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1巻
1-2
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「クオン、首尾はどうだ?」
「言われた通りに、シスターの机の上にお金は置いてきましたよ。でも、よかったのですか?」
「うん、正面切って渡したら受け取ってもらえないだろうし。それに、これからは自分で稼ぐことにするさ」
「おやおや、万年Fランクの冒険者が何か言ってますね」
俺は成人した際に、いざという時のために冒険者ギルドに登録した。
無論、まだ一度も依頼を受けたことはないし、王都から出たこともない。
もし依頼をこなしている際に、魔物に襲われて怪我でもしたら、いろいろな人に迷惑がかかる。
流石の俺も、そこまでは無責任じゃないしね。
「ふふん、これからのし上がってみせるさ……たぶん」
「ふふ、期待してますよ。平気です、私がお守りしますから」
……情けないことに俺は弱い。武道の腕もなければ、武器を扱うのも苦手だ。
魔法も大して扱えないし、頭は……悪くはないと思うけど。
◇ ◆ ◇
孤児院にお礼として渡したお金の残りで馬を二頭借りて、王都を出発する。
片方にクオンと二人で乗って、片方には荷物だけを載せる形だ。
荷物の中には、衣服や、道中での野宿生活を生き抜くためのナイフや調味料が入っている。
そして街道沿いを進み、数十分が経過し……ようやく一息つく。
「ふぅ、もし監視してた人がいたとしても、ここまで来れば追ってこれないでしょ」
「ええ、そうですね……むっ、何か来ますね」
「えっ? なになに?」
すると、北の方角の森から何かがやってくる。
それは緑色の皮膚の小鬼だった。
その時、俺の体に異変が起きる。
体全体が熱くなり、何やら力が溢れてくる……なんだこれ?
「ゴブリンですか。片付けて参りますので、主人殿はここにいてください」
「う、うん。でも……」
体の変化に戸惑いつつクオンに返事をする。
「平気ですよ、私がお守りしますから」
「いや、そうじゃなくて……」
「いきますっ!」
背中にある大剣に手を添えたクオンが地を這うように駆け出し、ゴブリンとすれ違う。
すると、ゴブリンの胴体と下半身が分かれ……魔石となる。
俺の目からでは、いつ大剣を振り抜いたのか分からなかった。
魔物は死ぬと魔石というものになる。そのため厳密には生き物ではないらしい。
前の世界でいう動物は、この世界では魔獣と呼ばれる。
「おおっ~凄いねっ!」
「ふふ、ありがとうございます。そういえば、こうして目の前で戦うのは初めてでしたか。そもそも、魔物に会うのが初めてですよね?」
そう言い、照れ臭そうに頬を掻いてから、聞いてくるクオン。
クオンの言う通り、俺が魔物に出会うのは初めてだ。
「そりゃ、そうさ。兄上が結婚するまでは、代わりである俺は流石に危険なことはできないし」
「そうでしたね。おや、まだいましたか」
「ほんとだね……あれ?」
再び森の奥から、ゴブリン二体が出てくるのが見えた。
そして、再びあの感覚がやってくる。
そこで俺は思い出す。
そうだ、これは魔力鍛錬を始めた時の感覚……もしかして、魔法の才能が目覚めたのか?
「では、片付けてまいります」
「ちょっと待って……俺がやってみるから」
「……何を言ってるんですか? 今はふざけてる場合じゃないです。主人殿は戦う術をお持ちではないんですから」
「まあ、見ててよ」
深呼吸して……うん、たぶんこれがそうだ。
この感覚のまま、あとは放てばいい。
「ギャギャ!」
「ケケ!」
「〈アイスショット〉!」
「「グキャ!?」」
俺の掌から氷の玉が放たれ、それがゴブリンの頭を貫いた。
そして、二体とも魔石となる。
「へっ?」
「ふぅ、できたね」
魔法だったからか、意外と命を奪ったことへの忌避感もない。
これまで才能が発揮されなかった理由がようやく分かった気がする。
たぶん、危険が迫ることが条件だったのかもしれない。
あの女神さんも、面倒なことを……いや、そうでもないか。
幼い頃に才能が発揮されていたら、もっと面倒なことになってたかも。
それを見越して、こういう設定にしてくれたのかもね……知らんけど。
「へっ? 今手から撃ち出された透明なものは……まさか氷? ……つまり、氷魔法? 水魔法使いの方々が、いくら研究してもダメだったと言われる……どうして使えるのですか!?」
大声を上げるクオンを見て、俺は慌てる。
しまったァァァ! 言い訳しないと!
