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英雄爆誕
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まずは、牢屋に繋がれていた者達の元に向かう。
人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族と様々な種族がいる。
普通なら揃うことなど有り得ないが、流石は大陸中央にある場所か。
「フハハッ! 待たせたな!」
「あ、あの? 貴方は……」
「我が名はアルス! あのクソ貴族……いや、山賊達は始末した!これで、お前達を縛るものはない!何処へでも自由にいくが良い!」
「わ、我々を救ってくれるのですか? 新しく頭が変わるだけじゃなく……」
「俺は救ってなどいない、ただ気に食わない相手を消しただけに過ぎん。そして俺にはそんな趣味はない。ほら、鎖を外してやるから何処へでも行け」
そして、ユキノで鎖を外していくと……鎖に繋がれていた者達が俺の脚にしがみつく!
「あ、ありがとうございますぅぅ!」
「ウォォォ!! 感謝いたします!」
「ァァァァ! 自由だァァァァ!」
「わ、わかったから落ち着け!」
しかし、こいつらの気持ちも少しはわかる。
俺もある意味で、この世界の奴隷だった。
生まれた頃から役割が決まっていて、自分の意思など存在しない。
こいつらも俺も、これからは自分の意思で生きていける。
その結果がどうであろうと、自分の意思なら仕方ないと諦めはつく。
「しかし、これからどうしたら……」
「そもそも、我々は故郷を追われて……」
「帰る場所もありません……それに、もう足がない」
「これでは、まともに働くことも……」
さっきとは打って変わり、暗い雰囲気になる。
確かに四肢を失っている者もいて、これでは日常生活に支障が出るだろう。
それに、俺と同じで帰る場所もない。
「ご主人様」
「ん? どうした?」
「あれを試したらどうです? 草木を再生させた蒼炎ですよー。それに、フーコを癒しましたし」
「なに? しかし足を生やすとなると……試してみる価値はあるか」
俺は片足を失っている狼系獣人の男に近づく。
そして、その患部に手を当て……。
「な、なにをする?」
「平気だ、じっとしてろ——蒼炎よ、この者の傷を再生したまえ」
自然と言葉が出てきて、蒼炎が患部に触れ光を放つ!
そして、光が収まった時……足が再生していた。
「お、俺の足が……」
「よし、成功だな。どうやら、これは再生の力——うおっ!?」
「感謝する! いや! 感謝いたします!」
「あいたたっ!? わかったから抱きしめるな!」
「ウォォォォォォ!!」
「ダァァァァァ! 話を聞けっての!」
その後なんとか離れた男が、今度は土下座の姿勢をとる。
「申し訳ありません!」
「いや、いい。さあ、次々やっていくぞ」
俺は四肢を失った者達を次々と再生させていく。
基本的に男ばかりなので、特に問題なく終わる。
女性の方は酷いことになっていないので、患部に触れずに蒼炎で癒した。
……基本的に、女性は苦手なのだ。
「ふぅ、こんなものか」
「「「アルス様! ありがとうございました!」」」
「ええい! だから土下座をするな!」
「「「はっ!」」」
癒した者たちが、同じ姿勢で敬礼をする。
この慣れた感じは、元戦闘員だったのだろう。
追放されてからか、追放される前に四肢を失ったかはわからないが。
「さあ、これでいいだろう。とっとと、好きなところに行くがいい」
「アルス様はどうなさるので?」
「俺はこの地を拠点とするつもりだ」
幸い、人が住んでいただけあって設備は充実している。
これなら、すぐにでも生活を始められるはず。
ここからが、俺のスローライフの始まりだ。
「おおっ! やはりっ!」
「聞いたか! 皆の者!」
「アルス様が新しい領主となってくれるそうだっ!」
「ならば、我々もこのままアルス様のお手伝いをしようではないか!」
「はい? ……いや」
「「「ウォォォォォォ!」」」
俺の声は、彼らの歓声にかき消された。
俺は一言も、そんなことは言っていないのだが?
「アルス様万歳!」
「我々を導いてください!」
「このご恩をお返ししたいです!」
「だから待てって……聞いちゃいねえ」
「ご主人様、ここは私に任せてください」
「ユキノ……すまん、こいつらに言ってやってくれ」
俺はただ、この地でのんびり過ごしたいのだと。
いい加減、殺伐とした生活とはおさらばしたいと。
「みなさん! 静粛に! 私はヴァンパイア族であるユキノ! このアルス様に使える忍びである!」
「そういえば、何故ヴァンパイア族が?」
「最強の亜人と言われ、誰にも従うことがないと言われた種族なのに。少数精鋭で、滅多に人前に現れることはない」
「いや、確か……そのかわりに、主人と認めた方には忠誠を誓うとか。そして、その方の覇道を叶えると」
「やはり、それほどの人物……! 」
……待て待て、そんな設定は知らないのだが?
最強のキャラの一人ってことしか知らないのだが?
「ここにいるお方は、この地を救いに来ましたっ! ここを拠点とし、この地を治めるのです! みなさんも、協力してください!」
「お、おい!?」
「「「ゥゥゥ……ォォォォォ!!!」」」
「やはり!」
「そうだったのですね!」
「協力いたします!」
……どうしてこうなったァァァァ!?
