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第二章 異世界を生き抜くアウトプット

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 ザクザクと更に森を深く進んでいく…。もう辺りは真っ暗に近い。

 しばらく歩いた先で岩壁に突き当たり壁に一部横穴になった箇所までもっひーが案内してくれた。


「ここか…確かに、水没してるっぽい」


 洞穴の入り口はすでに水溜まりになっており、足首くらいの深さがあるようだった…悩んでいても仕方ないし、行けるとこまで行って考えよ。

 足をゆっくりと水の中に入れて地面を足先で確認して歩く。<もっひー>は肩に乗ってきた。一緒に行くようだ…


 じわじわ深くなる水位は、気づけば脇の下辺りになっていた…まだ先はあるようだが、このまま進んでいいものか?一旦引き返して考えるべきでは?そう考えて後ろを振り向いたが、<もっひー>は前をじっと向いたままだった…


 <もっひー>…仔もっひーや長老を助けるには、この先に行かないといけないだもんね、ずっとひとりで頑張っていた、<もっひー>にやっぱり引き返そう。なんて言えないよ…もー!こうなったら

 女は度胸!いくっきゃない!!

一一一一一一一

 足はとっくに地面に着かなくなった、平泳ぎで進んでいるがまだ先が見えない…水に入ってからどのくらいの時間がたっただろうか体が冷えているのかうまく腕が上がらない、<もっひー>も毛が濡れてペタペタになっている。

「どうしよ、<もっひー>まだまだ先なのかな??」

『モッヒ…』

 <もっひー>も限界が近いみたいだ、帰りの事を考えると引き返すなら今かもしれない…あの奥の曲がるところまで行って先が見えなかったら引き返そう、と考えて奥まで進んだ。

 まだ、奥が続いていて先が見えない。

「<もっひー>、残念だけど引き返そう。このまま進むと帰ってこられなくなっちゃうよ」

 辛いけど仕方ない…生きていれば、別の方法を考える事もできるし、あの岩の隙間からなんとか長老を出す方法を<もっひー>と一緒に考えよう!

 <もっひー>からの返事はないが、引き返えそうと体の方向を変えた時…頭に着いていたヘッドライトの明かりが消えた。

「・・・・!?」

 真っ暗になる。水に濡れて壊れたのかもしれない…、落ち着いて、ここまでくるのに一本道だったこのまま壁を伝っていけば迷うことなんてない。まっすぐ進めばいいだけ。

「はぁ、はぁ、ちゃぷ…はぁ、はぁ…」

 真っ暗な中、左手に壁を伝い来た道を戻っていく、明かりがないってものすごく怖い…<もっひー>が肩にいるのがわかるから、1人じゃないから頑張れてるんだと思う…1人だったら恐怖できっと泣いてる。

 明かりが無いのが辛すぎる…こんな時は<すま~ほ>でナビ助にいい案を聞いてみるとか…

 <すま~ほ>…そうだ!!かじかんだ手で<すま~ほ>を操作すると液晶が光り辺りが明るくなった!

 やった!明るくなった!


 <すま~ほ>の明かりに照らされて、気持ちが少し持ち直した!よし、ナビ助に相談して…いやなにを?もう明かりはなんとかなったし、帰りは自分で頑張るしかないし…相談することなくないか?

 (代)を見ながら、ナビ助に頑張って!って言ってもらおうか、なんてちょっと考えた私の目の端に(撥)の文字が入ってきた…

 (撥)、撥水…………撥水!?

 普段雨の時に濡れないように使うだけだけど、やってみるしかない!

 (撥)ぽち!!

 アプリを作動させたその瞬間、回りの水がうねるように動き出した!

「あばばばば…」

 グルグルグルグル、水の中で洗濯機みたいにグルグル回される、ひー!目が回る~<もっひー>を離さないようぎゅっ!と抱きしめた

 突然の浮遊感に、え?と思った瞬間には地面に叩きつけられるよう落ちていた…

 びたん!!・・・・!?

「…いっ………」

 痛みに言葉にならない…


 体をまるめて、しばらく痛みに耐てからゆっくり起き上がった。


 回りには水の壁が出来ている

「すごー」

 (撥)すごい…これがあれば水の中を歩ける!こんな使い方があったなんて知らなかった。


・・・・

 
 違うか…私が<すま~ほ>もアプリも使いこなせてないんだ、ナビ助がいつか言ってた正しく使いこなすってやつ。魔法の道具は未知数すぎるよ。

「私…もっとがんばる、ナビ助」

 密かに決意していると、抱きしめていた<もっひー>が動いた

『モ………モッ…ヒ……』


「<もっひー>しっかりして!もう大丈夫だよ、このまま歩いていけるからね!」

 腕の中でぐったりする<もっひー>を抱き直しながら話すと、帰ろうとした道を奥へ進むため方向転換した。

「いくよ…<もっひー>、必ず長老達を助けるから!」

 さっきまでの不安が嘘みたいに奥へと進む。


一一一一一一



 そこは、暗い水の底に沈んでいたと信じらないくらい光に満ちた場所だった。 

 きっとあのまま水の中を泳いで来ても底から光を放っているのを見つけたんだと思うけど、遮るものがない今、目に痛いほどの光に溢れている…


「きっとここだよね、この光をどうしたらいいの?眩しくてよく見えない…」

 おそらく、目的地に着いたと思われるものの…これからどうしますか?な状態に二の足を踏む。

『モッヒ…』

 腕の中の<もっひー>が、起きてくれた。

「大丈夫<もっひー>?たぶん目的地に着いたよ。あの眩しいところじゃないかな??」

『モッヒー?』

 <もっひー>は、腕の中から体をおこし周囲をキョロキョロ見回している。何が起きたのか理解できてない感じかな?さっきまで、水に沈むところだったもんね…

「モッ!?」

 キョロキョロ見回していた、<もっひー>は光を見つけると腕から飛び降り、ゆっくり近づいていく…

「大丈夫<もっひー>??気をつけてね!」

 私は、後ろから<もっひー>を見守る。頑張って<もっひー>!

 <もっひー>は光の中心に近づき、手を伸ばすと光がゆっくりと収まっていく…しばらくすると<もっひー>は体の半分くらいある透明なボールを持っていた。
 中心から光の粒が反射して先ほどほどではないが、ボールの中でキラキラしている。 
 このボールは水の底にあった台座のようなところにあったらしい。

「<もっひー>、それが欲しかったものだよね?やったね!早く出て長老達を助けよ!」

 私が声をかけると、<もっひー>はこちらを向いて

『モッヒー!!』

 元気に返事をしてくれた。









 
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