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冬馬君の自制心は……

清水さんは彼氏を喜ばせたい~清水綾視点~

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 冬馬君……いや、彼氏とキスをしました……。

 身体中が痺れて、どうにかなりそうだった……。

 え!?みんな、こんなことしてるの!?と思ったくらいに。

 頭がボーッとして、フワフワする感じ……。

 ……その、気持ち良かったです……はしたないって思われちゃうかな?

 ずっとしたくて、でも言えなくて……。

 私からする勇気もなく……。

 でも、冬馬君は勇気を出してしてくれた……。

 私はとても嬉しく、幸せな気持ちになりました。





 冬馬君といると、とても安心している自分に気づいた。

 多分、冬馬君がとても頼りになるからだと思う。

 デートすれば、エスコートしてくれる。

 会計もいつのまにか終わっている。

 私のつまらない話にも、いつも微笑んでくれる。

 私が手を繋ぎたいなって思ったら察してくれる。

 心配だからって、送り迎えだってしてくれる。




 私がプール行きたいって言ったら、ナイトみたいに守ってくれた……。

 冬馬君に、見つめられて恥ずかしかったけど……同時に嬉しかったな。

 勇気を出して、ビキニにして良かったぁ!

 それに、なんだか身体が熱くなったのを覚えています……。


 冬馬君がしたいからしてるって言うけれど……。

 私だって、負んぶに抱っこじゃ嫌だもん。

 大好きな彼氏の、冬馬君を喜ばせたいもん!



 私は雑誌を見たり、ネットを見て、色々調べました。

「男の子は、こういう服装が好き……なるほど。ポニテとかは王道な感じなのかな?」

「可愛い格好………ふんふん、こういう感じなのね」

 そして、それらを実行してみたら、冬馬君は喜んでいるみたいでした。

 でも、褒められた私の方が喜んじゃってるから、どうなんだろう?




 まず、私はバイトを始めようとしました。

 そうすれば、冬馬君の負担も減らせるし、色々遊べたりもするし。

 でも、そのバイトも冬馬君の紹介……頼りになる彼氏で、胸がキュンキュンする……。

 でも、ここからは自分で信用を勝ち取らなきゃ!

 大好きな冬馬君の顔に、泥をぬれないもん!

 私は一生懸命に働きました。

 本棚の整理や、出し入れ、レジ打ちなど。

 弥生さんが丁寧に教えてくれたので、なんとかこなすことができた。

 店長にも褒められて、すっごく嬉しかったです。

 実はもう、初給料の使い道は決まっているのです。

 ただ、働くタイミングが月末だったから、貰えるのは10月になっちゃうけどね。

 うーん……冬馬君は、どんなものだと喜んでくれるかな?



 そんな楽しくも幸せな日々は、あっという間に過ぎていきました。

 もうすぐ、夏休みが終わろうとしていました。

 そんな時、最終日に『朝からデートをしないか?』と誘われてしまいました!

 私は嬉しくて、中々返信ができずに、ベットで悶えてしまいました……。

 だって……同じことを思っていたから……。




 私は、リビングでお母さんに相談しています。

「こ、こっち!?いや、こっちかな!?」

「お姉ちゃん、うるさいよー」

「誠也!ごめんね!でも、大事な日なの!冬馬君に喜んでもらうの!」

「そうよ、誠也。綾は明日勝負するのよ?我慢しなさい」

「勝負ー?なにするの?」

「せ、誠也には、まだ早いわよ!」

「はいはい、誠也。お風呂入ってきなさい」

「んー?まあ、いいや。行ってきまーす」

「さて……お母さんは、こっちかなー」

「え!?み、短すぎないかな!?脚ほとんど出てるよ!?」

「いいじゃない、綺麗なんだから。冬馬君、喜ぶわよ?」

「そ、そうかな?う、うん!頑張る!」

「それに、冬馬君が側にいるなら安心でしょ?」

「……うん、そうなの。じゃあ、これで……!」

「ふふ……良いわね。綾、頑張るのはいいけど、冬馬君も男の人だからね?」

「ん?どういう意味?」

「……冬馬君、ごめんなさい。娘がご迷惑をおかけするわ」

「えぇ!?ど、どういうこと!?」

「まあ、いいわ。あの子なら、その辺もしっかりやるでしょう。はい!ご飯にするから、片しなさい」

「う、うん、わかった……よし!これで、ポニテにしよう!」

 冬馬君好きだって言ってたし!

 私は、明日必ず実行しようと思っていることがあります!

 少し……いや、かなり恥ずかしいけど……。

 これすると、男の人が喜ぶって書いてあったし……。

 冬馬君に喜んでほしいもん!

 ひ、膝枕をしてあげるんだから!

 ……そ、その後に……キャーー!!

 結局、私は食事もあまり進まず、ドキドキしながらベットに入るのでした……。
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