俺自身も、まさか使えるとは思ってなかったし!
しかも、それが希少な氷魔法だなんて。
この世界の魔法は基本的に火、水、風、土、光、闇という六つの属性に分類される。
氷魔法は、伝説上の高名な魔法使いが使えたのみで、再現できない魔法と言われていた。
「いや……そうですか、ここまで完璧に無能を装っていたのですね。私にまで隠して……いや、誰にも言わないで」
「へっ? い、いや、そういうことじゃなくて」
「何も言わなくていいです。ふふ、私の見る目は間違ってなかったということですね」
「だから……」
「いいですって。しかし、これは隠しておいて正解でしたね。ロナード様が王太子になる前に才能がバレていたら王位争いに……はっ! まさか、そこまで見越しての行動だったとか」
やめてぇぇ! キラキラした目で見ないでっ!
使えるのを今まで知らなかっただけなんですって!
……とりあえず、言い訳をするのは諦めた。
何を言ってもいい方向に取られちゃうし、ドツボにはまる気しかしない。
こうなったら開き直って、どんどん魔法を使っていく方向にしよう。
「それで、魔力はどれくらいあるんです?」
「うーん、今まで使ってなかったから分かんないなぁ。その辺りも、これから試していくつもり。だから、引き続き護衛はよろしくね。相変わらず、武術系はダメだからね」
「ええ、お任せください。よかった、私の役目はまだありましたか」
「当然だよ。というか、別に役に立つから連れてるわけじゃないよ。俺はクオンにいてほしいから側に置いてるんだからさ」
「主人殿……はい、これからもお側に」
「というか、そんなにかしこまらないでよ。いつもみたいにしてくれた方が楽だし」
「ふふ、分かりました。それでは、尻を叩くとしましょう」
「ほ、ほどほどに……」
そして、さらに進むこと数時間後……流石にお腹が空いてくる。
朝ご飯を食べてすぐに呼び出されたから、今はお昼過ぎくらいの時間かな?
ドワーフ特製の懐中時計を見ると、針は十四時を指していた。
ちなみに、この世界の一日は前世の地球と同じで二十四時間だ。
「うん、いい時間だね。いや、時計だけは持ってきておいてよかった」
「そうですね、流石に時間が分からないのは困りますし。さて、お昼ご飯はどうしますか?」
「うーん、手ぶらで来ちゃったからなぁ。近くには魔獣も見当たらないし……クオン、川とかは近くにある?」
俺がそう聞くとクオンは耳を動かし、何かを確認する。
獣人の耳は人とは違い、繊細な音を聞き分けることができるのだ。
「……ありますね。ここからそう遠くない位置に」
「おっ、ありがとう。それじゃあ、そこに行こうか」
クオンの案内のもと、俺達は川へと移動を開始する。
森に入って少しすると幅五メートルほどの川があった。
「おっ、この先の山から来てる感じかな?」
「ええ、ここの水ならそのままで飲めるかと」
獣人族は鼻も人とは違い、食べたり飲んだりしていいものかを感覚的に判断できる。
はっきり言って、付き人としてこれほど心強いことはない。
「さっきの水の音もそうだけど、相変わらず凄い能力だよね」
「ふふ、ありがとうございます」
人族に近い容姿をしていながらも、体は頑丈でこうした強みも多い。
だからこそ、獣人は奴隷として捕まえられてしまうことがあるのだ。
もちろんうちの国では奴隷だとしても手厚い待遇で雇っている……一部を除いて。
「さて、まずは喉を潤して……プハッ! くぅ~美味い!」
「どれ、私も……美味しいですね。この気温ならなおさらのことですし」
「この大陸は基本的に暑いからね。海に近い南にある国はましだけど、他の国やこれから行く西側は暑くなるって話だよ」
現在のこの大陸には冬や雪、氷というものはなく、文献でその存在が確認されるのみである。
基本的に一年中暖かく、場所によってはさらに暑くなる。
数百年前まではそうではなかったらしいので、おそらく温暖化というやつだろう。
「今からそこに行くわけですね。早速、氷魔法が役に立ちそうです」
「それはそうかもね。ところで、川の中に何か生き物はいる?」
「いますけど……どうします? 釣竿なんかもないですし、流石に直接獲るのは難しいかと」
「結構、深そうだもんね。……クオン、俺の命令は聞けるかな?」
「こ、怖い顔ですね……何をするつもりですか?」
「まあまあ、俺に考えがあるからさ」
「……仕方ありませんね、覚悟を決めるとしましょう」
……うん、なんか滑稽だね。
水面に浮かぶ氷の上で滑らないよう踏ん張っているクオンを見て、俺はそんな感想を抱いた。
自分で提案してなんだけど、これで上手くいくのかな?
俺が何をしたかというと、氷魔法を使って川の一部を凍らせたのだ。
そしてそこをクオンが渡って、そこから尻尾を垂らして餌のように動かし、魚を釣り上げる作戦だ。
「く、屈辱です……このような辱めを受けるなんて……」
「いや、紛らわしいことを言わないでよ。これくらいしか方法が浮かばなかったし」
「だとしても、尻尾を釣り糸代わりにするなんて……!」
「ほらほら、尻尾を振って」
俺は魚を受けとめるための葉っぱの皿を持ちながら、クオンにそう指示を出す。
「うぅー……エッチなことをされたって、アスナ様に言わないと」
「やめてぇぇ! 俺の首が飛んじゃうから! あの子は冗談が通じないんだし!」
「ふふ、それもそう……あっ! き、来ました」
クオンは上手に尻尾を繰り、魚をおびき寄せたようだ。
「なに!? よし! 引っ張り上げて!」
「んっ、あっ、ちょっ……」
うん……確かに、なんかエッチだね。
俺はその姿に釘づけになる。
普段はクールなクオンがめったに見せない表情で、こっちもドキドキしてきた。
……誤解を招くと困るから言っておくけど、これを狙ったんじゃないからね!?
「おおっ……! いいねっ!」
次の瞬間尻尾が上がり、魚が飛んでくる。
俺はそれを上手い具合にキャッチした。
「い、いいねじゃありませんよ……もう!」
「よし! 獲れた! これが適材適所ってやつだね!」
「絶対違いますからね!?」
「まあまあ、いいじゃないの。こうして、無事にご飯をゲットしたんだし。さて、もう一回やろっか?」
「うぅー……仕方ありませんね」
クオンが再び尻尾を川につけると、今度はすぐに反応する。
「もうあんなはしたない姿は見せません!」
「おおっ! 一発で釣り上げた!」
「ふふ、どんなもんです……ひゃぁ!?」
俺が魚をキャッチすると同時に、勢い余ってクオンが川へと落ちた。
「だ、大丈夫!?」
「へ、平気です……もう、びしょびしょですよ」
すると、すぐに川からクオンが上がってくる。
どうやら、怪我もなさそうだ。
……それにしても、あちこち張りついて色気が凄いことになっている。
「これが本当のビジョビジョってね!」
「……主人殿?」
「えっと、水も滴るいい女ってことだよ?」
「ほほう? 他に言うことはないですか?」
クオンは低い声を出し、俺をにらみつけてきた。
「ヒィ!? ごめんなさーい!」
「……まったく、仕方がない人ですね」
たまに、前世のおっさんが出てきてしまうクレス君なのでした。
……本当は、ただの照れ隠しだったんだけどね。
クオンが馬の陰に隠れて体を拭いてる間に、俺は急いで火の準備をする。
枯葉と木の枝を集めたら、火の魔石を置いて魔力を込める。
すると、魔石から火が出て木に燃え移った。
「相変わらず、便利だよなぁ」
「何か言いましたかー?」
「ううん、なんでもないよー」
魔物を倒したことで得られる魔石には、属性魔法を込められる。
そのことが分かった人類は、それを使って生活を豊かにしてきた。
だが魔物の正体は未だに分かってない。人類やその食料である魔獣を襲うことから、問答無用で討伐対象になっている。
女神様も、その辺りの説明はしてくれなかったな。
「まあ、使命とかはなさそうだし、俺が気にすることじゃないね」
「何がです?」
「わわっ!? い、いつの間に後ろに?」
「今さっきですよ。全部は聞こえなかったですけど、何やら使命とか独り言を言っていたので」
転生のことはクオンに伝えてもいいんだけど、流石に信じてもらえないだろう。
不用意に混乱させるくらいなら言わない方がいい。
「いや、なんでもないよ。あえて言うなら、ダラダラするのが俺の使命って感じかな」
「まったく、仕方のない人ですね」
「と、ところでさ……」
「なんですか?」
「い、いや、なんでもない」
さっきから、クオンが俺を覗き込む形になっている。
なので、目の前で胸が揺れています。
「さっきからどこを見て……っ~!?」
「い、いや! ごめん!」
気づいたのか、クオンが両手で自分の胸を隠そうとする。
しかし、それは逆効果である……
なぜなら谷間を作ってしまっているからだ!
「あぅぅ……べ、別に構いません」
「いや、構わないって顔じゃないし……本当にごめんね」
「……許します」
「ほっ、よかった」
……まあ、見ちゃうのは男の性ってやつなので許してほしい。
「まったく、相変わらずえっちですね」
「えっ!? そうなの!?」
「だって、たまに見てたりしてましたから。もしかして、バレてないとでも?」
「はは……ゴメンナサイ」
「ふふ、アスナ様には黙っておきますね」
「お願いしますぅぅ!」
クオンの胸をチラ見していたとバラされた日には、ボコボコにされる未来しか見えない。
あの子は公爵令嬢として厳しく躾けられたという育ちのせいもあるけど、そういうことに免疫がまるでないし。
そのあと、クオンが火に当たってる間に、釣った魚の下処理をする。
クオンがやりますと言ったけど、無理矢理に火の前に置いてきた。
「釣った魚の腹に刃を入れて内臓を取り出したら、川の水で洗ってと……よし、鱗も少ないしこれでいいか」
この魚はクリアフィッシュと呼ばれる、前の世界のニジマスに近い見た目の魚だ。
綺麗な川にしか生息できない魚で、結構珍しかったりする。
洗った魚を葉っぱに載せたら、ナイフで木の棒を加工する。
なるべく細い串になるように。
「これくらいでいいかな? そしたら魚に刺してっと……できた」
あとは持ってきていた塩を全体にまぶし、尾ビレと背ビレに多めに塗る。こうすることで、焼くときに焦げづらくなるからだ。
準備ができたら、クオンのもとに戻り、それを火の近くに立てかける。
こうしたら、あとはゆっくりと待つだけだ。
俺はクオンの隣に座り、火を眺める。
「クオン、ひとまずできたよ」
「すみません、何もかもやらせてしまって……これでは従者失格ですね」
「そんなことないよ、こうしてついてきてくれたし。それにこの魚はクオンの尻尾がないと釣れなかったわけだし」
「もう、それは言わないでください」
「はは、ごめんごめん。でも、本当によかったの? もう給料はたくさん出せないけど……」
「いいんですよ、あなたの側にいることが私の願いですから」
……本当に、クオンには感謝だね。
自ら望んだとはいえ、追放された俺についてきてくれるんだから。
「そっか……昔はガリガリで泣き虫だったのになぁ、立派になったもんだ」
「そ、それは言わないでくださいよ! まあ、否定はできませんけど」
「あれからもう五年かぁ」
「ええ、早いですね……」
あの時、記憶と共に成人の知能を取り戻した俺は、現状を認識して焦っていた。
このままいくと兄上を王位に就けようとする第一王妃様と対立してしまうからだ。
まあ、そのあとだらだらしてたおかげか、命を狙われるようなことはなかったんだけどね。
その後、昔話をしながら時間が過ぎ……魚の焼けるいい香りがしてくる。
両面に焼き色がついており、もう少しで食べ頃だ。
というか、さっきからよだれが止まらない。
「主人殿!」
「ま、待つんだ! もう少しだけ焼かないと!」
「っ……りょ、料理に関しては主人殿を信用します……」
前世の俺はアラフォーの社畜で、貧乏一人暮らしをしていた。
そのおかげか、料理の腕だけはある。
城にいたときも趣味と称して、たまに厨房で遊んでいたし。
あの頃は流石に頻繁に料理するのは無理だったけど、これからは自由に作ることができる。
「……よし! 食べよう!」
「はいっ!」
俺とクオンは串を火から上げ、二人で同時に魚にかぶりつく!
