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ポケットの中の秘密
しおりを挟む「お前これ好きだったろ?俺にはちょっと刺激がキツかったからやるよ」
中学卒業以降、高校ではそれぞれ別のグループに属していたガタイのいい幼馴染が渡して来たものはタブレット型の清涼菓子だった。
確かにいつもこのタイプの菓子を好んで食べてはいるが、いつも少年が食べているのは白色のもの。どちらかというと甘さが強めのもので、強い刺激は求めていない。
対して幼馴染が渡して来たタブレットは黒色のもの。このタイプのタブレットの中では一番刺激が強いものだ。
(ん~…食べる気すら起こらないんだけど…)
まぁ食べないからといって、せっかくくれたものを突き返すわけにもいかないだろう。そう思い、「ありがとう」と言い受け取り、ポケットの中に潜ませた。
◇◇◇
中学の頃は、ソフトテニス部に所属し放課後も部活に励んでいた少年だが、高校に入ってからは帰宅部で放課後は適当に友達とたべったり、カラオケに行ったりして暇を潰してから帰る毎日を送っていた。
しかし、今日はいつもツルんでる友達たちがみんな用事があるらしく、何もせず早い時間から帰宅した。
「ただいまー」
……シーン
そうか、今日は早く帰ったからまだ家族は帰って来ていないのか…いつもの癖で誰もいない空間に帰宅を知らせた少年は、そう思い返し自室へと向かった。
バスンッ
なんとなく何のやる気も出なかった。制服も着替えずにベッドに身体を沈めた音が静かな室内に響いた。
ガラッ…
ポケットから何かの音がした。
(あ、タブレットそのままだ、、、)
友達にでも食べさせようと思っていたが、今日は絡むことも無かったのでそのままポケットに入れっぱなしになってしまっていた。
なんとなく、気になる。そう思った少年は、黒色のタブレットはどのぐらい刺激が強いのか調べようとスマホを取り出し、"〇〇(商品名) 刺激" で検索をかけた。
(ふーん…弱い人は弱いって感じか…)
不自然な検索ではあるが、少年と同じように強い刺激に不安を覚える人は多いらしい。まぁまぁ多いレビューが検索結果に表示された。
(ん?……これなんだ?)
そこには『もう白や青では満足できない。黒は体内から目が覚める感じがしてとても気持ちいい。……詳細』というレビューがあった。
白や青、というのは同じタイプのお菓子の刺激が弱いタイプのもののことだろう。でも、味に関して気持ちいい?どうゆうこと?
気になった少年は詳細のボタンを押し、続きを表示させた。そこには息を飲むようなことが書かれていた。
……どうやら、このお菓子を尻穴に入れて楽しむ方達がいるらしいのだ。
思わず、手の中にある黒いものを見て唾液を飲み込んだ。確かに、口に含むものなのだから下から入れたとしても害はないだろう……。そんなことを考えたが最後。男子高校生の好奇心を舐めてはいけない。
今まで食べる気すら起こらなかったタブレットの蓋を開け、一粒だけ取り出した。
そして、ベルトに手をかけ外し、次はズボンをズラす。下着も膝上ぐらいまで下ろした。
少年は横向きにベッドに転がるようにし、尻を突き出すように膝を曲げた。
思い立ってからは早かった。入れる準備は整った。少年はもう一度唾を飲み込んだ。もう緊張して手に汗をかいている。タブレットが指の上で溶け出していた。
(あっ…溶けてるっ…)
まるで、溶け出したソフトクリームを慌てて口に含むかのように、尻穴にそれを迎えた。
昔、親からされた座薬を思い出す。あの時は、痛いばかりで甘い刺激は知らなかった。なのにどうだろうか、今は自らの指をこんなにも素直に受け入れているなんて。
ボーーっとしながら、昔のことを思い出す。もう、色々と壁を超えてしまった少年の頭はモヤがかかったかのように思考が緩やかになっていた。
「っ!!」
突然だった。体内に風を通したかのような刺激が訪れた。少年は、原因をもちろん知っている。タブレットが潤滑に溶け出したのだろう。
(これはっ…やばいかもしれないっ…!)
