41 / 45
クレハのリベンジ
しおりを挟む
オルガの後ろにつき、前線を進んでいく。
周りには魔石と、傷ついた兵士たちがいる。
彼らは俺の道を開けようと、必死で戦っていた。
「死ぬ前に下がって!」
「し、しかし!」
「いいから! 死んだら元も子もないよ——アイスアロー!」
両手から放たれた氷の矢により、魔物達が減っていく。
「ほら、今のうち!」
「す、すみません!」
その隙に、怪我人を下がらせた。
死んではいないが、重傷者はたくさんいる。
「こんな時、ステラがいたら……出来ることをやるしかないよね」
「主君! ギレンが戦いに入ります!」
「わかった! それじゃ、準備と行きますか!」
俺は意識を集中し、魔力を両手に集める。
すると、それは割とすぐにやってきた。
ギレンがオークランサーの槍を砕き、その身体に斧を叩きつけた。
「はっ! C級をなめるなよ!」
「ブガァァ!?」
「主君! ギレンが怯ませましたよ!」
「さすが! ギレンいくよー!」
「へい!」
ギレンが下がっていくのを確認し、両手をオークランサーに向ける。
「氷の槍よ、敵を貫け——アイスランサー」
俺の放った氷の槍は、隙だらけのオークランサーの腹を突き抜けた。
それにより、一瞬で魔石になる。
「おおっ! 主君すごいです!」
「へへっ、ありがと。ギレンもありがとう! 引き続き、前線指揮官をよろしく!」
「へい! お任せを!」
ギレンが敬礼をして、兵士たちをまとめにいく。
さて、クレハの方はどうなってるかな?
視線を向けると、クレハはコボルトナイトと斬り合いをしていた。
つまり、ゴブリンジェネラルは仕留めたってことだ。
「ガァァァァァ!」
「遅い!」
既にコボルトナイトの手には盾はなく、剣をひたすら振り下ろしている。
それに対し、見たところクレハには傷一つない。
そして、俺の目の前で決着がついた。
「——とどめです」
「ガァァァ……ガ」
振り下ろされた剣を躱し、クレハが間合いを詰めて刀を一閃。
それにより、コボルトナイトの腹が斬り裂かれたのだ。
魔石になったのを確認し、俺はクレハに抱きつく。
「クレハ!」
「エ、エルク様! み、見ていたのですか」
「うん! すごいや! 一人で倒しちゃった!」
「は、はい……これで、お役に立てましたか?」
「もちろんさ! んじゃ、どんどんやっちゃうよ!」
「はっ! お伴します!」
そこで、俺は気づいた。
綺麗な顔が至近距離なこと、身体に何か柔らかなモノが当たっていることに。
クレハも気づいたのか、見る見るうちに顔が赤くなっていく。
「あっ、ごめん!」
「い、いえ!」
「そ、それじゃ、遊撃よろしく!」
照れ臭くなった俺は、オルガのところに戻るのだった。
周りには魔石と、傷ついた兵士たちがいる。
彼らは俺の道を開けようと、必死で戦っていた。
「死ぬ前に下がって!」
「し、しかし!」
「いいから! 死んだら元も子もないよ——アイスアロー!」
両手から放たれた氷の矢により、魔物達が減っていく。
「ほら、今のうち!」
「す、すみません!」
その隙に、怪我人を下がらせた。
死んではいないが、重傷者はたくさんいる。
「こんな時、ステラがいたら……出来ることをやるしかないよね」
「主君! ギレンが戦いに入ります!」
「わかった! それじゃ、準備と行きますか!」
俺は意識を集中し、魔力を両手に集める。
すると、それは割とすぐにやってきた。
ギレンがオークランサーの槍を砕き、その身体に斧を叩きつけた。
「はっ! C級をなめるなよ!」
「ブガァァ!?」
「主君! ギレンが怯ませましたよ!」
「さすが! ギレンいくよー!」
「へい!」
ギレンが下がっていくのを確認し、両手をオークランサーに向ける。
「氷の槍よ、敵を貫け——アイスランサー」
俺の放った氷の槍は、隙だらけのオークランサーの腹を突き抜けた。
それにより、一瞬で魔石になる。
「おおっ! 主君すごいです!」
「へへっ、ありがと。ギレンもありがとう! 引き続き、前線指揮官をよろしく!」
「へい! お任せを!」
ギレンが敬礼をして、兵士たちをまとめにいく。
さて、クレハの方はどうなってるかな?
視線を向けると、クレハはコボルトナイトと斬り合いをしていた。
つまり、ゴブリンジェネラルは仕留めたってことだ。
「ガァァァァァ!」
「遅い!」
既にコボルトナイトの手には盾はなく、剣をひたすら振り下ろしている。
それに対し、見たところクレハには傷一つない。
そして、俺の目の前で決着がついた。
「——とどめです」
「ガァァァ……ガ」
振り下ろされた剣を躱し、クレハが間合いを詰めて刀を一閃。
それにより、コボルトナイトの腹が斬り裂かれたのだ。
魔石になったのを確認し、俺はクレハに抱きつく。
「クレハ!」
「エ、エルク様! み、見ていたのですか」
「うん! すごいや! 一人で倒しちゃった!」
「は、はい……これで、お役に立てましたか?」
「もちろんさ! んじゃ、どんどんやっちゃうよ!」
「はっ! お伴します!」
そこで、俺は気づいた。
綺麗な顔が至近距離なこと、身体に何か柔らかなモノが当たっていることに。
クレハも気づいたのか、見る見るうちに顔が赤くなっていく。
「あっ、ごめん!」
「い、いえ!」
「そ、それじゃ、遊撃よろしく!」
照れ臭くなった俺は、オルガのところに戻るのだった。
113
お気に入りに追加
654
あなたにおすすめの小説
前世で家族に恵まれなかった俺、今世では優しい家族に囲まれる 俺だけが使える氷魔法で異世界無双
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
家族や恋人もいなく、孤独に過ごしていた俺は、ある日自宅で倒れ、気がつくと異世界転生をしていた。
神からの定番の啓示などもなく、戸惑いながらも優しい家族の元で過ごせたのは良かったが……。
どうやら、食料事情がよくないらしい。
俺自身が美味しいものを食べたいし、大事な家族のために何とかしないと!
そう思ったアレスは、あの手この手を使って行動を開始するのだった。
これは孤独だった者が家族のために奮闘したり、時に冒険に出たり、飯テロしたり、もふもふしたりと……ある意味で好き勝手に生きる物語。
しかし、それが意味するところは……。
出来損ない皇子に転生~前世と今世の大切な人達のために最強を目指す~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
ある日、従姉妹の結衣と買い物に出かけた俺は、暴走した車から結衣を庇い、死んでしまう。
そして気がつくと、赤ん坊になっていた。
どうやら、異世界転生というやつをしたらしい。
特に説明もなく、戸惑いはしたが平穏に生きようと思う。
ところが、色々なことが発覚する。
え?俺は皇子なの?しかも、出来損ない扱い?そのせいで、母上が不当な扱いを受けている?
聖痕?女神?邪神?異世界召喚?
……よくわからないが、一つだけ言えることがある。
俺は決めた……大切な人達のために、最強を目指すと!
これは出来損ないと言われた皇子が、大切な人達の為に努力をして強くなり、信頼できる仲間を作り、いずれ世界の真実に立ち向かう物語である。
主人公は、いずれ自分が転生した意味を知る……。
ただ今、ファンタジー大賞に参加しております。
応援して頂けると嬉しいです。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
異世界に行ったら才能に満ち溢れていました
みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。
異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
貧乏男爵家の四男に転生したが、奴隷として売られてしまった
竹桜
ファンタジー
林業に従事していた主人公は倒木に押し潰されて死んでしまった。
死んだ筈の主人公は異世界に転生したのだ。
貧乏男爵四男に。
転生したのは良いが、奴隷商に売れてしまう。
そんな主人公は何気ない斧を持ち、異世界を生き抜く。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
アラフォー料理人が始める異世界スローライフ
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
ある日突然、異世界転移してしまった料理人のタツマ。
わけもわからないまま、異世界で生活を送り……次第に自分のやりたいこと、したかったことを思い出す。
それは料理を通して皆を笑顔にすること、自分がしてもらったように貧しい子達にお腹いっぱいになって貰うことだった。
男は異世界にて、フェンリルや仲間たちと共に穏やかなに過ごしていく。
いずれ、最強の料理人と呼ばれるその日まで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる