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オーガ
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作戦、それは逃げること!
あれ? 言ってること違うって?
それは後でのお楽しみ!
「わぁぁぁ! もうだめだ! 逃げるぞー!」
「ヒィィイ!」
「死にたくない!」
俺の声に兵士達が都市の方へと逃げ出す。
それを追って魔物達も付いてきた。
それにより、前線が都市へと近づく。
「も、もうちょい……!」
「エルク様……見つけました!」
「ほんと!? だったら——総員反転!」
「「「おう!!!」」」
ギレン率いる兵士達が反転し、勢いづいた魔物達を反対に蹴散らす。
追ってくるときに軍勢が細くなり、さっきよりも倒しやすくなったはず。
そしたら、次は俺の仕事だね。
「全員左右に分かれて!」
「へい! 野郎ども、アニキに従え!」
ギレンの掛け声で、兵士達が道を開ける。
すると、俺にもそいつが見えた。
あれを逃すわけにはいかない。
「それに、これならまとめて倒せる……氷の針よ、敵を串刺しにせよ——アイスニードル!」
「グガァァァ!?」
地面から氷の針が発動し、敵を貫いていく。
後方の者達も止まることができずに、次々と串刺しになっては魔石となっていった。
「い、いや……魔石になるんでよかったよ。こんなの、串刺し風景と耐えらんないし」
「確かに見れるものじゃないですね。それよりエルク様、お見事です……奴に届きましたよ」
「ん、そうみたいだね。どうやら、腕から血が出てるみたいだし……あの顔は成功だね」
視線の先には、一体の鬼がいた……いや、B級であるオーガだ。
顔は憤怒に染まり、自分に傷を与えた俺を睨みつけている。
間違いない、あれがボスだ。
ふと横を見ると、ギレンの顔が引きつっていた。
「オーガですかい」
「ギレンでも厳しい?」
「はは……俺がC級で燻っていた原因すっね。俺はアイツにあって、逃げたんだ」
「そうだったんだ。じゃあ、リベンジだね?」
すると、ギレンがハッとした表情を浮かべた。
「……へへっ、そうすっね」
「私もリベンジしましたし、やってやりましょう」
「オイラも頑張ります!」
「決まりだね。それじゃ、第二作戦開始!」
一つ目の作戦はボスをおびき寄せること。
なので逃げたふりをし、奴を森の奥から引っ張り出した。
そして逃げないように、俺の魔法でダメージを与えた。
これで、あいつは俺を殺すまで逃げないだろう。
「二つ目の作戦? それは総戦力戦だ……いくよ!」
皆が頷き、残りの魔物達に向けて走り出す。
ギレンがその大きな斧を振り回し、前衛の魔物達を駆逐していく。
それに感化されたのか、オルガも実力以上の力を発揮して、槍を持って敵を貫いていった。
「オォォォ! 舐めんなっ!」
「ま、負けないっ!」
「二人とも、あと少し頑張って!」
そして、無傷のクレハがオーガに届く。
後方から飛び、オーガの目の前に着地する。
その大きさは三メートル近く、体格もギレン以上。
まさしく、暴力そのものだった。
「ガァァァァァァァア!」
「うるさいですね!」
そこからはオーガとクレハの戦いが始まる。
オーガの拳は大地を砕き、土煙がまう。
クレハは紙一重に躱し、抜刀術にて応戦する。
「しっ!」
「ガァァ!」
「か、硬い……!」
やっぱり、物理攻撃が効きにくいんだ。
クレハの仕事は時間を稼ぐこと。
俺の魔法が貯まるまで、そして二人のために隙を作るために。
「ア、アニキ、俺も加勢に……」
「ううん、ギレンには大事な仕事があるよ。そのための一撃を待とう」
そして、待つこと数分……クレハが一瞬、俺へと視線を向けた。
それは作戦の合図だった。
「二人とも」
「へいっ」
「い、いけますっ」
「それでも——足なら!」
そして次の瞬間……オーガの左足に、クレハの抜刀が決まる。
オーガの太ももからは血があふれ、確実なダメージを与えた。
「はぁ、はぁ……」
「ガァァ!? ……ガァァァァァァァア!」
怒り狂ったオーガが残された右拳をクレハに向ける。
そこにオルガが盾を構えて割り込む!
「ぐぅぅぅぅ!」
「ガァァ!」
「ひ、引かない!」
オルガが勢いに押されて下がっていく。
だが、これで奴の腕は伸びきった。
つまり、切れやすいということだ。
「ウォォォォ!」
「ガァァァァァァァア!?」
伸びきった腕の関節に、ギレンが斧を叩き込んだ。
それによって、オーガの腕が鈍い音を立ててへし折れる。
「へへっ! ざまあみろ!」
「グガァァァ!」
「ぐっ!?」
血が流れてる方の手で、ギレンを弾き飛ばす。
だけど、十分に時間は稼げた。
これであいつは機敏には動けない。
「氷の滝よ、敵を凍らせろ——アイスフォール」
オーガは足を怪我しているので、上からくる氷の滝を避けることはできない。
そして片腕で防御をし、氷の滝を受け止めようとした。
「いくらなんでも、そんなものでは防げないよ」
「ガァァァァァァァ………ァァァァ」
俺の放った魔法は、徐々にオーガを凍らせていく。
そして、そのまま……物言わぬ魔石になったのだった。
あれ? 言ってること違うって?
