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料理人は人々と交流する
ダンジョンその二
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階段を下りると、同じような草原が広がっていた。
特にお宝もなく、ゴブリンをハクが倒していく。
階段もすぐに見つかったので降りていく。
「さて、地下二階ね。ここからは他の魔物も出るわ」
「ここも草原か」
「初心者用に、低層は草原が多いわね」
「そうなのか?」
「だって見渡しいいじゃない? だから奇襲も防げるし、さらに魔物も弱いし」
「なるほど、言われてみれば。ここからは、どんな魔物が?」
「確か、ハウンドドッグが出るわ」
「犬系の魔獣か……」
ハクと似たような種族ということか。
だが、敵となれば話は別だ。
情が湧かないように気をつけなくてはいけない。
「貴方に殺せる? 結構いるのよ、自分の相棒に近いと殺せないって人」
「いや、そこは割り切ってるから平気だ。そもそも、狩りをして生活してたし」
「そう? それなら、お手並み拝見」
そうして歩いていると現れた。
体長50センチほどの、ドーベルマンのような魔獣だ。
「ハク、まずは俺が戦う。相手の動きを見てなさい」
「ワフッ!」
俺は大剣を構えて距離を詰める。
その時、親父さんの言葉が頭をよぎる。
『お前の甘さが生き物を苦しませるのだ。出来るだけ一瞬で苦しまずに殺れ』
「ウォォォォ!!!!」
「グギャヒャン!!」
大剣を横薙ぎに払うと、魔獣がただの肉塊と化す。
気持ち悪さを感じながらも、続けて大剣を振るう。
「グギャン!!」
すぐに魔獣は全滅した。
若干キツイが、耐えられないほどじゃない。
これも、ステータスのおかげだろう。
「大丈夫そうね」
「まあ、どうにか。じゃあ、次はハクがやるか?」
「キャン!キャン!」
「やる気十分だな。よし、任せよう」
歩いていると、3匹のハウンドドッグが現れる。
「 油断するなよ? 囲まれないように、一匹ずつ確実に仕留めろ」
「グルァ!」
ハクは駆けだし、左端の1匹に狙いを定めた。
そのまますれ違いざまに、右爪を顔に引っ掛けて走り抜ける。
ハウンドドッグは左半身を削られ絶命した。
「ガルルッ!」
ハクが振り返ると、二匹が迫ってきていた。
その瞬間、ハクが氷のブレスを吐く。
賢いことに、足元に向かって……当然、二匹は滑って転倒した。
その隙に喉元に食らいつき、二匹を絶命させる。
「アオーン!」
「よしよし、上手いぞ。それに、あの戦法は賢かったな」
「キャン!」
「褒められて嬉しそうね。やっぱり賢いのね、あの場面で的確な判断をしたし。これは鍛えれば相当強くなるわ」
「クゥン?」
「良かったなハク、強くなるってさ」
「キャン!」
ハウンドドッグは食用じゃないし、素材もほとんど売れないらしい。
なので、そのまま放置しておく。
しばらく歩くと、不自然な扉を発見した。
まるでどこでもド○のように、扉だけがぽつんと立っていた。
「あれが宝の部屋よ。何もないこともあるし、魔物がいる場合もあるわ。一応、開ける時は慎重にね」
「わかった。とりあえず、開けてみるか」
意を決して扉を開けてみると、六畳くらいの部屋がある。
そこには宝箱が置いてあった。
「この階層なら罠はないから安心して良いわ」
「では、開いてみよう」
その中には巻物が置いてあった。
開いてみると、ヒールという文字が書いてある。
「それはスクロールと言われるもので、魔法が込められているわ。ダンジョンでしか手に入らないもので、ヒールには疲れや傷を癒す効果があるわ。ただ低いランクだから、大した効果はないけれど」
「なるほど……つまり売ることも?」
「ええ、そうよ。必要ないものは売ると良いわ。逆に、必要なスクロールを買ったり。魔法を使えないパーティーとかは、よく買ったりしてるわ。魔法しか効かない魔物や魔獣もいるし」
「うげっ……俺の天敵だな」
「そうね、地下五階以降から少しずつ出てくるわ。今回は私がいるし、ハクが魔法を使えるから平気だけど。あとは、魔法の武器を買うと良いかも」
