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prologue:積まれた書籍とタバコケース
ルーザの店
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シドは手当たり次第に周囲の物に当たり散らした後、しばらくして肩を切らしながらゆっくりと天を仰いだ。そして、おもむろに胸ポケットを触ると、何も入っていないその色褪せた布をぐしゃりと握りつぶしてぽつりと呟いた。
「ああ、くそっ忘れてた。・・・・・・タバコ切れてんじゃねぇかよ」
そう呟いたシドは、確かな足取りである場所に向かって歩き出すのだった。
ゴミ溜めは元々は世界一栄えた都市であったとされているだけあり、そこに住まう者達と土地との密度はかなり低くなっている。それぞれが思い思いに、とは言っても腐敗した土が行く手を阻む場所もあるので完全な自由というわけにはいかないが、それぞれの生活圏を個人の区画としている。特に、他人の区画に立ち入ってはならないということもないのだが、今朝のマーズの様に誰かに会いに行く者はそう多くはない。他人の区画に無断で立ち入れば、その者は何かを盗むつもりだったと思われても仕方がない。法整備などされているわけではない場所なので、誰かがそれを裁くことなどありはしないが、信用を失くすことはこの地では法に裁かれるよりも致命的になるからだ。
「おう、シガ爺。腰はどうよ?」
「まだちいと痛むが、良いよ。シド先生」
「よ、今日は顔色良いじゃねぇかツクシん坊、母ちゃん元気か?」
「シド先生!!今日は痛みが少ないかな?母ちゃんなら食い物探しにいったよ、シド先生が通ったって伝えとく」
シドは目的地に辿り着くまでの道にある、全ての区画に立ち寄っていく。普段は周りと隔絶された区画に人の気配を感じれば誰もが警戒をする。しかし、その訪問者の顔を、清潔に保たれた白衣を見て誰しもが警戒を解き、顔をほころばせる。そして、シドの嫌うその呼び方で嬉しそうに名前を呼んだ。
「シド先生ご無沙汰だねぇ」
「あら、シド先生。ほらアン、あなたの怪我を診てくれたシド先生よ」
「誰かと思えばシド先生じゃねぇか、もっと顔出してくれよ淋しいじゃねぇか」
「シド先生」
「シド先生」
おおよそ全ての区画を周り、予後を確認してシドは「だから、先生じゃねぇって言ってんだろうが」と、ぼそりと呟いた。その顔は、決して険しくはなかった。
そして、そこから更に僻地に踏み込んでいく。ゴミ溜めは近隣諸国に隣接する区画に、総量の中でも相当な割合のゴミが溜められている。中心地にいくほど外からのゴミが少なくなると同時に、放棄された建物の原型が崩れたものが多くなっていく。ヒュージの落下地点に近づく程に建造物はボロボロになっていくが、ある地点を境にそれらの痕跡すら残さない砂礫と、腐敗した土だけの景色になる。腐敗し粘度の高まった土は泥の様にぬかるみ、足を取る。シドの様に擦り切れていようとも靴を履いているものはまだマシではあるが、それでも独特な粘着音と踏む度に沈み込み滑るような足場は心地よいものではなかった。
目的地はとある一軒家で、それは決して豪華な建物では無かったが明らかにヒュージの落下以後に建てられたものであることが分かった。異彩を放つその一軒家を訪れる者はそうは多くないが、シドを含めた人々はある機会に必ずここを訪ねる。
「おや、誰かと思えば泣き虫坊主じゃないかい」
一部屋しかないその建物は、バーのカウンターの様な造りをしていた。勿論、客に出すような酒が陳列されているわけでも、娯楽設備があるわけでもない。あるのは、バーカウンターと数枚の額縁に入れられた絵画、そして、珍客が座る為の椅子が幾つかのみ。
「けっ、相変わらず年甲斐もねぇ派手なもん着てやがるな」
