20 / 57
『まて』をやめました 20
しおりを挟む
◇
「それは、どういうことかな?」
麗しのレティシア様から、エドワード様と婚約解消しても繋がりは強固でいてくれると、『妹』と思ってくださると憂いがなくなってハイテンションで元気に返事をしたところに知らない声が乱入してきた。
空気を静かに震わせる甘さを含んだ低い男の声。
その方をみれば、必死に止めようとしているジェイクを引きずりながら背の高い、声のとおりの男の人がいた。
それもただの男性でない。今まで見た中でダントツ一番カッコイイ、美形、綺麗な男性。
ダークブルーの髪は、落ち着いて見えるが陽の光をはじくと天使の輪が現れる。
秀麗な顔立ち、黒曜石ような瞳は玲瓏としていて冷たい光を秘めていた。その一つ一つがレティシア様と同じく、黄金パーツ黄金配置のこの世の美の集大作という美しさの具現。
白い肌は軟弱に見えることなく精悍な印象を与える。それも聖騎士に引けを取らない実力のあるジェイクを引きずるほどの力のあるがっしりとした体格にあると思う。
決してマッチョではない。
でも肩幅だったりトラウザーにぴったりと張り付いた腿の筋肉だったりが、その人を実は筋肉質であると教えてくれる。細身に見せるためか、高級感たっぷりの光沢あるジャケットは紺にも見える黒だが、肩から二の腕にかけてがモリッとしている。たぶん僅かにだけど、たぶん、たぶん、なかなかイイ肉体だろうなぁ。
う~~~ん、レティシア様の観察で最近他の人の身体の洞察力が上がってきているような気がする・・・変態チックに。
まあ、つまるところジェイクに邪魔されながらこちらに向かってきている人は、一言で言うとに細マッチョ的超絶美形であるということ。
レティシア様とは違って、男らしいが美術品にひけをとらないくらいの綺麗なのだ。
レティシア様もそうだけど、人外的な美しさがあるなぁ。
でも、レティシア様とは決定的に違いがはっきりしている。
レティシア様は、心の清らかさまでもがその身ににじみ出ている美しさがあるけど、この人は違う。
なんか・・・腹黒?
本性を隠すのがうまい?
だけどそれを上手く隠しているから、なんか人形みたい。
残念だなぁ。
レティシア様によく似た、美しい人だというのに似ているからこそ、その心の中が透けて見えるようだ。
「姉様、ダメだ!こいつを見ちゃダメ。また呪いにかかるっ。」
ジェイクは美麗な男性にしがみ付くように行く手を阻んでいる。
しかし呪いって・・・
「ジェイク、いくら何でも言い過ぎよ。
ぷっくくっ、一応、お客様みたいだし、そんなことしちゃ、ダメでしょ?」
ジェイクの言い方があまりにもアレなもので、噴出さないようにするのがつらかった。
呪い・・・言い得て妙だわ。
「姉様・・・、大丈夫なの?」
それまで客人にしがみ付いていたジェイクは、ポイっと掴んでいた手をほっぽりだして私の傍に来て顔をまじまじ見つめる。
うふふっ、いやだわ。この子ってば可愛い。
心配そうにしてるのに、ほっとしてる。
至近距離で見るとジェイクってば、甘い顔をしてるわよね。
きっと会う人みんなを誑し込めるくらいに、魅力的だわ。私が安心させるために笑いかけるとぱあぁっと嬉しそうな顔になる。本当に心配していたのね。
「うふふっ、勿論よ。
私には、レティシア様という女神様が付いているのよ。呪いなんてかからないわよ。」
いや~ねぇ、この子ってば。
かわいらしいジェイクの頬を撫でてあげると犬の様に擦りついてくる。
ふわふわした髪が揺れてくすぐったい。客人を止めているジェイクの鬼気迫るかんじはちょっと恐かったけど、こうして擦りついてくる顔はご機嫌笑顔だ。ほっぺも男の子なのに柔らかで癒される。
もう、私の弟はなんてかわいいの?
「まったく、君の弟はなんて失礼な・・・」
ジェイクに癒されていると、客人の低い声が響く。あまり大きな声を出していないようなのに、耳によく響くいい声だ。
ジェイクがつかんだせいでよれて皺になったジャケットを手で馴らして此方を睨むように近づいてくる。うわぁ、機嫌悪う・・・
レティシア様に性別的なところを除けばよく似ている美麗男性、その見た目から、どう考えても私の婚約者だと言う、エドワード様で間違えないだろう。
確かに見た目は美しい。
美丈夫というには、もっと美しいんだよなぁ。男性ってわかるけど中性?でもないし、性別とか人とか関係ないって感じかなぁ?
美術館にある、彫刻か絵画の様・・・いや、今の機嫌悪い顔、きれい過ぎて魔王的な?
女神様と魔王?
鑑賞物としてなら魅力的だろうけど、う~ん・・・ないかな?
圧倒的にレティシア様に軍配があがる。レティシア様に会う前なら夢中になれたかもしれないけど、レティシア様を知ってしまった私には、それほどの熱を向けられない。
──────日記を読んじゃうと・・・特にね
「ねえジェイク、この場合『お久しぶり』というのかな?でもさぁ、私的には初対面なわけで『初めまして』?でもないよね?なんていうのが正解なのかな?」
「そうだね、まずは『とっとと帰りやがれで!』でどうかな?」
「え~、それはいくら何でも失礼でしょ?もう顔は見たかったら見れてよかったよ。う~ん、あとは用はない、かな?」
「あっ、そうか『サインをして帰りやがれ』だね」
そうでした、用はあったな。忘れるところだった。
おもわすぽんっと手のひらに拳でたたいて、そ~でしたと思い立つ。だけど、それが第一声としてはどうなのかな?
いくらこのあと、繋がりが希薄になろうとも貴族の社交の場では、会うだろうしザリエル家にマイナスな印象の発言は避けたいなぁ。
「ねえ、クレアはどう思う?」
私とジェイクの会話を静かに傍で影のように聞いていたクレアにも助言を頼む。
「そうですね、私は今のお嬢様の思うままに話されるのがよろしいかと存じます。
溜めていた思いも一緒に。」
考えていたのか、スラスラと言われたアドバイスは的を得ていた。
それもそうね。
今の私で話すことの重要さを思い出した。
記憶がない私には、エドワード様への恋慕は無いに等しい。
だけど言いたいこと、そりゃ山ほどありますわぁ!
偶に見る夢の起き抜けの悪いこと悪いこと。腫れた瞼に痛ましい視線のクレアやメイドたち。なにも聞いてこないけど、何かに感づいている家族。
本人がサインをしないことには、進まない婚約の解消。
早く断ち切って、飛び立ちたい。
心身ともに、軽くなって新しい人生を、家族や友達、周りの人たちと新たな思い出をつくる。
日記や夢の中のように、言いなりになって『まて』はもうやめる。
だから、私は、今の私で言いたいことを言う。
スッと立ち上がり、私たちの近くでやり取りを、無表情に微妙な心情を僅かばかり顔にだしているエドワード様のもとに向く。
さて、私の今の気持ち?
『はじめまして』『私は記憶がありません』『貴方のことはなにもおぼえてません』『婚約解消しましょう』
どれもあてはまるけど、まずはこれかな?
私の今の気持ちを聞いてこの人は、どんな顔するのかな?
怒る?
呆れる?
それとも、無反応かしら?
どれもあり得て顔が想像つく。それがおかしくてニコニコしてしまう。
ニコニコ?
いや、ニヤニヤだ。
また、日記にあったみたいに、だらしない顔で笑うなというのかな?
貴族らしい洗練された笑みで過ごせ、だったかな?
うふふっ、今なら言える。
エドワード様の顔を正面から見据え、黒曜石のような煌めきの瞳をじっとみつめる。
トクンッ・・・
目があった瞬間、胸がちょっとだけ高鳴ったけどレティシア様のときのように感情の制御不能ほどではない。
その瞳は、ずっと見ていられるほど綺麗だけど、・・・胸が苦しくなるけど、大丈夫。
私は、今日を限りに─────
「貴方がエドワード様ですよね。挨拶は省略します。
私は、『まて』をもうやめます。」
「それは、どういうことかな?」
麗しのレティシア様から、エドワード様と婚約解消しても繋がりは強固でいてくれると、『妹』と思ってくださると憂いがなくなってハイテンションで元気に返事をしたところに知らない声が乱入してきた。
空気を静かに震わせる甘さを含んだ低い男の声。
その方をみれば、必死に止めようとしているジェイクを引きずりながら背の高い、声のとおりの男の人がいた。
それもただの男性でない。今まで見た中でダントツ一番カッコイイ、美形、綺麗な男性。
ダークブルーの髪は、落ち着いて見えるが陽の光をはじくと天使の輪が現れる。
秀麗な顔立ち、黒曜石ような瞳は玲瓏としていて冷たい光を秘めていた。その一つ一つがレティシア様と同じく、黄金パーツ黄金配置のこの世の美の集大作という美しさの具現。
白い肌は軟弱に見えることなく精悍な印象を与える。それも聖騎士に引けを取らない実力のあるジェイクを引きずるほどの力のあるがっしりとした体格にあると思う。
決してマッチョではない。
でも肩幅だったりトラウザーにぴったりと張り付いた腿の筋肉だったりが、その人を実は筋肉質であると教えてくれる。細身に見せるためか、高級感たっぷりの光沢あるジャケットは紺にも見える黒だが、肩から二の腕にかけてがモリッとしている。たぶん僅かにだけど、たぶん、たぶん、なかなかイイ肉体だろうなぁ。
う~~~ん、レティシア様の観察で最近他の人の身体の洞察力が上がってきているような気がする・・・変態チックに。
まあ、つまるところジェイクに邪魔されながらこちらに向かってきている人は、一言で言うとに細マッチョ的超絶美形であるということ。
レティシア様とは違って、男らしいが美術品にひけをとらないくらいの綺麗なのだ。
レティシア様もそうだけど、人外的な美しさがあるなぁ。
でも、レティシア様とは決定的に違いがはっきりしている。
レティシア様は、心の清らかさまでもがその身ににじみ出ている美しさがあるけど、この人は違う。
なんか・・・腹黒?
本性を隠すのがうまい?
だけどそれを上手く隠しているから、なんか人形みたい。
残念だなぁ。
レティシア様によく似た、美しい人だというのに似ているからこそ、その心の中が透けて見えるようだ。
「姉様、ダメだ!こいつを見ちゃダメ。また呪いにかかるっ。」
ジェイクは美麗な男性にしがみ付くように行く手を阻んでいる。
しかし呪いって・・・
「ジェイク、いくら何でも言い過ぎよ。
ぷっくくっ、一応、お客様みたいだし、そんなことしちゃ、ダメでしょ?」
ジェイクの言い方があまりにもアレなもので、噴出さないようにするのがつらかった。
呪い・・・言い得て妙だわ。
「姉様・・・、大丈夫なの?」
それまで客人にしがみ付いていたジェイクは、ポイっと掴んでいた手をほっぽりだして私の傍に来て顔をまじまじ見つめる。
うふふっ、いやだわ。この子ってば可愛い。
心配そうにしてるのに、ほっとしてる。
至近距離で見るとジェイクってば、甘い顔をしてるわよね。
きっと会う人みんなを誑し込めるくらいに、魅力的だわ。私が安心させるために笑いかけるとぱあぁっと嬉しそうな顔になる。本当に心配していたのね。
「うふふっ、勿論よ。
私には、レティシア様という女神様が付いているのよ。呪いなんてかからないわよ。」
いや~ねぇ、この子ってば。
かわいらしいジェイクの頬を撫でてあげると犬の様に擦りついてくる。
ふわふわした髪が揺れてくすぐったい。客人を止めているジェイクの鬼気迫るかんじはちょっと恐かったけど、こうして擦りついてくる顔はご機嫌笑顔だ。ほっぺも男の子なのに柔らかで癒される。
もう、私の弟はなんてかわいいの?
「まったく、君の弟はなんて失礼な・・・」
ジェイクに癒されていると、客人の低い声が響く。あまり大きな声を出していないようなのに、耳によく響くいい声だ。
ジェイクがつかんだせいでよれて皺になったジャケットを手で馴らして此方を睨むように近づいてくる。うわぁ、機嫌悪う・・・
レティシア様に性別的なところを除けばよく似ている美麗男性、その見た目から、どう考えても私の婚約者だと言う、エドワード様で間違えないだろう。
確かに見た目は美しい。
美丈夫というには、もっと美しいんだよなぁ。男性ってわかるけど中性?でもないし、性別とか人とか関係ないって感じかなぁ?
美術館にある、彫刻か絵画の様・・・いや、今の機嫌悪い顔、きれい過ぎて魔王的な?
女神様と魔王?
鑑賞物としてなら魅力的だろうけど、う~ん・・・ないかな?
圧倒的にレティシア様に軍配があがる。レティシア様に会う前なら夢中になれたかもしれないけど、レティシア様を知ってしまった私には、それほどの熱を向けられない。
──────日記を読んじゃうと・・・特にね
「ねえジェイク、この場合『お久しぶり』というのかな?でもさぁ、私的には初対面なわけで『初めまして』?でもないよね?なんていうのが正解なのかな?」
「そうだね、まずは『とっとと帰りやがれで!』でどうかな?」
「え~、それはいくら何でも失礼でしょ?もう顔は見たかったら見れてよかったよ。う~ん、あとは用はない、かな?」
「あっ、そうか『サインをして帰りやがれ』だね」
そうでした、用はあったな。忘れるところだった。
おもわすぽんっと手のひらに拳でたたいて、そ~でしたと思い立つ。だけど、それが第一声としてはどうなのかな?
いくらこのあと、繋がりが希薄になろうとも貴族の社交の場では、会うだろうしザリエル家にマイナスな印象の発言は避けたいなぁ。
「ねえ、クレアはどう思う?」
私とジェイクの会話を静かに傍で影のように聞いていたクレアにも助言を頼む。
「そうですね、私は今のお嬢様の思うままに話されるのがよろしいかと存じます。
溜めていた思いも一緒に。」
考えていたのか、スラスラと言われたアドバイスは的を得ていた。
それもそうね。
今の私で話すことの重要さを思い出した。
記憶がない私には、エドワード様への恋慕は無いに等しい。
だけど言いたいこと、そりゃ山ほどありますわぁ!
偶に見る夢の起き抜けの悪いこと悪いこと。腫れた瞼に痛ましい視線のクレアやメイドたち。なにも聞いてこないけど、何かに感づいている家族。
本人がサインをしないことには、進まない婚約の解消。
早く断ち切って、飛び立ちたい。
心身ともに、軽くなって新しい人生を、家族や友達、周りの人たちと新たな思い出をつくる。
日記や夢の中のように、言いなりになって『まて』はもうやめる。
だから、私は、今の私で言いたいことを言う。
スッと立ち上がり、私たちの近くでやり取りを、無表情に微妙な心情を僅かばかり顔にだしているエドワード様のもとに向く。
さて、私の今の気持ち?
『はじめまして』『私は記憶がありません』『貴方のことはなにもおぼえてません』『婚約解消しましょう』
どれもあてはまるけど、まずはこれかな?
私の今の気持ちを聞いてこの人は、どんな顔するのかな?
怒る?
呆れる?
それとも、無反応かしら?
どれもあり得て顔が想像つく。それがおかしくてニコニコしてしまう。
ニコニコ?
いや、ニヤニヤだ。
また、日記にあったみたいに、だらしない顔で笑うなというのかな?
貴族らしい洗練された笑みで過ごせ、だったかな?
うふふっ、今なら言える。
エドワード様の顔を正面から見据え、黒曜石のような煌めきの瞳をじっとみつめる。
トクンッ・・・
目があった瞬間、胸がちょっとだけ高鳴ったけどレティシア様のときのように感情の制御不能ほどではない。
その瞳は、ずっと見ていられるほど綺麗だけど、・・・胸が苦しくなるけど、大丈夫。
私は、今日を限りに─────
「貴方がエドワード様ですよね。挨拶は省略します。
私は、『まて』をもうやめます。」
50
お気に入りに追加
3,758
あなたにおすすめの小説
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。

王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。

婚約者がツンツンしてきてひどいから婚約はお断りするつもりでしたが反省した彼は直球デレデレ紳士に成長して溺愛してくるようになりました
三崎ちさ
恋愛
伯爵家の娘ミリアは楽しみにしていた婚約者カミルと初めての顔合わせの際、心ない言葉を投げかけられて、傷ついた。
彼女を思いやった父の配慮により、この婚約は解消することとなったのだが、その婚約者カミルが屋敷にやってきて涙ながらにミリアに謝ってきたのだ。
嫌な気持ちにさせられたけれど、その姿が忘れられないミリアは彼との婚約は保留という形で、彼と交流を続けることとなる。
初めのうちは照れながらおずおずとミリアに接するカミルだったが、成長に伴い、素直に彼女に気持ちを伝えられるようになっていき、ミリアも彼に惹かれていくようになる。
極度のシャイで素直な気持ちを言うのが苦手な本来ツンデレ属性な男の子が好きな女の子を傷つけないために、素直な気持ちを伝えることを頑張るお話。
小説家になろうさんにも掲載。

殺された伯爵夫人の六年と七時間のやりなおし
さき
恋愛
愛のない結婚と冷遇生活の末、六年目の結婚記念日に夫に殺されたプリシラ。
だが目を覚ました彼女は結婚した日の夜に戻っていた。
魔女が行った『六年間の時戻し』、それに巻き込まれたプリシラは、同じ人生は歩まないと決めて再び六年間に挑む。
変わらず横暴な夫、今度の人生では慕ってくれる継子。前回の人生では得られなかった味方。
二度目の人生を少しずつ変えていく中、プリシラは前回の人生では現れなかった青年オリバーと出会い……。

夫に相手にされない侯爵夫人ですが、記憶を失ったので人生やり直します。
MIRICO
恋愛
第二章【記憶を失った侯爵夫人ですが、夫と人生やり直します。】完結です。
記憶を失った私は侯爵夫人だった。しかし、旦那様とは不仲でほとんど話すこともなく、パーティに連れて行かれたのは結婚して数回ほど。それを聞いても何も思い出せないので、とりあえず記憶を失ったことは旦那様に内緒にしておいた。
旦那様は美形で凛とした顔の見目の良い方。けれどお城に泊まってばかりで、お屋敷にいてもほとんど顔を合わせない。いいんですよ、その間私は自由にできますから。
屋敷の生活は楽しく旦那様がいなくても何の問題もなかったけれど、ある日突然パーティに同伴することに。
旦那様が「わたし」をどう思っているのか、記憶を失った私にはどうでもいい。けれど、旦那様のお相手たちがやけに私に噛み付いてくる。
記憶がないのだから、私は旦那様のことはどうでもいいのよ?
それなのに、旦那様までもが私にかまってくる。旦那様は一体何がしたいのかしら…?
小説家になろう様に掲載済みです。

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」
21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」
そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。
理由は簡単――新たな愛を見つけたから。
(まあ、よくある話よね)
私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。
むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を――
そう思っていたのに。
「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」
「これで、ようやく君を手に入れられる」
王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。
それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると――
「君を奪う者は、例外なく排除する」
と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!?
(ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!)
冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。
……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!?
自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。

【完結】記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました
Rohdea
恋愛
誰かが、自分を呼ぶ声で目が覚めた。
必死に“私”を呼んでいたのは見知らぬ男性だった。
──目を覚まして気付く。
私は誰なの? ここはどこ。 あなたは誰?
“私”は馬車に轢かれそうになり頭を打って気絶し、起きたら記憶喪失になっていた。
こうして私……リリアはこれまでの記憶を失くしてしまった。
だけど、なぜか目覚めた時に傍らで私を必死に呼んでいた男性──ロベルトが私の元に毎日のようにやって来る。
彼はただの幼馴染らしいのに、なんで!?
そんな彼に私はどんどん惹かれていくのだけど……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる