自衛官?異世界転生して、現代兵器の軍団率いて大国相手に勝利します。

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第5章 海賊殲滅作戦

第42話 訓練教官!?

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 ガンディアス陛下との決闘にほとんど一方的に勝利した。
 闘技場を後にし、客室に戻るとすでにリサとティア、フィルが部屋にいた。

「お帰りなさいませ、さすがマンシュ様ですね!まさかガンディアス陛下に勝利するとは、驚きました」
「ホントにね、本気のお父様に勝つとか、お母様に全力を出させただけはあるわね」
「さすがにあれはずるいと思ったけどまさか王妃様が許可を出すとは思わなかったよ」

 リサとティアは誉めてくれたが、フィルは俺の勝ち方があまりに一方的だったので、せこいと思っているようだ。

(仕方がないだろ!?王妃に頼まれたんだから!下手に手を抜くわけにはいかなかったんだ!!)

 ほんとは、声に出したかったがドアが開く音が聞こえたので、声に出さなかった。
 部屋に入って来たのは、アリーシャ王妃とルース王妃だった。

「ははは!あそこまでボコボコにするとは、思ってたよりも優れた能力を持っていたのだな!」
「うふふふ。あの人にはいい薬になるわ。今回の件を反省してほしいものですね」

 よくあることなのか、王妃の2人は笑いながら俺を褒めてくれた。
 しかし、あれほどの群衆の前で国王を一方的に倒してしまって良かったのだろうか、疑問に思ってしまったが王妃の2人が何も言わないので、問題ないのだろう。

「そこでだ。マンシュ、君には同盟の話し合いが終わるまで訓練教官をしてもらいたい。勿論報酬も払うし、この国に来たときはそれなりの便宜を図るつもりだ。どうだろうか?」
「私が訓練教官ですか!?私のような若造にそんな事無理ですよ!」

 本音を言えば別にできない事は無いのだが絶対めんどくさいことが起こる予感がしているので、出来れば受けたくない。

「そんな事はないぞ!私に本気を出させた上に、旦那を一方的に敗北に追いやるなどそうそう出来る事ではないからな!」
「アリーシャの言う通りよ。話を聞くかぎり、あなたは様々な武器を扱えるそうじゃない。なら訓練教官に向いていると思うのよ。兵士隊のいい訓練にもなると思うからお願いできないかしら?」

 王妃2人にそこまで、言われると断ると言う事はできないので受けるしかなかった。

「分かりました。会議が終わるまでの間ならお受けいたします」

 エンリル王国とクリスティミア公国との同盟について話し合うとのことで、しばらく時間が欲しいとのことで、その間俺に城にいる兵士たちに訓練をしてほしいとのことで、明日から兵士たちの訓練に参加する。


 翌日、アリーシャ王妃と戦った訓練場を訪れていた。
 まだ、訓練開始時間ではないようだが何人か自主訓練している者の姿も見える。
 その中の1人がこちらに近づいてくる。

「あなたは・・ああ!昨日陛下と決闘されていた方ですね?」
「はい。マンシュと申します」
「そんなにかしこまらなくていいですよ。私はアランと言います。第1師団所属の小隊長です」
「アランさんは朝早くから訓練をしているのですか?」
「はい。我々は時々海軍と協力して海賊対策に当たっていますので、遅れを取ることのないように」

 アランと話をしているといきなり上から何者かが襲いかかってきた。
 とっさに手甲でナイフを防ぎ、ナイフを持っていた手を掴み、勢いを利用して地面に叩きつけ、そのまま腕挫十字固を極めた。
 
「ちょっと待て!キブギブ!!キブギブ!腕が千切れる!」

 襲ってきた相手が固め技から逃げられないと分かり、ギブアップしてきた。
 よく見てみるとナイフは刃引きされた訓練用の物で、こちらを殺す気はなかったようだ。

「また、お前か、ミニス」
「または!ないでしょ!?または!」

 間接技をくらいながらアランと話していた。

「とりあえず、こいつの腕折ってもいいですか?」
「何でそうなるの!?痛い!痛い!折れる!ホントに折れるって!?」
「マンシュ殿とりあえず、こいつを放してやって下さい。私の幼馴染みなんです」

