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冬馬君は天秤が傾き……
冬馬君は風邪を引く、清水さんは訪問する
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さて、色々と自分の気持ちを確かめようとしたのだが……。
その矢先に、いきなり出鼻をくじかれた……。
まあ、端的に言うと風邪をひいてしまったのだ。
だが、これで休んだら、清水は自分のせいだと思ってしまうだろう……。
なので、起きて学校へ行こうかと思ったのだが……。
「ダメ!!寝てなきゃダメ!!」
「いや、しかしな……」
「ダメったらダメ!!グスッ……」
「泣くな……わかったよ」
この通り、麻里奈に止められてしまった。
麻里奈は、家族が体調悪いと情緒不安定になる。
おそらく、弱っていく母さんを思い出してしまうのだろう……。
そして、過度な心配をしてしまう。
まあ、人のことは言えないか……。
俺も母さんのこともあり、自覚はないが人を遠ざけていたのかもしれないし。
「ホント?……なら、可愛い妹を泣かせたことを許します!」
「はいはい、俺も親父にどやされたくないんでね」
「よんだか?」
「あ、お父さんおはよー」
「親父、おはよう」
「どうだ、冬馬?俺半休とろうか?」
親父も心配そうな表情だ。
「いや、大丈夫だよ。ありがとう。そこまでじゃないし」
多少無理すれば、学校には行ける程度だしな。
まあ、でも他の人にうつしたら迷惑か……。
仕方ないが、休むことにしよう。
「……そうか。ただ何かあれば、すぐに連絡しろ。父さんは、お前の方が大事だ」
「親父……」
「……うむ、息子に言うのは照れ臭いな。では、行ってくる!」
「行ってらっしゃーい!」
「行ってらっしゃい」
「じゃあ、お兄。お粥持ってくるね!」
「ああ、ありがとな」
その後お粥を食べ、薬を飲む。
清水の奴……気にしてないといいんだが……。
いや、あいつなら気にするな……それは避けられない。
メールをしたら、かえって気にするか……。
よし、ここは黙っておこう。
で、もし連絡来たら返事をしよう。
そう決めて、俺は眠りにつく……。
▽▽▽▽▽
~清水綾視点~
私は翌朝、ウキウキしながら学校へ向かった。
だって、今日からは話しかけていいんだもん!
でも、心配事が……。
一応、昨日友達からラインきて返事はしたけど……。
へー、そうなんだ。吉野、男前じゃん!と言われました。
……少し、モヤモヤしました。
私は皆の様子を確認するために、わざとチャイムギリギリに教室の中に入る。
そして、同時にチャイムが鳴る。
……あれ?吉野君、いない……。
とりあえず席に着くと、すぐに名倉先生がくる。
「えー、おはよう。今日は、吉野と望月が休みだ。皆も気をつけろよ」
え!?吉野君、休みなの!?
……まさか、私に傘かしたから……?
いや、でもカッパあるって……。
いつの間か、先生の話は終わっていた。
すると、愛子が話しかけてくる。
「昨日は災難だっだねー。弟は平気だったの?」」
「うん、平気だった。昨日は誘い断ってごめんね。でも吉野君が……」
「まあ、関係ないんじゃない?望月も休んでいるし、最近多いし」
「うーん、そうなのかな?」
確かに、特に連絡もないし……。
その後は授業を受け、昼休みになりました。
私は授業に全然集中できませんでした……。
お見舞い行ったら迷惑かな?とか。
私のせいかな?とか。
すると、名倉先生に呼び出されました。
「清水、これをやる」
なんだろ?紙に何か書いてある……住所?
