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若いと大変
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結局、その日親父は帰ってこなかった。
ただ、これは別に変なことではなく……。
あの親父は飲兵衛なので、仲のいい騎士団の連中と飲みにでも行っているのだろう。
そして、夕方辺りに帰ってきてマリアに怒られるまでがセットである。
「ふぁ……まあ、平和で良いわ」
「ご主人様、おはようございます」
「……あのさ、風呂上がりの時にナチュラルに入ってこないでくれない?」
寝起きのシャワーを浴びて出たら、何食わぬ顔で部屋の中にいるし。
前に、やめなさいって言ったのに。
特に、最近の俺の身体は……危険がいっぱいです。
「はて? なんのことやら?」
「カエラさん?」
「ヨヨヨ、私の楽しみが……これは旦那様に言いつけないと。ご主人様が、いきり立ったモノを私に見せてくるんですって」
「やめてェェ!!」
ただでさえ、めちゃくちゃ筋肉痛なのに!
そんなこと言ったら大変なことに!
というか——この二日間、全然休んだ気がしないよっ!
「さて、冗談はさておいて……」
「冗談になってないからね? とりあえず、部屋を出てくれない?」
「はーい、仕方ありませんね」
前をタオルで隠しつつ、何とか部屋から追い出す。
いや、アブナイアブナイ。
「……バレてないよな?」
思わず、タオルに隠された自分の下半身を確認する。
そこには、いきり立った息子がいた。
いや、若いから当然ではある……しかも、いわゆる寝起きなので。
あと、疲れてる時はそうなるとか……男の子のみんなはわかってくれるよね!
「最近の悩みがこれなんだよなぁ。というか、違和感しかない」
なにせ、前世ではアラフォーである。
そりゃもう、年齢の割にほぼ役立たずだったし。
若い時の感覚というか……うん、そういう気分の日は大変そうだ。
「正直言って、持て余してる感はある。記憶を取り戻す前は、そこまでじゃなかったんだけど」
そもそも、この世界にはそういう店もあるが、公爵家嫡男が行くわけにはいかないし。
下手なことすると、王族の血がどうたら。
「……やっぱり、運動で発散するしかないか。まだ結婚なんかするつもりもないし」
面倒だが、背に腹はかえられぬ。
そう思った俺は、急いで学校の支度をするのだった。
その後、マリアと一緒に朝ご飯を食べる。
「まったく、お父様ったら。昨日、帰ってきませんでしたわ」
「まあまあ、父上も付き合いがあるだろうし。ああ見えて人気者だしね」
「そうですけど……心配ですわ。なんだかんだで、もう還暦を迎えてますから」
この世界の寿命は、医療が発達した前の世界より短い。
だいたい、七十歳くらいだから短すぎてはないが……あと十年と考えれば短いか。
マリアが心配するのも、無理はないか。
「……安心して良い」
「お兄様?」
「不肖の息子だけど、俺なりに父上の負担を減らしていくさ」
「お、お兄様! セバスッ! 今日はお祝いですのっ!」
「はっ! お嬢様っ! すぐに店の予約と楽器団を……」
「だから良いって! たまには良い話をさせてぇぇ~!」
「えへへ、つい……」
そう言い、舌を出して笑う。
まあ、可愛い妹が楽しいならいっか。
食事を終えたら!いつものように馬車に乗って学校に向かう。
「今日はどうするのですか?」
「予定では、セレナに頼んで部活をやろうかなと。だから、迎えも来なくて良いよ。帰りも歩いて帰るからさ」
「おや? どういう風の吹き回しですか?」
「いや、大したことじゃない。結局、あの日から一度も行ってないし。それに、あの親父と付き合うのには体力がいる」
「ふふ、それはそうですね。では、私もゆっくりしてます」
流石に、本当のことを話すわけにはいかない。
そんなことを言ったら、俺の貞操がアブナイ。
私が処理しますね!とか言いそう。
そして、それを断れるかと言われると……難しいところだ。
おそらく……手を出したら最後な気がする。
ただ、これは別に変なことではなく……。
あの親父は飲兵衛なので、仲のいい騎士団の連中と飲みにでも行っているのだろう。
そして、夕方辺りに帰ってきてマリアに怒られるまでがセットである。
「ふぁ……まあ、平和で良いわ」
「ご主人様、おはようございます」
「……あのさ、風呂上がりの時にナチュラルに入ってこないでくれない?」
寝起きのシャワーを浴びて出たら、何食わぬ顔で部屋の中にいるし。
前に、やめなさいって言ったのに。
特に、最近の俺の身体は……危険がいっぱいです。
「はて? なんのことやら?」
「カエラさん?」
「ヨヨヨ、私の楽しみが……これは旦那様に言いつけないと。ご主人様が、いきり立ったモノを私に見せてくるんですって」
「やめてェェ!!」
ただでさえ、めちゃくちゃ筋肉痛なのに!
そんなこと言ったら大変なことに!
というか——この二日間、全然休んだ気がしないよっ!
「さて、冗談はさておいて……」
「冗談になってないからね? とりあえず、部屋を出てくれない?」
「はーい、仕方ありませんね」
前をタオルで隠しつつ、何とか部屋から追い出す。
いや、アブナイアブナイ。
「……バレてないよな?」
思わず、タオルに隠された自分の下半身を確認する。
そこには、いきり立った息子がいた。
いや、若いから当然ではある……しかも、いわゆる寝起きなので。
あと、疲れてる時はそうなるとか……男の子のみんなはわかってくれるよね!
「最近の悩みがこれなんだよなぁ。というか、違和感しかない」
なにせ、前世ではアラフォーである。
そりゃもう、年齢の割にほぼ役立たずだったし。
若い時の感覚というか……うん、そういう気分の日は大変そうだ。
「正直言って、持て余してる感はある。記憶を取り戻す前は、そこまでじゃなかったんだけど」
そもそも、この世界にはそういう店もあるが、公爵家嫡男が行くわけにはいかないし。
下手なことすると、王族の血がどうたら。
「……やっぱり、運動で発散するしかないか。まだ結婚なんかするつもりもないし」
面倒だが、背に腹はかえられぬ。
そう思った俺は、急いで学校の支度をするのだった。
その後、マリアと一緒に朝ご飯を食べる。
「まったく、お父様ったら。昨日、帰ってきませんでしたわ」
「まあまあ、父上も付き合いがあるだろうし。ああ見えて人気者だしね」
「そうですけど……心配ですわ。なんだかんだで、もう還暦を迎えてますから」
この世界の寿命は、医療が発達した前の世界より短い。
だいたい、七十歳くらいだから短すぎてはないが……あと十年と考えれば短いか。
マリアが心配するのも、無理はないか。
「……安心して良い」
「お兄様?」
「不肖の息子だけど、俺なりに父上の負担を減らしていくさ」
「お、お兄様! セバスッ! 今日はお祝いですのっ!」
「はっ! お嬢様っ! すぐに店の予約と楽器団を……」
「だから良いって! たまには良い話をさせてぇぇ~!」
「えへへ、つい……」
そう言い、舌を出して笑う。
まあ、可愛い妹が楽しいならいっか。
食事を終えたら!いつものように馬車に乗って学校に向かう。
「今日はどうするのですか?」
「予定では、セレナに頼んで部活をやろうかなと。だから、迎えも来なくて良いよ。帰りも歩いて帰るからさ」
「おや? どういう風の吹き回しですか?」
「いや、大したことじゃない。結局、あの日から一度も行ってないし。それに、あの親父と付き合うのには体力がいる」
「ふふ、それはそうですね。では、私もゆっくりしてます」
流石に、本当のことを話すわけにはいかない。
そんなことを言ったら、俺の貞操がアブナイ。
私が処理しますね!とか言いそう。
そして、それを断れるかと言われると……難しいところだ。
おそらく……手を出したら最後な気がする。
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