放浪カモメ

小鉢 龍(こばち りゅう)

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第三章:それは幾重に積もる時間

違和感と虚しさ

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一ヵ月半にもおよぶ長い旅が終わり、束の間の休息をした鴨居だった。


そして、またいつも通りに二学期が始まる。とそう思っていた。

学校に着いた瞬間に鴨居は、岡崎と新田による熱い包容に苦しむことになる。

二人とも本気で鴨居のことを心配していたのだ。

そうして二人で鴨居を心配しているうちに新田と岡崎にある変化が起きていた。

「実はなカモ……」

なんだか照れ臭そうにする新田。

鴨居は鈍感なので本当に気付いていなかった様で、目をぱちくりさせた。

「オレたち付き合い始めたんだ。ねー?早苗ちゃん。」

新田が惚気て抱きつこうとしたのを岡崎はすかさず制止した。

「人前ではいちゃつかないって約束っスよ。」

どうやら二人の主導権は岡崎が握っているらしかった。

「そぉなんだ!!良かったね、お似合いだよ二人とも。」

そう言って笑った鴨居。

新田は素直に喜んでいたが、岡崎はどこか悲しそうな顔を少しだけ見せた。



授業の鐘が鳴り、また退屈な日々が戻ってきた。

しかしそこにある一点の違和感に鴨居が気付くのは、佐野の研究室に遊びに行った時になるのだった。

「こんにちは先生。」

研究室に入ってきた顔に佐野は少し驚いた。

「鴨居かぁ、久しぶりだなぁ……痩せた?」 

いつも通りにタバコをふかせながら飄々とした態度をとる佐野。

「自転車旅でかなりしぼりましたね。はは。」

しゅっとしまった自分の頬をさすりながら鴨居はそう言った。

「そうだ、先生。最近あんまり杉宮先輩を見ないんですけど休学でもしてるんですか?」

鴨居の質問に佐野は驚愕を隠せなかった。

「先生?どうかしたんですか?」

ふぅ。とため息を吐くと佐野は吸っていたタバコを消して、改めて鴨居の方に向き直った。

「杉宮なら学校を辞めたよ。実家の宿屋の後を継ぐんだそうだ。」

さらっと良い除けた佐野に鴨居が当然のごとく噛み付いた。

「なんで!?いつ!?杉宮さんの意志なんですかそれは!?ねぇ先生!!」

叫ぶ鴨居を一睨みして佐野は制止させた。

「お前さんが旅立ってすぐだよ。やつの決めたことだ、納得していたにせよ納得していなかったにせよ、ヤツが出した答えなんだよ。」

そう言って佐野は再びタバコを取り出し火を点けた。

「なんでだよ。分かんないよ。どうして先生はそんなにも冷静でいられるんですか?オレには分からないよ!!」

そう言い残して鴨居は佐野の研究室から飛び出していった。

佐野は吸いはじめたばかりのタバコを消すと、どこを見るわけでもなく窓から外を眺めた。

「本当に不器用なやつらだよ、お前さん達は。」






澄み切った青空に一転の陰りが見えた。

それはその内に太陽を飲み込んで、大きな影を世界に写しだした。


中庭に出た鴨居。 

たった一人の人間がいない。ただそれだけで、こんなにも景色が違って見えるものなのだろうかと恐怖さえ覚えた。 

「何で黙って居なくなるんだよ、バカ野郎。」

鴨居は怒りに震える手でしっかりと杉宮の電話番号を打ち込んだ。 




『只今電話に出ることができません。御用の方はピーっという発信音の後にメッセージをおいれください。』

感情のこもらない無機質な音が鼓膜を震わせた。

遣る瀬ない気持ちが鴨居を支配していく。

乱暴に電話を切った鴨居は残りの講義に顔を出すこともなく帰路についた。

