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冬馬君の自制心は……

彼氏ができました~清水綾視点~

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 今、私は幸せの真っ只中です。

 だって……吉野君と付き合えたから。

 告白までしてくれて……か、可愛いって……!

 どんとこいって言っちゃったけど、どうしよう!?

 ど、どうなっちゃうんだろ……?

 そ、それは興味ないと言ったら嘘になっちゃうけど……。

 まだ、早いというか、心の準備が……キャーー!!

 ……落ち着こう……うん、吉野君は無理強いはしないだろうし。

 ……エヘヘ……こうやって考えてるだけで、こんなに幸せな気分になるなんて……恋するって……か、彼氏できるって凄いんだね!




 次の日にすぐ会いたくてメールしたら、同時にメールがきて会えないか?って……。

 もう、布団の中でゴロゴロして悶えてしまいました……!

 電話までしてくれて、なんと初デートの約束まで……!

 しかも吉野君は、私が何か言いたげにしているのを察してくれた……!

 その結果、バイクで迎えに来てくれることに……!

 もう!好き!大好き!……恥ずかしくて言えないけど……。





 次の日がきて、デート当日になったのだけれど……。

 服が!服が決まらないよー!可愛いって思ってもらいたい!

 ……そ、それで吉野君にドキドキしてもらいたいもん……。

 ……でも、まさか直接可愛いと言われるとは思ってなかったので、私の方がドキドキさせられちゃった……。

 さらには……呼び捨てにされちゃった……なんだろ?これ?身体が熱いのかな?

 私は冬馬君っていうのが、精一杯でした。

 ……うーん、どうしたらドキドキしてくれるかな?

 でも、冬馬君もドキドキしてるって……!

 ……恥ずかしいけど、試してみようかな。

 バイクに乗った際に、思いきり抱きついてみました!

 昨日本でみたら、これで男の人が喜ぶって……!

 恥ずかしいけど、冬馬君にならいいもん!


 バイクを降りてから、とても嬉しいことがありました。

 大事だって……好きだって……大切……心臓壊れそう……!

 何より嬉しかったのは、手を繋げたことでした!

 しかも、冬馬君が察してくれたのです!

 もう、私の胸は高まりっぱなしです……。

 そこから、冬馬君行きつけ場所に行きました。

 本屋さんに行って、嫉妬してしまったり。

 喫茶店に入って、楽しくお喋りしたり。

 さらには、スマートに会計まで……!

 あれには、びっくりしました!全然気づかなかった……。

 カッコイイ……しかも、カッコつけさせてくれって……カッコいい……。

 さらには、歌も上手いことが判明しました!

 もう、私はメロメロになってしまいます……。




 そんな私ですが、あることで悩んでいます……。

 それは、デートから翌日のことでした。

 愛子と加奈と遊ぶことになりました。

 私達はいつものように、ファミレスでお喋りをしていました。

 愛子と加奈の好きところは、騒ぎすぎないこと。

 2人共、マナーっていうのかな?常識あるから付き合いやすいです。

 あんまり、公共の場でギャハハ!!とか騒ぐのは良くないと思っています。

 割と静かに喋れるのが、心地いいと思っています。

 そして、その時にこんな会話がありました。



「でさー、最後の夏なわけじゃん?何かないのー?」

「私は勉強よ。良い大学入って、良い男をつかまえるわ」

「マジかー、アタシは行きたいけど頭よくないしなー。2人は学年トップテンに入るくらいだし、今年の夏は勉強か」

「そうね。綾なんか、苦手だった国語が上がって学年で2位よ?もう、敵わないわ」

「そんなことないよ。愛子だって、今からでも間に合うし。加奈だって、5位だけど点差は大してないよ」

「くぅー、相変わらず良いこと言うな」

「そう……まあ、そうね」




 とまあ、そんな会話があったのです。

 私はその時に、思ったのです。

 あれ?冬馬君と付き合ったことは言っても良いの?と。

 私は、皆に自慢したいんだけど……こんなカッコいいんだよ!って。

 でも、冬馬君は目立ちたくはないはず……。
 自分でいうのもアレだけど、私と付き合ってることがバレたら迷惑なんじゃ……。
 いや、きっと優しい冬馬君は迷惑だなんて言わない。
 けど、今までの学校での生活は一変しちゃう……。

 ……どうしよう?
 聞いてみていいのかな?
 でも、聞いた時点で、冬馬君は気を遣いそう……。

 私は登下校一緒とかに憧れてたから、できれば皆に知らせたい。
 後、お弁当一緒に食べるとか……。

 嬉しいことに、冬馬君は私のこと大事だって言ってくれた。
 だから、頼めば平気だとは思う。
 でも、それに甘え過ぎるのは違う気もする……。

 だって冬馬君にだって、自分のしたいことがあるもん。
 ……うーん、とりあえず夏休みの間は秘密にしとこうかな?
 それで、夏休み終わる頃にどうするか決めよう。

 今は、この夏休みを楽しもう!

 だって明日は、いよいよ冬馬君の部屋にお邪魔するのです!

 は、初めての男の子の部屋……それも、大好きな人の……。

 今から、ドキドキしています。

 な、何かされちゃうのかな?

 べ、別に嫌じゃないけど、早いっていうか……。

 き、キスくらいなら……はぅ。

 でも、お父さんと妹さんもいるって言ってたし……。

 結局その日の夜、私は中々寝付くことができませんでした……。
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