「ふむふむ……ありがとうございます」
俺は先輩であるカルラの助言をメモしつつ、ダンジョン内を進んでいく。
特にお宝もなく、ゴブリンをハクが倒していく。
階段もすぐに見つかったので降りていく。
「さて、地下二階ね。ここからは他の魔物も出るわ」
「ここも草原か」
「初心者用に、低層は草原が多いわね」
「そうなのか?」
「だって見渡しいいじゃない? だから奇襲も防げるし、さらに魔物も弱いし」
「なるほど、言われてみれば。ここからは、どんな魔物が?」
「確か、ハウンドドッグが出るわ」
「犬系の魔獣か……」
ハクと似たような種族ということか。
だが、敵となれば話は別だ。
情が湧かないように気をつけなくてはいけない。
「貴方に殺せる? 結構いるのよ、自分の相棒に近いと殺せないって人」
「いや、そこは割り切ってるから平気だ。そもそも、狩りをして生活してたし」
「そう? それなら、お手並み拝見」
そうして歩いていると現れた。
体長50センチほどの、ドーベルマンのような魔獣だ。
「ハク、まずは俺が戦う。相手の動きを見てなさい」
「ワフッ!」
俺は大剣を構えて距離を詰める。
その時、親父さんの言葉が頭をよぎる。
『お前の甘さが生き物を苦しませるのだ。出来るだけ一瞬で苦しまずに殺れ』
「ウォォォォ!!!!」
「グギャヒャン!!」
大剣を横薙ぎに払うと、魔獣がただの肉塊と化す。
気持ち悪さを感じながらも、続けて大剣を振るう。
「グギャン!!」
すぐに魔獣は全滅した。
若干キツイが、耐えられないほどじゃない。
これも、ステータスのおかげだろう。
「大丈夫そうね」
「まあ、どうにか。じゃあ、次はハクがやるか?」
「キャン!キャン!」
「やる気十分だな。よし、任せよう」
歩いていると、3匹のハウンドドッグが現れる。
「 油断するなよ? 囲まれないように、一匹ずつ確実に仕留めろ」
「グルァ!」
ハクは駆けだし、左端の1匹に狙いを定めた。
そのまますれ違いざまに、右爪を顔に引っ掛けて走り抜ける。
ハウンドドッグは左半身を削られ絶命した。
「ガルルッ!」
ハクが振り返ると、二匹が迫ってきていた。
その瞬間、ハクが氷のブレスを吐く。
賢いことに、足元に向かって……当然、二匹は滑って転倒した。
その隙に喉元に食らいつき、二匹を絶命させる。
「アオーン!」
「よしよし、上手いぞ。それに、あの戦法は賢かったな」
「キャン!」
「褒められて嬉しそうね。やっぱり賢いのね、あの場面で的確な判断をしたし。これは鍛えれば相当強くなるわ」
「クゥン?」
「良かったなハク、強くなるってさ」
「キャン!」
ハウンドドッグは食用じゃないし、素材もほとんど売れないらしい。
なので、そのまま放置しておく。
しばらく歩くと、不自然な扉を発見した。
まるでどこでもド○のように、扉だけがぽつんと立っていた。
「あれが宝の部屋よ。何もないこともあるし、魔物がいる場合もあるわ。一応、開ける時は慎重にね」
「わかった。とりあえず、開けてみるか」
意を決して扉を開けてみると、六畳くらいの部屋がある。
そこには宝箱が置いてあった。
「この階層なら罠はないから安心して良いわ」
「では、開いてみよう」
その中には巻物が置いてあった。
開いてみると、ヒールという文字が書いてある。
「それはスクロールと言われるもので、魔法が込められているわ。ダンジョンでしか手に入らないもので、ヒールには疲れや傷を癒す効果があるわ。ただ低いランクだから、大した効果はないけれど」
「なるほど……つまり売ることも?」
「ええ、そうよ。必要ないものは売ると良いわ。逆に、必要なスクロールを買ったり。魔法を使えないパーティーとかは、よく買ったりしてるわ。魔法しか効かない魔物や魔獣もいるし」
「うげっ……俺の天敵だな」
「そうね、地下五階以降から少しずつ出てくるわ。今回は私がいるし、ハクが魔法を使えるから平気だけど。あとは、魔法の武器を買うと良いかも」
「ふむふむ……ありがとうございます」
俺は先輩であるカルラの助言をメモしつつ、ダンジョン内を進んでいく。
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