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みんなでクッキング
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何とか、最低限の形は整った。
パンサーさん達も自己紹介をし、ひとまずはこのメンバーでやっていくしかない。
後は本格的な作戦を練る必要があるんだけど……シリアスばっかりで疲れちゃう!
「というわけで、ほのぼのタイムです! ネコネ! 復唱!」
「ふぇ!? ほ、ほのぼのタイムです!」
俺が拳を右腕の上げて宣言すると、ネコネが一生懸命に真似をした。
その姿が可愛いらしいので、俺は頭を撫でてあげる。
「よく出来ました!」
「えへへ、褒められちゃった」
すると、皆からの視線を感じる。
苦笑する者、呆れる者、困っている者と様々である。
そんな中、クレハが口を開く。
「全く、仕方のない人ですね。ですが、疲れたのは確かです。モーリス殿、先に休憩を入れてから話し合いをしませんか?」
「ええ、私も賛成でございます。いきなり人も増え、それぞれ交流を深める必要もありますから。スタンピートも、いますぐにという訳ではございません」
「うん、俺達は下位の魔物しか見てないから平気だね」
「確定ではないですが……ずっと気を張ってるわけにも参りません。ひとまず、ここで一度解散といたしましょう。オルガ殿とギレン殿は、部屋を用意するので私についてきてください」
二人が頷く中、パンサーさんが手を挙げる。
「すまないが、俺も良いだろうか? ネコネのことも気になるし、連携は取れるようにしておいた方がいい」
「ええ、もちろんですとも」
「感謝する」
「わぁーい! おじちゃんも一緒!」
「ほほっ、それでは三人共付いてきてください」
その後、モーリスさんは三人を連れて部屋から出て行く。
残されたのは、俺とクレハとネコネである。
「お兄さんはどうするんですか?」
「俺は、ダラダラしたいけど……その前にレッツクッキング!」
「そういえば、ワイバーンの解体を任せてましたね」
「そういうこと。それと卵を使って料理をします」
「わ、わたしもお手伝いしますっ!」
「決まりだね。んじゃ、キッチンに行こう~!」
俺達も二階の部屋を出て、一階にあるキッチンへと向かう。
そして中に入ると、中央の台座に解体されたであろうワイバーンの肉が置いてあった。
何故わかったかというと、その肉の側にはワイバーンの頭やら爪やらが置いてあるからだ。
「おおっ、これまた迫力満点だね」
「ええ、中々の大物でしたから。しかし、見た目ほどの量はなかったですが」
「まあ、仕方ないよ。ほとんどは翼だし、胴体が太いとあんなに早く飛べないし」
ワイバーンは高さ三メートル、羽を広げると長さは六メートルくらい。
イメージはプテラノドンに近いので、意外と食べる部位は少ない。
それでも大きさが大きさなので、結構な量にはなると思うけど。
「お兄さん、それで何を作るの?」
「そうだなぁ……戦いの前にみんなに英気を養ってもらいたいよね。そうすれば、暗い気持ちも緩和するかも」
「それはいい考えかと」
「わたしも!」
二人の賛同を得られた俺は、探索中に考えていた料理を作ることにする。
探索で香草類や、肉やキノコは手に入った。
元々野菜類と、アレとタイ米もある。
これで、贅沢な三種類の料理を作っちゃおう。
「よし、決まりだ。時間もかかるしやっていこうか」
「エルク様、まずは何をしますか?」
「じゃあ、クレハには力仕事かな。ワイバーンの骨を水で洗ってくれる? 水は、俺が用意するから」
「わかりました。それでは、作業にかかりますね」
クレハが骨を運ぶ間に、俺は大きなバケツに水を一杯に溜める。
そして、それに骨をつけてクレハが洗っていく。
「これには何の意味があるのです?」
「その血あいを取ることで、臭みや雑味が入ることを防ぐのさ」
「それは美味しい出汁になるのでは?」
