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復讐編
ep12 黄昏れる美少女
しおりを挟む気づけば1人暗闇に立っていた
先には眩い光が一点…
自分はそこに向かって歩き出した
その光を追い求めていると
突然底が抜けたように自分の身体は落ちていく
「あー、、 死ぬのか」
と独り呟くと気づいたときには
椅子に座っていて周りには 草原 が広がっていた
「セイシロウさん またお会いしましたね」
明るい声がする方を見ると
あの人形のような 美しさ を持つ
例の少女が立っていた
自分は真っ先に
「あんたは誰なんだ?…
何故自分の名を知っている?
何を知っている?……
そもそも実在しているのか?……」
次々と頭に浮かんでくる疑問全て声に出した
するとその少女は
「狂うほどに君が望んでいた
秩序が破壊された世界はどう?………」
コチラの質問に答えるつもりはないらしい
仕方なく自分は
「まだなんとも言えない…
しかし復讐を遂げることでしか自分の 存在価値 は
見いだせないとは思っている… 」
自分がそう答えると
彼女はそっぽを向いてため息をつきながら
「存在価値 って言葉は苦手だなぁ 」
「ソレはこの世にあるものは
全部結果を出さないといけない
そうではないと存在する 意味 がないと
勝手に縛り付けるから………」
そして続けて
「楽斗さんや美九さんを…
貴方の 仲間 を見捨てるのですか?… 」
彼女の言葉でようやく状況を思い出した
自分はゾンビにやられて気絶していたことを…
「当然…当然っ見捨てたくないっ…!!
しかし一回攻撃を受けてわかったんだよ………
あの化け物には……勝てない、、」
そう言いながら奴を思い出してしまい
情けなくも体は震え奥歯がカチカチと鳴った
虐められている頃と何も変わらない……………………
すると彼女は
「貴方は レゾンデートル って言葉を
知っていますか?」
コチラに歩み寄りながらそう聞いてきた
今関係あるのか? なんて思いながら
「だからそれが自分のいう
存在価値 って意味の言葉だよ……」
色々な負の感情でできた濁流に飲み込まれるなか
イラつきながら自分は答えた
「半分合っていて、半分違っています……」
そう彼女は続ける
今度は自分の方へ歩み寄り手を握って
「確かにそんな意味もありますが…
レゾンデートルは 存在価値 と違って 」
「もう1つの意味で…
<生きがい> という意味も持ちます 」
いきなり手を握られ驚きと戸惑いを隠せなかった
そう言えば初めてまともに彼女を見た気がする
彼女の目に、唇に、微かに震えている手に
何処か懐かしいものを感じたと共に
彼女の言葉を聞いて自分の中で何かが目覚めた
「復讐をするのも友を守り抜くのも
今のあなたを支える立派な生きがいなのでは? 」
その励ましを受けて
自分は今しなければならないことを理解した
彼女の目に視線を移しながら口を開く
「自分は強欲かな?…」
「何がですか?」
「自分は狂ったこの世界で 友を守りながら
俺をバカにしたやつに復讐し
そして 幸せ になりたい… って思うよ 」
なんとなく彼女が答えないことは解っていた
自分は彼女の目を見つめながら続けて
「ありがとう……」
素直に気持ちを伝えたが
ソレに対する返答も彼女がすることはなかった
残念に思っていると急に身体が重くなって
ジワジワと意識が戻っていくのがわかる
壁か何かにもたれかかっている感覚が伝わってきた
そうして自分は目を覚ます
心に夥しいほどの 殺意 を宿しながら…………
「殺してやるッ………!!」
そう呟いて走りだした
この感情を表すにはこの言葉で十分なのだ
~ ep12完 ~
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