7 / 185
冬馬君は静かに過ごしたい
冬馬君の事情
しおりを挟む
朝、目が覚めた時、俺は涙を流していた……。
理由はわかっている……。
亡くなる直前の、母さんの夢を見たからだ……。
俺は幼い頃は、所謂オタクと呼ばれるタイプというわけではなかった。
小さい頃の俺は、どちらかというと活発な少年で、クラスの中心にいるタイプだった。
見た目は普通だったが、運動神経も良く、腕っ節も強かった。
たまにウザいが、家族のために働く、家族思いの父さん。
いつも穏やかで、笑顔で俺達を包む、家族思いの母さん。
いつも元気で、家族を幸せにしてくれる、可愛い妹の麻里奈。
母さんは生まれつき身体が弱く、あまり旅行に行ったり、出かけたりは出来なかった。
更に、日々の生活のお手伝いをしなくてはいけなかった。
それでも、俺達は幸せ家族だった。
だが、一度その幸せは壊れかけた。
母さんが、死んでしまったからだ。
俺が12歳、妹が9歳だった。
生まれつき身体が弱く、長く生きられない身体だったそうだ。
衰弱していく母さんは、それでも笑っていた。
俺は聞いた……なんで、笑っていられる!?と。
母さんは言った……幸せだからよと。
もちろん死にたくないけど、お父さんと出会って、貴方達と過ごして、本当に幸せな日々だったわ、ありがとうと。
三人で泣いた……泣いて泣いて泣いて、涙が枯れるまで……。
その後、1人ずつ話がしたいと言ったので、その通りにした。
ちなみに、俺らはそれぞれの内容は、未だに知らない。
まあ、言う必要がないということもある。
だって、なんとなくはわかっているだろうし。
ただ、それぞれ母さんとの最後の思い出を、心にしまっておいているのかもしれない。
俺は母さんに、こう言われた。
「冬馬、泣かないで……」
「……わかった、泣かない……!」
「冬馬は、強い子ね。貴方が生まれた時、嬉しかったわ。子供を産めるとは思っていなかったから……。それに、貴方は元気で、家族に優しい子に育ってくれたわ。でも、お母さんはその優しさを他の人にも向けて欲しいな。だから冬馬……もし困っている人がいたら、できるだけ助けてあげてね?面倒くさがりな貴方に、母として命じます!……なんてね」
「母さん……俺のこと、よくわかってるね。わかったよ、出来る限り約束するよ」
「ふふ、ごめんなさいね。貴方には、その力があると思うから……。後、お父さんと麻里奈のことお願いしても良いかしら?」
「ああ、もちろん。俺は長男だからね」
「ふふ、素敵な息子を持って、私は幸せ者ね……」
こうして、俺と母さんの2人きりの会話は終わった。
俺はその後、母さんの約束を破ってしまうのだが、長くなるので今度にしよう。
さて、今日から学校だ。
俺が通う学校は、公立高校だ。
県内でも偏差値が高いが、校則は緩いので、人気がある学校だ。
俺の家からも30~40分で行けるので、そこを受験した。
理由は色々あるが、大きな理由はこれらかな。
倍率が高いので、同じ中学の知り合いが少なくなるということ。
校則が緩いので、スマホ持ち込みありだし、バイトもできるということ。
家からも近いので、行き帰りの時間が短く、自分の時間を確保できること。
だが、ひとつだけ困っていることがある。
俺は数少ない中学の連中には、口止めをしている。
俺のことを話したら、タダじゃすまんからなと。
ただ、1人だけそれを無視する奴がいる。
そいつの名前は、神崎暁人《かんざきあきと》。
アダ名は、アッキーとか言われてるな。
そいつは、イケメンで頭も良く、運動神経や性格まで良いという、なんというか物語の主人公のような存在だ。
当然、校内のカーストトップの1人だ。
そいつは、地味に暮らしたい俺に絡んでくる。
中学の時つるんではいたから、あっちからしたらなんで?ってなるのはわかる。
だから、俺も強くは言えない。
……言えないのだが、それとこれとは話が別である。
俺は今、朝の通勤時間の読書を邪魔されているからだ。
「なあ、冬馬。聞いてるか?」
「いや、聞いてない。というか、お前なんか知らない。人違いじゃないですか?」
「おいおい、酷いじゃないか。親友だろ?俺達」
「俺には、カーストトップの親友はいない。俺は、地味な生徒B君だからな」
「ははは!お前が地味とかウケるな!まあ、そういうお前も良いけどな」
「アキ?俺は今、お前をどうしたいと思っているか、わかるか?」
「おお、怖い。わかったよ、この辺にしとくさ。じゃあ、またな」
そう言って、女子の集団に囲まれに行った。
はぁ……悪い奴ではないからな……対処の仕方に悩むとこだ。
実際に仲は良いしな。
持ちつ持たれつという関係でもある。
そして降りる駅に着き、学校へ向かう。
ちなみに俺は、歩きスマホは絶対にしない。
いくらネット小説や、ネットゲームが好きでも、これだけは守っている。
他の人に迷惑だし、そんなので事故でもしたら、相手が可哀想だ。
学校までは歩いて10分ほどなので、あっという間に着いた。
いつも通り、誰にも挨拶されず、自分の席に着く。
ふふふ……挨拶をされなければ、返す必要はないからな。
これぞ、空気的存在だ。
俺は先生が来るまでの間、いつも通りにネット小説を開く。
ただでさえ、今日は邪魔が入ったからな……。
俺は電車の中やこの時間に、ランキングを見たり、新作を見つけたり、フォローをつけたりする。
さて、今日はどんな感じかな?と俺が思った時、教室が騒ついた。
校内のマドンナ的存在の、あの子が教室に入ったきたのだろう。
俺は、意識的に存在を消す努力をする。
絶!絶だ!某漫画のように念じるんだ!