「まあ、血あいがコクを生む場合もあるね。ただ、洗ってもコクはでるし。臭みや雑味はなるべくないほうがいい」
「ふむ、そういうものですか」
納得したのか、クレハが黙々と作業を進めていく。
俺は替えの水だけ用意して、そわそわしているネコネと向き合う。
「わ、わたしは何をすればいいの!?」
「まあまあ、落ち着いて。じゃあ、ネコネは肉を一口サイズに切ってくれるかな? それを醤油とみりん、ニンニクと生姜、最後にお酒を少し入れて揉みこんでね。できたら、野菜類もお願い」
「メモメモ……はいっ! 頑張ります!」
「うん、いい返事だ」
ネコネは役に立てるのが嬉しいのか、ニコニコしながら作業を始める。
俺はといえばダラダラ……せずに大量のコンロにそれぞれ銅鍋を置き、水を入れて火にかけておく。
後は、俺にしかできないであろう調理だ。
フライパンを用意して、そこに砂糖と水を入れる。
「焦げないように、それでいてギリギリを……よし」
キャラメル状になったものを、平たい容器に入れる。
これを数回繰り返す。
次に砂糖とレモンを鍋に入れ、そこに多めの水を入れる。
これを中火にかけて、とろみが出るまで行う。
すると、作業を終えたクレハが声をかけてくる。
「エルク様、終わりました」
「ありがとう。それじゃ、骨をたたき折ったら大きな鍋で水から煮てくれる?」
「叩き折る……そして、水からですか?」
「うん、その方が美味い出汁が出るんだよ。水から煮て、じっくり煮込む……あっ、それも本で見たんだ」
「そうですか……とりあえず、やってみますね」
危ない危ない、先に言い訳をしておかないと。
骨は水から煮た方が良いし、細かくすれば時間も短縮できる。
本来なら二時間くらい欲しいけど、俺には氷魔法がある。
「おっと、その間にこっちも出来そうだ」
「それは何を作っているのですか?」
煮込むだけなので、すぐに作業を終えたクレハが覗き込んでくる。
「ふふふ、これはデザートを作っているのさ」
「デザートですか? ……果物はありませんが」
そう、この世界にはデザートといえば果物だ。
基本的に暑く、冷蔵庫もない世界では無理ない。
貴重な卵や牛乳を、そんなことに使う発想もないだろう。
「まあまあ、楽しみにしてて……よし、良い感じだ。クレハ、もう一つ大きめの容器を用意してくれる?」
「ええ、わかりました」
だいぶ煮詰まったので、用意していた容器に移し替える。
そしてクレハが用意した一回り大きな容器に魔法で氷を入れて水も足す。
そこに煮詰まったモノを入れた容器を、大きな容器にかぶせば準備完了だ。
「これは何をしているので?」
「一度冷やして粗熱を取ってるんだ。そうしないと、次に用意する物に熱が入っちゃうから」
会話をしながら卵をボウルの中に割る。
すると、中から黄金に輝く卵様が!
「おおっ、黄身が多めで綺麗だね」
「ワイバーンの卵は濃厚で美味しいと有名ですから。強さもあり、あまり出回ることなないとか」
「そりゃ、あんなのを倒さなきゃいけないもんね。クレハ、次はこれをシャカシャカして混ぜてくれる? これって、結構力仕事なんだよ」
「ふふ、なら私の出番ですね」
俺は男女差別をしないので、力仕事であろうと任せるのです!
これが適材適所という……合ってるよね?
「まあ、いいや……そしたら、そこに粗熱をとった物を入れていくと」
「このまま混ぜても?」
「うん、平気ー」
クレハが混ぜる中、少しずつ入れていく。
混ざったものを、最初に作ったカラメルソース入りの容器に入れる。
それを大きな鍋に容器ごと入れ、湯煎にかければ準備完了だ。
「この後はどうしますか?」
「クレハは骨の出汁から灰汁が出てくるから、それを小まめに取ってね」
「わかりました。それくらいならできそうですね」
そう言い、鍋の前に立っておたまを握っている。
クレハはお世辞にも料理が上手いとは言えない。
でも忍耐力や根気があるので、こういう作業は向いてるかも。
これが本当の適材適所ってやつだね!
パンサーさん達も自己紹介をし、ひとまずはこのメンバーでやっていくしかない。
後は本格的な作戦を練る必要があるんだけど……シリアスばっかりで疲れちゃう!
「というわけで、ほのぼのタイムです! ネコネ! 復唱!」
「ふぇ!? ほ、ほのぼのタイムです!」
俺が拳を右腕の上げて宣言すると、ネコネが一生懸命に真似をした。
その姿が可愛いらしいので、俺は頭を撫でてあげる。
「よく出来ました!」
「えへへ、褒められちゃった」
すると、皆からの視線を感じる。
苦笑する者、呆れる者、困っている者と様々である。
そんな中、クレハが口を開く。
「全く、仕方のない人ですね。ですが、疲れたのは確かです。モーリス殿、先に休憩を入れてから話し合いをしませんか?」
「ええ、私も賛成でございます。いきなり人も増え、それぞれ交流を深める必要もありますから。スタンピートも、いますぐにという訳ではございません」
「うん、俺達は下位の魔物しか見てないから平気だね」
「確定ではないですが……ずっと気を張ってるわけにも参りません。ひとまず、ここで一度解散といたしましょう。オルガ殿とギレン殿は、部屋を用意するので私についてきてください」
二人が頷く中、パンサーさんが手を挙げる。
「すまないが、俺も良いだろうか? ネコネのことも気になるし、連携は取れるようにしておいた方がいい」
「ええ、もちろんですとも」
「感謝する」
「わぁーい! おじちゃんも一緒!」
「ほほっ、それでは三人共付いてきてください」
その後、モーリスさんは三人を連れて部屋から出て行く。
残されたのは、俺とクレハとネコネである。
「お兄さんはどうするんですか?」
「俺は、ダラダラしたいけど……その前にレッツクッキング!」
「そういえば、ワイバーンの解体を任せてましたね」
「そういうこと。それと卵を使って料理をします」
「わ、わたしもお手伝いしますっ!」
「決まりだね。んじゃ、キッチンに行こう~!」
俺達も二階の部屋を出て、一階にあるキッチンへと向かう。
そして中に入ると、中央の台座に解体されたであろうワイバーンの肉が置いてあった。
何故わかったかというと、その肉の側にはワイバーンの頭やら爪やらが置いてあるからだ。
「おおっ、これまた迫力満点だね」
「ええ、中々の大物でしたから。しかし、見た目ほどの量はなかったですが」
「まあ、仕方ないよ。ほとんどは翼だし、胴体が太いとあんなに早く飛べないし」
ワイバーンは高さ三メートル、羽を広げると長さは六メートルくらい。
イメージはプテラノドンに近いので、意外と食べる部位は少ない。
それでも大きさが大きさなので、結構な量にはなると思うけど。
「お兄さん、それで何を作るの?」
「そうだなぁ……戦いの前にみんなに英気を養ってもらいたいよね。そうすれば、暗い気持ちも緩和するかも」
「それはいい考えかと」
「わたしも!」
二人の賛同を得られた俺は、探索中に考えていた料理を作ることにする。
探索で香草類や、肉やキノコは手に入った。
元々野菜類と、アレとタイ米もある。
これで、贅沢な三種類の料理を作っちゃおう。
「よし、決まりだ。時間もかかるしやっていこうか」
「エルク様、まずは何をしますか?」
「じゃあ、クレハには力仕事かな。ワイバーンの骨を水で洗ってくれる? 水は、俺が用意するから」
「わかりました。それでは、作業にかかりますね」
クレハが骨を運ぶ間に、俺は大きなバケツに水を一杯に溜める。
そして、それに骨をつけてクレハが洗っていく。
「これには何の意味があるのです?」
「その血あいを取ることで、臭みや雑味が入ることを防ぐのさ」
「それは美味しい出汁になるのでは?」
「まあ、血あいがコクを生む場合もあるね。ただ、洗ってもコクはでるし。臭みや雑味はなるべくないほうがいい」
「ふむ、そういうものですか」
納得したのか、クレハが黙々と作業を進めていく。