それは後でのお楽しみ!
「わぁぁぁ! もうだめだ! 逃げるぞー!」
「ヒィィイ!」
「死にたくない!」
俺の声に兵士達が都市の方へと逃げ出す。
それを追って魔物達も付いてきた。
それにより、前線が都市へと近づく。
「も、もうちょい……!」
「エルク様……見つけました!」
「ほんと!? だったら——総員反転!」
「「「おう!!!」」」
ギレン率いる兵士達が反転し、勢いづいた魔物達を反対に蹴散らす。
追ってくるときに軍勢が細くなり、さっきよりも倒しやすくなったはず。
そしたら、次は俺の仕事だね。
「全員左右に分かれて!」
「へい! 野郎ども、アニキに従え!」
ギレンの掛け声で、兵士達が道を開ける。
すると、俺にもそいつが見えた。
あれを逃すわけにはいかない。
「それに、これならまとめて倒せる……氷の針よ、敵を串刺しにせよ——アイスニードル!」
「グガァァァ!?」
地面から氷の針が発動し、敵を貫いていく。
後方の者達も止まることができずに、次々と串刺しになっては魔石となっていった。
「い、いや……魔石になるんでよかったよ。こんなの、串刺し風景と耐えらんないし」
「確かに見れるものじゃないですね。それよりエルク様、お見事です……奴に届きましたよ」
「ん、そうみたいだね。どうやら、腕から血が出てるみたいだし……あの顔は成功だね」
視線の先には、一体の鬼がいた……いや、B級であるオーガだ。
顔は憤怒に染まり、自分に傷を与えた俺を睨みつけている。
間違いない、あれがボスだ。
ふと横を見ると、ギレンの顔が引きつっていた。
「オーガですかい」
「ギレンでも厳しい?」
「はは……俺がC級で燻っていた原因すっね。俺はアイツにあって、逃げたんだ」
「そうだったんだ。じゃあ、リベンジだね?」
すると、ギレンがハッとした表情を浮かべた。
「……へへっ、そうすっね」
「私もリベンジしましたし、やってやりましょう」
「オイラも頑張ります!」
「決まりだね。それじゃ、第二作戦開始!」
一つ目の作戦はボスをおびき寄せること。
なので逃げたふりをし、奴を森の奥から引っ張り出した。
そして逃げないように、俺の魔法でダメージを与えた。
これで、あいつは俺を殺すまで逃げないだろう。
「二つ目の作戦? それは総戦力戦だ……いくよ!」
皆が頷き、残りの魔物達に向けて走り出す。
ギレンがその大きな斧を振り回し、前衛の魔物達を駆逐していく。
それに感化されたのか、オルガも実力以上の力を発揮して、槍を持って敵を貫いていった。
「オォォォ! 舐めんなっ!」
「ま、負けないっ!」
「二人とも、あと少し頑張って!」
そして、無傷のクレハがオーガに届く。
後方から飛び、オーガの目の前に着地する。
その大きさは三メートル近く、体格もギレン以上。
まさしく、暴力そのものだった。
「ガァァァァァァァア!」
「うるさいですね!」
そこからはオーガとクレハの戦いが始まる。
オーガの拳は大地を砕き、土煙がまう。
クレハは紙一重に躱し、抜刀術にて応戦する。
「しっ!」
「ガァァ!」
「か、硬い……!」
やっぱり、物理攻撃が効きにくいんだ。
クレハの仕事は時間を稼ぐこと。
俺の魔法が貯まるまで、そして二人のために隙を作るために。
「ア、アニキ、俺も加勢に……」
「ううん、ギレンには大事な仕事があるよ。そのための一撃を待とう」
そして、待つこと数分……クレハが一瞬、俺へと視線を向けた。
それは作戦の合図だった。
「二人とも」
「へいっ」
「い、いけますっ」
「それでも——足なら!」
そして次の瞬間……オーガの左足に、クレハの抜刀が決まる。
オーガの太ももからは血があふれ、確実なダメージを与えた。
「はぁ、はぁ……」
「ガァァ!? ……ガァァァァァァァア!」
怒り狂ったオーガが残された右拳をクレハに向ける。
そこにオルガが盾を構えて割り込む!
「ぐぅぅぅぅ!」
「ガァァ!」
「ひ、引かない!」
オルガが勢いに押されて下がっていく。
だが、これで奴の腕は伸びきった。
つまり、切れやすいということだ。
「ウォォォォ!」
「ガァァァァァァァア!?」
伸びきった腕の関節に、ギレンが斧を叩き込んだ。
それによって、オーガの腕が鈍い音を立ててへし折れる。
「へへっ! ざまあみろ!」
「グガァァァ!」
「ぐっ!?」
血が流れてる方の手で、ギレンを弾き飛ばす。
だけど、十分に時間は稼げた。
これであいつは機敏には動けない。
「氷の滝よ、敵を凍らせろ——アイスフォール」
オーガは足を怪我しているので、上からくる氷の滝を避けることはできない。
そして片腕で防御をし、氷の滝を受け止めようとした。
「いくらなんでも、そんなものでは防げないよ」
「ガァァァァァァァ………ァァァァ」
俺の放った魔法は、徐々にオーガを凍らせていく。
そして、そのまま……物言わぬ魔石になったのだった。
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