気づかれるとは思わないが、念には念を入れてな……ギャグじゃないからな?
そして、そのまま無事に先生がきて、ホームルームが始まった。
良かった……バレてないな。
まあ、バレるわけもないのだが、やはり心配だったからな。
だが、これで一安心だ。
その後授業を受けて、昼休みの時間になった。
俺はいつも、決まった多目的教室に入り、ご飯を食べている。
もちろん、先生の許可はとってある。
そして、いざ移動しようとしたその時、教室が騒ついた。
俺がなんだ?と思い、そちらを見ると、真っ直ぐに清水綾がこっちに歩いてくる。
そして、俺の目の前に来て、口を開く。
「よ、吉野君!ちょっと話したいんだけど、いいかな……?」
校内のマドンナは、少し頬を染めながら、そう言った。
はぁ……俺は静かに過ごしたいのに……。
どうやら、そうは問屋がおろさないらしい。
理由はわかっている……。
亡くなる直前の、母さんの夢を見たからだ……。
俺は幼い頃は、所謂オタクと呼ばれるタイプというわけではなかった。
小さい頃の俺は、どちらかというと活発な少年で、クラスの中心にいるタイプだった。
見た目は普通だったが、運動神経も良く、腕っ節も強かった。
たまにウザいが、家族のために働く、家族思いの父さん。
いつも穏やかで、笑顔で俺達を包む、家族思いの母さん。
いつも元気で、家族を幸せにしてくれる、可愛い妹の麻里奈。
母さんは生まれつき身体が弱く、あまり旅行に行ったり、出かけたりは出来なかった。
更に、日々の生活のお手伝いをしなくてはいけなかった。
それでも、俺達は幸せ家族だった。
だが、一度その幸せは壊れかけた。
母さんが、死んでしまったからだ。
俺が12歳、妹が9歳だった。
生まれつき身体が弱く、長く生きられない身体だったそうだ。
衰弱していく母さんは、それでも笑っていた。
俺は聞いた……なんで、笑っていられる!?と。
母さんは言った……幸せだからよと。
もちろん死にたくないけど、お父さんと出会って、貴方達と過ごして、本当に幸せな日々だったわ、ありがとうと。
三人で泣いた……泣いて泣いて泣いて、涙が枯れるまで……。
その後、1人ずつ話がしたいと言ったので、その通りにした。
ちなみに、俺らはそれぞれの内容は、未だに知らない。
まあ、言う必要がないということもある。
だって、なんとなくはわかっているだろうし。
ただ、それぞれ母さんとの最後の思い出を、心にしまっておいているのかもしれない。
俺は母さんに、こう言われた。
「冬馬、泣かないで……」
「……わかった、泣かない……!」
「冬馬は、強い子ね。貴方が生まれた時、嬉しかったわ。子供を産めるとは思っていなかったから……。それに、貴方は元気で、家族に優しい子に育ってくれたわ。でも、お母さんはその優しさを他の人にも向けて欲しいな。だから冬馬……もし困っている人がいたら、できるだけ助けてあげてね?面倒くさがりな貴方に、母として命じます!……なんてね」
「母さん……俺のこと、よくわかってるね。わかったよ、出来る限り約束するよ」
「ふふ、ごめんなさいね。貴方には、その力があると思うから……。後、お父さんと麻里奈のことお願いしても良いかしら?」
「ああ、もちろん。俺は長男だからね」
「ふふ、素敵な息子を持って、私は幸せ者ね……」
こうして、俺と母さんの2人きりの会話は終わった。
俺はその後、母さんの約束を破ってしまうのだが、長くなるので今度にしよう。
さて、今日から学校だ。
俺が通う学校は、公立高校だ。
県内でも偏差値が高いが、校則は緩いので、人気がある学校だ。
俺の家からも30~40分で行けるので、そこを受験した。
理由は色々あるが、大きな理由はこれらかな。
倍率が高いので、同じ中学の知り合いが少なくなるということ。
校則が緩いので、スマホ持ち込みありだし、バイトもできるということ。
家からも近いので、行き帰りの時間が短く、自分の時間を確保できること。
だが、ひとつだけ困っていることがある。
俺は数少ない中学の連中には、口止めをしている。
