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校外学習15
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……ん? なんかふわふわする?
ふと気付き、身体を動かそうとすると……。
「っ~!?」
「だ、ダメですって! まだ動いちゃ!」
全身に痛みが走り、声にならない。
すると、再びふわふわしたものが俺のお腹辺りに置かれる。
目線だけ向けると、どうやらふわふわの正体は尻尾のようだ。
つまり、この声は……。
「メ、メルルか?」
「はいっ、そうです。ごめんなさい、僕の膝枕で」
「え、えっと……なんの話だ?」
「へっ? あっ、いや、その……セレナさんみたいに大人っぽくないから。それに太もも細いし」
……あぁ、そういう意味か。
うまく頭が働かないが、どうやらとんだ勘違いをしているらしい。
「バカを言っちゃいけない、女の子の太ももに貴賎などないっ。それだけで、素晴らしいものなのさ」
「ふぇ? ……えへへ、アレク君らしいです」
「それはそれでどうかと思うけど……んで、どうなったのかな? 多分、俺はチャクラの使いすぎで倒れたんだよね?」
ようやく、頭が回ってきた。
最後の一撃を入れた後から意識がないはず。
少しだけ首を動かすと、ここはどうやら俺達のテントの中らしい。
「はい、そうみたいです。もう、大変だったんですよ? みんな心配して……今は事後処理をしているところです。生徒さん達の治療だったり、説明だったり」
「……治療? 生徒達に被害が出たのか? まさか、砦に入り込まれた?」
「いえ、そうじゃないんです。僕たちに触発された生徒達が戦いに出たみたいで。もちろん、兵士さん達が戦えるレベル以外の人はやめさせたみたいですけど。それでも、上級生や優秀な生徒さんは砦を守るために戦ったと。幸い、犠牲者はいないです」
「……そっか、それなら良かった。まあ、今回はあれ程度で済んだから良い」
相手の多くが最下級であるゴブリンやオークだから、生徒達でも平気だった。
あのトロールでさえも、妖魔の中では中級程度だし……それでも危険度は高いけど。
ただ、上級妖魔は桁が違うと親父から聞いていた。
なので、今回は不幸中の幸いというやつだろう。
「僕もそう思います。里にいた頃は、もっと強い妖魔が出たりしましたから。それこそ、王である父が出ないといけないような」
「そうだろうね。あの辺りには、まだ妖魔は多いっていうし。さてと……膝は気持ちいいけど、そろそろ起きようかな」
「そ、それなら良かったですっ」
「ところで、今はどんな感じなの? そういや、俺はどれくらい気を失ってた?」
「もう一体のトロールは先生が倒して、先生も怪我はしたけど無事です。残りの妖魔はアレク君の戦いに奮起された兵士さん達が頑張ってくれました。えっと、今はご飯を食べ終わって片付けをしてる感じです。多分、二時間くらいかなぁ……」
その言葉を聞いたからわからないが、起き上がった瞬間に俺の腹が鳴る。
「とりあえず、みんな無事ならいいや……そりゃ、腹も減るわ。チャクラほとんど使ったし」
「えへへ、かっこよかったです」
「そいつはどうも。さて、飯は……」
すると、テントにトールが顔を出す。
その手には、良い匂いのする皿を持っていた。
流石は、俺の相棒である。
「おっ、生きてたか」
「やあ、トール。ごめん、心配をかけたみたいだ」
「良いってことよ。ほら、まずは飯を食え」
「ありがとう……うめぇ」
メニューは、昨日狩っておいたボアの幼体の肉を使ったクリームシチューだ。
口の中でホロホロと肉が溶け、空きっ腹に優しく行き渡る。
「そいつは良かったぜ。あいつも頑張った甲斐があったってもんだ」
「ん? なんの話?」
次の瞬間、ドタドタと足音がしてセレナが飛び込んでくる。
そして両肩を掴んで、ガクガクと揺さぶる!
みんなお待ちかね、おっぱいぶるんぶるんタイムです……って、言ってる場合かっ!
「アレク! 起きた!? 生きてる!?」
「うひぁ!? 危ないっての! こっちは熱々の器を持ってんだよ!」
「ご、ごめんなさい……そ、その……美味しい?」
「はい? これか? ああ、普通に美味いぞ」
「そ、そう! えへへ……私、まだ片付けあるから行ってくるわっ!」
満面の笑顔を見せて、テントから去っていく。
ったく、一体なんだったんだ?
