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『まて』をさせられました 45
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◇
「あっれぇ~、あの子は、エドワードの婚約者じゃないのかぁ?」
声と共に俺の肩にずっしりと重みが加わる。
後ろから、愉快気な揶揄うような声で俺の肩に肘をのせた男、近衛騎士団のハンス。
軽薄な口調と女受けするような、微笑を常に浮かべた男。
その視線の先には、ハイドランジア国の王太子とファーストダンスを踊るクラウディアがいた。
王族すべてが入場したのち、国王の挨拶で始まった夜会。
始まってすぐ、王太子の挨拶のちにパートナーを引き連れて中央へ進み出て王の合図で曲が流れだし踊りだした。
滑らかに動き出し、息の合った踊りで会場の人々の視線を奪い魅了している2人。
二人の関係については、一切何も触れていない。
王の挨拶にも王太子の挨拶にもなく、ましてやクラウディアが口を開くこともない。ふんわりとした柔和な微笑を浮かべるだけ。ただその微笑に会場の多くの男が虜になっている。
「王太子殿下と僕らは、従弟ですからね。
婚約者がはっきり決まっていない殿下の為に、今回のパートナーを引き受けただけですよ。」
ギリギリとクラウディアと踊る王太子へ強い嫉妬の視線を送っていたエドワードたちのもとに、記憶よりもやや男らしい顔つきになったジェイクが近付く。
「ヴィクター殿下、お久しぶりでございます。レティシア様のご懐妊おめでとうございます。
ハンス様、近衛騎士団団長就任おめでとうございます。
・・・エドワード、様、宰相補佐官でしかないあなたが、何故、ここにいらっしゃるのでしょうね?」
男らしい顔つきに成長をしたが、人懐っこい笑顔は健在で殿下やハンスに祝いを寿ぐ。
そのついでに俺にも、笑顔で嫌味な挨拶を言うことも忘れない。
「ああ、ありがとう。ジェイも久しぶりだな。ずいぶんと背が高くなったなぁ。」
「いえいえ、まだまだ成長すると思いますよ。」
ヴィクター殿下とジェイクは幼馴染だ、久しぶりにあった旧友とのやりとりも気安い。
とはいえ、ここは多くが集まる夜会だ。
ほとんどの人の注目が中央で踊っている2人に集まっているとはいえ、そこはきっちりと家臣としての姿勢を崩さず、しかし、ネモフィラ王家と親しいという印象をしっかり出す。
そういえば、こいつもハイドランジア国王族の親族に当たるんだった。
「それよりっ」
「あっ、終わりましたね。」
俺はそれよりも気になる、何故クラウディアが王太子殿下のパートナーになったかだ。
王太子には5人の姉がいたはず。婚約者が決まっていないというのならば、その姉でもいいはずだ。
そう言って詳しく聞こうと思ったときに、滑らかな余韻で曲が終わり踊っていた2人は手を離して向き合い優雅なお辞儀をしている。
クラウディアの方は、相変わらず微笑を可憐に浮かべている。だが王太子の方は頬を紅潮させ瞳を輝かせ、そこに熱がこもっていることをこの場からでも見て取れる。
「姉様。」
俺たちが見ている視線にさっきまで傍にいたはずのジェイクが、クラウディアを迎えに中央から離れている2人に声を掛ける。
王太子殿下のもとには、婚約者候補とみられる令嬢が近付いている。
王太子殿下とクラウディアはお互いに、何かを言葉を交わして離れていった。
「ヴィクター殿下お久しぶりでございます。そして、レティシア様ご懐妊おめでとうございます。レティシアも健やかにお過ごしでしょうか?」
ジェイクに手を引かれてヴィクター殿下のもとへきたクラウディアは、近くに来るとスッと腰を落とし挨拶をヴィクターへすると笑顔で顔を上げ祝いも口にする。
「ありがとう。レティシアも安定期に入ったので一先ずは落ち着いている。まあ、発表したばかりだから、祝いの品や面会が多かったが大事な体だ。義姉上にお願いして無理させないように制限してもらっているよ。
そっちこそ、元気だったか?って、まぁ、いつも聞かされていたから、しっているけどな・・・」
そう言ってジト目でこちらを見るヴィクター殿下。
なんでだ?幼馴染なのだろ?気になるだろうからと、教えていたのに、なんだその視線は?