塩の効いたカリカリの皮と、ふっくらとやわらかな身が口に入ると……なんとも言えない幸せに包まれる。
「熱々で美味しい! 魚の甘みと塩が合わさって……最高だ」
「美味しいですねっ!」
二人で顔を見合わせてコクリと頷き、一心不乱に食べ進める。
そして、あっという間に食べ終わった。
「あぁー美味かった! やっぱり、できたては違うね」
「私は温かいものを食べる機会も多いですが、主人殿は仕方ありませんね」
王太子のスペアである俺は、死ぬことは許されなかった。
なので基本的に食事は毒見を終えた冷たいものが出され、一人で食べていたし、こういう野性味溢れる感じではなくて、高級志向だった。
一人で食べても味がしないし、こういう飯の方が性に合ってる。
「まあ、そうなんだけど。いやー、これからは自由に飯が食えるぞ」
「ふふ、いろいろ食べましょうね。私なら食べられるか判別がつくので食材探しは任せてください」
「うん、頼りにしてるよ」
お腹が満足した俺達は、再び辺境へ向けて出発する。
途中、水魔法が使えることが新たに判明し、それでのどを潤したりしながら進んでいったのだった。
「言われた通りに、シスターの机の上にお金は置いてきましたよ。でも、よかったのですか?」
「うん、正面切って渡したら受け取ってもらえないだろうし。それに、これからは自分で稼ぐことにするさ」
「おやおや、万年Fランクの冒険者が何か言ってますね」
俺は成人した際に、いざという時のために冒険者ギルドに登録した。
無論、まだ一度も依頼を受けたことはないし、王都から出たこともない。
もし依頼をこなしている際に、魔物に襲われて怪我でもしたら、いろいろな人に迷惑がかかる。
流石の俺も、そこまでは無責任じゃないしね。
「ふふん、これからのし上がってみせるさ……たぶん」
「ふふ、期待してますよ。平気です、私がお守りしますから」
……情けないことに俺は弱い。武道の腕もなければ、武器を扱うのも苦手だ。
魔法も大して扱えないし、頭は……悪くはないと思うけど。
◇ ◆ ◇
孤児院にお礼として渡したお金の残りで馬を二頭借りて、王都を出発する。
片方にクオンと二人で乗って、片方には荷物だけを載せる形だ。
荷物の中には、衣服や、道中での野宿生活を生き抜くためのナイフや調味料が入っている。
そして街道沿いを進み、数十分が経過し……ようやく一息つく。
「ふぅ、もし監視してた人がいたとしても、ここまで来れば追ってこれないでしょ」
「ええ、そうですね……むっ、何か来ますね」
「えっ? なになに?」
すると、北の方角の森から何かがやってくる。
それは緑色の皮膚の小鬼だった。
その時、俺の体に異変が起きる。
体全体が熱くなり、何やら力が溢れてくる……なんだこれ?
「ゴブリンですか。片付けて参りますので、主人殿はここにいてください」
「う、うん。でも……」
体の変化に戸惑いつつクオンに返事をする。
「平気ですよ、私がお守りしますから」
「いや、そうじゃなくて……」
「いきますっ!」
背中にある大剣に手を添えたクオンが地を這うように駆け出し、ゴブリンとすれ違う。
すると、ゴブリンの胴体と下半身が分かれ……魔石となる。
俺の目からでは、いつ大剣を振り抜いたのか分からなかった。
魔物は死ぬと魔石というものになる。そのため厳密には生き物ではないらしい。
前の世界でいう動物は、この世界では魔獣と呼ばれる。
「おおっ~凄いねっ!」
「ふふ、ありがとうございます。そういえば、こうして目の前で戦うのは初めてでしたか。そもそも、魔物に会うのが初めてですよね?」
そう言い、照れ臭そうに頬を掻いてから、聞いてくるクオン。
クオンの言う通り、俺が魔物に出会うのは初めてだ。
「そりゃ、そうさ。兄上が結婚するまでは、代わりである俺は流石に危険なことはできないし」
「そうでしたね。おや、まだいましたか」
「ほんとだね……あれ?」
再び森の奥から、ゴブリン二体が出てくるのが見えた。
そして、再びあの感覚がやってくる。
そこで俺は思い出す。
そうだ、これは魔力鍛錬を始めた時の感覚……もしかして、魔法の才能が目覚めたのか?
「では、片付けてまいります」
「ちょっと待って……俺がやってみるから」
「……何を言ってるんですか? 今はふざけてる場合じゃないです。主人殿は戦う術をお持ちではないんですから」
「まあ、見ててよ」
深呼吸して……うん、たぶんこれがそうだ。
この感覚のまま、あとは放てばいい。
「ギャギャ!」
「ケケ!」
「〈アイスショット〉!」
「「グキャ!?」」
俺の掌から氷の玉が放たれ、それがゴブリンの頭を貫いた。
そして、二体とも魔石となる。
「へっ?」
「ふぅ、できたね」
魔法だったからか、意外と命を奪ったことへの忌避感もない。
これまで才能が発揮されなかった理由がようやく分かった気がする。
たぶん、危険が迫ることが条件だったのかもしれない。
あの女神さんも、面倒なことを……いや、そうでもないか。
幼い頃に才能が発揮されていたら、もっと面倒なことになってたかも。
それを見越して、こういう設定にしてくれたのかもね……知らんけど。
「へっ? 今手から撃ち出された透明なものは……まさか氷? ……つまり、氷魔法? 水魔法使いの方々が、いくら研究してもダメだったと言われる……どうして使えるのですか!?」
大声を上げるクオンを見て、俺は慌てる。
しまったァァァ! 言い訳しないと!
俺自身も、まさか使えるとは思ってなかったし!
しかも、それが希少な氷魔法だなんて。
この世界の魔法は基本的に火、水、風、土、光、闇という六つの属性に分類される。
氷魔法は、伝説上の高名な魔法使いが使えたのみで、再現できない魔法と言われていた。
「いや……そうですか、ここまで完璧に無能を装っていたのですね。私にまで隠して……いや、誰にも言わないで」
「へっ? い、いや、そういうことじゃなくて」
「何も言わなくていいです。ふふ、私の見る目は間違ってなかったということですね」
「だから……」
「いいですって。しかし、これは隠しておいて正解でしたね。ロナード様が王太子になる前に才能がバレていたら王位争いに……はっ! まさか、そこまで見越しての行動だったとか」
やめてぇぇ! キラキラした目で見ないでっ!
使えるのを今まで知らなかっただけなんですって!
……とりあえず、言い訳をするのは諦めた。
何を言ってもいい方向に取られちゃうし、ドツボにはまる気しかしない。
こうなったら開き直って、どんどん魔法を使っていく方向にしよう。
「それで、魔力はどれくらいあるんです?」
「うーん、今まで使ってなかったから分かんないなぁ。その辺りも、これから試していくつもり。だから、引き続き護衛はよろしくね。相変わらず、武術系はダメだからね」
「ええ、お任せください。よかった、私の役目はまだありましたか」
「当然だよ。というか、別に役に立つから連れてるわけじゃないよ。俺はクオンにいてほしいから側に置いてるんだからさ」
「主人殿……はい、これからもお側に」
「というか、そんなにかしこまらないでよ。いつもみたいにしてくれた方が楽だし」
「ふふ、分かりました。それでは、尻を叩くとしましょう」
「ほ、ほどほどに……」
そして、さらに進むこと数時間後……流石にお腹が空いてくる。
朝ご飯を食べてすぐに呼び出されたから、今はお昼過ぎくらいの時間かな?
ドワーフ特製の懐中時計を見ると、針は十四時を指していた。
ちなみに、この世界の一日は前世の地球と同じで二十四時間だ。
「うん、いい時間だね。いや、時計だけは持ってきておいてよかった」
「そうですね、流石に時間が分からないのは困りますし。さて、お昼ご飯はどうしますか?」
「うーん、手ぶらで来ちゃったからなぁ。近くには魔獣も見当たらないし……クオン、川とかは近くにある?」
俺がそう聞くとクオンは耳を動かし、何かを確認する。
獣人の耳は人とは違い、繊細な音を聞き分けることができるのだ。
「……ありますね。ここからそう遠くない位置に」
「おっ、ありがとう。それじゃあ、そこに行こうか」
クオンの案内のもと、俺達は川へと移動を開始する。
森に入って少しすると幅五メートルほどの川があった。
「おっ、この先の山から来てる感じかな?」
「ええ、ここの水ならそのままで飲めるかと」
獣人族は鼻も人とは違い、食べたり飲んだりしていいものかを感覚的に判断できる。
はっきり言って、付き人としてこれほど心強いことはない。
「さっきの水の音もそうだけど、相変わらず凄い能力だよね」
「ふふ、ありがとうございます」
人族に近い容姿をしていながらも、体は頑丈でこうした強みも多い。
だからこそ、獣人は奴隷として捕まえられてしまうことがあるのだ。
もちろんうちの国では奴隷だとしても手厚い待遇で雇っている……一部を除いて。
「さて、まずは喉を潤して……プハッ! くぅ~美味い!」
「どれ、私も……美味しいですね。この気温ならなおさらのことですし」
「この大陸は基本的に暑いからね。海に近い南にある国はましだけど、他の国やこれから行く西側は暑くなるって話だよ」
現在のこの大陸には冬や雪、氷というものはなく、文献でその存在が確認されるのみである。
基本的に一年中暖かく、場所によってはさらに暑くなる。
数百年前まではそうではなかったらしいので、おそらく温暖化というやつだろう。
「今からそこに行くわけですね。早速、氷魔法が役に立ちそうです」
「それはそうかもね。ところで、川の中に何か生き物はいる?」
「いますけど……どうします? 釣竿なんかもないですし、流石に直接獲るのは難しいかと」
「結構、深そうだもんね。……クオン、俺の命令は聞けるかな?」
「こ、怖い顔ですね……何をするつもりですか?」
「まあまあ、俺に考えがあるからさ」
「……仕方ありませんね、覚悟を決めるとしましょう」
……うん、なんか滑稽だね。
水面に浮かぶ氷の上で滑らないよう踏ん張っているクオンを見て、俺はそんな感想を抱いた。
自分で提案してなんだけど、これで上手くいくのかな?