俺のことを話したら、タダじゃすまんからなと。
ただ、1人だけそれを無視する奴がいる。
そいつの名前は、神崎暁人《かんざきあきと》。
アダ名は、アッキーとか言われてるな。
そいつは、イケメンで頭も良く、運動神経や性格まで良いという、なんというか物語の主人公のような存在だ。
当然、校内のカーストトップの1人だ。
そいつは、地味に暮らしたい俺に絡んでくる。
中学の時つるんではいたから、あっちからしたらなんで?ってなるのはわかる。
だから、俺も強くは言えない。
……言えないのだが、それとこれとは話が別である。
俺は今、朝の通勤時間の読書を邪魔されているからだ。
「なあ、冬馬。聞いてるか?」
「いや、聞いてない。というか、お前なんか知らない。人違いじゃないですか?」
「おいおい、酷いじゃないか。親友だろ?俺達」
「俺には、カーストトップの親友はいない。俺は、地味な生徒B君だからな」
「ははは!お前が地味とかウケるな!まあ、そういうお前も良いけどな」
「アキ?俺は今、お前をどうしたいと思っているか、わかるか?」
「おお、怖い。わかったよ、この辺にしとくさ。じゃあ、またな」
そう言って、女子の集団に囲まれに行った。
はぁ……悪い奴ではないからな……対処の仕方に悩むとこだ。
実際に仲は良いしな。
持ちつ持たれつという関係でもある。
そして降りる駅に着き、学校へ向かう。
ちなみに俺は、歩きスマホは絶対にしない。
いくらネット小説や、ネットゲームが好きでも、これだけは守っている。
他の人に迷惑だし、そんなので事故でもしたら、相手が可哀想だ。
学校までは歩いて10分ほどなので、あっという間に着いた。
いつも通り、誰にも挨拶されず、自分の席に着く。
ふふふ……挨拶をされなければ、返す必要はないからな。
これぞ、空気的存在だ。
俺は先生が来るまでの間、いつも通りにネット小説を開く。
ただでさえ、今日は邪魔が入ったからな……。
俺は電車の中やこの時間に、ランキングを見たり、新作を見つけたり、フォローをつけたりする。
さて、今日はどんな感じかな?と俺が思った時、教室が騒ついた。
校内のマドンナ的存在の、あの子が教室に入ったきたのだろう。
俺は、意識的に存在を消す努力をする。
絶!絶だ!某漫画のように念じるんだ!
気づかれるとは思わないが、念には念を入れてな……ギャグじゃないからな?
そして、そのまま無事に先生がきて、ホームルームが始まった。
良かった……バレてないな。
まあ、バレるわけもないのだが、やはり心配だったからな。
だが、これで一安心だ。
その後授業を受けて、昼休みの時間になった。
俺はいつも、決まった多目的教室に入り、ご飯を食べている。
もちろん、先生の許可はとってある。
そして、いざ移動しようとしたその時、教室が騒ついた。
俺がなんだ?と思い、そちらを見ると、真っ直ぐに清水綾がこっちに歩いてくる。
そして、俺の目の前に来て、口を開く。
「よ、吉野君!ちょっと話したいんだけど、いいかな……?」
校内のマドンナは、少し頬を染めながら、そう言った。
はぁ……俺は静かに過ごしたいのに……。
どうやら、そうは問屋がおろさないらしい。
1
お気に入りに追加
192
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
コミュ障な幼馴染が俺にだけ饒舌な件〜クラスでは孤立している彼女が、二人きりの時だけ俺を愛称で呼んでくる〜
青野そら
青春
友達はいるが、パッとしないモブのような主人公、幸田 多久(こうだ たく)。
彼には美少女の幼馴染がいる。
それはクラスで常にぼっちな橘 理代(たちばな りよ)だ。
学校で話しかけられるとまともに返せない理代だが、多久と二人きりの時だけは素の姿を見せてくれて──。
これは、コミュ障な幼馴染を救う物語。
毎日更新します。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる