願いを叶える公爵令嬢 〜婚約破棄された私が隣国で出会ったのは、夢の中の王子様でした〜

鹿倉みこと

文字の大きさ
上 下
31 / 50

31. ノックスのお仕置き ※

しおりを挟む

「ノックス? それはどういう……んぅ!?」


 突然、ノックスの舌がにゅるりと口内に入り込む。
 何が起きたか理解する前に容赦なく舌を絡めとられ、口蓋をぞろりとなでられて、彼の肩にしがみつくことしかできない。
 喉の奥まで犯し尽くさんとするような獣じみたキスに呼吸もままならず、這いまわる舌の感触以外は何も考えられなくなった。


「……は、はぁっ、はぁっ……んぅっ」


 唇が離れると二人の舌先に銀糸が引き、それが切れる間もなくぬるりと唇を舐められる。
 彼の目は今もギラギラと獰猛な光を宿したままだ。

 キスの余韻と彼の視線だけでゾクゾクが止まらない。
 震える足から力が抜けて彼に跨った体勢のままペタリと座り込むと、容赦なく太ももで敏感な粒をぐりぐりと押し潰された。


「あっ! ひっ、やめ……あ、あぁっ」
「ちゃんと体を起こしてろ」


 わけもわからず半ば反射的に膝立ちの体勢へ戻り、彼の肩に掴まって震える足をなんとか支える。
 縋るようにノックスを見つめるけれど、彼は私の視線を無視してシュミーズ越しに左胸をやわやわと揉み始め、そのままぎゅっと鷲掴みにした。
 指の間に乳首がきつく挟まれ、鋭い痛みが走る。


「あぁっ! 乱暴にしないで……あっ」
「乱暴? だが腰が揺れてるぞ。本当に嫌なのか?」
 

 なぜ痛みより快感が勝っているのか自分でも理解できずいやいやと首を振ると、ノックスは指を離し、真っ赤に色づいた先端を爪先でカリカリと引っ掻く。
 きつく挟まれていた場所を優しくあやされ、体がぶるりと震えた。


「あっ、あぁっ、そこやぁっ」
「嫌だ嫌だと言うわりに、体はずいぶん喜んでいるようだが。乳首をこんなに硬くして、エレアノールは淫乱だな」
「はぁっ、あ、そんな、っふ、ぅ」


 ノックスの言葉を否定しようとした瞬間、反論を封じるように反対の乳首を舌で捏ねまわされる。唾液に濡れたレースのザラザラした感触が、強い刺激を生んで腰のビクつきが止められない。
 さらに舐めていた乳首をじゅっという音とともに強く吸われ、舌先で弄ばれると、ほんの少しの痛みとともに鋭い快感が背中を貫いた。


「あっ! 吸わな、あっ、あんっ!」
「こうされたくて、こんな格好で来たんだろ?」
「ご、ごめんなさい……ちがうの、私はただ、不安で……んっ」


 ノックスの責めるような声音に、自分がとても悪いことをしてしまったような気がしてくる。
 思わず謝罪の言葉を口にしたけれど、ノックスは端からそんなものを聞く気はない様子で、乳首の先端をすりすり撫でつつ、再び座り込んだ私の耳をねっとりと舐めまわした。
 
 涙が盛り上がりぽろりと零れるたび、ノックスは濡れた頬にキスをして涙を吸い取っていく。
 そして私を膝に乗せて後ろから抱える体勢になると、乳首をくりくり弄びながら私の太ももの間に両脚をねじ込み、膝を立ててがばりと開いた。


「やっ! 何をするの!? やめ、こんな体勢いやぁっ!」


 強制的に大きく足を開かれ、無防備な割れ目を下着の上からなぞるように撫でられる。
 あまりの光景に耐えきれず顔を手で覆うと、ノックスが厳しい声を出した。


「目を閉じるな。自分がやらかしたことの結果をしっかり見るんだ。触れられている場所から目を逸らすなよ」
「あっ、あっ、いやっ、私は本当にこんなつもりじゃなくて、あぁっ」


 ノックスの言いつけを破るのが怖くて触られている部分を見つめるけれど、指が割れ目に食い込むたびにくちくちといやらしい水音が聞こえて、本当は目を逸らしたくてたまらない。
 羞恥のあまり震えていると、ノックスは私の耳に舌を差し込みながら喉の奥でクツクツと笑った。


「なんだ、エレアノール。少し触っただけなのに、もうこんなに濡れてしまったのか?」
「ふっ、んぅ、わ、私……」
 
 
 ノックスはなおも笑いながら、濡れて使いものにならなくなった布ごと陰核を容赦なく押しつぶし、そのまま左右にぐりぐりと動かした。


「あぁっ! はげし、い、もう許してぇ!」


 ぬるつく布で陰核を磨くようにこすられ、勝手にぐんっと腰が浮き上がる。
 必死に許しを請うけれど、ノックスは逃げようとする腰を押さえつけ、さらに手の動きを速めた。


「やっ、やあぁぁっ! つよすぎ、て、つらいの!」
「これはお仕置きだよ、エレアノール。言っておくが泣いてもやめないからな」

 
 やがて私の体から力が抜けてまともな抵抗ができなくなると、ノックスはその手をするりと下着の中に潜り込ませた。
 先ほどとは比べ物にならないほど大きな水音が、ぐちゅりと部屋に響く。
 つま先をびくつかせながらノックスの手が蠢く場所を見つめていると、彼は膣口からぬるぬるしたものをたっぷりと掬い取り、それを塗りつけるようにして陰核の根元をこすり始めた。