最初は、膝を擦り合わせて耐えていた少年だが、慌ててトイレに行こうと立ち上がった。
ダダダダダダッ
この家でこんなに走ったのは、もう小学校ぶりかもしれない。そのぐらい慌ててトイレに駆け込んだ。
便器に座ると、緩やかにそれは訪れた。
ーー便意だ。
ベッドで大便とこんにちは、は避けれた。まさか便意を促すほどの刺激だったとは……。思い付きでやったことだった為、準備はしてなかった。仕方なかったのだろうが、小さい頃漏らしそうになって慌ててトイレに駆け込んだことを思い出して赤面した。
少し経ったら出し切ったのか便意は消えた。だが、入り口付近に清涼感を感じ、トイレットペーパーで拭うとやはりその溶けて薄くなってしまった元凶がいた。これをもう一度入れる気にはならないので、便器に入れ、ウォシュレットでいつもより念入りに肛門を洗い流した後、一緒に流した。
たどたどしい足どりで自室に戻った少年は、また先程と同じような格好をとり、タブレットを手にした。1粒だけ取り出したあと、少し悩んで次は2粒取り出した。
また、尻穴に入れる。まずは1粒。2粒入れるので今度はもっと奥に差し込んだ。そして、2粒目は入り口辺りに差し入れた。
そして、また刺激が訪れるのを待った。少年の目は、ボーーっとしているようにも見えるが、よく見ると期待している。
「あ゛ぁっ…さっきよりもスースーするっ…」
タブレットが刺激を始めた頃にはすでに少年の前側の性器も立ち上がっていた。だが、少年は後ろの刺激に集中したいのか前には手を出さなかった。
「ふんっっ…っあっ!」
声を耐えるかのようにベッドのシーツを握りしめる。自分の意思とは別に肛門が開け閉めする。慣れない刺激に身体は確実に反応していた。
尻穴の奥の方で風が発生し、入り口付近まで流れ出る。そんな錯覚を覚えるほどの清涼感をアナルで感じた。
「これ好きぃっ…んんっ…あっ」
いつもの自慰はハイペースで快感が訪れる。しかし、これは波があり自分で刺激を与えずとも勝手に尻穴が感じてくれる。そんな、感覚が少年には心地よかった。
10分程経つと刺激が止んだ。少年はもう目が虚であるが、もっと刺激を求めた。今度は3粒取り出した。
◇◇◇
「ただいま~~もう誰か帰ってるの?」
帰宅を告げる妹の声が聞こえた。すると少年の頭は覚醒し、慌てて起き上がった。服装を整え、声の主に答えるように、部屋から顔を出すとちょうど目の前に妹がいた。
「あ、お兄ちゃんだったの?お兄ちゃんもさっき帰ったの?」
兄がまだ制服を着ているのに気がついて、そう思ったのだろう。一瞬悩んだが、自分の服装を思い出し、あぁそうかと納得した。
「あ、あぁそうだけど。おかえり。」
すると、妹は訝しげな表情をした。
「ねぇ、お兄ちゃんなんか香水変えた?なんかスースーする感じの。あんまりそっち系の匂い似合わないよ?お兄ちゃんにはちょっと甘めの匂いの方が似合うよ。」
一瞬どきりとした。バレたのかと思った。しかし、バレるはずもないのだ、こんなマニアックな行為。
「そうだなっ…俺もそう思ったからこれはやめるよ。友達からもらったんだけど。」
「うんうん、あっお兄ちゃんの学校に幼馴染の人行ってたよね?あの、ガタイがいい人!あの人の方が似合いそうだからあげたら?じゃあね!」
全く、好きなことを言って自分の部屋に入っていったが、内心ヒヤヒヤした。
少年も自室に戻り、またベッドに座った。ベッドにある黒色のものを一瞬ボーーっと見つめ、今度はポケットの中にしまった。
◇◇◇
昨日のことは一旦忘れよう。そう思い、少年はいつもどおり登校した。
玄関でいつものようにいつもの友達と喋りながら上履きに履き替える。上履きを取ろうと上半身を屈め、腕を伸ばす。
パシッ!
尻を誰かに叩かれた。
「ひゃぁっだ!」
変な声が出て、まわりから笑い声が湧く。恥ずかしい…。そう思いつつ、後ろを振り返ると、例の幼馴染が居た。
「おはよっ!昨日の気に入ってくれた?」
「いつも食べてるやつじゃないからちょっと刺激が強かったかなぁ…」
嘘をついても仕方ない。味の感想を素直に伝えた。
「ふーん、そっか。じゃあ他の人に渡してみるよ。」
「あ、あぁ」
謎の愛着が湧いたそいつを幼馴染に渡した。
シャカッシャカッ
幼馴染はそいつを振った。
「あれ?割と減ってんじゃん笑笑 やっぱこれやるよ」
一瞬時が止まった。言動が矛盾してしまったことに動揺してしまった。
また時が動き始めていた頃には、幼馴染の手がポケットに入っていた。そして、顔が近づき耳元で、
「きもちかった?」
どちらの意味だろう。確かに口の中でも爽快感は感じられるはずだ。しかし、少年は謎のレビューを見て気持ちいいという感想には違和感があることを知っているし、実際下の口では忘れ難い気持ちよさを感じていた。しかし制服にはもう匂いは残っていないはず。昨日、妹に会ったあと念入りにスプレーをかけた。
バレていないはず。そう思っていたが、汗が流れる。しかし、これ以上答えないのはおかしい。
「う、うん。スースーして美味しかったよ。」
戸惑いながらも答えた。この答えはおかしくはなかっただろうか。もう頭の中は真っ白だ。
「そっか!気に入ってくれて良かったよ!じゃっ、またな!」
意味深な表情をしつつそう言いながら、幼馴染は何事も無かったかのように去っていった。
頭にだんだん血が上る。友達に遅れをとらないように、後ろをついていくが内心それどころではなかった。
少年のポケットの中に潜む爆弾はいつまでもつだろうか。家に帰るまで残っていると良いが。
応援ありがとうございます!
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