「うふふっ、仲良くされているようで、よかったわ。」
「よくありませんよ・・・」
クラウディアが、洗練された淑女らしく口元を閉じた扇で押さえながら小さく声を出して笑う。そのかわいらしい姿に、さっきまでの燃えるような嫉妬の感情は消火していくようだ。
其処へ、軽薄な声が邪魔をする。
「あらっ、オールディス侯爵子息のハンス様。どうなさいました?」
「どうなさいましたって、エドワードに友達を最低でも5人は作るようにっていうアレで困ってるんですよ。」
わざとらしい眉を寄せて泣きまねの様に、どさくさに紛れてクラウディアの手を握ろうとするハンス。俺は思わずハンスの手をバシッとおとしてクラウディアを引き寄せた。
「何が問題なんだ。お前とは昔から騎士団での稽古の時に組んでいただろう。友達で問題ないだろう、っう・・・」
久しぶりのクラウディアの柔らかな体をひきよせて、俺の腕の中に囲う。
久しぶりどころか、こんな風に抱き寄せたことなど初めてではなかろうか。
シンプルなデザインのドレス。落ち着いたピンクで清楚さは出しているが、胸元にレースで飾られているが最近のはやりで大きくデコルテを出すデザインとなっており見下ろすと成長著しい胸元が目に入る。チュールが重なったスカート部分は大きく膨らんで反対に縊れた腰がほっそりとしている。最近はやりの型、女性の艶めかしさと清楚と可憐さで合わせだすデザインだというが・・・これは、少々目のやり場に困る。
勢いで引き寄せはしたが、その後について考えていなかったのもありその後が続かない、
久しぶりになったというのに、素敵なドレス姿を褒める言葉が出てこない。
「・・・エドワード様?」
黙り込んだ俺に、首をコテンと傾げながらクラウディアが声を掛けてくれるが、何でもない女性に対してならただの脂肪のふくらみの胸元もなんとも思わないのに、クラウディアだと思うと胸が大きく動悸が強くなる。。
「むっつり・・・」
ジェイクの低い声が俺の後ろから聞こえ、えっと思ったときには俺の腕の中からクラウディアは取られていた。
「エドワード、様。やめていただきたい。いくらあなたが一応は婚約者とは言え、こんな人目のある場所で・・・姉様の今後に影響します。」
態々、一応と強調された婚約者だが、婚約者に触れることの何が悪い。
そんな気持ちで睨めば、ヴィクター殿下とクラウディアが同じように息を吐く。まるで困ったものだという様に・・・
「まったくもう。エドワード、お久しぶりですね。
お変わりありませんか?」
ヴィクター殿下のどうにかしろという視線を受けて、にらみ合いの仲裁に声を掛けてくれたクラウディア。
会うのは本当に久しぶりだから、嬉しく頬が緩む。声も旅立ってから久しぶりに聞く。
やはりクラウディアの声は、癒される。
「クラウディア・・・、変わりはないよ。
いや、毎日つらいよ。君がいないのは辛くて仕方がない。早く帰ってきてほしいと毎日願うばかりだよ。」
嬉しさのあまり、気が付くと情けないことまで声に出ていた。
ああ、なんて失態。
久しぶりに会ったというのに・・・
「まあ、まだ私がこの国に来て1年ですよ。
まだまだお待ちいただかないと、うふふっ、困りますわ。」
困りますと言いながら楽しそうに笑う。
クラウディアが笑うと周りが華やかに彩る。気が付くと其処彼処から、ほうぅと声が聞こえて注目を浴びていた。
その視線は、男性が多くはあるが女性も含まれていた。
「それで、何が困りますの?」
周りから注目を浴びているというのに、それに全く気にする様子もなくハンスへ会話の続きを促す。
この多くの視線をわかっていて、無視しているのか?それとも、気が付かないのか?気が付かないのだとしたら、危険極まりない。邪な考えで近づくものに拐かされでもしそうで恐い。
ふと、そういえばジェイクが自然な動きでニコニコと周りを見渡している。その視線が合うと、こちらを見ていたほとんどが、視線をそらしてるようだ。
・・・・・・恐らくジェイクは、こちらで相当頑張っているらしい。
「聞いてくださいよぉ。
いいですか、クラウディア嬢がエドワードへ課した、お友達を作りましょうって、こいつが俺と友達だっていろんなところで触れ回っているものだから、変な創作物が出回って苦慮しているんです。」
「友達を友達と言って何が悪い?」
「だから、それがそもそも違う!