「あぁぁああっ! だめっ、やめてぇ……っ!」


 今までのがお遊びだと思えるほどの快感が、何度も何度も体を貫いていく。
 ばたつく足を難なく押さえ込みながら私の耳元に唇を寄せたノックスは、先ほどまでの厳しい口調とは違い、甘やかすような声音で囁いた。
 
 
「滅茶苦茶にされてたくさん絶頂しような。そうすればきっと、自分が何をやったか身に染みてわかるさ。ほら、昇り詰めるときは『イク』って言って知らせるんだぞ。できるな?」


 ノックスが何かを教えてくれていることはわかるけれど、何も頭に入ってこない。
 一番気持ちいい場所を的確にこすられ続け、拷問のような快感に支配されて、あっという間に追い詰められていった。


「あっあっ、も、ダメぇ! 何かきちゃう!」
「それが『イク』感覚だよエレアノール。さあ、ちゃんと触れられている場所から目を離さずに、自分の状況を説明して。もう『イク』んだろ?」
「あっ、イク……? ノックスの指がっ、あぁぁっ、こすられ、も、イクっ、イッちゃう!」
「ああ、上手だよエレアノール。何度でも教えて?」
「もうイッちゃうの! イクッ、のっくす、もう、イッ……ーー~~ッ!!」


 つま先がぎゅうっと丸まり、体が浮き上がるような感覚に襲われる。
 勝手に体が何度も跳ね、頭の中が真っ白になって仰け反りながら、わけもわからず教えられたことを叫んだ。
 その最中も、ノックスの指の動きは一切止まらない。
 陰核が最初とは比べ物にならないほど敏感になっているのに、同じ場所を同じ速度で淡々とこすり立てられて、度が過ぎた快感にボロボロと涙がこぼれた。


「あぁぁっ! も、終わり、イッてるのぉ! もうむり、やっ、いやぁっ!」

 
 頭を振りたくり解放を懇願するけれど、ノックスは私の涙を舐めとるだけで指の動きを止めてはくれない。
 やがて、彼は笑顔で私の顔を覗き込み、指の動きはそのままにちゅっとキスをひとつ落とした。


「可哀想なエレアノール。はしたない格好でうろついた挙句、男を誘惑などするからこんな目に合うんだぞ?」
「ごめんなさ、許してっ……指、とめてぇ! ぁあぁっ! またっ、ーー~ッ!」
「ほら、イクときは『イク』だろう?」
「やぁあぁっ! イクッ、イッ……ああぁぁっ!」
 
 
 もはや常に昇り詰めたままなのに、ノックスは私が「イク」と言わないと許してくれない。
 
 結局、ノックスの指が激しい動きを止めたのは、延々と続く絶頂で意識が朦朧とし始めたときだった。
 とはいえ、激しくないだけで彼は今もぬるぬると陰核を撫で続けている。


「それで、エレアノールは何をお願いしたかったんだっけ?」
「あっ、あっ、ふぅう……あ、あした、んっ、かくれていて、ほしくて、あんっ」
「そうか、だが親父こそ隠れてもらう必要があるからなぁ」
「で、でも、あぁっ、一番狙われるのは、んっ、のっくす、だから、あぁぁっ」

 
 ゆっくり撫でられるだけでも、快感は確実に溜まっていき、少しずつ昇り詰めていく。
 むしろ、昇り詰めるまでの時間が長いぶん、それが弾けたとき凄まじい快感に襲われるだろうことは想像に難くなかった。


「も、イく……あっ、あっ、すごいのくる、ふっうぅ、こわいっ」
「大丈夫だよエレアノール。最高に気持ちよくなろうな」


 ノックスは私を覗き込むと、優しく微笑んだ。だから、ノックスはもう怒っていないんだと思って、力を抜いて体を委ねた。
 けれどノックスは、きっとまだ怒っていたんだと思う。
 昇り詰めるその瞬間、彼は笑顔のまま再び激しく陰核をこすり出し、限界のその先にある快楽を容赦なく私に叩き込んだ。

 

「やぁぁあぁぁぁぁっ!」
「はは、最高に気持ちいい絶頂だろ? まぁ明日の出迎えの件は、ちょっと話し合ってみるよ。だが、もう寝間着で廊下を歩いたりするなよ、わかったな?」
 

 彼のこの言葉を聞いたのを最後に、私は気を失った。
 
 寝巻きで廊下を歩いてはいけない。
 私は淑女として、これだけは一生徹底していこうと固く心に誓った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない

かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」 婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。 もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。 ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。 想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。 記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…? 不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。 12/11追記 書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。 たくさんお読みいただきありがとうございました!

乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?

シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。 ……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

処理中です...