「ただいま」と言わないのは一人暮らしを始めてからのクセになってしまっていた。

言ったところで返事はないのだから虚しくなるだけ、そう思ったからだった。

「おかえり、カモ。ただいまって言わないから驚いちゃったよ。」

玄関に人の気配がして、様子を見に来たメグが笑顔で鴨居を迎えてくれた。

鴨居はとっさにメグに抱きつくと声を出さずに泣いた。 

杉宮が自分に何も話さずに出ていってしまったことが悔しくて淋しくて、腑甲斐なくて涙が溢れた。

久しぶりに聞こえた「おかえり」の一言が嬉しくて嬉しくて、たまらなく切なくなって鴨居は泣いた。

「どうしたんだろう?嫌な事でもあったのかな?」

まるで小さな子でもあやすかのように、やさしい声を掛けながらメグは鴨居の頭を撫でた。 





見渡す限り、いや見渡せない場所でも世界は絶え間なく回っていて。

悠々と過ごしていたオレには気付くことすら出来ないような早さで、周りでは何もかもが動きだしていた。

それはもう、ちっぽけなオレがどう足掻いたところで止められやしなくて。

ことの重大さに気付いた頃には手遅れになっていたんだ。





違和感はほんの些細なものだった。 

二人でテレビを見ながら食事をするのが当たり前にっていたのに、いつからかメグはテレビを見ようとしなくなった。

そんな頃から頻繁に流れるようになったニュース。

十七歳の女の子が家族に事情も話すことなく失踪して二ヵ月が経つのだという。

少女の名前は「相川  真理恵」。

写真は十年も昔のものしかないらしく、小学生なのにすごく落ち着いているその少女の姿に、どこか鴨居は見覚えがあるような気がしていた。


妙な違和感を確信にかえられぬままに鴨居は一度メグとしっかり話をすることにした。

テーブルが無造作におかれている部屋に二人。

「なぁメグ。メグはちゃんと両親に旅のことは言ってあるんだよね?まさか無断で飛び出してきたんじゃないよね?」

鴨居の真面目な問い掛けにメグはすぐにはきはきと答えた。

「もちろんだよ。黙って出てきたら親が心配して捜索願いでも出されちゃったら旅もできないでしょ?」

笑顔で答えたメグに鴨居は本当に安心した。

「そ、そうだよな。でも、もしこのままオレと一緒に住むんだったら一度ちゃんと親に連絡をしたほうが良いよ。きっと心配しているだろうし。」

そう言った鴨居にメグは「うん」と元気に返事をした。


良い知れぬ不安から解放された鴨居は、安堵からか疲れたのでメグよりも先に布団にはいった。


その夜にメグはどこかに電話をして、そして――鴨居の前から姿を消した。




別れは本当に突然やってきて、虚しさだけをオレの中に置き去りにしては去っていく。

誰が悪いわけじゃないのは分かってる。

でも――

それでも神様。

こうも大切な人が何もいわず離れていってはオレの心がもたないよ。

会いたい。会いたい。会いたい――

今はただ君に会いたい。

そう願うのすら虚しく感じる様になった時、きっとその人を忘れるカウントダウンが始まるのだろう。





メグが突然居なくなってしまった孤独感と悲しみから鴨居は虚無感にさいなまれていた。

世界から色彩が消える。とでも表現するのが一番しっくりとくるかもしれない。

身体には力が入らなく、頭はぼーっとしていて逆上(のぼ)せてしまったかのようだ。

「あ、あれ?」

突然流れだした涙に鴨居自身が一番驚いていた。

温かい雫が頬を伝い床にこぼれ落ちる。

何か悩みがあれば鴨居はいつも杉宮に話をしていた。

他の誰にも言いたくないようなことも杉宮にだったら話すことができた。

今はそんな頼れる人物がいない。

それどころかその人が、自分には何も伝えずに居なくなってしまった。という事実が余計に虚しさを煽っていた。

