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こっちも固まる
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屋敷に戻り、モーリスさんに説明をする。
ギレンという仲間と、改めてパンサーさんと親睦を深めたことなど。
すると、モーリスさんが突然……パンサーさんに頭を下げる。
「申し訳ありませんでした!」
「……いや、いい。お主だけが悪いわけではない」
「……俺、さがろっか?」
気を使ってそう言うと、モーリスさんが首を横に振る。
「いえ、私の懺悔を聞いてくださいますか?」
「……わかった」
「感謝いたします。そして、改めてネコネさんとパンサー殿には謝罪いたします」
そして、モーリスさんが話し出す。
「ネコネさんの父であり、パンサー殿の兄であるアイザック殿は我が友であり優秀な狩人でした。彼がいたおかげで、何人の住民達が救われたことか。しかし、ある時……いよいよ、飢饉が迫ったのです。そして、私は彼に食材調達をお願いし……無茶をしたのでしょう、帰らぬ人になりました」
「……そうだったんだ」
「はい……私は恨まれて当然です。この地を預かる者として、彼を犠牲にしてしまいました。それ以降、パンサー殿や獣人達との関係はますます悪化を辿り……今に至るのです」
「そっか」
「ですが、エルク殿下がその氷を溶かしてくださいました。こうして親族であるお二人と、また話せるとは……っ」
そして、嗚咽をあげて泣く。
それこそ、言った通り懺悔のように。
「それで、二人は恨んでいるの?」
「いや、それを決めたは兄自身だ。それを恨むのはお門違いというものだ……無論、何も感じないわけはないし、獣人達が悪感情を抱くことにはなったが」
「わ、わたしも、出かける前にお父さんに言われたから……これは自分の意思だって。お母さんも、恨んじゃいけませんって」
すると、モーリスさんが顔を上げる。
「あ、ありがとうございます……」
「いや、気にすることはない。結局、俺も無茶をして……この通り、片腕が痺れて役立たずになってしまった。それでも、出来ることをやろうと思う。これから、よろしく頼む」
「わ、わたしも頑張りますっ!」
「お二人共……ええ! こちらこそ、よろしくお願いいたします!」
……人に歴史ありってことか。
そして、俺達がぬくぬくしている間にも、そうやって頑張ったり苦しんできた人達がいる。
そのことを忘れちゃいけないし、そもそも……俺達のせいでもある。
「それじゃ、俺も謝らないといけないね。流石に王族としてはダメだけど、ただのエルクとして謝罪します」
「あ、頭をお上げください! これは私の責任ですから!」
「いや、こうなると見越してなかった俺達の落ち度だと思うから」
前世でも、現場を知らない上の方々は沢山いた。
気づいていて放置した人もいれば、気づかずに放置してしまった人もいるだろうけど……はっきり言って、それは現場の人間からしたら関係のない話だよね。
「エルク殿下……そう言って頂けると幸いでございます。貴方の気持ちだけ受け取って頂きます」
「ああ、俺もだ。まだ幼かったお主を責めるほど馬鹿じゃない」
「わ、わたしも! エルクお兄さんは助けてくれたもん!」
「そっか……ありがとう、三人共」
そうして、四人で笑い合う。
ふむふむ、こっちが本当の雨降って地固まるってやつだね。
ギレンという仲間と、改めてパンサーさんと親睦を深めたことなど。
すると、モーリスさんが突然……パンサーさんに頭を下げる。
「申し訳ありませんでした!」
「……いや、いい。お主だけが悪いわけではない」
「……俺、さがろっか?」
気を使ってそう言うと、モーリスさんが首を横に振る。
「いえ、私の懺悔を聞いてくださいますか?」
「……わかった」
「感謝いたします。そして、改めてネコネさんとパンサー殿には謝罪いたします」
そして、モーリスさんが話し出す。
「ネコネさんの父であり、パンサー殿の兄であるアイザック殿は我が友であり優秀な狩人でした。彼がいたおかげで、何人の住民達が救われたことか。しかし、ある時……いよいよ、飢饉が迫ったのです。そして、私は彼に食材調達をお願いし……無茶をしたのでしょう、帰らぬ人になりました」
「……そうだったんだ」
「はい……私は恨まれて当然です。この地を預かる者として、彼を犠牲にしてしまいました。それ以降、パンサー殿や獣人達との関係はますます悪化を辿り……今に至るのです」
「そっか」
「ですが、エルク殿下がその氷を溶かしてくださいました。こうして親族であるお二人と、また話せるとは……っ」
そして、嗚咽をあげて泣く。
それこそ、言った通り懺悔のように。
「それで、二人は恨んでいるの?」
「いや、それを決めたは兄自身だ。それを恨むのはお門違いというものだ……無論、何も感じないわけはないし、獣人達が悪感情を抱くことにはなったが」
「わ、わたしも、出かける前にお父さんに言われたから……これは自分の意思だって。お母さんも、恨んじゃいけませんって」
すると、モーリスさんが顔を上げる。
「あ、ありがとうございます……」
「いや、気にすることはない。結局、俺も無茶をして……この通り、片腕が痺れて役立たずになってしまった。それでも、出来ることをやろうと思う。これから、よろしく頼む」
「わ、わたしも頑張りますっ!」
「お二人共……ええ! こちらこそ、よろしくお願いいたします!」
……人に歴史ありってことか。
そして、俺達がぬくぬくしている間にも、そうやって頑張ったり苦しんできた人達がいる。
そのことを忘れちゃいけないし、そもそも……俺達のせいでもある。
「それじゃ、俺も謝らないといけないね。流石に王族としてはダメだけど、ただのエルクとして謝罪します」
「あ、頭をお上げください! これは私の責任ですから!」
「いや、こうなると見越してなかった俺達の落ち度だと思うから」
前世でも、現場を知らない上の方々は沢山いた。
気づいていて放置した人もいれば、気づかずに放置してしまった人もいるだろうけど……はっきり言って、それは現場の人間からしたら関係のない話だよね。
「エルク殿下……そう言って頂けると幸いでございます。貴方の気持ちだけ受け取って頂きます」
「ああ、俺もだ。まだ幼かったお主を責めるほど馬鹿じゃない」
「わ、わたしも! エルクお兄さんは助けてくれたもん!」
「そっか……ありがとう、三人共」
そうして、四人で笑い合う。
ふむふむ、こっちが本当の雨降って地固まるってやつだね。
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