 そう言われたので、間接技を解いてやった。

「痛てててて!アラン!何なのこの人!?女の子にも容赦無さすぎでしょ!?」
「それはお前が悪い」
「痛て!」

 文句を言うとミニスと呼ばれた少女は、頭にチョップを食らっていた。

「客人にいきなり襲いかかっておいて、無傷でいるだけありがたいと思え」
「いやー、王妃様と陛下に一目おかれる実力がどんなものか、見てみたくて・・・」
「で、渡り廊下の上に隠れていたと?」
「先に言っておきますが気配がしていたので、バレバレでしたよ?」

 実際視線を感じていたので、誰かしらいるとは思っていた。まさか攻撃してくるとは思っても見なかったがいると分かっているので問題なく無力化できた。

「そう言えば、マンシュ殿はなぜ訓練場に?」
「はい。訓練教官をお任せしたいと王妃2人に言われまして、短期間ですが教官をやることになりました」
「「・・・・え?」」

 2人が口を揃えて固まった。

「どの部隊かは、分かりませんが訓練教官を今日から入ることになっています」
「我々はそんな話聞いていませんが!?」
「私の部隊に当たりませんように!」

 アランさんは、聞いていなかったようで、少し驚いていた。
 一方でミニスと呼ばれた少女は、自分の所属している部隊に当たらないように神頼みしていた。
 とうの俺自身、どれほどの規模の部隊の訓練を担当するとかは、聞いてないのでとりあえず訓練場に来たのだ。
 そこでたまたま、アランさんと他数人が訓練しているのを見つけたという感じだ。
 そこにミニスがいきなり入り込んで来て、今の状態に至っている。
 そうしているとアリーシャ王妃が訓練場にやって来た。

「マンションもうここに来ていたのか!どの部隊を訓練するか伝え忘れていたのでな、伝えに来た。お前が訓練教官を任せることにしたのは、アランの第7小隊、それと第9小隊の訓練を頼む。この2つの小隊はティアの護衛として、貴国に派遣する事に決まったのでな!訓練を厳しく頼むぞ!!」
「分かりましたがどのような内容をご希望ですか?」
「それはお前に任せる!好きにしてくれ、言うことを聞かないようなら半殺しまにしてくれて構わないぞ?」

 アリーシャ王妃は笑顔でそう言ってきた。

「私なりの訓練方法になりますがよろしいですね?あと出来れば森などの広い場所の方がやり易いのですが?」
「それならアルデオの森に行くといい。軍の訓練場だが今の時期は使われてないはずだ。あそこなら広さも十分あるうえに近くに宿泊用の城があったはずだ。明日から使えるように手配しておこう」
「ありがとうございます。ちなみにですが会議は長引きそうですか?」
「一種間以上は掛かりそうだ。我ら魔族だけで十分帝国に対抗できると思っているバカな者どもが大勢いてな、納得させるのに苦労しそうだ」

 アリーシャ王妃はため息ながらに答えた。

 魔族は力の強い者に従うと言う文化がある。
 王族は絶対的な強さを持って種族事に別れていた魔族を従わせ、この国を興したと言う。
 この通りならガンディアス陛下を倒した俺が王になるのだが、この国で最も強いのは陛下ではなく、アリーシャ王妃なのだ。
 女性が王になると言うのは、まだ、珍しく女王か納める国はほとんどない。そのため、ガンディアス陛下が国王に就いている。
 それに俺自身一度アリーシャ王妃に完敗しているので心配する必要はほとんどないだろう。

「第9小隊はもう少しでここに着くと思う。やつらは少し特殊でな普通の任務ではなく、情報収集や後方撹乱等を専門に行う部隊だ。影からティアを護衛させる。こいつらをとくに!厳しく頼む!!」
「分かりました。私の知る限りの訓練をさせていただきます」

 答えるとアリーシャ王妃は満足そうに帰っていた。 
 一方、俺が訓練教官になったことを知ったミニスはこの世の終わりのような顔をしていた。

「なんで、なんで、こいつが教官になるのさ!?」
「命令なんだから仕方ないだろ、ついでにお前の性根を叩き直して貰え!」

 アランさんとミニスがそんな話をしながら文句を言うミニスをアランさんが慰めている。
 思ったよりも大変な事になりそうな予感がしてきた。


 

 
  
    
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