友達だなんて、態々口に出して触れ回るものじゃないでしょ?なのに、こいつと来たら、態々彼方此方で言いまわるものだから、男色を疑われて僕の彼女たちが離れていって・・・あんなものが・、あぁぁぁ、俺が好きなのはかわいい女の子なのに・・・」
声はさほど大きくはないが、それでも嘆きの声で頭を抱えるハンス。わざとらしいポーズにクスクス楽しそうな声で笑うクラウディアの周囲には、クラウディアのイメージのガーベラが咲き乱れているようだ。
「あらあら、エドワードはお友達と仲がよろしいようですね。」
「勿論だ!ハンスもそうだが、私の秘書をしてくれている3人とも仲良く友達だ。それにヴィクター殿下とも仲が良い。ほらっ、これで友達は5人。
クラウディアのいう通り、友達の交流を広げているぞ。」
にこにこ笑顔のクラウディアは兎も角、男3人からは何故か痛いくらいの視線が突き刺さる。
何故だ?
「うふふっ、エドワード様も頑張っていらっしゃるのですね。」
そう軽やかな笑い声に、周りの視線の不快感が浄化するようだ。
クラウディアの笑顔と笑い声に、癒される。
「あっれぇ~、あの子は、エドワードの婚約者じゃないのかぁ?」
声と共に俺の肩にずっしりと重みが加わる。
後ろから、愉快気な揶揄うような声で俺の肩に肘をのせた男、近衛騎士団のハンス。
軽薄な口調と女受けするような、微笑を常に浮かべた男。
その視線の先には、ハイドランジア国の王太子とファーストダンスを踊るクラウディアがいた。
王族すべてが入場したのち、国王の挨拶で始まった夜会。
始まってすぐ、王太子の挨拶のちにパートナーを引き連れて中央へ進み出て王の合図で曲が流れだし踊りだした。
滑らかに動き出し、息の合った踊りで会場の人々の視線を奪い魅了している2人。
二人の関係については、一切何も触れていない。
王の挨拶にも王太子の挨拶にもなく、ましてやクラウディアが口を開くこともない。ふんわりとした柔和な微笑を浮かべるだけ。ただその微笑に会場の多くの男が虜になっている。
「王太子殿下と僕らは、従弟ですからね。
婚約者がはっきり決まっていない殿下の為に、今回のパートナーを引き受けただけですよ。」
ギリギリとクラウディアと踊る王太子へ強い嫉妬の視線を送っていたエドワードたちのもとに、記憶よりもやや男らしい顔つきになったジェイクが近付く。
「ヴィクター殿下、お久しぶりでございます。レティシア様のご懐妊おめでとうございます。
ハンス様、近衛騎士団団長就任おめでとうございます。
・・・エドワード、様、宰相補佐官でしかないあなたが、何故、ここにいらっしゃるのでしょうね?」
男らしい顔つきに成長をしたが、人懐っこい笑顔は健在で殿下やハンスに祝いを寿ぐ。
そのついでに俺にも、笑顔で嫌味な挨拶を言うことも忘れない。
「ああ、ありがとう。ジェイも久しぶりだな。ずいぶんと背が高くなったなぁ。」
「いえいえ、まだまだ成長すると思いますよ。」
ヴィクター殿下とジェイクは幼馴染だ、久しぶりにあった旧友とのやりとりも気安い。
とはいえ、ここは多くが集まる夜会だ。
ほとんどの人の注目が中央で踊っている2人に集まっているとはいえ、そこはきっちりと家臣としての姿勢を崩さず、しかし、ネモフィラ王家と親しいという印象をしっかり出す。
そういえば、こいつもハイドランジア国王族の親族に当たるんだった。
「それよりっ」
「あっ、終わりましたね。」
俺はそれよりも気になる、何故クラウディアが王太子殿下のパートナーになったかだ。