俺は替えの水だけ用意して、そわそわしているネコネと向き合う。
「わ、わたしは何をすればいいの!?」
「まあまあ、落ち着いて。じゃあ、ネコネは肉を一口サイズに切ってくれるかな? それを醤油とみりん、ニンニクと生姜、最後にお酒を少し入れて揉みこんでね。できたら、野菜類もお願い」
「メモメモ……はいっ! 頑張ります!」
「うん、いい返事だ」
ネコネは役に立てるのが嬉しいのか、ニコニコしながら作業を始める。
俺はといえばダラダラ……せずに大量のコンロにそれぞれ銅鍋を置き、水を入れて火にかけておく。
後は、俺にしかできないであろう調理だ。
フライパンを用意して、そこに砂糖と水を入れる。
「焦げないように、それでいてギリギリを……よし」
キャラメル状になったものを、平たい容器に入れる。
これを数回繰り返す。
次に砂糖とレモンを鍋に入れ、そこに多めの水を入れる。
これを中火にかけて、とろみが出るまで行う。
すると、作業を終えたクレハが声をかけてくる。
「エルク様、終わりました」
「ありがとう。それじゃ、骨をたたき折ったら大きな鍋で水から煮てくれる?」
「叩き折る……そして、水からですか?」
「うん、その方が美味い出汁が出るんだよ。水から煮て、じっくり煮込む……あっ、それも本で見たんだ」
「そうですか……とりあえず、やってみますね」
危ない危ない、先に言い訳をしておかないと。
骨は水から煮た方が良いし、細かくすれば時間も短縮できる。
本来なら二時間くらい欲しいけど、俺には氷魔法がある。
「おっと、その間にこっちも出来そうだ」
「それは何を作っているのですか?」
煮込むだけなので、すぐに作業を終えたクレハが覗き込んでくる。
「ふふふ、これはデザートを作っているのさ」
「デザートですか? ……果物はありませんが」
そう、この世界にはデザートといえば果物だ。
基本的に暑く、冷蔵庫もない世界では無理ない。
貴重な卵や牛乳を、そんなことに使う発想もないだろう。
「まあまあ、楽しみにしてて……よし、良い感じだ。クレハ、もう一つ大きめの容器を用意してくれる?」
「ええ、わかりました」
だいぶ煮詰まったので、用意していた容器に移し替える。
そしてクレハが用意した一回り大きな容器に魔法で氷を入れて水も足す。
そこに煮詰まったモノを入れた容器を、大きな容器にかぶせば準備完了だ。
「これは何をしているので?」
「一度冷やして粗熱を取ってるんだ。そうしないと、次に用意する物に熱が入っちゃうから」
会話をしながら卵をボウルの中に割る。
すると、中から黄金に輝く卵様が!
「おおっ、黄身が多めで綺麗だね」
「ワイバーンの卵は濃厚で美味しいと有名ですから。強さもあり、あまり出回ることなないとか」
「そりゃ、あんなのを倒さなきゃいけないもんね。クレハ、次はこれをシャカシャカして混ぜてくれる? これって、結構力仕事なんだよ」
「ふふ、なら私の出番ですね」
俺は男女差別をしないので、力仕事であろうと任せるのです!
これが適材適所という……合ってるよね?
「まあ、いいや……そしたら、そこに粗熱をとった物を入れていくと」
「このまま混ぜても?」
「うん、平気ー」
クレハが混ぜる中、少しずつ入れていく。
混ざったものを、最初に作ったカラメルソース入りの容器に入れる。
それを大きな鍋に容器ごと入れ、湯煎にかければ準備完了だ。
「この後はどうしますか?」
「クレハは骨の出汁から灰汁が出てくるから、それを小まめに取ってね」
「わかりました。それくらいならできそうですね」
そう言い、鍋の前に立っておたまを握っている。
クレハはお世辞にも料理が上手いとは言えない。
でも忍耐力や根気があるので、こういう作業は向いてるかも。
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