まあ……とりあえず、コメディは帰ってきたようですね!
ふと気付き、身体を動かそうとすると……。
「っ~!?」
「だ、ダメですって! まだ動いちゃ!」
全身に痛みが走り、声にならない。
すると、再びふわふわしたものが俺のお腹辺りに置かれる。
目線だけ向けると、どうやらふわふわの正体は尻尾のようだ。
つまり、この声は……。
「メ、メルルか?」
「はいっ、そうです。ごめんなさい、僕の膝枕で」
「え、えっと……なんの話だ?」
「へっ? あっ、いや、その……セレナさんみたいに大人っぽくないから。それに太もも細いし」
……あぁ、そういう意味か。
うまく頭が働かないが、どうやらとんだ勘違いをしているらしい。
「バカを言っちゃいけない、女の子の太ももに貴賎などないっ。それだけで、素晴らしいものなのさ」
「ふぇ? ……えへへ、アレク君らしいです」
「それはそれでどうかと思うけど……んで、どうなったのかな? 多分、俺はチャクラの使いすぎで倒れたんだよね?」
ようやく、頭が回ってきた。
最後の一撃を入れた後から意識がないはず。
少しだけ首を動かすと、ここはどうやら俺達のテントの中らしい。
「はい、そうみたいです。もう、大変だったんですよ? みんな心配して……今は事後処理をしているところです。生徒さん達の治療だったり、説明だったり」
「……治療? 生徒達に被害が出たのか? まさか、砦に入り込まれた?」
「いえ、そうじゃないんです。僕たちに触発された生徒達が戦いに出たみたいで。もちろん、兵士さん達が戦えるレベル以外の人はやめさせたみたいですけど。それでも、上級生や優秀な生徒さんは砦を守るために戦ったと。幸い、犠牲者はいないです」
「……そっか、それなら良かった。まあ、今回はあれ程度で済んだから良い」
相手の多くが最下級であるゴブリンやオークだから、生徒達でも平気だった。
あのトロールでさえも、妖魔の中では中級程度だし……それでも危険度は高いけど。
ただ、上級妖魔は桁が違うと親父から聞いていた。
なので、今回は不幸中の幸いというやつだろう。
「僕もそう思います。里にいた頃は、もっと強い妖魔が出たりしましたから。それこそ、王である父が出ないといけないような」
「そうだろうね。あの辺りには、まだ妖魔は多いっていうし。さてと……膝は気持ちいいけど、そろそろ起きようかな」
「そ、それなら良かったですっ」
「ところで、今はどんな感じなの? そういや、俺はどれくらい気を失ってた?」
「もう一体のトロールは先生が倒して、先生も怪我はしたけど無事です。残りの妖魔はアレク君の戦いに奮起された兵士さん達が頑張ってくれました。えっと、今はご飯を食べ終わって片付けをしてる感じです。多分、二時間くらいかなぁ……」
その言葉を聞いたからわからないが、起き上がった瞬間に俺の腹が鳴る。
「とりあえず、みんな無事ならいいや……そりゃ、腹も減るわ。チャクラほとんど使ったし」
「えへへ、かっこよかったです」
「そいつはどうも。さて、飯は……」
すると、テントにトールが顔を出す。
その手には、良い匂いのする皿を持っていた。
流石は、俺の相棒である。
「おっ、生きてたか」
「やあ、トール。ごめん、心配をかけたみたいだ」
「良いってことよ。ほら、まずは飯を食え」
「ありがとう……うめぇ」
メニューは、昨日狩っておいたボアの幼体の肉を使ったクリームシチューだ。
口の中でホロホロと肉が溶け、空きっ腹に優しく行き渡る。
「そいつは良かったぜ。あいつも頑張った甲斐があったってもんだ」
「ん? なんの話?」
次の瞬間、ドタドタと足音がしてセレナが飛び込んでくる。
そして両肩を掴んで、ガクガクと揺さぶる!
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「アレク! 起きた!? 生きてる!?」
「うひぁ!? 危ないっての! こっちは熱々の器を持ってんだよ!」
「ご、ごめんなさい……そ、その……美味しい?」
「はい? これか? ああ、普通に美味いぞ」
「そ、そう! えへへ……私、まだ片付けあるから行ってくるわっ!」
満面の笑顔を見せて、テントから去っていく。
ったく、一体なんだったんだ?
まあ……とりあえず、コメディは帰ってきたようですね!
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