王太子には5人の姉がいたはず。婚約者が決まっていないというのならば、その姉でもいいはずだ。
そう言って詳しく聞こうと思ったときに、滑らかな余韻で曲が終わり踊っていた2人は手を離して向き合い優雅なお辞儀をしている。
クラウディアの方は、相変わらず微笑を可憐に浮かべている。だが王太子の方は頬を紅潮させ瞳を輝かせ、そこに熱がこもっていることをこの場からでも見て取れる。
「姉様。」
俺たちが見ている視線にさっきまで傍にいたはずのジェイクが、クラウディアを迎えに中央から離れている2人に声を掛ける。
王太子殿下のもとには、婚約者候補とみられる令嬢が近付いている。
王太子殿下とクラウディアはお互いに、何かを言葉を交わして離れていった。
「ヴィクター殿下お久しぶりでございます。そして、レティシア様ご懐妊おめでとうございます。レティシアも健やかにお過ごしでしょうか?」
ジェイクに手を引かれてヴィクター殿下のもとへきたクラウディアは、近くに来るとスッと腰を落とし挨拶をヴィクターへすると笑顔で顔を上げ祝いも口にする。
「ありがとう。レティシアも安定期に入ったので一先ずは落ち着いている。まあ、発表したばかりだから、祝いの品や面会が多かったが大事な体だ。義姉上にお願いして無理させないように制限してもらっているよ。
そっちこそ、元気だったか?って、まぁ、いつも聞かされていたから、しっているけどな・・・」
そう言ってジト目でこちらを見るヴィクター殿下。
なんでだ?幼馴染なのだろ?気になるだろうからと、教えていたのに、なんだその視線は?
「うふふっ、仲良くされているようで、よかったわ。」
「よくありませんよ・・・」
クラウディアが、洗練された淑女らしく口元を閉じた扇で押さえながら小さく声を出して笑う。そのかわいらしい姿に、さっきまでの燃えるような嫉妬の感情は消火していくようだ。
其処へ、軽薄な声が邪魔をする。
「あらっ、オールディス侯爵子息のハンス様。どうなさいました?」
「どうなさいましたって、エドワードに友達を最低でも5人は作るようにっていうアレで困ってるんですよ。」
わざとらしい眉を寄せて泣きまねの様に、どさくさに紛れてクラウディアの手を握ろうとするハンス。俺は思わずハンスの手をバシッとおとしてクラウディアを引き寄せた。
「何が問題なんだ。お前とは昔から騎士団での稽古の時に組んでいただろう。友達で問題ないだろう、っう・・・」
久しぶりのクラウディアの柔らかな体をひきよせて、俺の腕の中に囲う。
久しぶりどころか、こんな風に抱き寄せたことなど初めてではなかろうか。
シンプルなデザインのドレス。落ち着いたピンクで清楚さは出しているが、胸元にレースで飾られているが最近のはやりで大きくデコルテを出すデザインとなっており見下ろすと成長著しい胸元が目に入る。チュールが重なったスカート部分は大きく膨らんで反対に縊れた腰がほっそりとしている。最近はやりの型、女性の艶めかしさと清楚と可憐さで合わせだすデザインだというが・・・これは、少々目のやり場に困る。
勢いで引き寄せはしたが、その後について考えていなかったのもありその後が続かない、
久しぶりになったというのに、素敵なドレス姿を褒める言葉が出てこない。
「・・・エドワード様?」
黙り込んだ俺に、首をコテンと傾げながらクラウディアが声を掛けてくれるが、何でもない女性に対してならただの脂肪のふくらみの胸元もなんとも思わないのに、クラウディアだと思うと胸が大きく動悸が強くなる。。
「むっつり・・・」
ジェイクの低い声が俺の後ろから聞こえ、えっと思ったときには俺の腕の中からクラウディアは取られていた。