「それ、冬馬……いや、吉野の住所だ」
「え!?……教えていいんですか?」
「お前なら問題ない。学級委員だからな。プリントを渡し、ノートを貸してやれ」
「あっ、そうですね」
「で、頼めるか?」
「はい!もちろん!」
「ククク……良い返事だ。あいつは面倒な奴だが、よろしく頼むな」
「え?それってどういう……?」
「それは、本人に聞いてくれると助かる。ではな」
そして放課後を迎え、私は皆に断りを入れ、学校を出ました。
自分でも、よくわからない状態です。
心配だし、嬉しいし、緊張するし……。
そういった感情が渦巻いてるみたい……。
自然と早足になり、電車もまだかな?とか思ってしまう。
駅に着き、スーパーで買い物を済ませました。
その後バス停を探したら、丁度来ていたので乗り込みます。
「えっと、このバスに乗って……」
バスを降り、歩き出します。
「次は、この道を……こっちかな?」
すると、吉野という表札を見つけました。
「こ、ここかな?合ってるよね?ピンポン押す……いや、起こしちゃ悪いよね……」
私がどうしようかとウロウロしていると、声をかけられました。
「あのー……我が家に何かご用ですか?」
いけない!私、完全に不審者!
「ご、ごめんなさい!……我が家?もしかして、吉野君の妹さんですか?」
「え?は、はい。そうですけど……」
「申し遅れました。私、吉野君と同じクラスの清水綾といいます。今日は、学校を休んだ吉野君にプリントを渡しに来ました」
「あ、そうなんですね。わざわざ、ありがとうございます。お兄、呼びましょうか?」
「ううん、具合悪くしちゃ悪いし。それに、寝てたら悪いから……」
それは……欲をいえば会いたいけど……。
「なるほど……妹審査の結果は合格です!」
「え?え?」
「さあ、行きましょう!」
「えっと……入っていいってことかな?」
私は彼女についていき、いよいよ家の中に入ります。
ドキドキ……吉野君の家……!
そして、玄関のドアを開いた瞬間……。
「キャー!!」
「はい?はあ!?清水!?なんで!?」
「お兄!?なにやってんの!?」
「何ってお前……汗かいたからシャワー浴びたんだよ。具合も良くなったしな」
ど、ど、ど、どうしよう!?
よ、吉野君は……お風呂上がりです!!
下はスウェットを着ていますが、上半身は裸なのです!!
タオルを首にかけてはいるけど……凄い……!
腹筋がシックスパックだ……!
無駄な脂肪もなく、細マッチョとゴリマッチョの中間くらいの体型……!
髪もオールバックでカッコイイ……!
なんか、鼻血出そう……!
「こ、こ、こ、こ………」
「なんのこっちゃ……ニワトリか」
「いいから!お兄は着替えて!そして、髪乾かすの!もう!」
「はいはい、なんで俺が叱られているんだ?」
……なんとか落ち着きました。
とりあえず傘を返した私は、リビングでお茶をいただいています。
「ごめんなさい、お兄が失礼しました」
「ううん、いきなり来た私が悪いと思う」
「うーん……美人で性格も良い……あ!申し遅れました。私はお兄の妹で、麻里奈といいます」
「うん、知ってるよ。吉野君、大事な妹がいるって」
「そ、そうですか……お兄が……」
ふふ、照れてて可愛いなぁ。
「おい、余計なこと言うな」
「あ、吉野君。こんにちは、お邪魔してます」
良かった……顔色も良いし、具合悪くなさそう。
「おう、いらっしゃい……で、なんでこうなった?」
「まあまあ、お兄。まずは、大事な妹の隣に座るといいと思う!」
「お前なぁ……ハァ、わかったよ」
私は吉野君に事情を説明しました。
「なるほど……真司さんの仕業か……あんにゃろう……」
「えっと、知り合いなのかな?」
「うーん……まあ、真司さんが話していいって言ったならいいか」