そう悪態をつきながら、シドはカウンターの前にある椅子の一つに座る。そのカウンター越しで、シドを子ども扱いをして招き入れた店主が太い葉巻をふかしながら不敵に笑っていた。年を重ね刻まれた皺は、厚い化粧で上手に隠されている。シドが年甲斐も無いと言った、ドレスは大胆に胸元をはだけさせ、カウンター越しには見えないが左右に大きなスリットが施されている。ワインレッド一色のドレスに、はだけた胸元を飾るごてごてとした宝石が、薄っすらと灯る灯りの光を反射させている。しかし、そんなモノには到底目が行かないのは、バサバサと生えたまつ毛が影を落とす猛禽類の様な鋭い目と、古代の魔女を思わせる鉤鼻のせいだろう。
「ふん、餓鬼が大人のドレスの何が分かるってんだい」
そう言って、店主は真っ赤なルージュをひいた口から白い煙をシドに吹き付ける。シドは、顔を逸らしながら煙を手でぱたぱたと払った。シドはその葉巻独特な臭いと、床の木の仄かな香りが嫌いではない。
「で、今日は何が望みだい?」
「話が早くて助かるぜ、ルーザ」
ルーザはぷかぷかと葉巻をふかし続ける。この店は、ルーザの個人店であり取引をする為の密談の場となっている。勿論、この地での鉄則に従ったものだ。
「タバコが切れちまったんで分けて欲しい、対価はいつものでどうだ?」
「あんた未だあの幼稚な吸い方してんのかい?」
ルーザはそう尋ねるが、シドが答えることはなかった。しばらくシドの顔を見ていたルーザは、白煙交じりのため息をこれ見よがしに吐いてから、カウンターの下を漁り、目的の物をシドに放り投げた。
「ほら、とりあえずそれは受け取りな」
「へっ、よくもまあこんな時世に、こんな場所でタバコが手に入るもんだぜ」
「ふん、うちは狭いが取り扱っていない商品は無い。舐めるんじゃないよ」
シドは受け取った新品のタバコケースを胸ポケットに入れる。
「さすがは、あの悠久の騎士団でさえ一目を置くブローカーと言われるだけのことはあるな。ありがたく頂戴していくぜ」
そう言って、シドが席を立とうとするのをルーザが止めた。
「まあお待ちね坊や」
「ああ、くそっ忘れてた。・・・・・・タバコ切れてんじゃねぇかよ」
そう呟いたシドは、確かな足取りである場所に向かって歩き出すのだった。
ゴミ溜めは元々は世界一栄えた都市であったとされているだけあり、そこに住まう者達と土地との密度はかなり低くなっている。それぞれが思い思いに、とは言っても腐敗した土が行く手を阻む場所もあるので完全な自由というわけにはいかないが、それぞれの生活圏を個人の区画としている。特に、他人の区画に立ち入ってはならないということもないのだが、今朝のマーズの様に誰かに会いに行く者はそう多くはない。他人の区画に無断で立ち入れば、その者は何かを盗むつもりだったと思われても仕方がない。法整備などされているわけではない場所なので、誰かがそれを裁くことなどありはしないが、信用を失くすことはこの地では法に裁かれるよりも致命的になるからだ。
「おう、シガ爺。腰はどうよ?」
「まだちいと痛むが、良いよ。シド先生」
「よ、今日は顔色良いじゃねぇかツクシん坊、母ちゃん元気か?」
「シド先生!!今日は痛みが少ないかな?母ちゃんなら食い物探しにいったよ、シド先生が通ったって伝えとく」
シドは目的地に辿り着くまでの道にある、全ての区画に立ち寄っていく。普段は周りと隔絶された区画に人の気配を感じれば誰もが警戒をする。しかし、その訪問者の顔を、清潔に保たれた白衣を見て誰しもが警戒を解き、顔をほころばせる。そして、シドの嫌うその呼び方で嬉しそうに名前を呼んだ。
「シド先生ご無沙汰だねぇ」
「あら、シド先生。ほらアン、あなたの怪我を診てくれたシド先生よ」
「誰かと思えばシド先生じゃねぇか、もっと顔出してくれよ淋しいじゃねぇか」
「シド先生」
「シド先生」
おおよそ全ての区画を周り、予後を確認してシドは「だから、先生じゃねぇって言ってんだろうが」と、ぼそりと呟いた。その顔は、決して険しくはなかった。
そして、そこから更に僻地に踏み込んでいく。ゴミ溜めは近隣諸国に隣接する区画に、総量の中でも相当な割合のゴミが溜められている。中心地にいくほど外からのゴミが少なくなると同時に、放棄された建物の原型が崩れたものが多くなっていく。ヒュージの落下地点に近づく程に建造物はボロボロになっていくが、ある地点を境にそれらの痕跡すら残さない砂礫と、腐敗した土だけの景色になる。腐敗し粘度の高まった土は泥の様にぬかるみ、足を取る。シドの様に擦り切れていようとも靴を履いているものはまだマシではあるが、それでも独特な粘着音と踏む度に沈み込み滑るような足場は心地よいものではなかった。
目的地はとある一軒家で、それは決して豪華な建物では無かったが明らかにヒュージの落下以後に建てられたものであることが分かった。異彩を放つその一軒家を訪れる者はそうは多くないが、シドを含めた人々はある機会に必ずここを訪ねる。
「おや、誰かと思えば泣き虫坊主じゃないかい」
一部屋しかないその建物は、バーのカウンターの様な造りをしていた。勿論、客に出すような酒が陳列されているわけでも、娯楽設備があるわけでもない。あるのは、バーカウンターと数枚の額縁に入れられた絵画、そして、珍客が座る為の椅子が幾つかのみ。
「けっ、相変わらず年甲斐もねぇ派手なもん着てやがるな」
そう悪態をつきながら、シドはカウンターの前にある椅子の一つに座る。そのカウンター越しで、シドを子ども扱いをして招き入れた店主が太い葉巻をふかしながら不敵に笑っていた。年を重ね刻まれた皺は、厚い化粧で上手に隠されている。シドが年甲斐も無いと言った、ドレスは大胆に胸元をはだけさせ、カウンター越しには見えないが左右に大きなスリットが施されている。ワインレッド一色のドレスに、はだけた胸元を飾るごてごてとした宝石が、薄っすらと灯る灯りの光を反射させている。しかし、そんなモノには到底目が行かないのは、バサバサと生えたまつ毛が影を落とす猛禽類の様な鋭い目と、古代の魔女を思わせる鉤鼻のせいだろう。
「ふん、餓鬼が大人のドレスの何が分かるってんだい」
そう言って、店主は真っ赤なルージュをひいた口から白い煙をシドに吹き付ける。シドは、顔を逸らしながら煙を手でぱたぱたと払った。シドはその葉巻独特な臭いと、床の木の仄かな香りが嫌いではない。
「で、今日は何が望みだい?」
「話が早くて助かるぜ、ルーザ」
ルーザはぷかぷかと葉巻をふかし続ける。この店は、ルーザの個人店であり取引をする為の密談の場となっている。勿論、この地での鉄則に従ったものだ。
「タバコが切れちまったんで分けて欲しい、対価はいつものでどうだ?」
「あんた未だあの幼稚な吸い方してんのかい?」
ルーザはそう尋ねるが、シドが答えることはなかった。しばらくシドの顔を見ていたルーザは、白煙交じりのため息をこれ見よがしに吐いてから、カウンターの下を漁り、目的の物をシドに放り投げた。
「ほら、とりあえずそれは受け取りな」
「へっ、よくもまあこんな時世に、こんな場所でタバコが手に入るもんだぜ」
「ふん、うちは狭いが取り扱っていない商品は無い。舐めるんじゃないよ」
シドは受け取った新品のタバコケースを胸ポケットに入れる。
「さすがは、あの悠久の騎士団でさえ一目を置くブローカーと言われるだけのことはあるな。ありがたく頂戴していくぜ」
そう言って、シドが席を立とうとするのをルーザが止めた。
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