「エドワード、様。やめていただきたい。いくらあなたが一応は婚約者とは言え、こんな人目のある場所で・・・姉様の今後に影響します。」
態々、一応と強調された婚約者だが、婚約者に触れることの何が悪い。
そんな気持ちで睨めば、ヴィクター殿下とクラウディアが同じように息を吐く。まるで困ったものだという様に・・・
「まったくもう。エドワード、お久しぶりですね。
お変わりありませんか?」
ヴィクター殿下のどうにかしろという視線を受けて、にらみ合いの仲裁に声を掛けてくれたクラウディア。
会うのは本当に久しぶりだから、嬉しく頬が緩む。声も旅立ってから久しぶりに聞く。
やはりクラウディアの声は、癒される。
「クラウディア・・・、変わりはないよ。
いや、毎日つらいよ。君がいないのは辛くて仕方がない。早く帰ってきてほしいと毎日願うばかりだよ。」
嬉しさのあまり、気が付くと情けないことまで声に出ていた。
ああ、なんて失態。
久しぶりに会ったというのに・・・
「まあ、まだ私がこの国に来て1年ですよ。
まだまだお待ちいただかないと、うふふっ、困りますわ。」
困りますと言いながら楽しそうに笑う。
クラウディアが笑うと周りが華やかに彩る。気が付くと其処彼処から、ほうぅと声が聞こえて注目を浴びていた。
その視線は、男性が多くはあるが女性も含まれていた。
「それで、何が困りますの?」
周りから注目を浴びているというのに、それに全く気にする様子もなくハンスへ会話の続きを促す。
この多くの視線をわかっていて、無視しているのか?それとも、気が付かないのか?気が付かないのだとしたら、危険極まりない。邪な考えで近づくものに拐かされでもしそうで恐い。
ふと、そういえばジェイクが自然な動きでニコニコと周りを見渡している。その視線が合うと、こちらを見ていたほとんどが、視線をそらしてるようだ。
・・・・・・恐らくジェイクは、こちらで相当頑張っているらしい。
「聞いてくださいよぉ。
いいですか、クラウディア嬢がエドワードへ課した、お友達を作りましょうって、こいつが俺と友達だっていろんなところで触れ回っているものだから、変な創作物が出回って苦慮しているんです。」
「友達を友達と言って何が悪い?」
「だから、それがそもそも違う!
友達だなんて、態々口に出して触れ回るものじゃないでしょ?なのに、こいつと来たら、態々彼方此方で言いまわるものだから、男色を疑われて僕の彼女たちが離れていって・・・あんなものが・、あぁぁぁ、俺が好きなのはかわいい女の子なのに・・・」
声はさほど大きくはないが、それでも嘆きの声で頭を抱えるハンス。わざとらしいポーズにクスクス楽しそうな声で笑うクラウディアの周囲には、クラウディアのイメージのガーベラが咲き乱れているようだ。
「あらあら、エドワードはお友達と仲がよろしいようですね。」
「勿論だ!ハンスもそうだが、私の秘書をしてくれている3人とも仲良く友達だ。それにヴィクター殿下とも仲が良い。ほらっ、これで友達は5人。
クラウディアのいう通り、友達の交流を広げているぞ。」
にこにこ笑顔のクラウディアは兎も角、男3人からは何故か痛いくらいの視線が突き刺さる。
何故だ?
「うふふっ、エドワード様も頑張っていらっしゃるのですね。」
そう軽やかな笑い声に、周りの視線の不快感が浄化するようだ。
クラウディアの笑顔と笑い声に、癒される。
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