「お兄!私も気になります!それって、お兄がグレた時世話になった人だよね!?」
「グレたってお前……」
「だって家にも帰ってこないし、帰ってきてもイライラしてるし……」
「……あの時は、悪かったな。ごめんな」
「えっと、私は聞いても良いのかな……?」
「ああ、良いよ。まあ、大した話じゃないさ。とあるところに、ただのクソガキがいたってだけの話だ」
そして吉野君は、遠くを見るような目でポツポツと語り始めました……。
その矢先に、いきなり出鼻をくじかれた……。
まあ、端的に言うと風邪をひいてしまったのだ。
だが、これで休んだら、清水は自分のせいだと思ってしまうだろう……。
なので、起きて学校へ行こうかと思ったのだが……。
「ダメ!!寝てなきゃダメ!!」
「いや、しかしな……」
「ダメったらダメ!!グスッ……」
「泣くな……わかったよ」
この通り、麻里奈に止められてしまった。
麻里奈は、家族が体調悪いと情緒不安定になる。
おそらく、弱っていく母さんを思い出してしまうのだろう……。
そして、過度な心配をしてしまう。
まあ、人のことは言えないか……。
俺も母さんのこともあり、自覚はないが人を遠ざけていたのかもしれないし。
「ホント?……なら、可愛い妹を泣かせたことを許します!」
「はいはい、俺も親父にどやされたくないんでね」
「よんだか?」
「あ、お父さんおはよー」
「親父、おはよう」
「どうだ、冬馬?俺半休とろうか?」
親父も心配そうな表情だ。
「いや、大丈夫だよ。ありがとう。そこまでじゃないし」
多少無理すれば、学校には行ける程度だしな。
まあ、でも他の人にうつしたら迷惑か……。
仕方ないが、休むことにしよう。
「……そうか。ただ何かあれば、すぐに連絡しろ。父さんは、お前の方が大事だ」
「親父……」
「……うむ、息子に言うのは照れ臭いな。では、行ってくる!」
「行ってらっしゃーい!」
「行ってらっしゃい」
「じゃあ、お兄。お粥持ってくるね!」
「ああ、ありがとな」
その後お粥を食べ、薬を飲む。
清水の奴……気にしてないといいんだが……。
いや、あいつなら気にするな……それは避けられない。
メールをしたら、かえって気にするか……。
よし、ここは黙っておこう。
で、もし連絡来たら返事をしよう。
そう決めて、俺は眠りにつく……。
▽▽▽▽▽
~清水綾視点~
私は翌朝、ウキウキしながら学校へ向かった。
だって、今日からは話しかけていいんだもん!
でも、心配事が……。
一応、昨日友達からラインきて返事はしたけど……。
へー、そうなんだ。吉野、男前じゃん!と言われました。
……少し、モヤモヤしました。
私は皆の様子を確認するために、わざとチャイムギリギリに教室の中に入る。
そして、同時にチャイムが鳴る。
……あれ?吉野君、いない……。
とりあえず席に着くと、すぐに名倉先生がくる。
「えー、おはよう。今日は、吉野と望月が休みだ。皆も気をつけろよ」
え!?吉野君、休みなの!?
……まさか、私に傘かしたから……?
いや、でもカッパあるって……。
いつの間か、先生の話は終わっていた。
すると、愛子が話しかけてくる。
「昨日は災難だっだねー。弟は平気だったの?」」
「うん、平気だった。昨日は誘い断ってごめんね。でも吉野君が……」
「まあ、関係ないんじゃない?望月も休んでいるし、最近多いし」
「うーん、そうなのかな?」
確かに、特に連絡もないし……。
その後は授業を受け、昼休みになりました。
私は授業に全然集中できませんでした……。
お見舞い行ったら迷惑かな?とか。
私のせいかな?とか。
すると、名倉先生に呼び出されました。
「清水、これをやる」
なんだろ?紙に何か書いてある……住所?
