼氏の無様な姿を見てるんだな!」
「いや!だからなに!?どういうこと!?」
「「腕相撲だ!!」」
昔から、何か諍いがあれば、これで解決してきた。
怪我人も出ないし、強さを誇示できるしな。
「もう!最初からそう言ってよ!……わかりました……よーい、スタート!」
「グォォォ!!!」
「フヌヌヌ!!!」
「や、やるじゃん!オッサンの分際で……!」
「俺は全てのアラサーを代表して、若い奴らに負けるわけにはいかない……!」
「俺だってな……!好きな女の子の前で負けるわけにはいかないんだよ……!」
「ガァァ……!あの頃の力よ!今一度でいい!戻ってくれ!」
「ハァァ……!鈍った身体よ!全盛期の頃を思い出してくれ!」
「……好きな子と言われて嬉しいのだけれど、私は何を見せられているのかな……?」
「ハッ!ザマァねえな!彼女に慰めてもらうんだな!」
そう言い残し、真司さんは教室から出て行った。
「クッソーー!相変わらず、つえー!」
「す、凄かったね、二人共。汗びっしょりだったよ?」
「まあ、昔はよくやってたんだよ。あー疲れた」
「と、冬馬君!はい!どうぞ!な、慰めます!!」
いつの間にか、綾は正座をしている。
これは、あの素晴らしいやつ……!
……だが、これではいけない。
俺は学ランを脱ぐ。
「と、冬馬君……?なんで脱ぐの……?お、おっぱじめるの……?」
「おっぱじめないから!感化されすぎだ!全く……ほら、座るなら学ランの上に座ってくれ。汚れるし、冷たいだろ?」
「あ、ありがとう……やっぱり、優しいなぁ……」
「別に普通だろ。好きな子に優しいのは」
「エヘヘ……さあ、どうぞ?」
「し、失礼します……あぁ、天国……」
「も、もう……大袈裟なんだから……こ、これくらいなら、いつだってしてあげるんだから……」
……それはそれでマズイ気が……俺の精神的に……だが、この誘惑には耐えられん……!
俺は、そんな楽しい日々を過ごしていたのだが……。
中間テストまであと1週間ほどのある日、アキから呼び出された。
体育館の裏に来いと。
「おっ、きたな。色男」
「お前にだけは言われたくないんだが?毎日違う女の子連れて」
「俺は真実の愛を探しているんだよ。いいよなー、俺だって本当に好きな子欲しいぜ」
「まあ、お前はモテすぎるからな……ある意味、綾と似ているかもな」
こいつも、見かけだけで女の子が寄ってくるからな。
「あー、そうかもな。俺も、中身を見てくれる子を探しているのかもな……さて、本題に入るとするか……」
「何かよくないことか?俺でよければ力になるが?」
「冬馬……ありがとよ。だが、今はお前の話だ」
「ん?俺の?どういうことだ?」
「……その顔は、ホントに知らないようだな。まあ、お前噂とか裏掲示板の書き込みなんか興味ないもんな」
「……綾とのことか?」
「そうだ。一部の人間が嫌な書き込みをしている。やれ釣り合わないだの、弱みを握ってるだの、催眠をかけてるだの……まあ、色々だな。幸い、清水さんを貶めるような書き込みは、今のところない。あの子の性格の良さは、誰もが認めるところだからな……だが、これが続くようだと、それもどうだかな……」
「……そうか。綾は知っているのか?」
「多分な……だが、お前に言うような子じゃないだろう?だから、俺が知らせた」
「アキ、感謝する。綾は、俺には言わないだろう。ただでさえ、俺に迷惑をかけていると思っているからな……」
こればかりは、いくら言っても本人が気にしていたらどうしようもない。
「さて、冬馬……どうする?」
「決まっている。客観的に見て、俺が綾と釣り合う男になればいいだけだ」
「おっ、ついに本気を出すのか?」
「ああ……もう地味な生徒B君は、完全に卒業する」
さて……久々に本気を出すとしよう。
ひとまず、綾と付き合うことは認知されてきたようだ。
認める認めないは別としてな……まあ、仕方あるまい。
あんなに魅力的な女の子は、そうはいないからな。
「エヘヘ、ここで食べるのにも慣れてきたね!」
「そうだな、違和感なくなってきたな」
今は昼休みの時間で、いつもの空き教室で一緒にお昼ご飯を食べている。
「おい?俺いるからな?おっぱじめるなよ?」
「しねーよ!バカなの!?」
「あう、え、あの、おっぱじめる……」
頬を赤らめ、モジモジしている。
「ほら!こんな感じになるじゃん!あぁ?殺るぞ?コラ?」
「ほう?この俺を?一度も勝ったことないぜ?彼女の前だからってカッコつけてんのか?やめろやめろ、恥をかくだけだぞ?」
「ハッ!アラサーのオッサンなんかに負けるかよ!こちとら、ピチピチの現役高校生だぜ?恥をかくのは、そっちだろ?」
「あぁ!?冬馬……テメーは今、言ってはならないことを言った……!覚悟しろよ?もう、謝っても許さんからな?」
「そっちこそな!負けても歳のせいにするなよ?」
俺と真司さんは、徐々に近づいていく。
「先生!?冬馬君!?ここ、学校だよ!?喧嘩しちゃダメだよ!?」
「すまんな、綾。だが、引くわけにはいかない……!」
「すまんな、清水。負けられない戦いが、ここにはある……!」
「えっと……どういうことかな!?」
「さあ!綾!頼む!」
「清水!彼氏の無様な姿を見てるんだな!」
「いや!だからなに!?どういうこと!?」
「「腕相撲だ!!」」
昔から、何か諍いがあれば、これで解決してきた。
怪我人も出ないし、強さを誇示できるしな。
「もう!最初からそう言ってよ!……わかりました……よーい、スタート!」
「グォォォ!!!」
「フヌヌヌ!!!」
「や、やるじゃん!オッサンの分際で……!」
「俺は全てのアラサーを代表して、若い奴らに負けるわけにはいかない……!」
「俺だってな……!好きな女の子の前で負けるわけにはいかないんだよ……!」
「ガァァ……!あの頃の力よ!今一度でいい!戻ってくれ!」
「ハァァ……!鈍った身体よ!全盛期の頃を思い出してくれ!」
「……好きな子と言われて嬉しいのだけれど、私は何を見せられているのかな……?」
「ハッ!ザマァねえな!彼女に慰めてもらうんだな!」
そう言い残し、真司さんは教室から出て行った。
「クッソーー!相変わらず、つえー!」
「す、凄かったね、二人共。汗びっしょりだったよ?」
「まあ、昔はよくやってたんだよ。あー疲れた」
「と、冬馬君!はい!どうぞ!な、慰めます!!」
いつの間にか、綾は正座をしている。
これは、あの素晴らしいやつ……!
……だが、これではいけない。
俺は学ランを脱ぐ。
「と、冬馬君……?なんで脱ぐの……?お、おっぱじめるの……?」
「おっぱじめないから!感化されすぎだ!全く……ほら、座るなら学ランの上に座ってくれ。汚れるし、冷たいだろ?」
「あ、ありがとう……やっぱり、優しいなぁ……」
「別に普通だろ。好きな子に優しいのは」
「エヘヘ……さあ、どうぞ?」
「し、失礼します……あぁ、天国……」
「も、もう……大袈裟なんだから……こ、これくらいなら、いつだってしてあげるんだから……」
……それはそれでマズイ気が……俺の精神的に……だが、この誘惑には耐えられん……!
俺は、そんな楽しい日々を過ごしていたのだが……。
中間テストまであと1週間ほどのある日、アキから呼び出された。
体育館の裏に来いと。
「おっ、きたな。色男」
「お前にだけは言われたくないんだが?毎日違う女の子連れて」
「俺は真実の愛を探しているんだよ。いいよなー、俺だって本当に好きな子欲しいぜ」
「まあ、お前はモテすぎるからな……ある意味、綾と似ているかもな」
こいつも、見かけだけで女の子が寄ってくるからな。
「あー、そうかもな。俺も、中身を見てくれる子を探しているのかもな……さて、本題に入るとするか……」
「何かよくないことか?俺でよければ力になるが?」
「冬馬……ありがとよ。だが、今はお前の話だ」
「ん?俺の?どういうことだ?」
「……その顔は、ホントに知らないようだな。まあ、お前噂とか裏掲示板の書き込みなんか興味ないもんな」
「……綾とのことか?」
「そうだ。一部の人間が嫌な書き込みをしている。やれ釣り合わないだの、弱みを握ってるだの、催眠をかけてるだの……まあ、色々だな。幸い、清水さんを貶めるような書き込みは、今のところない。あの子の性格の良さは、誰もが認めるところだからな……だが、これが続くようだと、それもどうだかな……」
「……そうか。綾は知っているのか?」
「多分な……だが、お前に言うような子じゃないだろう?だから、俺が知らせた」
「アキ、感謝する。綾は、俺には言わないだろう。ただでさえ、俺に迷惑をかけていると思っているからな……」
こればかりは、いくら言っても本人が気にしていたらどうしようもない。
「さて、冬馬……どうする?」
「決まっている。客観的に見て、俺が綾と釣り合う男になればいいだけだ」
「おっ、ついに本気を出すのか?」
「ああ……もう地味な生徒B君は、完全に卒業する」
さて……久々に本気を出すとしよう。
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