『ゴッ!!』

振り下ろした拳が床にあたって弾ける。

ジンジンと痛むところから血が滲んでくるのがスローモーションのように見えて、鴨居は悲しくなった。



無造作に引っ張った布団を顔にかける。

布から透ける明かりさえも煩く感じてしまう。そんな自分の弱さに腹が立った。




「ちくしょう……」


メグは大阪の実家に帰ってきていた。

真っ白な外壁に囲まれた広い敷地には、青々と茂るきちんと整備されている庭と大きな邸宅がある。

メグはこの豪華な家がどうしても好きになれずにいた。

「ただいま。」

どれだけ大きな声を出そうと、その言葉に返事などない。

両親共働きなのだからメグが帰ってきても誰も迎えてはくれないのだ。

メグは捜索願いまで出し、昨日の連絡で今日帰ってくるとまで伝えていたのに、やはり自分を迎える人などいないのかと虚しさを通り越し怒りすら感じていた。

「こんなんだったら、こんな家に帰ってくるんじゃなかった。」

メグはわざと靴を脱ぎ散らかし、自分に用意された部屋へと入っていった。

メグの部屋はきれいに片付いていて、女の子の部屋にしては少し寂しい印象を受けた。

大人二人が悠に寝れそうな大きなベッドには、ちょこんと一つ薄汚れた小さなクマのぬいぐるみがあった。

メグはそのクマのぬいぐるみを抱き締める。

「カモに会いたいな……」

その呟きは誰に届くこともなく消えていく。

夜10時をすぎてようやくメグの養母である幸子(さちこ)が帰ってきた。

「真理恵。良かった帰ってきてくれたのね。心配したのよ。」

そう言って幸子はメグを抱き締めた。

「その名前で呼ばないでっていつも言ってるじゃん。私を捨てたヤツが付けた名前でなんて呼ばれたくないんだよ。」

メグの冷たい視線に幸子はびくっと肩を震わせた。

「ご、ごめんねメグ。もう呼ばないわ、だからそんな目でママを見ないで。」

本当に悲しげな幸子の顔にメグは胸が痛んだ。

本当の親のことを養母である幸子にあたったって何の解決にもならないこと、悲しみだけが増していくことは分かっていながらも、メグには養母や養父にあたることしかできなかったのだ。

「ゴメン、ママ。少し疲れてるんだ、私もう眠るね。どうせパパはすぐには帰ってこないのだろうし。」

そう言ってメグは自分の部屋に戻っていった。


メグの予想は悲しいことに的中して、養父、行夫(ゆきお)が帰ってきたのは深夜の2時を過ぎていた。

「もう真理恵は寝ているのかい?」

「あの子まだ真理恵って呼ぶと血相を変えて怒るのよ。気を付けてくださいね。」

二人の会話はいつだってメグの耳に届いていた。

自分が養子としてこの家にいるのを知ったのだって、迎え入れられてから一月もたたないうちだった。

幸子と行夫は、まだまだ幼かったメグには養子であることを伝えずに、相川真理恵という女の子として育てようとしていたのだ。

しかし、そんな思いも知っててか知らずにか、メグは養子であることをすぐに2人に問いただした。


「それにしてもアナタ。こんな時だっていうのにもう少し早く帰ってこれなかったんですか?」

「無理を言うなよ。オレだって早く帰ってきたかったさ、でも無理なんだ君だって知っているだろう?」

少しずつ二人の口調が厳しくなっていく。

「それに君だって仕事で家を空けていたんだろう?どちらかと言えば真理恵が帰ってきた時に迎えてあげなかった君のほうが非難されるべきだと思うが?」

その言葉に幸子は完全に怒りを顕にした。

「なっ、私はあなたが結婚してからも自由に仕事を続けて良いと言うから結婚したというのに。こんな時ばかり私の責任にして、責任逃れもいい加減にしてくださいませんかね!!」

二人の会話は、どんなに布団を重ねてもメグの耳に入ってきていた。





「もう良いよ。あなた達はいつも自分のことばかり。私のことも家族のことだって考えてない。」

抱き締めたぬいぐるみが、苦しそうに震えた。

更けていく夜にメグの涙と、行夫と幸子の罵声が延々と飲み込まれていった。

次の朝。

温かい朝食に暖かで和やかな食卓がメグを待っていた。

「メグおはよう。昨夜はよく眠れたかい?」

コーヒーを片手に行夫はそうにこやかに挨拶をした。

「うん、よく眠れたよパパ。」

昨夜の喧嘩を思い出すとメグはそんな見え見えの和やかさに吐き気がした。

それを決して悟られないようにメグは笑顔で返すと席に座った。

「メグおはよう。バタートーストとフレンチトーストどっちが良い?」

カウンターキッチンから顔をのぞかせた幸子がメグに聞く。

メグはあからさまな作り笑顔をしてフレンチトーストを頼む。

しばらくして出てきた暖かいフレンチトースト。

朝とは思えないような豪華な料理が食卓をかざっていく。

「今日はメグが無事に帰ってきてくれたお祝いよ。好きなだけ食べてね。」

六品もの料理を並べ終えると幸子も席に座り、箸をすすめていく。

暖かいご飯が何故だか温度を持たないようにメグには感じていた。

「あのねママとパパに言いたいことがあるんだ。」

改まってそう切り出したメグ。

二人は不思議そうに顔を見合わせてメグの話を聞いた。

「私、千葉に行って好きな人と一緒に暮らしたいんだ。」

突然の話に、幸子は思わず箸を落としてしまう。

そして動揺を押さえ込み、行夫はメグに言う。

「バカなことを言うな。真理恵お前はまだ高校生の女の子なんだぞ?そんな旅で出会ったばかりの男のところになんて行かせられるわけがないだろう。」

分かり切っていた反応にメグは苦笑いがこぼれた。

「何それ。まるで父親みたいな言い方するんだね。」

「何を言っているんだ?」

メグは今まで押さえ込んでいたものが自分の意志とは関係なく、とめどなく溢れだしてくるのを必死で押さえようとしていた。

しかし思いは幾つもの音になり、言葉として溢れだしていく。

「この家に引き取られる時、私は家族の温もりに囲まれて生きていける。そう思っていた。」

怒りからか、悲しみからか、メグの声は震えている。

「ところがあなたたちは、私に構うこともなく仕事仕事で家には居ない。私はあなた達の家族ごっこ、子育てごっこをするための人形じゃあない!!」

メグが最後に叫んだのとほぼ同時に、『パァァン』と高い音が部屋に弾けた。

「なんてことを言うの。私達はあなたに幸せになってもらいたくて必死で働いてきたのに。それをあなたは……うっ、う。」

メグを叩いた手で幸子は顔をおおいながら泣いた。

「裕福じゃなくたって良かった、私はただ家族で夕飯を食べたかった。学校から帰ったときに「おかえり」と一言言ってほしかった。ただそれだけだったのに。」

流れだした涙を見られる前にメグは涙をふいた。

行夫がメグの元へかけよったが、メグはそれを拒否した。

行き場の失った手を悲しそうに引く行夫。

「そんな悲しい思いをさせていたんだね。本当にすまなかった。許してくれ。」

行夫はその場に土下座をしてメグに謝罪をした。

本人だってわかっていた、そんなことをメグは望んでなどいないことを。

そんなことで過去は取り返しがつかないこと。

心に負った傷は身体の傷のように自然と消えていくものではないことも全部。

全部分かっていても、こうして謝ることしかできなかったのだ。

それだけが今、彼が気持ちを伝えられる唯一の方法だったのだから。



会いたい。会いたい。会いたい――

今はただあなたに会いたい。

そう願うのすら虚しくて。
きっと私はその人を忘れる為のカウントダウンを始めてしまったのだろう。





その週末は行夫も幸子も会社を休み、メグの為に一日を割いてくれた。

だけどメグにしても両親にしても、家族でゆっくりと過ごすのは初めてに近くて、何をしていいのかもわからぬままにその日を終えた。

思い出さぬ様する度に鴨居の笑顔が、声が頭の中を巡っていった。

思い出すな。思い出すな。思い出すな。

そう言い聞かせる度、自分の中に鴨居が色濃く刻まれていくのを、メグはどこかうれしくも感じてしまっていた。

「パパ、ママ。今日は私のために仕事を休んでくれてありがとう。嬉しかったよ。」

メグは思ってもいないことが自分の口からスラスラと出てくることに少しだけ驚いた。

「家族のために休暇を使うのなんて当たり前でしょ。またメグが遊びたくなったらいつでも付き合うからね。」

顔色を窺(うかが)っているような笑顔にメグは虚しさすら覚える。

ここが自分の居場所ではないことは分かっていたが、本当の居場所を見つけてしまうと、こうも心地の悪いものなのかと驚きさえしたのだった。
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