俺が何をしたかというと、氷魔法を使って川の一部を凍らせたのだ。
そしてそこをクオンが渡って、そこから尻尾を垂らして餌のように動かし、魚を釣り上げる作戦だ。
「く、屈辱です……このような辱めを受けるなんて……」
「いや、紛らわしいことを言わないでよ。これくらいしか方法が浮かばなかったし」
「だとしても、尻尾を釣り糸代わりにするなんて……!」
「ほらほら、尻尾を振って」
俺は魚を受けとめるための葉っぱの皿を持ちながら、クオンにそう指示を出す。
「うぅー……エッチなことをされたって、アスナ様に言わないと」
「やめてぇぇ! 俺の首が飛んじゃうから! あの子は冗談が通じないんだし!」
「ふふ、それもそう……あっ! き、来ました」
クオンは上手に尻尾を繰り、魚をおびき寄せたようだ。
「なに!? よし! 引っ張り上げて!」
「んっ、あっ、ちょっ……」
うん……確かに、なんかエッチだね。
俺はその姿に釘づけになる。
普段はクールなクオンがめったに見せない表情で、こっちもドキドキしてきた。
……誤解を招くと困るから言っておくけど、これを狙ったんじゃないからね!?
「おおっ……! いいねっ!」
次の瞬間尻尾が上がり、魚が飛んでくる。
俺はそれを上手い具合にキャッチした。
「い、いいねじゃありませんよ……もう!」
「よし! 獲れた! これが適材適所ってやつだね!」
「絶対違いますからね!?」
「まあまあ、いいじゃないの。こうして、無事にご飯をゲットしたんだし。さて、もう一回やろっか?」
「うぅー……仕方ありませんね」
クオンが再び尻尾を川につけると、今度はすぐに反応する。
「もうあんなはしたない姿は見せません!」
「おおっ! 一発で釣り上げた!」
「ふふ、どんなもんです……ひゃぁ!?」
俺が魚をキャッチすると同時に、勢い余ってクオンが川へと落ちた。
「だ、大丈夫!?」
「へ、平気です……もう、びしょびしょですよ」
すると、すぐに川からクオンが上がってくる。
どうやら、怪我もなさそうだ。
……それにしても、あちこち張りついて色気が凄いことになっている。
「これが本当のビジョビジョってね!」
「……主人殿?」
「えっと、水も滴るいい女ってことだよ?」
「ほほう? 他に言うことはないですか?」
クオンは低い声を出し、俺をにらみつけてきた。
「ヒィ!? ごめんなさーい!」
「……まったく、仕方がない人ですね」
たまに、前世のおっさんが出てきてしまうクレス君なのでした。
……本当は、ただの照れ隠しだったんだけどね。
クオンが馬の陰に隠れて体を拭いてる間に、俺は急いで火の準備をする。
枯葉と木の枝を集めたら、火の魔石を置いて魔力を込める。
すると、魔石から火が出て木に燃え移った。
「相変わらず、便利だよなぁ」
「何か言いましたかー?」
「ううん、なんでもないよー」
魔物を倒したことで得られる魔石には、属性魔法を込められる。
そのことが分かった人類は、それを使って生活を豊かにしてきた。
だが魔物の正体は未だに分かってない。人類やその食料である魔獣を襲うことから、問答無用で討伐対象になっている。
女神様も、その辺りの説明はしてくれなかったな。
「まあ、使命とかはなさそうだし、俺が気にすることじゃないね」
「何がです?」
「わわっ!? い、いつの間に後ろに?」
「今さっきですよ。全部は聞こえなかったですけど、何やら使命とか独り言を言っていたので」
転生のことはクオンに伝えてもいいんだけど、流石に信じてもらえないだろう。
不用意に混乱させるくらいなら言わない方がいい。
「いや、なんでもないよ。あえて言うなら、ダラダラするのが俺の使命って感じかな」
「まったく、仕方のない人ですね」
「と、ところでさ……」
「なんですか?」
「い、いや、なんでもない」
さっきから、クオンが俺を覗き込む形になっている。
なので、目の前で胸が揺れています。
「さっきからどこを見て……っ~!?」
「い、いや! ごめん!」
気づいたのか、クオンが両手で自分の胸を隠そうとする。
しかし、それは逆効果である……
なぜなら谷間を作ってしまっているからだ!
「あぅぅ……べ、別に構いません」
「いや、構わないって顔じゃないし……本当にごめんね」
「……許します」
「ほっ、よかった」
……まあ、見ちゃうのは男の性ってやつなので許してほしい。
「まったく、相変わらずえっちですね」
「えっ!? そうなの!?」
「だって、たまに見てたりしてましたから。もしかして、バレてないとでも?」
「はは……ゴメンナサイ」
「ふふ、アスナ様には黙っておきますね」
「お願いしますぅぅ!」
クオンの胸をチラ見していたとバラされた日には、ボコボコにされる未来しか見えない。
あの子は公爵令嬢として厳しく躾けられたという育ちのせいもあるけど、そういうことに免疫がまるでないし。
そのあと、クオンが火に当たってる間に、釣った魚の下処理をする。
クオンがやりますと言ったけど、無理矢理に火の前に置いてきた。
「釣った魚の腹に刃を入れて内臓を取り出したら、川の水で洗ってと……よし、鱗も少ないしこれでいいか」
この魚はクリアフィッシュと呼ばれる、前の世界のニジマスに近い見た目の魚だ。
綺麗な川にしか生息できない魚で、結構珍しかったりする。
洗った魚を葉っぱに載せたら、ナイフで木の棒を加工する。
なるべく細い串になるように。
「これくらいでいいかな? そしたら魚に刺してっと……できた」
あとは持ってきていた塩を全体にまぶし、尾ビレと背ビレに多めに塗る。こうすることで、焼くときに焦げづらくなるからだ。
準備ができたら、クオンのもとに戻り、それを火の近くに立てかける。
こうしたら、あとはゆっくりと待つだけだ。
俺はクオンの隣に座り、火を眺める。
「クオン、ひとまずできたよ」
「すみません、何もかもやらせてしまって……これでは従者失格ですね」
「そんなことないよ、こうしてついてきてくれたし。それにこの魚はクオンの尻尾がないと釣れなかったわけだし」
「もう、それは言わないでください」
「はは、ごめんごめん。でも、本当によかったの? もう給料はたくさん出せないけど……」
「いいんですよ、あなたの側にいることが私の願いですから」
……本当に、クオンには感謝だね。
自ら望んだとはいえ、追放された俺についてきてくれるんだから。
「そっか……昔はガリガリで泣き虫だったのになぁ、立派になったもんだ」
「そ、それは言わないでくださいよ! まあ、否定はできませんけど」
「あれからもう五年かぁ」
「ええ、早いですね……」
あの時、記憶と共に成人の知能を取り戻した俺は、現状を認識して焦っていた。
このままいくと兄上を王位に就けようとする第一王妃様と対立してしまうからだ。
まあ、そのあとだらだらしてたおかげか、命を狙われるようなことはなかったんだけどね。
その後、昔話をしながら時間が過ぎ……魚の焼けるいい香りがしてくる。
両面に焼き色がついており、もう少しで食べ頃だ。
というか、さっきからよだれが止まらない。
「主人殿!」
「ま、待つんだ! もう少しだけ焼かないと!」
「っ……りょ、料理に関しては主人殿を信用します……」
前世の俺はアラフォーの社畜で、貧乏一人暮らしをしていた。
そのおかげか、料理の腕だけはある。
城にいたときも趣味と称して、たまに厨房で遊んでいたし。
あの頃は流石に頻繁に料理するのは無理だったけど、これからは自由に作ることができる。
「……よし! 食べよう!」
「はいっ!」
俺とクオンは串を火から上げ、二人で同時に魚にかぶりつく!
塩の効いたカリカリの皮と、ふっくらとやわらかな身が口に入ると……なんとも言えない幸せに包まれる。
「熱々で美味しい! 魚の甘みと塩が合わさって……最高だ」
「美味しいですねっ!」
二人で顔を見合わせてコクリと頷き、一心不乱に食べ進める。
そして、あっという間に食べ終わった。
「あぁー美味かった! やっぱり、できたては違うね」
「私は温かいものを食べる機会も多いですが、主人殿は仕方ありませんね」
王太子のスペアである俺は、死ぬことは許されなかった。
なので基本的に食事は毒見を終えた冷たいものが出され、一人で食べていたし、こういう野性味溢れる感じではなくて、高級志向だった。
一人で食べても味がしないし、こういう飯の方が性に合ってる。
「まあ、そうなんだけど。いやー、これからは自由に飯が食えるぞ」
「ふふ、いろいろ食べましょうね。私なら食べられるか判別がつくので食材探しは任せてください」
「うん、頼りにしてるよ」
お腹が満足した俺達は、再び辺境へ向けて出発する。
途中、水魔法が使えることが新たに判明し、それでのどを潤したりしながら進んでいったのだった。
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