人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族と様々な種族がいる。
普通なら揃うことなど有り得ないが、流石は大陸中央にある場所か。
「フハハッ! 待たせたな!」
「あ、あの? 貴方は……」
「我が名はアルス! あのクソ貴族……いや、山賊達は始末した!これで、お前達を縛るものはない!何処へでも自由にいくが良い!」
「わ、我々を救ってくれるのですか? 新しく頭が変わるだけじゃなく……」
「俺は救ってなどいない、ただ気に食わない相手を消しただけに過ぎん。そして俺にはそんな趣味はない。ほら、鎖を外してやるから何処へでも行け」
そして、ユキノで鎖を外していくと……鎖に繋がれていた者達が俺の脚にしがみつく!
「あ、ありがとうございますぅぅ!」
「ウォォォ!! 感謝いたします!」
「ァァァァ! 自由だァァァァ!」
「わ、わかったから落ち着け!」
しかし、こいつらの気持ちも少しはわかる。
俺もある意味で、この世界の奴隷だった。
生まれた頃から役割が決まっていて、自分の意思など存在しない。
こいつらも俺も、これからは自分の意思で生きていける。
その結果がどうであろうと、自分の意思なら仕方ないと諦めはつく。
「しかし、これからどうしたら……」
「そもそも、我々は故郷を追われて……」
「帰る場所もありません……それに、もう足がない」
「これでは、まともに働くことも……」
さっきとは打って変わり、暗い雰囲気になる。
確かに四肢を失っている者もいて、これでは日常生活に支障が出るだろう。
それに、俺と同じで帰る場所もない。
「ご主人様」
「ん? どうした?」
「あれを試したらどうです? 草木を再生させた蒼炎ですよー。それに、フーコを癒しましたし」
「なに? しかし足を生やすとなると……試してみる価値はあるか」
俺は片足を失っている狼系獣人の男に近づく。
そして、その患部に手を当て……。
「な、なにをする?」
「平気だ、じっとしてろ——蒼炎よ、この者の傷を再生したまえ」
自然と言葉が出てきて、蒼炎が患部に触れ光を放つ!
そして、光が収まった時……足が再生していた。
「お、俺の足が……」
「よし、成功だな。どうやら、これは再生の力——うおっ!?」
「感謝する! いや! 感謝いたします!」
「あいたたっ!? わかったから抱きしめるな!」
「ウォォォォォォ!!」
「ダァァァァァ! 話を聞けっての!」
その後なんとか離れた男が、今度は土下座の姿勢をとる。
「申し訳ありません!」
「いや、いい。さあ、次々やっていくぞ」
俺は四肢を失った者達を次々と再生させていく。
基本的に男ばかりなので、特に問題なく終わる。
女性の方は酷いことになっていないので、患部に触れずに蒼炎で癒した。
……基本的に、女性は苦手なのだ。
「ふぅ、こんなものか」
「「「アルス様! ありがとうございました!」」」
「ええい! だから土下座をするな!」
「「「はっ!」」」
癒した者たちが、同じ姿勢で敬礼をする。
この慣れた感じは、元戦闘員だったのだろう。
追放されてからか、追放される前に四肢を失ったかはわからないが。
「さあ、これでいいだろう。とっとと、好きなところに行くがいい」
「アルス様はどうなさるので?」
「俺はこの地を拠点とするつもりだ」
幸い、人が住んでいただけあって設備は充実している。
これなら、すぐにでも生活を始められるはず。
ここからが、俺のスローライフの始まりだ。
「おおっ! やはりっ!」
「聞いたか! 皆の者!」
「アルス様が新しい領主となってくれるそうだっ!」
「ならば、我々もこのままアルス様のお手伝いをしようではないか!」
「はい? ……いや」
「「「ウォォォォォォ!」」」
俺の声は、彼らの歓声にかき消された。
俺は一言も、そんなことは言っていないのだが?
「アルス様万歳!」
「我々を導いてください!」
「このご恩をお返ししたいです!」
「だから待てって……聞いちゃいねえ」
「ご主人様、ここは私に任せてください」
「ユキノ……すまん、こいつらに言ってやってくれ」
俺はただ、この地でのんびり過ごしたいのだと。
いい加減、殺伐とした生活とはおさらばしたいと。
「みなさん! 静粛に! 私はヴァンパイア族であるユキノ! このアルス様に使える忍びである!」
「そういえば、何故ヴァンパイア族が?」
「最強の亜人と言われ、誰にも従うことがないと言われた種族なのに。少数精鋭で、滅多に人前に現れることはない」
「いや、確か……そのかわりに、主人と認めた方には忠誠を誓うとか。そして、その方の覇道を叶えると」
「やはり、それほどの人物……! 」
……待て待て、そんな設定は知らないのだが?
最強のキャラの一人ってことしか知らないのだが?
「ここにいるお方は、この地を救いに来ましたっ! ここを拠点とし、この地を治めるのです! みなさんも、協力してください!」
「お、おい!?」
「「「ゥゥゥ……ォォォォォ!!!」」」
「やはり!」
「そうだったのですね!」
「協力いたします!」
……どうしてこうなったァァァァ!?
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