「それ、冬馬……いや、吉野の住所だ」
「え!?……教えていいんですか?」
「お前なら問題ない。学級委員だからな。プリントを渡し、ノートを貸してやれ」
「あっ、そうですね」
「で、頼めるか?」
「はい!もちろん!」
「ククク……良い返事だ。あいつは面倒な奴だが、よろしく頼むな」
「え?それってどういう……?」
「それは、本人に聞いてくれると助かる。ではな」
そして放課後を迎え、私は皆に断りを入れ、学校を出ました。
自分でも、よくわからない状態です。
心配だし、嬉しいし、緊張するし……。
そういった感情が渦巻いてるみたい……。
自然と早足になり、電車もまだかな?とか思ってしまう。
駅に着き、スーパーで買い物を済ませました。
その後バス停を探したら、丁度来ていたので乗り込みます。
「えっと、このバスに乗って……」
バスを降り、歩き出します。
「次は、この道を……こっちかな?」
すると、吉野という表札を見つけました。
「こ、ここかな?合ってるよね?ピンポン押す……いや、起こしちゃ悪いよね……」
私がどうしようかとウロウロしていると、声をかけられました。
「あのー……我が家に何かご用ですか?」
いけない!私、完全に不審者!
「ご、ごめんなさい!……我が家?もしかして、吉野君の妹さんですか?」
「え?は、はい。そうですけど……」
「申し遅れました。私、吉野君と同じクラスの清水綾といいます。今日は、学校を休んだ吉野君にプリントを渡しに来ました」
「あ、そうなんですね。わざわざ、ありがとうございます。お兄、呼びましょうか?」
「ううん、具合悪くしちゃ悪いし。それに、寝てたら悪いから……」
それは……欲をいえば会いたいけど……。
「なるほど……妹審査の結果は合格です!」
「え?え?」
「さあ、行きましょう!」
「えっと……入っていいってことかな?」
私は彼女についていき、いよいよ家の中に入ります。
ドキドキ……吉野君の家……!
そして、玄関のドアを開いた瞬間……。
「キャー!!」
「はい?はあ!?清水!?なんで!?」
「お兄!?なにやってんの!?」
「何ってお前……汗かいたからシャワー浴びたんだよ。具合も良くなったしな」
ど、ど、ど、どうしよう!?
よ、吉野君は……お風呂上がりです!!
下はスウェットを着ていますが、上半身は裸なのです!!
タオルを首にかけてはいるけど……凄い……!
腹筋がシックスパックだ……!
無駄な脂肪もなく、細マッチョとゴリマッチョの中間くらいの体型……!
髪もオールバックでカッコイイ……!
なんか、鼻血出そう……!
「こ、こ、こ、こ………」
「なんのこっちゃ……ニワトリか」
「いいから!お兄は着替えて!そして、髪乾かすの!もう!」
「はいはい、なんで俺が叱られているんだ?」
……なんとか落ち着きました。
とりあえず傘を返した私は、リビングでお茶をいただいています。
「ごめんなさい、お兄が失礼しました」
「ううん、いきなり来た私が悪いと思う」
「うーん……美人で性格も良い……あ!申し遅れました。私はお兄の妹で、麻里奈といいます」
「うん、知ってるよ。吉野君、大事な妹がいるって」
「そ、そうですか……お兄が……」
ふふ、照れてて可愛いなぁ。
「おい、余計なこと言うな」
「あ、吉野君。こんにちは、お邪魔してます」
良かった……顔色も良いし、具合悪くなさそう。
「おう、いらっしゃい……で、なんでこうなった?」
「まあまあ、お兄。まずは、大事な妹の隣に座るといいと思う!」
「お前なぁ……ハァ、わかったよ」
私は吉野君に事情を説明しました。
「なるほど……真司さんの仕業か……あんにゃろう……」
「えっと、知り合いなのかな?」
「うーん……まあ、真司さんが話していいって言ったならいいか」
「お兄!私も気になります!それって、お兄がグレた時世話になった人だよね!?」
「グレたってお前……」
「だって家にも帰ってこないし、帰ってきてもイライラしてるし……」
「……あの時は、悪かったな。ごめんな」
「えっと、私は聞いても良いのかな……?」
「ああ、良いよ。まあ、大した話じゃないさ。とあるところに、ただのクソガキがいたってだけの話だ」
そして吉野君は、遠くを見るような目でポツポツと語り始めました……。
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